
この記事のまとめ
- 介護士とは、介護の仕事をする人全般を指す言葉で、ヘルパーとも呼ばれる
- 介護士の仕事内容は、身体介護、生活援助、レクリエーションの運営など
- 介護士になるための要件はないので、無資格・介護未経験からも転職できる
「介護士の仕事について詳しく知りたい」という方もいるのではないでしょうか。介護士は、排泄介助や家事のサポート、介護記録の作成など、いろいろな業務を担当する職種です。この記事では、介護士の仕事内容や働き方、給料事情を解説。介護士になる方法や、役立つ資格、介護士として働く人のエピソードもまとめました。介護士に向いている性格をご紹介するので、「自分は介護士として働ける?」と疑問に思っている方はご覧ください。
介護業界で働く職種一覧!仕事内容や必要な資格、給与をご紹介目次
介護士とは?
「介護士」とは、介護施設や訪問介護事業所に勤務して、介護の仕事をする人の総称です。高齢者や障がいがある方など、自立した生活を送るのが困難な方に対して、身体介護や生活援助などを提供します。介護士は、専門的な知識や技術が求められる専門職です。
介護士は、職場によって「ヘルパー」や「介護職員」「介護スタッフ」「ケアスタッフ」などとも呼ばれています。介護に関係する資格は多くありますが、「介護士」という名前の資格はありません
介護士と介護福祉士の違い
介護士と介護福祉士の違いを、以下の図で確認してみましょう。

先述したとおり、「介護士」は介護の仕事をする人全般を指す総称です。介護に関係する資格は多くありますが、「介護士」という名前の資格はありません。無資格の人も、介護の資格がある人も、まとめて介護士と呼ばれます。
一方、「介護福祉士」を名乗れるのは、介護福祉士国家資格を取得して、資格登録をした人のみです。介護福祉士は、介護業界唯一の国家資格となります。
介護士と介護福祉士の給料や仕事内容の違いを詳しく知りたい人は、「介護福祉士と介護士の違いを解説!仕事内容や必要な資格、給料を徹底比較」を参考にしてください。
介護士とヘルパー(ホームヘルパー)の違い
介護士とヘルパーに明確な違いはなく、どちらも「介護の仕事に就いている人」を表します。ただし、ヘルパーという言葉は、訪問介護事業所で働く「訪問介護員(ホームヘルパー)」を指して使われることが多いようです。
ホームヘルパーの仕事内容については、「ホームヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容や必要な資格、給料を解説」で解説しています。
今の職場に満足していますか?
▼関連記事
介護士になるには資格が必要?未経験から就職・転職するコツをご紹介
介護士の仕事内容
介護士の主な業務内容は、直接利用者さん(介護が必要な方)の身体に触れて行う「身体介護」と、間接的に生活をサポートする「生活援助」です。
利用者さんが自分らしく生き生きと暮らしていけるように支援するのが介護士の役割なので、レクリエーションやイベントを企画する施設も多くあります。
ここでは、介護士の仕事内容を解説するので、チェックしてみてください。
身体介護
介護士が行う身体介護とは、利用者さんの身体に直接触れて行う介護のことです。主な身体介護を箇条書きにしてまとめたので、確認してみましょう。
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 更衣介助
- 移動・移乗介助
入浴や排泄、更衣の介助をすることで、利用者さんが清潔を保ち健康に生活できるように支援します。また、利用者さんが転倒してケガをしないために、移動の見守りや手伝いをするのも身体介護です。
生活援助
生活援助とは、利用者さんの身体に直接触れない介護のことです。日常生活に必要な家事を代行して、利用者さんの暮らしをサポートします。具体的な仕事内容は以下のとおりです。
- 掃除
- 洗濯
- 買い物
- 調理・配膳
介護士は、利用者さんが自分で行うのが難しい家事のみを手伝います。すべての家事を介護士がしてしまうと、利用者さんのできることが減ってしまう可能性があるからです。
生活援助では、「利用者さんが洗濯機を回して、介護士が洗濯物を干す」「利用者さんに買い物リストを作っておいてもらう」など、できる部分はご本人に担当してもらいます。
レクリエーションの企画・運営
介護施設で行う、体操や歌、イベントなどを、レクリエーションといいます。レクリエーションは、利用者さん同士がコミュニケーションを取るための大事なきっかけです。体を動かして身体機能の向上を図る、頭を使って認知機能の維持を目指すといった、リハビリの役割もあります。
多くの介護施設はレクリエーションに取り組んでおり、企画や運営を行うのが、介護士の仕事です。「レクリエーションって具体的にどんなことをするの?」と気になる方は、「高齢者向けのレクリエーション25選!盛り上がる進め方や企画のコツも解説」を参考にしてみてください。
介護記録の作成
利用者さんのサポートは、複数の介護士や看護師などがチームとなって行います。そのため、利用者さんの様子や援助内容を記録して、情報共有をすることが大切です。介護記録は、実際に利用者さんの介護をしたことを証明する重要な書類といえます。
最近は、介護業界の電子化が進み、スマホやタブレットを使って介護記録を作成する職場も増えてきているようです。
▼関連記事
介護記録の上手な書き方のコツとは。基本や例文を解説!
送迎業務
利用者さんが自宅から通う通所型の介護施設の多くは、車での送迎を行っています。送迎業務があるのは、デイサービスやデイケア、小規模多機能型居宅介護事業所といった施設です。専任のドライバーがいない場合は、介護士が運転することも少なくありません。
介護士の仕事内容については、「介護職(介護士)の仕事内容とは?資格は必要?やりがいやメリットもご紹介」で解説しています。
介護士の働き方
ここでは、介護士の働き方をご紹介します。雇用形態やシフト体制、労働条件が気になる方はチェックしてください。
介護士の雇用形態
介護士には、正社員や契約社員、パート・アルバイト、派遣社員といった多様な雇用形態があります。また、訪問介護事業所では、「週1日・1時間から」希望の時間で働ける、登録ヘルパーという働き方も可能です。
それぞれの雇用形態の特徴を知りたい方は、「介護士の雇用形態とは?正社員や派遣などの違いやメリット・デメリットも」の記事を参照してください。
介護士の勤務時間とシフト
介護士は、日勤・夜勤の両方を担当する働き方と、日勤のみ(夜勤なし)、夜勤専従の働き方があります。日勤のシフトには、早番や遅番がある施設も少なくありません。以下で、介護施設のシフトの例を見てみましょう。
- 早番:午前7時~午後4時
- 日勤:午前9時~午後6時
- 遅番:午前11時~午後8時
- 夜勤:午後5時30分~翌午前9時30分
介護施設は、8時間の勤務で60分休憩、16時間の夜勤で2時間休憩といったシフトが一般的です。なお、勤務体制は職場によって異なるので、シフトの例は参考程度にご覧ください。
▼関連記事
介護士さんの勤務時間はどれくらい?1日の仕事内容や夜勤の特徴も解説!
介護士のお休みの取り方
全国の介護士に職業実態を調査した「きらケア介護白書2022(p.14)」によると、介護士(正社員)の月の平均休日日数は、9日が44.4%で最多となっています。また、同資料(p.15)によると、直近1年間の有給取得日数は、1~6日が全体の42%という結果でした。
介護士の休日日数は職場によって幅があり、年間休日120日以上の求人もあります。介護施設の休みの取り方は、シフト制と曜日固定休みという2パターンです。土日に休める職場もあり、休みの取り方は介護士ごとに異なります。
介護士の休みについては、「介護士の休みは何日くらい?土日は出勤?年間休日数や有給取得率もご紹介」を参考にしてみてください。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2025年11月17日)
介護士の仕事中の服装
介護士は、清潔感があり、動きやすい服装で仕事をするのが基本です。制服の有無は施設によって異なります。自分で用意する場合の服は、Tシャツ・ポロシャツなど。ズボンは、ジャージ・チノパンなどが良いでしょう。また、靴はスニーカーがおすすめです。施設の外で利用者さんの移動介助を行うときだけではなく、施設内でも、足が滑らないように靴を履きましょう。
髪の長い人は、仕事の邪魔にならないように束ねましょう。髪色については、金髪OKから黒髪のみなど、施設の方針によってルールが違うようです。
介護士は、身体介護を行うので、爪を切りそろえておくことも大切。爪が伸びていると、利用者さんを引っかいてしまうおそれがあるので、定期的に手入れをしましょう。なかには、ネイルOKの職場もありますが、派手なものや装飾のあるものは避けるのが無難です。
また、介護職員は、業務内容に適した服装で行う必要があります。たとえば、排泄介助を行う際は使い捨てのエプロンや手袋を装着したり、入浴介助の際には撥水性・速乾性のある素材の半袖やハーフパンツに着替えたりします。
介護士の服装選びのポイントは、「介護士の服装の選び方とは?おすすめのアイテムや身だしなみの注意点も解説」にまとめています。
介護士が働く介護施設の種類
介護施設は、利用者さんの状況やニーズに沿った介護を行えるように、種類が分かれています。施設の種類ごとに、利用者さんの特徴が違うので、介護士の仕事内容や働き方もさまざまです。
介護施設の種類については、「介護施設の種類一覧を紹介!形態別の給与や求人を探すポイントを解説」の記事で解説しています。
下記では、介護士の代表的な職場を簡単にご紹介するので参考にしてみてください。
介護老人福祉施設(特養)
介護老人福祉施設は、特別養護老人ホーム(特養)とも呼ばれる介護施設です。主に、「65歳以上で要介護3~5」の利用者さんが入居しているのが特徴。自宅での生活が難しく、介護の必要性が高い利用者さんが暮らしています。
介護老人福祉施設での介護士の仕事内容は、食事・排泄・入浴の介助や、洗濯・掃除といった、利用者さんの身の回りのケアが中心です。介護老人保健施設は、長期的に入居する利用者さんが多く、看取りにも対応しているところもあります。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設に入居するのは、自宅復帰を目指す利用者さんです。病院を退院したものの、自宅での生活は難しい状態の利用者さんが入所して、リハビリや機能訓練を行います。介護士だけではなく、リハビリ職や医師、看護師などの医療従事者がいるのが特徴です。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、民間企業が運営する入居型の介護施設です。そのため、対象とする利用者さんは、施設によって異なります。一部だけ介護が必要な利用者さんが中心の施設もあれば、全面的に介護が必要な利用者さんがメインの施設もあるので、介護士の役割は施設ごとに違うでしょう。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、名前のとおり、認知症の利用者さんが入居する介護施設です。利用者さんは、5~9人のグループ(ユニット)で共同生活を送るのが特徴です。入居定員は最大でも27人までと少人数のグループで生活するため、ほかの介護施設に比べて、家庭的な雰囲気があります。
通所介護(デイサービス)
通所介護(デイサービス)は、利用者さんが日帰りで利用する通所施設です。介護士は、レクリエーションや機能訓練、食事介助、入浴介助などを行います。自宅で暮らす利用者さんが対象の施設なので、特養と比べると、介護が必要な度合いは低いのが特徴です。
利用者さん同士の交流や、娯楽の楽しみを目的に通う利用者さんもいるので、レクリエーションに力を入れる施設が多くなっています。
訪問介護
訪問介護では、介護士が利用者さんの自宅に訪問して、身体介護や生活援助を行います。職場によって、介護保険を利用している高齢者の方のみを対象とする場合と、障がいのある方の介護にも対応する場合があるでしょう。
介護士は利用者さんの自宅を一人で訪問することが多く、1対1で介護をできるのが、訪問介護の特徴です。訪問介護は、利用者さんごとに所要時間や援助内容が決められています。なお、一人で利用者さんの身体介護を行う際には資格が必要なので、介護職員初任者研修以上の資格が要件になっている訪問介護事業所が多いようです。
介護士になるには
介護士として働き始めるのに、必須とする要件はありません。介護士の求人に応募して採用されれば、介護士になれます。以下で詳しく見てみましょう。
介護士の仕事は学歴・年齢を問わない
高齢化による高齢者人口の増加に対して、介護士の人数は足りていない状態です。そのため、介護の仕事への興味ややる気があり、健康であれば、年齢や学歴を問わず採用されるチャンスがあるでしょう。
職業情報提供サイトjobtag「施設介護員」によると、介護士の平均年齢は45.2歳とあります。なかには、60歳を過ぎて現役で活躍する介護士も。40歳を過ぎてから介護士を始める人も少なくないので、興味がある人は年齢を気にせず挑戦するのがおすすめです。
出典
職業情報提供サイトjobtag「施設介護員」(2025年11月17日)
▼関連記事
介護職は何歳まで働ける?年齢制限はある?ミドル・シニア世代の転職のコツ
介護士は無資格・未経験でも働ける
前述したとおり、介護業界は人手不足なので、ほかの業界と比較して無資格・未経験者の採用にも積極的な傾向にあります。資格なし・未経験で介護士を始める場合は、「無資格OK」「未経験可」の求人を選ぶと良いでしょう。
なお、介護士として働き続けるには、入職から1年以内に「認知症介護基礎研修」以上の資格の取得が必要です。無資格のまま、働き続けることはできないので、計画的に資格取得を目指しましょう。介護士の資格の義務化については、「介護職は無資格で働けなくなるの?認知症介護基礎研修の義務化について解説」で説明しています。
資格を取ってから介護士になる選択肢もある
介護士の仕事は、無資格・未経験から始められますが、介護の資格を取得して介護士になる人もいます。資格を取ってから介護士になるメリットは、介護に関する知識や技術が身についた状態で仕事を始められることです。
介護の資格の種類については、次の「介護士が取得しておきたい資格」で解説します。
▼関連記事
介護職は無資格で働ける?未経験だと大変?仕事内容や求人の探し方も解説!
未経験で介護職に転職できるか不安…無資格でも大丈夫?よくある悩みに回答
介護士が取得しておきたい資格
ここでは、介護士の仕事に役立つ代表的な資格をご紹介します。無資格・未経験から介護士を目指す方は参考にしてください。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎的なスキルを身につけるための資格です。約130時間のカリキュラムを修了して、修了試験に合格すれば取得できます。介護の基礎から学べるので、介護未経験の方は介護職員初任者研修からの受講が向いているでしょう。
介護職員初任者研修は、年齢や学歴といった要件が設けられていない資格なので、誰でも受講できます。取得すると、1人で利用者さんの身体介護ができるようになるため、訪問介護事業所の介護士(ホームヘルパー)として働くことも可能です。
▼関連記事
介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット
今の職場に満足していますか?
首都圏限定!資格取得が無料!
転職活動しながら資格を取る資格取得のみでもOK!
レバウェル介護の資格スクール介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、質の高い介護を行うスキルを身につけるための資格です。介護職員初任者研修と同様に、誰でも受講できますが、カリキュラムは450時間以上なので、無資格の方は取得に6ヶ月程度かかります。先述の介護職員初任者研修を保有していると、その分の学習時間が免除になるため、順番に取得する人も多いようです。
介護福祉士実務者研修を取得すれば、訪問介護でリーダー的な役割を担う「サービス提供責任者」として働けるようになります。また、介護福祉士実務者研修は、介護福祉士国家試験の受験要件の一つです。
▼関連記事
介護福祉士実務者研修とは?資格取得のメリットや初任者研修との違いを解説
介護福祉士
「介護士と介護福祉士の違い」で説明したように、介護福祉士は国家資格です。専門的な介護のスキルを証明するための資格なので、受験のための要件が定められています。
介護福祉士国家試験を受験するルートは、「実務経験を積んで取得する」「養成施設を卒業する」「福祉系高校を卒業する」という3つです。働きながら介護福祉士を取得する場合は、「3年の実務経験+介護福祉士実務者研修の取得」の実務経験ルートが一般的となります。
▼関連記事
介護福祉士とはわかりやすくいうとどんな資格?取得方法や試験概要を解説!
介護福祉士を取得するメリット
介護福祉士を取得すると、以下のようなメリットがあります。
- 資格手当が多く給与が増える
- キャリアアップのチャンスが増える
- 転職のときに有利に働く
- 社会的な信用が高まる
介護福祉士の取得には時間や費用がかかりますが、資格手当が多く給与が増える、キャリアアップのチャンスが増えるなどのメリットがあります。介護士として長く働きたい場合は、目標にすると良いでしょう。
そのほかの介護系の資格は、「介護資格の種類29選!取得方法やメリットを解説します」でご紹介しています。
介護士のキャリアアップ例
介護士としてキャリアアップを目指す場合、先述した「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」という流れで資格を取得する人が多くなっています。以下には、介護福祉士を取得してからのキャリア例をまとめました。
認定介護福祉士・ケアマネジャーになる
介護士の専門性を伸ばすキャリアとして、「認定介護福祉士」「ケアマネジャー」が挙げられます。いずれの資格にも、「介護福祉士として実務経験を5年」といった要件があるので、介護福祉士から段階的に目指すと良いでしょう。
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位にあたる民間の資格です。研修では、リハビリや福祉用具、介護分野の人材育成などについて学びます。取得すれば、介護業務だけではなく、介護士のマネジメントや管理にも役立つでしょう。
ケアマネジャーは、都道府県が発行する公的な資格で、正式名称を「介護支援専門員」といいます。ケアマネジャーになるための試験は、介護保険制度や福祉サービスについての知識を問われる専門的な内容で、近年の合格率は20~30%程度です。
ケアマネジャーには、利用者さんが介護サービスを活用できるように支援するという役割があります。主な仕事内容は、ケアプランという計画書を作成すること。「この利用者さんには福祉用具のベッドが必要」「介護士によるオムツ交換が必要」など、利用者さんの生活に必要なサービスは何かを考えて手配するのが、ケアマネジャーの仕事です。
出典
厚生労働省「第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(2025年11月17日)
▼関連記事
ケアマネジャーになるには最短で何年?介護支援専門員の受験資格を解説
施設長・管理者になる
介護士として働いて経験を積み、管理職を目指すキャリアもあります。介護施設の管理職は、施設長や管理者と呼ばれることが多いようです。施設によって呼び方が違う場合はありますが、施設長・管理者はいずれも管理職として、現場の指導をする役職となります。
施設長・管理者になるメリットは、マネジメントスキルが身につくことです。また、管理職になると、給与が上がる可能性が高くなるのもメリットといえます。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p143)」によると、月給・常勤で働く管理職の介護職員の平均給与は、378,110円でした(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)。
管理職でない介護職員の平均給与の327,720円と比べると、管理職の平均給与は約5万円高いことが分かります。マネジメントスキルを磨くことや給与アップを目的に、管理職に就く介護士は少なくありません。
出典
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年11月17日)
独立・開業する
介護士のなかには、有料老人ホームや訪問介護ステーションなどを立ち上げて、経営者になる人もいます。自分で事業所を立ち上げると、経営方針や提供する介護サービスの内容などを決められるので、理想とする介護施設を運営することが可能です。
ただし、独立・開業するためには、資金や人員を確保しなければいけません。自分で介護事業所を立ち上げる場合、介護に関する知識だけではなく、経営者としてのノウハウを身につける必要もあるといえます。
▼関連記事
介護福祉士のキャリアアップ方法をご紹介!資格や経験を活かせる職種は?
施設長とは?なるために必要な資格はある?仕事内容や年収も解説!
介護士の給料事情
介護士の給与は、介護サービスの対価として自治体から支給される「介護報酬」から支払われます。以下で、介護士の年収や手取り給与をチェックしてみましょう。
介護士の平均給与
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.126)」によると、月給・常勤で働く介護職員(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)の平均給与は、338,200円でした。
同資料(p.128)を参考に、パートなどの非常勤の介護職員の時給を算出すると、1,542円となりました(小数点以下切り捨て)。これは、平均給与を労働時間で割って計算した金額です。※平均給与は、基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)で計算しています。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年11月17日)
介護士の平均年収
前述したように、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所の介護職員の平均給与は、338,200円です。この金額に12を掛けて介護職員の平均年収を計算すると、4,058,400円となります。
介護士の手取り給与
手取りは、額面の8割と考えるのが一般的です。介護士の給与の手取り額を、平均給与×0.8で算出すると、月の平均の手取り給与は、270,560円でした。また、1年の手取り給与は、3,246,720円となります。
なお、ご紹介した手取り給与は、あくまでも目安としてご覧ください。
▼関連記事
介護職の給料はいくら?平均給与額や年収アップ方法、処遇改善の状況を解説
介護士のボーナス
介護士のボーナスは、年2回の支給が一般的です。ボーナスの金額は職場ごとに異なり、なかにはボーナスが支給されない職場もあるので注意しましょう。
介護士のボーナス事情を知りたい方は、「介護職員のボーナス(賞与)は平均でいくら?施設や資格別に支給額を解説」をチェックしてください。
介護士の給料はほかの職種よりも低い?
政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」を参考に、介護士とほかの職種の給与の違いを見てみましょう。
| 職種 | 平均所定内給与額 |
| 全産業 | 330,400円 |
| 介護職員(医療・福祉施設など) | 255,400円 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 291,400円 |
| 看護師 | 329,600円 |
| 看護助手 | 220,800円 |
| 保育士 | 270,300円 |
| 一般事務従事者 | 308,000円 |
| 販売店員 | 254,800円 |
| サービス職業従事者 | 268,200円 |
参考:政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況(p.6)」
医療・福祉施設などで働く介護士の平均所定内給与額は255,400円で、全産業の平均所定内給与額の330,400円と比べると、約7.5万円低いという結果でした。
介護士の平均所定内給与額は、一般事務従事者や販売店員よりも低くなっています。そのため、ほかの職種から介護士に転職する場合、給与が低いと感じるかもしれません。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2025年11月17日)
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2025年11月17日)
介護士が給与を上げる方法
介護士が給与を上げるには、次のような方法があります。
- 勤続年数を増やす
- 資格を取得する
- 夜勤をする
- 給与が高い施設に転職する
勤続年数に伴って基本給が昇給する介護施設は多いので、同じ職場で長く働くことで給与アップを目指せます。また、介護系の資格を取得すれば、資格手当が付く可能性が高いでしょう。介護士は、夜勤手当で給与を上げることもできます。
「今の給与に不満がある」という介護士は、高給与を見込める介護施設に転職するという選択肢もあるので、自分に合った方法を見つけましょう。
▼関連記事
介護職で高収入を得るには?資格や夜勤手当を活かして給料アップを目指そう
介護士の仕事の将来性
日本は高齢化が進行しているため、介護士は長期的に需要があります。介護技術だけではなく、観察力やコミュニケーション能力が求められる介護士の仕事は、AIに完全に代替されることはないでしょう。
また、介護士の給与に関わる介護報酬は、3年ごとに改訂されていて、介護士の給与アップや介護サービスの質改善の動きは活発です。需要の増加に伴い、介護士の給与は年々改善されているので、今後も処遇は良くなる可能性があります。
介護士は、需要が高く、給与改善の取り組みが行われている、将来性のある仕事です。そのため、「これから手に職をつけて働きたい」という方は、介護士への転職を考えてみても良いかもしれません。
▼関連記事
介護職に就くメリットをご紹介!仕事の魅力ややりがい、給与事情も解説!
介護士の仕事のやりがい
レバウェル株式会社の「きらケア介護白書2022(p.10)」では、仕事の魅力ややりがいとなる、介護士として働くメリットを調査しました。

引用:レバウェル株式会社「きらケア介護白書2022(p.10)」
介護士のやりがいとして挙げられているのは、介護のスキルが身につくことや、医療に関する知識を習得できることです。また、介護士として働く人は、「家族の介護に役立つ」「平日に休みが取れる」など、プライベートを充実させられるというメリットを感じていると分かります。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2025年11月17日)
介護士さんが仕事のやりがいを感じる瞬間
ここでは、介護士さんが仕事にやりがいを感じたエピソードをご紹介します。
四肢麻痺が強い利用者さまのエピソードが印象に残っています。当初はシャワー浴だけでの対応でしたが、ご本人がリハビリに真摯に取り組んだことで、介助はありながらも浴槽への入浴ができるようになりました。退院後初めて浴槽に浸かったとき、本当に嬉しそうな笑顔を見せてくださり、こちらも嬉しくなりました。
引用元:レバウェル/現場スタッフ紹介
新しい仕事を任せてもらえ、その業務が自分の中に落とし込めたときにやりがいを感じます。印象に残っているのは、終末期の入居者さまからご家族の結婚式に参加したいと希望があり、難しい状況でしたが他職種と連携し参加が実現できたことです。ご本人さまやご家族の方も喜ばれていました。
引用元:レバウェル/現場スタッフ紹介
「利用者さんが望んでいることを叶えてあげたい」と思う介護職の方は多くいます。利用者さんのために頑張った結果、自分の介護スキルや人間力が高まり、利用者さんからも感謝されるとやりがいにつながりますね。
▼関連記事
介護士のやりがい・魅力13選!介護の仕事を選ぶ理由や価値観も解説します
介護士の仕事のきつい部分
介護士の仕事がきついと感じるのには、どのような理由があるのでしょうか?前述したレバウェル株式会社の「きらケア介護白書2022(p.11)」から、「介護の仕事で大変だと感じること」を見てみましょう。

引用:レバウェル株式会社「きらケア介護白書2022(p.11)」
介護士の半数以上が「きつい」と感じているのは、介護業務の身体的な負担の大きさです。自分より体の大きな利用者さんの身体介護を行うこともある介護士は、身体的な負担を感じやすいのかもしれません。また、介護士は大きな責任を伴う仕事なので、精神的な負担が大きいと思う人も少なくないようです。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2025年11月17日)
介護士の仕事をきついと感じた瞬間
筆者が介護士として働いていたときに、「きつい」と感じたことをご紹介するので、「介護士になるか迷っている」という方は参考にしてください。
私は以前、介護士としてグループホームで働いていました。認知症の利用者さんが暮らすグループホームでは、入浴といった介助の声かけを拒否されることも少なくありませんでした。
介護士として働き始めたばかりのころに、利用者さんから厳しい言葉を掛けられたときは、「きつい」と感じました。しかし、利用者さんが「やりたくない」と言うのには、理由があります。たとえば、「どうして今、お風呂に入らないといけないのか分からない」「寒いから嫌だ」といった理由で、入浴を拒否されることがありました。
最初は戸惑いも多かった認知症の利用者さんの介護ですが、自分の業務の予定を優先するのではなく、利用者さんの気持ちに寄り添ったケアを実践できるようになると、徐々に介護の仕事に慣れていきました。
▼関連記事
介護職がきついと言われる理由とは?対処法や仕事が続く人の特徴を解説!
介護士に向いている人の性格
「介護士の仕事が自分に向いているか知りたい」という人は、適性をチェックしてみましょう。
人と関わる仕事がしたい人
介護士は、利用者さんやそのご家族、同僚の介護士など、多くの人と関わります。人と接する機会の多い介護士の仕事は、人間関係を構築するのが得意であれば、向いている可能性が高いでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
介護士が円滑に業務を進めるためには、利用者さんとコミュニケーションを取って信頼関係を築く必要があります。また、介護士は一人で利用者さんのケアを行うのではなく、ほかの介護士や看護師と連携しなければいけません。そのため、コミュニケーション能力は、介護士に必須のスキルといえます。
責任をもって仕事に取り組める人
利用者さんの身体介護を行う介護士は、人の命を預かる仕事です。利用者さんにケガがないように見守ったり、転倒してしまったときの対応をしたりするのも介護士の業務。介護士には、責任感をもって仕事に取り組む姿勢が求められます。
介護のスキルや知識を習得したい人
介護のスキルや知識を身につけたいという意欲がある人は、介護士の仕事に向いているでしょう。無資格・未経験から介護士になることはできますが、専門的なスキルを習得するためには、積極的に学ぶ姿勢が大事です。介護士としてのスキルは、家族に介護が必要になったときにも役立ちます。
体力があり健康な人
健康で体力に自信がある人は、介護士として活躍できるでしょう。「介護士の仕事のきつい部分」で述べたように、介護業務には身体的な負担があります。夜勤をする場合は、生活リズムが乱れてしまうこともあるかもしれません。健康で体力があれば、体調管理をしっかりとできるので、介護士として無理なく働けるといえます。
介護施設の種類によって、仕事内容や求められるスキルは異なるので、自分に合う職場と合わない職場があるでしょう。自分に向いている介護施設を見つけたい方は、「介護の仕事に向いている人の性格10選!職場別の適性や向いてない人の特徴」の記事も参考にしてください。
介護士の求人探しなら転職エージェントの利用がおすすめ
無資格・未経験から介護士を目指す方は、転職エージェントを活用することで転職活動をスムーズに進められるでしょう。介護業界は施設の種類が多く、働き方も多種多様です。そのため、介護施設ごとの特徴をしっかりと理解していないと、求人を探すのは難しいかもしれません。
介護業界に特化した転職エージェントの「レバウェル介護(旧 きらケア)」では、介護士の求人に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの給与条件や働き方のご希望を丁寧にヒアリング。膨大な求人から、ご希望にぴったりの職場をご提案いたします。
レバウェル介護(旧 きらケア)のサービスはすべて無料です。「介護業界への転職が初めてで不安…」「無資格・未経験から介護士への転職を成功させたい!」という方は、ぜひ気軽にご相談ください!
今の職場に満足していますか?
介護職に関するよくある質問
ここでは、介護職に関するよくある質問を紹介します。介護の仕事に興味がある方は、チェックしてみてください。
介護士とは、簡単に説明してください
介護士とは、簡単に説明すると「高齢者や障がいがある方などの、身の回りの世話を行う職業」です。たとえば、食事や入浴、排泄の介助(身体介護)や、掃除や洗濯、買い物(生活援助)などを行います。介護士に興味のある方は、「介護とは何かを解説!職員として働ける場所や仕事に取り組む際に大事なこと」もチェックしてみてください。
介護の資格を取るにはどうしたら良い?
介護の資格を取るには、自分の目的にあったものを選ぶことが大切です。たとえば、介護未経験の場合は、介護の基礎を学べる「介護職員初任者研修」が向いているでしょう。ある程度の介護経験がある方は、介護への理解をさらに深められる「介護福祉士実務者研修」を選ぶと良いかもしれません。どちらも受講要件の定めがないため、誰でも受講が可能です。
介護の資格については、「介護の資格はどんな順番で取れば良い?取得方法やメリットも解説!」も参考にしてみてください。
まとめ
「介護士」とは、介護施設や訪問介護事業所に勤務して、介護の仕事をする人の総称です。主な仕事内容は、排泄・入浴介助などの「身体介護」と、利用者さんの代わりに家事を行う「生活援助」の2つとなります。
介護士の雇用形態は・正社員・派遣社員・登録ヘルパーなど多様で、さまざまな働き方が可能です。なお、介護士になるための要件は定められていないので、無資格・未経験から始められます。
給与改善の取り組みが行われている介護士は、今後、給与がアップする可能性があるでしょう。介護士として働く場合は、介護施設の種類によって働き方が異なるので、自分に合った職場を見つけることが大切です。
「介護士に転職したい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)までご相談ください。「介護士に転職しようか迷っている」という段階でも相談OK。介護紹介に詳しいキャリアアドバイザーが、介護士の仕事内容について詳しく説明することもできます。お気軽にお問い合わせください。
今の職場に満足していますか?
執筆者

実
元介護士ライター
グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。



