
この記事のまとめ
- 介護職は無資格で働けるが、できる業務内容は限られる
- 介護職が無資格でできる業務は生活援助、送迎業務、事務作業など
- 無資格の介護職が取得すると良い資格は、初任者研修や実務者研修
「介護職は無資格で働ける?」と気になっている方もいるかもしれません。介護職は無資格でも働くことができ、「生活援助」「送迎業務」「事務作業」などの業務を担当できます。この記事では介護職が無資格で働ける理由や従事できる業務範囲について解説。無資格の介護職員が取得すると良い資格や、無資格・未経験で働ける求人を探すポイントについても紹介しているので、無資格から介護職にチャレンジしたい方はぜひご覧ください。
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介護職は無資格でも働ける?
無資格・未経験から介護職として働くことは可能です。ただし、利用者さんの身体に直接触れる身体介護は有資格者のもとでしか行えないなど、業務内容は限られます。
介護職が無資格で働く場合、入社1年以内に「認知症介護基礎研修」を受講して資格を取得することが義務化されています。詳しくは「介護職は無資格で働けなくなるの?認知症介護基礎研修の義務化について解説」をご確認ください。
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介護職が無資格で働ける理由
介護職が無資格で働ける理由は、介護業界の人手不足にあります。
日本では高齢化が進んでいる影響で介護職の数が不足しており、有効求人倍率が高いのが現状。厚生労働省の「介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)(p.7)」によると、全職種における有効求人倍率の平均が1.16なのに対して、介護関係職種は3.71と売り手市場の状況です。
資格保有者だけでは介護職に必要な人数を補いきれないため、無資格・未経験者のニーズは多くあります。
出典
厚生労働省「介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)」(2025年7月24日)
介護職が無資格でできること
介護職が無資格で働く場合、具体的にどこまでの業務を担当できるのかを解説します。
生活援助
生活援助は、利用者さんの身体に直接触れることなく、日常生活を送れるようサポートする業務です。具体的には買い物代行、掃除、洗濯、調理・配膳、シーツ交換などが挙げられます。無資格の方でも家事スキルを活かせれば、即戦力として活躍できるでしょう。
身体介護(施設内のみ・有資格者の指導が必要)
身体介護とは、利用者さんの身体に直接触れて行う介助業務全般を指します。無資格者は、有資格者の監督のもと、施設内であれば身体介護を行うことが可能です。
身体介護の具体例としては、食事介助や排泄介助、入浴介助、移乗介助などが挙げられます。
送迎
送迎は、デイサービスのような通所型施設において、利用者さんを自宅から施設まで車で送迎する業務です。無資格者であっても、普通自動車免許を持っていれば送迎業務を担当できます。
ただし、自宅内で利用者さんの移乗介助を行う場合は介護職員初任者研修以上の資格が必要なので、注意してください。
事務作業
介護施設における備品の発注や郵便物の発送、電話・来客対応といった事務作業全般も、無資格で行える仕事です。ただし、事務系の仕事のなかでも、介護報酬請求業務(レセプト作成)は、介護保険制度の専門知識が求められます。
なお、介護事務専門のスタッフがいる場合、介護職員が事務仕事を行わないこともあるようです。
介護職が無資格でできないこと
介護職が無資格で働く場合、担当できない業務を解説します。
訪問介護
無資格者ができない業務として、単独での訪問介護が挙げられます。
無資格者が身体介護を行うには、有資格者の監督が必要です。介護施設のように他の有資格者がいれば指示を受けながら身体介護を行うことができますが、訪問介護の場合はホームヘルパーが一人で訪問するのが基本のため、無資格者が単独で身体介護を行うことはできません。
訪問介護事業所で身体介護に携わるには、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士のいずれかの資格が必要です。生活援助については、生活援助従事者研修を修了すれば携わることができます。
資格なしで訪問介護の業務を行えるかについては、「資格なしでホームヘルパーの求人に応募できる?訪問介護を行う条件を解説!」や「訪問介護は無資格だとできない?介護職の種類と資格との関係」で詳しく紹介しています。
出典
職業情報提供サイト(job tag)「訪問介護員/ホームヘルパー」(2025年7月24日)
喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの医療的ケア
喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの医療的ケアも無資格者は行うことができません。
厚生労働省の「喀痰吸引等制度について(p.1)」によると、「喀痰吸引等研修」を修了するなど一定の条件を満たせば、医療資格を持たない介護職もたんの吸引や経管栄養の処置を行えるようになります。
介護職員ができない業務内容については「介護職が資格なしでできること・できないことは?具体的な仕事内容を解説!」でも述べているので、チェックしてみてください。
出典
厚生労働省「喀痰吸引等制度について」(2025年7月24日)
介護職が無資格で夜勤はできる?
無資格者は身体介護を一人で行えないため、有資格者の介護職と一緒のシフトであれば夜勤を担当することは可能です。有資格者の指導のもと行う身体介護や、夕食・朝食の配膳、深夜巡回、清掃といった生活援助など、無資格でもできる業務を担当するでしょう。ただし、介護職が一人体制で夜勤を担当する施設の場合は、夜勤に入るのは難しくなります。
無資格者が夜勤に入る場合の仕事内容については「介護職に無資格OKの夜勤求人はあるの?仕事内容や採用されるコツを紹介」でも説明しているので、ご確認ください。
介護職が無資格で働く場合の給料事情
この項目では、介護職が無資格で働く場合の給与についてご紹介します。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」をもとに、2024年度における月給・常勤で働く無資格者と有資格者の平均給与を保有資格別に比較してみました。
| 保有資格 | 平均給与額 |
| 保有資格なし | 29万620円 |
| 介護職員初任者研修 | 32万4,830円 |
| 介護福祉士実務者研修 | 32万7,260円 |
| 介護福祉士 | 35万50円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」
無資格者の平均給与額は約29万円です。一方、有資格者の平均給与については、介護職員初任者研修が約32万円、介護福祉士実務者研修は約33万円、介護福祉士は約35万円となっています。資格の専門性が上がるにつれて平均給与が増加しており、資格取得が給与アップにつながることが分かるでしょう。
「無資格の介護職は給与が少ない…」と心配な方は、資格取得を検討することをおすすめします。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年7月24日)
無資格の介護職が取得すると良い資格
無資格の介護職が取得すると良い資格を紹介します。無資格の介護職のキャリアパスとしては介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修を経て、介護福祉士を目指すのが一般的です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識や技術を身につけるための資格です。
厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について(p.2)」によると、介護職員初任者研修は、130時間の研修を受け、筆記試験による修了評価に合格すれば、取得することができます。
介護職員初任者研修には受講要件がなく、無資格・未経験の方も受講可能です。そのため、介護の仕事が初めての方は、まず介護職員初任者研修の取得にチャレンジしてみると良いでしょう。
介護職員初任者研修については「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」の記事でも説明しているので、チェックしてみてください。
出典
厚生労働省「介護職員・介護支援専門員」(2025年7月24日)
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レバウェル介護の資格スクール介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、初任者研修の上位資格で、国家資格である介護福祉士を受講するための要件の一つです。
厚生労働省の「実務者研修の指定基準について(p.7)」によると、450時間分の研修を修了すれば取得できます。ただし、初任者研修を取得している方であれば、130時間分の研修が免除されます。
介護職員初任者研修と同様に、介護福祉士実務者研修も未経験・無資格から受講可能です。
介護福祉士実務者研修については「介護福祉士実務者研修とは?資格取得のメリットや初任者研修との違いを解説」でも紹介しているので、チェックしてみてください。
出典
厚生労働省「介護福祉士養成施設等における『医療的ケアの教育及び実務者研修関係』」(2025年7月24日)
介護福祉士
介護福祉士は、介護に関する高度な知識と技術を持つことを証明する国家資格です。
介護福祉士の資格を取得するには、受験資格を得たうえで国家試験に合格しなければいけません。公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「[介護福祉士国家試験]受験資格」によると、受験資格を得るには「福祉系高校ルート」や「養成施設ルート」「実務経験ルート」などの方法があります。
働きながら資格を取得する場合は、実務経験ルートを選ぶのが主流です。実務経験ルートでは、「3年以上の実務経験」「介護福祉士実務者研修の修了」という2つの条件を満たすことで、介護福祉士の受験資格を得られます。
働きながら介護福祉士を目指す方法について知りたい方は「社会人として働きながら介護福祉士になるには?資格取得のルートを解説!」もあわせてご確認ください。
出典
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格」(2025年7月24日)
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介護職が無資格・未経験OKの求人を探す際のポイント
この項目では、無資格・未経験で働ける求人を探すときのポイントを紹介します。
教育・研修体制を確認する
無資格・未経験から介護職として働く場合、教育・研修体制が充実している施設を選ぶと良いでしょう。教育のマニュアルやスケジュールがしっかり整備されている施設のほか、定期面談やメンター制度があり困ったときに相談しやすい環境がある施設だと、安心して働けるはずです。
資格取得支援制度があるか確認する
資格取得支援制度があるかどうかを確認するのも重要なポイントです。資格取得支援制度のある施設であれば、介護の資格取得のために必要な費用を負担してくれたり、スクールに通うためにシフトを融通してくれたりするなどのメリットがあります。
制度を利用して資格を取得することで、入職後にスキルアップでき、転職にも有利になるでしょう。資格取得制度については「介護職の資格取得支援制度とは?給付金の種類や利用するメリットを解説」でも解説しているので、チェックしてみてください。
自分に合った施設形態を選ぶ
無資格・未経験から介護職にチャレンジする場合、自分の志向に合った施設を選びましょう。たとえば、「レベルが高い現場で、早く一人前になりたい!」という方は特養や老健など忙しい現場が向いている可能性があります。介護度が高い方が多い現場で働くと、介護に必要なスキルを早く身につけられるでしょう。
また、「未経験だから不安…」「自分に介護ができるか心配」という方は、利用者さんの介護度が比較的低いグループホームやデイサービスで働くのも選択肢の一つです。
グループホームは、小規模な施設で業務に比較的ゆとりがあるため、先輩職員に仕事を丁寧に教えてもらいやすい傾向があります。自立している利用者さんが多く、利用者さんの人数も少ないので、介護の基礎から無理のないペースで学んでいくことができるしょう。
デイサービスは、利用者さんの介護度が低く、介助量も多くないので、介護の仕事が初めての方でも対応しやすいといえます。
無資格者がデイサービスで働くときの仕事内容については「無資格でできるデイサービスの仕事内容とは?未経験で働くメリットも紹介」でも解説しているので、ご覧ください。
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介護職が無資格で働くことに関してよくある質問
介護職が無資格で働くことに関してよくある質問を紹介します。「無資格・未経験から介護の仕事を始めたい」という方は、ぜひご覧ください。
介護職として無資格・未経験から働くのは大変ですか?
無資格・未経験から介護職として働く場合、下記のようなことに大変さを感じる人は多いようです。
- 覚える業務が多い
- 利用者さんとコミュニケーションを取るのが難しい
- 介護業務の体力的な負担がきつい
- 夜勤で生活リズムが乱れる
- 職場で人間関係を築くのに時間がかかる
詳しくは「介護職が未経験で不安…無資格でも仕事はできる?転職の悩みを解消しよう!」の記事でも解説しているので、チェックしてみてください。
介護士は資格がなければ働けなくなりますか?
介護士は、入職前あるいは入職後1年以内に「認知症介護基礎研修」の資格を取得しないと働けなくなります。2021年度の介護報酬改定で、研修の受講が義務化されたためです。
認知症介護基礎研修では、認知症ケアの基本を学びます。カリキュラム自体は1日で修了できる内容なので、働きながらでも無理なく取得を目指せるでしょう。
「介護職は無資格でも働ける?」の見出しでも触れているので、あわせてチェックしてみてください。
▼関連記事
認知症介護基礎研修とは?義務化の理由や対象者と取得方法を解説
介護職として無資格から正社員になれますか?
無資格・未経験可の正社員の求人はあるので、応募して採用されれば正社員になることは可能です。または、介護職未経験・無資格からパート・アルバイトとして働き、正社員登用を目指す手もあります。施設によっては、介護職未経験・資格なしの方をまずはパート・アルバイトや契約社員として採用し、経験やスキルが身についたら正社員登用するケースがあるためです。
介護職の正社員を目指す方法については、「介護職の正社員になるには?未経験からなれる?役立つ資格やメリットを紹介」でも解説しているので、チェックしてみてください。
まとめ
介護職は無資格・未経験から働くことができます。無資格の介護職ができる業務は生活援助や有資格者の監督のもとでの身体介護業務、送迎業務、事務作業などが挙げられます。
一方、無資格の介護職は訪問介護事業所で身体介護に携わることや、喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの医療的ケアを行うことはできません。
無資格・未経験から働ける施設を探すときは、教育・研修体制が充実しているか、資格取得支援制度があるかなどをチェックすると良いでしょう。
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「レバウェル介護」編集部
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介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


