介護職は資格なしでも働ける?未経験だと大変?仕事内容や転職事情を解説

介護の仕事 2024年1月18日
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介護の仕事に興味があるものの、「資格なしのまま働ける?」と心配な方もいるでしょう。介護職は無資格・未経験から挑戦できますが、資格がなければできない業務があります。本記事では、無資格の介護職員について、仕事内容や給与などを解説します。無資格の状態からキャリアアップする方法や、資格なしの方が転職を成功させるポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

介護職が資格なしでも働ける4つの理由

介護職は資格なし・未経験から働くことが可能です。性別や年齢に関係なく挑戦できるため、40代、50代と年齢を重ねてから無資格で始めることもできます。資格なしで介護の仕事ができる理由を4つ紹介します。

1.高齢化で介護業界の採用ニーズが高いから

介護業界は、高まるニーズに対して職員の人数が追いついていない人手不足の業界です。厚生労働省の「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について(p.2 )」によると、2025年には団塊の世代が75歳以上になる一方で、生産年齢人口は年々減少することが予想されています。また、2040年には280万人の介護職が必要になると推計されており、必要な介護職の人数は2019年より69万人以上増える見込みです。年々介護ニーズが増えつつあるにもかかわらず、担い手が需要に対して足りていない状況といえます。

こうした背景から、「専門性が必要で資格が必要な介護業務」と「無資格で携われる介護業務」を分業し、無資格者も「介護助手」として介護業界で働けるようにしているのです。

2.無資格でできる介護の仕事もあるから

介護は知識や技術が必要な仕事ですが、資格なしでもできることがあります。それは、介護の専門性が問われない生活援助の仕事です。無資格の方は掃除や洗濯、調理、配膳など、利用者さんの身の回りのお世話に携わります。「介護助手」「介護補助」として活躍の場があるため、無資格の方も介護業界で働くことが可能です。

ただし、無資格だとできない業務もあるので注意が必要です。利用者さんの身体に直接触れる「身体介護」は基本的に有資格者が行う業務なので、無資格者が施設内で行う場合は有資格者の指示を仰ぐようにしましょう。

3.介護の知識やスキルは就職後に習得できるから

介護の知識やスキルは、現場で利用者さんの対応を経験し、数をこなすなかで身についていきます。現場のことは現場で学ぶという側面もあるため、資格やスキルがなくても転職することができるのです。

実際に資格を取ってから入職した方のなかには「利用者さんによって介助の方法が違うから教科書通りにはいかない」「職員同士の連携やとっさの判断力は現場を経験しないとできるようにならない」と感じる方も。「資格がある=仕事ができる」とは必ずしもいえないようです。
資格なしで入職した方も、一生懸命仕事を覚えてこなしていけば一通りの仕事ができるようになるでしょう。

4.無資格・未経験の教育体制を充実させている職場があるから

介護業界には、無資格・未経験者向けの教育体制を充実させている職場もあります。介護に挑戦しやすい環境が整っているのも無資格者が働きやすい理由です。
たとえば、「資格取得支援制度を整えている」「独自で勉強会や研修を実施している」「新人用に業務のチェックシートがある」などが特徴として挙げられます。教育担当の先輩がマンツーマンでついてくれる施設などもあり、人材育成に注力している企業が多いため、無資格・未経験から転職するハードルはそれほど高くないでしょう。

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資格なしの介護職員の仕事内容

無資格の場合は介護助手や介護補助として働くことが可能です。ここでは、具体的な介護助手・介護補助の仕事内容を確認しましょう。

1.生活援助業務

生活援助業務とは、利用者さんの身体に触れずに行う日常生活のサポートを指します。生活援助の具体例は下記のとおりです。

  • 調理
  • 買い物
  • 掃除
  • 洗濯
  • 買い出し
  • ベッドメイキング

特別なスキルがなくてもできることが中心なので、無資格でも問題ありません。施設によっては、レクリエーションの準備も生活援助業務に含まれます。

2.身体介護業務(有資格者の指導が必要)

身体介護業務とは、利用者さんの身体に直接触れて行う介助業務全般を指します。具体例は下記をご覧ください。

  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 排泄介助
  • 着脱介助
  • 移乗・移動介助

身体介護は介護の専門性が求められる業務のため、本来は資格なしで行うことはできません。ただし、介護施設内に限り、介護福祉士などの有資格者の指導のもとでのみ、無資格者も身体介護業務に携わることが可能です。

3.送迎業務(車の免許が必要)

デイサービスのような通所型の介護施設の場合、利用者さんの送迎業務があります。送迎担当のドライバーを雇う施設もありますが、介護職員が運転を担当する場合も。普通自動車免許があれば、介護資格がなくても携われる業務です。

4.事務関連業務

介護施設における備品の発注や郵便物の発送、電話・来客対応といった事務作業全般も無資格で行えます。ただし、介護の事務関連の仕事内容のなかでも、介護報酬の請求は介護保険の知識が必須です。

それぞれの詳しい業務内容は「介護資格なしでできること・できないこと|未経験者はどんなお仕事をする?」で解説しています。具体的に何をするのか知りたい方はあわせてお読みください。

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資格なしではできない介護職員の仕事

介護職員の仕事内容のなかには、資格なしでは携われない仕事内容もあります。無資格で行うと違法になる業務もあるので注意しましょう。

訪問介護の身体介護

施設内での身体介護は、有資格者の指導のもと行えば無資格者が行っても違法にはなりません。介護福祉士などの有資格者から正しいやり方を指示してもらえるほか、緊急時に対応を代わってもらえるためです。一方、訪問介護のホームヘルパーが身体介護を行うには、「介護職員初任者研修」以上の資格が必要。基本的に1人で利用者さんのご自宅へ伺い業務を行うホームヘルパーは、確実な知識や技術がなければ務まらないため、有資格者に限定されています。

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喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケア

医師や看護師などの免許を持っていない人が医療行為を行うことは医師法で禁止されているので、基本的に介護職員は医療行為ができません。喀痰(かくたん)吸引や経管栄養に限っては、「喀痰吸引等研修」を受ければ介護職が実施可能になります。無資格のうちはできない業務なので、万が一有資格者から指示があっても行ってはいけません。

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資格なしで働く介護職員の給料事情

資格なしで介護職として働く場合、お給料をどれくらいもらえるのでしょうか。無資格者の平均給与と資格取得後の平均給与をご紹介します。

無資格の介護職の平均給与

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)」によると、無資格の介護職員の平均給与(賞与を含む年収を12で割った金額)は約27万円です。有資格者の平均給与は30万円以上であることから、無資格者の給与は資格保有者に比べて少ないことが分かります。

資格取得がキャリアアップや給与アップにつながる

介護に関わる資格には、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」「介護支援専門員」などがあります。
同資料によると、介護資格別の平均給与(介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所における月給・常勤者の平均給与)は以下のとおりです。

保有資格令和4年令和3年
保有資格なし268,680円251,430円
介護職員初任者研修300,240円286,100円
介護福祉士実務者研修302,430円288,260円
介護福祉士331,080円314,970円
介護支援専門員376,770円362,530円
全体317,540円300,990円

引用:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)

上記から、無資格の介護職員の平均給与は介護福祉士と比べて約6万円もの差があることが読み取れます。資格取得の難易度が上がるにつれて平均給与も上昇しているため、資格取得が給与アップにつながることが分かるでしょう。「介護職は給与が少なそう…」と心配な方は、資格取得を検討してみることをおすすめします。

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資格なしから介護職員を目指す際の転職事情

ここでは、資格なしから介護職員を目指す際の転職事情を解説しています。介護職への転職を考えている方は、参考にしてみてください。

介護資格は取得したほうが転職に有利

無資格・未経験から就職・転職はできるものの、有資格者と比べると不利になることはあります。資格があると即戦力になると判断され、採用で優遇される可能性が高いからです。応募条件を「介護職員初任者研修以上」とする求人もあり、資格があることで就職先の選択肢が広がる場合もあります。将来的に給与アップやリーダー職や管理職といった役職を目指したい方は、入職後に資格取得を検討することも必要です。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の理念や基礎知識を身につけられる介護の入門資格です。介護職員だけでなく、家族の介護をする方が取得することもあります。取得するには、スクールや通信講座で130時間のカリキュラムを修了した後、試験に合格するのが一般的な流れです。全く介護経験のない方でも、すぐに勉強を始められますよ。

なお、介護職員初任者研修の資格があれば、次にご紹介する介護福祉士実務者研修の一部カリキュラムが免除されるだけでなく、訪問介護の身体介護サービスも実施できるようになります。年齢や介護経験といった要件はなく働きながら目指せるので、「資格を取りたい」と思ったタイミングで検討してみましょう。介護業界専門の転職エージェントレバウェル介護(旧 きらケア)では「レバウェルスクール介護(旧 きらケアステップアップスクール)」を開講しています。条件によっては無料でご利用いただけるので、興味のある方はぜひご覧ください。

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介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格で、介護福祉士国家試験を受験するための要件の一つです。介護の資格なしから受講できます。カリキュラムは全450時間ありますが、介護職員初任者研修課程を修了している場合は、重複する130時間が免除されるので、320時間でカリキュラムを修了することが可能です。また、実務者研修を修了すると、「サービス提供責任者」として働けるようになります。管理業務に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。

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介護福祉士

介護福祉士は、介護資格唯一の国家資格です。取得することで、介護に関する高い知識や技術を有していることを証明できるので、転職をする際も有利になるでしょう。取得後は、介護職員に対する指導や利用者さんからの相談対応など、さまざまな業務にチャレンジできます。合格率は例年70%前後と高めですが、試験勉強はきちんと行っておいたほうが良いでしょう。介護福祉士国家試験について詳しくは、「介護福祉士は誰でも受かるって本当?落ちる人の特徴や合格のコツを解説!」でご紹介しています。「ゆくゆくは介護福祉士を目指したい」という方は、あわせて確認しておくと良いでしょう。

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無資格・未経験OKの求人は多い

お伝えしているように、介護業界は人手不足の傾向があるため、無資格・未経験から始められる介護助手や介護補助の求人が多いのが特徴です。介護助手や介護補助という名称が使われていない場合も、「未経験OK」「無資格OK」といったキーワードで探せば、資格なしから挑戦できる求人が見つかります。資格なしから始めるのは勇気がいるかもしれませんが、「先輩が1対1で付いて教えてくれる」「座学研修を設けている」など、教育体制が整っている職場もあるので安心して挑戦することが可能です。

無資格OKの介護求人例

無資格OKの求人例を紹介します。

募集職種ヘルパー・介護職
雇用形態正社員
資格要件無資格OK
月収22万5,000円~
・夜勤手当:6,000円/回
・処遇改善手当
施設形態有料老人ホーム
勤務時間日勤:9~18時
早番:7~16時
遅番:10~19時
夜勤:16~9時
休日日数月9日(シフト制)
その他未経験可/社保完備/賞与あり(年2回)/資格取得支援制度あり/制服貸与/交通費全額支給

職場によって介護職員の働きやすさは変わる

介護業界は職場によって働きやすさが変わります。資格なしで経験もない方は、介護度が低めな利用者さんが多い施設や、教育体制の整った施設から介護職をスタートするとスムーズでしょう。具体的に無資格者におすすめの施設形態をご紹介します。

デイサービス

デイサービスは、自宅で過ごす高齢者が日中に通って、リハビリやレクリエーションを行ったり、入浴や食事などのケアを受けたりする施設です。
会話を楽しめる利用者さんが多く、レクリエーションを実施する機会が多いので、高齢者の方と一緒に楽しみながら仕事をしたいという方におすすめの職場といえます。
デイサービスの利用者さんは、要介護度が低めの方が多いので、最初は自立に近い方の介助から業務に慣れていくことが可能。無資格の方も働き始めやすいでしょう。また、デイサービスは基本的に日勤のみなので、生活リズムを整えやすいのが特徴です。

グループホーム

グループホームは、認知症の方が生活をするための施設です。5~9人程度の少人数のグループで共同生活を送っています。利用者さんの人数が少ないので家庭的な雰囲気があるのが特徴です。一人ひとりに向き合ったケアができるので、利用者さんのことをしっかりと理解できるようになります。
グループホームは、身体介護が必要な利用者さんは少ない傾向にあるので、求められる介護技術のレベルは比較的低めといえるでしょう。また、認知機能や身体機能が衰えないように支援しながら介護できる点もグループホームの魅力の一つです。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間企業が運営している老人ホームです。介護型・住宅型・健康型の3種類に分かれており、施設によってコンセプトや利用者さんの対象が異なります。
住宅型や健康型の利用者さんは、比較的自立している方が多く、介護業務の負担は少ないといえるでしょう。介護初心者の方や無資格の方も、高齢者と関わりながら働けます。

生活援助中心の訪問介護事業所

訪問介護の身体介護は、資格を有していない人が単独で行うことはできません。ただし、生活援助業務や保険外対応サービスの対応は無資格でも可能です。
生活援助業務を多く担っている訪問介護事業所の求人があれば、訪問介護員として働く選択肢もあるでしょう。
また、訪問介護事業所のなかには、就職後に資格を取得することを前提として採用してくれるところもあります。資格を取得するまでは生活援助業務や先輩職員に同行しながら仕事を覚え、取得後は1人で身体介護業務を担うことができます。生活援助から段階的に介護について学べるのはメリットといえるでしょう。

資格なしから介護業界を目指すメリット

無資格から介護職員を目指すメリットには、「少しずつ介護の仕事内容を理解できる」「仕事を通して介護職の適性があるか確認できる」といった事柄が挙げられます。「資格を取らないと就職(転職)に不利になるのでは…」と躊躇している方は、無資格から始めるメリットを確認してみましょう。

1.少しずつ介護の仕事内容を理解できる

介護施設が資格なしの未経験者を募集する場合、「スキルなし」の人材を教育する体制があるはずです。資格があれば、「一定の介護スキルがある」と判断され即戦力を期待されるかもしれませんが、無資格・未経験の場合は掃除や洗濯といった簡単な業務から担当する場合が多いでしょう。身体介護のような一定のスキルが必要な業務は、先輩介護スタッフに少しずつ教えてもらいながら徐々に覚えていくことが可能です。

2.仕事を通して介護職の適性があるか確認できる

無資格・未経験から介護の仕事を始める場合、自分の適性を見極めながら「介護の仕事を続けるか」「どんな資格が必要か」を考えていけるでしょう。働くよりも前に介護資格を取得する場合、就職後に「介護は自分に向いていない」と早期離職をすれば資格取得に費やした時間や費用が無駄になってしまいます。その反面、働きながら介護の仕事に魅力を感じた場合は、モチベーション高く資格勉強に取り組めるはずです。

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3.資格取得するときに実務経験が役に立つ

介護の現場で身につけた介護知識やスキルは、資格を取得するときに役立ちます。たとえば、寝たきりの利用者さんの着替えやシーツ交換などの介助は、「介護職員初任者研修」のなかでも学びます。しかし、全く経験のない状態から実践するのは難しいと感じる人も。少しでも経験があったほうがスムーズに研修を進められるでしょう

介護業界には、「資格取得支援制度」のような資格に対するフォロー体制が整っている職場が非常に多くあります。仕事と平行して資格取得のための勉強をする方も多いので、ぜひ挑戦してみてください。

資格なしで介護の仕事を始める大変さ

介護は資格なしから始められる仕事ですが、誰にでもできるほど簡単な仕事ではありません。無資格から介護を始めると、最初に大変だと感じることもあるでしょう。新人介護職が感じやすい悩みには下記のようなものがあります。

  • 覚えなければならない業務が多い
  • 利用者さんとコミュニケーションを取るのが難しい
  • 介護業務の体力的な負担がきつい
  • 夜勤で生活リズムが乱れる
  • 職場の人間関係に馴染むのに時間がかかる

それぞれの悩みについては「介護職は資格なしだと大変なの?未経験者に多い悩みや転職前の注意点を解説」の記事で解説しています。大変なことがある一方で、介護の仕事は利用者さんから直接感謝の言葉をもらえ、社会やその人の役に立っていることを実感しながら働けるというやりがいも。「仕事の大変さが不安…」という人は、資格を取得して介護の知識や技術を学んでから転職すると自信をもって仕事に取り組めるでしょう。

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2024年4月から認知症介護基礎研修の義務化に注意

厚生労働省の「令和3年度介護報酬改定の主な事項について(p.7)」によると、2021年度の省令改正により無資格者への「認知症介護基礎研修」の受講が義務づけられることになりました。3年の経過措置を経て2024年4月には完全に義務化される見込みです。

認知症についての理解の下、本人主体の介護を行い、認知症の人の尊厳の保障を実現していく観点から、介護に関わる全ての者の認知症対応力を向上させていくため、介護サービス事業者に、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。(※3年の経過措置期間を設ける。新入職員の受講について1年の猶予期間を設ける)

引用:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について(p.7)

新入職員は1年の猶予期間内に取得すれば良いので、「すぐに働けなくなるの?」と心配する必要はありません。「認知症介護基礎研修」は6時間程度の内容であるため、すぐに取得することができます。

なお、無資格者への認知症介護基礎研修の対象は、訪問系サービス(訪問入浴介護以外)、福祉用具貸与、居宅介護支援を除いた全サービスです。そのため、資格なしから介護職に従事した場合であっても認知症介護基礎研修の受講が必須となるため、今後は完全な無資格で働くことはなくなっていくと考えておきましょう。

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資格なしから介護職の転職を成功させる方法

最後に、資格なしから介護職への転職を成功させる方法を解説します。無資格・未経験から介護業界へ転職する際は、下記のようなポイントを押さえましょう。

無資格・未経験OKの求人に応募する

まずは、「無資格OK」「未経験者歓迎」のような記載のある求人に応募しましょう。前述したように、このような記載のある求人を出す職場は、新人を教育する環境が整っている可能性が高いです。資格なしから始めた介護職員も多く在籍していることが考えられるので、一緒に介護スキルを高めていけるでしょう。

▶無資格OKの求人一覧
▶未経験可の求人一覧

教育体制や資格取得支援制度がある職場を探す

教育体制や資格取得支援制度が整っている職場に注目してみましょう。分かりやすい探し方は、求人票に「資格取得支援制度あり」のような記載があるものを選ぶことです。資格取得支援制度がある職場では、介護の資格を取得するために必要な費用を負担してくれたり、スクールに通うためのシフトを融通してくれたりするなどのメリットがあります。教育面のフォローや研修を実施している施設もあるので、スムーズなスキルアップが叶うでしょう。

採用担当者が無資格・未経験者に求めるスキルを理解する

採用担当者は、資格なし・未経験から介護職を目指す方に対して専門的な介護スキルは求めていません。利用者さんへの思いやりはもちろん必要ですが、介護業務に必要な知識や技術は入職後に覚えていけば良いので、向上心を持って取り組む意欲が大切です。また、職員同士がチームプレーでケアを行うことが多いため、協調性やコミュニケーションスキルが大事といえます。面接で採用担当者にアピールするときは、これまでの経験から介護職に求められるスキルがないか考えると良いでしょう。

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資格なしの介護職員によくある質問

ここでは、資格なしから介護職を目指す方によくある質問を、Q&A形式でまとめました。「無資格・未経験から介護の仕事を始めたい」という方は、ぜひご覧ください。

介護資格なしだと夜勤の仕事は大変ですか?

資格なしの場合、業務の流れや専門用語に慣れるまでは夜勤・日勤のどちらも大変だと感じることがあるかもしれません。一般的には1~3ヶ月ほど日勤で業務を教えてもらいながら覚え、慣れてきたタイミングで夜勤をスタートすることが多いようです。ただし、夜勤帯は職員の人数が減るので、十分に業務に慣れてから夜勤シフトに入れてもらうことをおすすめします。なお、夜勤は無資格であっても、法律的に問題はありません。詳しくは「介護職に無資格OKの夜勤求人はあるの?仕事内容や採用されるコツを紹介」の記事をご覧ください。

介護の資格なしでも正社員になれる?

介護の資格がなくても正社員になることは可能です。本記事の「介護職が資格なしでも働ける4つの理由」で紹介した理由から、無資格の介護職員にもできる業務は数多くあります。正社員転職を目指す方は「資格なしでも介護職の正社員になれる|就職する4つの方法とメリット」もご一読ください。

資格なしの介護職の仕事内容は?

無資格介護職の仕事内容は、生活援助業務や有資格者の指導のもとで行う身体介護、送迎、記録、レクリエーションの運営などです。単独で身体介護を行うことはできないので注意しましょう。詳しくは「資格なしの介護職員の仕事内容」をご覧ください。

まとめ

介護職は資格なしでも働けます。ただし、無資格者にできることとできないことがあるので注意しましょう。訪問介護の身体介護は基本的に一人で行うため無資格者にはできません。

また、介護職は資格を取得すると給与がアップしたり転職に有利になったりします。無資格で転職し、資格取得支援制度などを利用して働きながら資格取得を目指すのがおすすめです。資格なしからいきなり働き始めるのが不安な人は、資格を取得してから転職しても良いでしょう。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2024年1月18日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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