
この記事のまとめ
- 派遣の3年ルールとは、派遣社員が同じ職場で働けるのは3年までという法律
- 派遣の3年ルールには、「事業所単位」「個人単位」の2つの期間制限がある
- 派遣社員が3年以上同じ職場に勤務するには、働き方を変える必要がある
「派遣の3年ルールってどんな制度なの?」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。派遣の3年ルールとは、「派遣社員として同じ職場で働けるのは3年まで」という法律上の決まりのことです。この記事では、派遣の3年ルールの概要や対象者、例外のケースを解説します。3年ルールの目的や、メリット・デメリットもまとめました。派遣社員が3年以上同じ職場で働き続ける方法もご紹介するので、ぜひご一読ください。
介護派遣のメリットとデメリットは?働き方や派遣会社の選び方、体験談も派遣の「3年ルール」が不安な方へ
目次
労働者派遣法の3年ルールとは?
労働者派遣法の3年ルールとは、「有期雇用の派遣社員が同じ職場で働く期間が3年を超えてはいけない」という法律のことです。この法律は、2015年9月の労働者派遣法改正により定められました。
労働者派遣法第35条の3には、労働者派遣の期間について次のように記載されています。
派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。
引用:e-Gov法令検索「労働者派遣法第35条の3」
有期雇用の派遣社員が同じ勤務先で3年以上働き続けるには、課や部署を異動するか、雇用形態を変更する必要があります。同じ職場で3年以上働く方法は、この記事の「派遣社員が同じ職場に3年以上勤務する方法は?」で解説しています。
出典
e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(2026年6月23日)
派遣法の3年ルールはなぜあるの?作られた背景
3年ルールが設けられた主な目的は、「派遣社員の雇用の安定とキャリアアップを図ること」です。法改正が行われる前は、特に専門性が高いとされる「専門26業務」に関しては、派遣期間の上限が設けられていませんでした。そのため、派遣という不安定な雇用形態のまま長く働き続けざるを得ない場合があったようです。
そこで国は3年ルールを導入し、派遣先での直接雇用や、派遣会社での無期雇用への転換を促すことで、派遣社員の雇用の安定を図る仕組みを作りました。
派遣法の3年ルールの対象者
派遣法の3年ルールの対象になるのは、派遣会社と有期雇用契約を結ぶ派遣社員のみです。「登録型派遣」は有期雇用に該当します。ただし、下記の場合は例外となるのでチェックしておきましょう。
- 年齢が60歳以上である
- 有期プロジェクトに派遣されている
- 日数限定業務に従事している
- 産休・育休・介護休業を取る職員の代替業務に派遣されている
- 派遣会社と無期雇用の契約を結んでいる
年齢や契約の条件によっては、派遣法の3年ルールの対象外になる場合があるようです。詳しくは、後述の「派遣法の3年ルールの例外となる派遣労働者」で解説します。
出典
厚生労働省「労働者派遣事業について」(2026年6月23日)
派遣の「3年ルール」が不安な方へ
派遣法の3年ルールに定められている2つの期間制限

派遣法の3年ルールに定められている期間制限には、「事業所単位の期間制限」と「個人単位の期間制限」の2つがあります。下記で一つずつ解説するので、違いを理解しておきましょう。
事業所単位の3年ルール
事業所単位の3年ルールとは、「同一の事業所が派遣社員を受け入れられる期間は最長3年まで」という制限のことです。途中で派遣社員の入れ替わりがあった場合も、事業所の受け入れ可能期間はリセットされません。
そのため、新しく入った派遣社員個人の派遣期間が3年未満であっても、派遣先の事業所が派遣社員の受け入れを開始してから3年が経つと、原則として同じ職場で働き続けることはできません。
ただし、派遣可能期間が終了する1ヶ月前までに、派遣先が過半数労働組合もしくは過半数労働者への意見聴取を適切に行えば、3年ごとに期間の延長が可能です。意見聴取で過半数労働組合もしくは過半数労働者から反対意見が出た場合は、対応方針の説明が必要となります。
個人単位の3年ルール
個人単位の期間制限とは、「派遣社員が同じ職場で働ける期間は最長3年まで」という規則です。派遣会社と有期雇用契約を結ぶ派遣社員は、原則として派遣先の同一の組織単位(同じ課やグループなど)に3年を超えて勤務することはできません。
事業所単位の3年ルールを延長した場合でも、個人単位のルールは個別に適用されます。派遣社員として働く方が、部署異動をせず同じ課で3年を超えて働き続けたい場合は、「派遣先に直接雇用してもらう」「派遣会社と無期雇用の契約を結ぶ」などの対策が必要です。
出典
愛知労働局ホームページ「労働者派遣の受入れ期間制限ルールなどにご留意ください」(2026年6月23日)
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派遣法の3年ルールの例外となる派遣労働者
ここでは、派遣3年ルールの例外となる5つのケースをご紹介するので、自分が当てはまるかチェックしておきましょう。
年齢が60歳以上の人
派遣社員として働き、3年が経過した時点で年齢が60歳以上になる方は、派遣の3年ルールの対象外です。たとえば、58歳や59歳で現在の職場で働き始め、3年経ったときに60歳を迎えていれば例外として扱われます。
60歳以上になると派遣期間の制限がなくなるため、契約更新が続く限り、派遣社員として同じ職場で働き続けることが可能です。
有期プロジェクトに派遣されている人
期限付きのプロジェクト(有期プロジェクト)に従事する派遣社員も、3年ルールの対象外です。有期プロジェクトとは、事業の立ち上げや拡大、縮小などに伴う仕事で、あらかじめ期間が決まっているプロジェクトを指します。
法律上、プロジェクトの期間に3年以内という制限はありません。そのため、「4年計画の新システム構築プロジェクト」のようなプロジェクトであっても、期間が明確であれば3年を超えて同じ業務に従事できます。
日数限定業務に従事している人
派遣社員として日数限定の業務に従事する場合も、3年ルールの対象外となります。日数限定業務とは、「1ヶ月の所定労働日数が、派遣先の所定労働日数の半分以下かつ月10日以下」である仕事のことです。たとえば、月に数回だけの棚卸しや、土日のみ開催されるイベント受付などが該当します。
ただし、あくまでその業務自体が月10日以下しか発生しないことが条件です。派遣社員の勤務を月10日以下にしても、毎日発生する業務に従事させる場合、3年ルールが適用されるため注意しましょう。
産休・育休・介護休業の代替業務に派遣されている人
産前産後休業や育児休業、介護休業などを取得する職員の業務を代わりに行うために派遣された場合も、3年ルールは適用されません。休業制度を利用する職員の復職を前提に雇用されるため、3年ルールの対象外となります。
派遣会社と無期雇用の契約を結んでいる人
派遣会社と無期雇用契約を結んでいる方も、3年ルールの対象外です。無期雇用派遣とは、雇用期間の定めのない契約を結ぶ派遣社員のことで、常用型派遣とも呼ばれます。無期雇用の派遣社員は、派遣会社からの長期的な雇用を前提としているため、3年ルールが適用されません。
なお、無期雇用の派遣社員は、個人単位だけでなく事業所単位の期間制限も対象外です。そのため、派遣先が有期雇用の派遣社員をほかで1人も受け入れていない場合、事業所単位の期間制限の延長手続きも発生しません。
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派遣社員が同じ職場に3年以上勤務する方法は?
派遣社員として働いている方のなかには、「3年以降も同じ職場で働きたい」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、派遣社員が3年以上同じ職場で働き続ける方法を解説します。
派遣先に直接雇用に切り替えてもらう
派遣社員は、派遣先の会社や法人から直接雇用されれば、同じ職場で働き続けることができます。直接雇用とは、派遣先の事業所と雇用契約を結ぶこと。派遣先から「今後も継続して働いてほしい」という要望があり、派遣社員も「このまま仕事を続けたい」という希望があれば、直接雇用の契約を結ぶことが可能です。
ただし、「直接雇用=正社員」とは限らず、契約社員やパート・アルバイトとしての雇用となる場合もあります。直接雇用に切り替える際は、基本給や賞与、福利厚生などに納得できるか、事前にしっかり確認しておきましょう。
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同じ派遣先で部署を異動する
派遣社員は、3年が経過したときに部署や課を異動すれば、同じ派遣先でまた3年間働けます。直接雇用への切り替えは難しいものの働き続けてほしい場合、派遣先から異動を打診される可能性があるでしょう。
たとえば、介護職として働いており、勤務先が複数の介護施設を併設している場合、「特別養護老人ホームで働き、その後ショートステイに異動する」といった働き方が可能です。
ただし、異動しても指揮命令者と業務内容が変わらなければ、3年ルールが適用される場合も。派遣先で異動するときは、関わる人や携わる仕事が変わることを理解する必要があります。
今の勤務先で働き続けたい派遣社員の方は、派遣先で異動して働き続ける選択肢があるかどうか、派遣会社に確認してみると良いでしょう。
派遣会社と無期雇用の契約を結ぶ
派遣会社と無期雇用の契約を結ぶことで、3年ルールの対象外となります。契約更新が不要で雇用と収入が安定するのが、無期雇用の派遣社員として働くメリットです。一方で、派遣先を選べない場合があったり、ワークスタイルが固定される場合があったりするというデメリットも挙げられます。
雇用契約の切り替えは、派遣会社と派遣社員の合意のもと行われるため、無期雇用派遣が自分に合う働き方なのかを検討することが重要です。また、派遣会社によっては無期雇用の制度がない場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
派遣の「3年ルール」が不安な方へ
派遣法の3年ルールに違反すると罰則があるの?
3年ルールに違反した場合、派遣会社は労働者派遣法第61条第3項の規定により、30万円以下の罰金を科されることがあります。また、厚生労働大臣による業務停止命令および改善命令といった行政処分の対象となるでしょう。派遣先の事業所にも行政指導が入る場合があります。
また、違法な派遣が行われた時点で、「労働契約申込みみなし制度」が適用されるのも、派遣先のペナルティの一つです。
労働契約申込みみなし制度とは、派遣先企業が派遣社員に対して、派遣元と同じ労働条件での契約を申し込んだとみなすこと。派遣先に過失があり、事業所単位・個人単位の3年ルールに反して派遣社員を同じ組織で受け入れた場合など、派遣社員を違法に従事させた場合に適用されます。
労働契約申込みみなし制度が適用され、派遣社員側が承諾すれば、派遣先企業との間で労働契約が成立する仕組みです。
出典
e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(2026年6月23日)
厚生労働省「労働者派遣事業について」(2026年6月23日)
派遣法の3年ルールがもたらすメリット
派遣3年ルールは、派遣社員と派遣先の双方にとってメリットがある制度です。ここでは、派遣社員にとってのメリットと派遣先にとってのメリットの2つに分けて解説します。
派遣社員にとってのメリット
派遣の3年ルールのメリットは、派遣社員として働いて3年が経つと、直接雇用や無期雇用に切り替えられる機会があることです。3年ルールが定められる以前は、何年働けば長期雇用に切り替えてもらえるのか分からないまま、不安定な雇用で働き続けるケースがありました。
派遣期間の制限があると、「直接雇用が可能なのか」を派遣先に確認したり、「無期雇用に切り替えられるか」を派遣会社に聞いたりするタイミングを図りやすいでしょう。次の働き方を早い段階で判断できるため、派遣社員はキャリアプランを立てやすくなったといえます。
派遣先にとってのメリット
3年ルールの派遣先企業にとってのメリットは、優秀な人材を見極めて直接雇用するチャンスを得られることです。期限付きで派遣社員を受け入れて一緒に働くなかで、自社にマッチする人材だと分かれば、3年を迎える前に直接雇用を提案できます。
すでに自社の業務や職場環境をよく知っている派遣社員を直接雇用すると、採用後のミスマッチによる早期離職のリスクを減らせるでしょう。また、業務を一から教える必要がないため、教育にかかるコストや時間を削減できるのもメリットです。
派遣の「3年ルール」が不安な方へ
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派遣法の3年ルールで生じるデメリット
3年ルールにはメリットがある一方で、デメリットもあります。ここでは、派遣社員と派遣先にとってのデメリットをご紹介するので、確認しておきましょう。
派遣社員にとってのデメリット
派遣社員のデメリットとして、「3年で雇い止めとなる可能性がある」「無期雇用の派遣社員になると直接雇用が難しい」があります。「同じ職場で長く働きたい」と思っている派遣社員には、派遣法の3年ルールがデメリットになるかもしれません。
3年で雇い止めとなる可能性がある
有期雇用の派遣社員は、3年ルールにより最長3年までしか同じ職場で働けません。直接雇用されず3年で雇い止めとなった場合、新たな職場で仕事を覚えたり人間関係を構築し直したりする必要があり、大変さを感じる可能性があります。
今の労働環境や仕事内容に満足して働いている派遣社員にとって、3年ルールはデメリットになり得るでしょう。
無期雇用の派遣社員になると直接雇用が難しい
3年ルールへの対策として派遣会社と無期雇用派遣の契約を結ぶと、派遣先から直接雇用してもらえる可能性が低くなるというデメリットがあります。無期雇用の派遣社員として長期的に働く場合、派遣先に「自社で管理コストや雇用リスクを抱え直接雇用へ切り替えるメリットが薄い」と判断される可能性があるでしょう。
派遣先での正社員登用や直接雇用を目指して働いている方にとって、派遣会社と無期雇用契約を結ぶことはデメリットになるかもしれません。
派遣先にとってのデメリット
派遣先にとっての3年ルールのデメリットは、仕事に慣れた派遣社員にそのまま働き続けてもらえず、人材の確保に影響することです。
自社で経験やスキルを積んだ派遣社員であっても、直接雇用に切り替えない限り、制度上3年以上働いてもらうことは難しいといえます。直接雇用の提案をしても、派遣社員から断られる可能性もあるでしょう。
3年ルールによって人材の入れ替わりが発生すると、契約手続きや教育のコストがその都度必要で、派遣先の企業にとって負担となります。
3年ルールが適用された派遣社員はどうしたら良い?
「派遣で3年働いた後、同じ職場で働き続けられないときはどうしたら良いの?」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。ここでは、3年ルールが適用された場合のキャリアの選択肢を紹介します。
同じ派遣会社に違う派遣先を紹介してもらう
3年ルールにより同じ派遣先で働き続けられなくなった場合は、派遣会社に新しい派遣先を紹介してもらいましょう。派遣先を変えれば期間のカウントがリセットされるため、また新たに最長3年間、派遣社員として働くことが可能です。
労働者派遣法第30条によると、同じ職場で派遣就業見込みが3年あり、就業継続を希望する派遣社員に対し、派遣会社は次の就業機会を確保する雇用安定措置を講じる義務があります。新しい派遣先の紹介も雇用安定措置に含まれるため、次の職場へスムーズに移行できるよう派遣会社がサポートしてくれるでしょう。
なお、派遣会社側が次の就業先を探すには準備期間が必要なため、遅くとも契約満了の1ヶ月前までに、今後の希望を担当者へ相談しておくのがおすすめです。
出典
e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(2026年6月23日)
違う派遣会社に乗り換えて職場を紹介してもらう
「派遣社員として働き続けたいけど、今の派遣会社に不満がある」という場合、派遣会社を変えるのも選択肢の一つです。派遣会社を変えることで、自分に合った求人が見つかるかもしれません。働きたい業界や職種に特化した派遣会社であれば、求人が豊富で選択肢が多いため、自分に合う職場を見つけやすくなります。
一つの派遣会社だけの利用だと、対応や求人が自分に合っているのか判断しにくいので、複数の派遣会社に問い合わせをするなどして比較してみると良いでしょう。
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派遣以外の雇用形態で働く
「ボーナスをもらって年収を上げたい」「期間の制限を気にせず、一つの会社で長く働きたい」などの希望がある場合は、派遣という働き方を離れて、別の会社へ正社員やパートとして転職するのも選択肢の一つです。派遣社員として経験済みの仕事であれば、「経験者のみ」や「経験者歓迎」の求人で有利になり、転職先の選択肢を広げられるでしょう。
「いきなり正社員として働くのはハードルが高い」という方は、まずはパートやアルバイトとして転職し、その後に正社員登用制度で正社員を目指す方法もあります。
ただし、正社員登用制度があっても、正社員に登用されるとは限りません。パートやアルバイトから正社員を目指す場合は、転職先の正社員登用制度の実績や基準を確認しておくと良いでしょう。
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派遣社員が契約更新時に高評価を得るためにできること
派遣社員が同じ職場で長く働くには、派遣先からの評価が大切です。派遣先での印象が良ければ、3年を限度に契約期間を更新してもらえる可能性があるでしょう。また、会社に貢献する人材だと評価されれば、直接雇用を打診されるチャンスもあります。
ここでは、派遣社員が契約更新時に高評価を得るためにできることをご紹介するので、参考にしてみてください。
自身に合った職場で働く
派遣社員として長期的に活躍するには、自分に合った派遣先を見つけることが大切です。自分の強みや経験、スキルを活かせる職場を選べば、即戦力として頼りにされるでしょう。派遣先から必要な人材だと評価されることで、雇い止めに遭う可能性は低くなります。
派遣先でのコミュニケーションを大切にする
派遣先でのコミュニケーションを大切にして周囲と信頼関係を築けば、業務を円滑にこなせるようになります。その結果として、契約更新時の高評価につながることが期待できるでしょう。
「派遣社員だから」とコミュニケーションを怠ってしまうと、トラブルの原因になったり、新たな仕事を任せてもらえなくなったりする可能性があります。特に新しい派遣先では、積極的にコミュニケーションを取るように意識してみましょう。タイミング次第では、自身の経歴や得意分野を伝えることで、適性のある仕事を任せてもらえるかもしれません。
報連相をしっかり行う
報告・連絡・相談を適切に行うことで、業務上のトラブルを防ぎ、業務の質を上げることができます。派遣先から業務態度について良い評価を得られれば、契約満了まで長く働けるでしょう。
報連相のポイントは、緊急度が高ければすぐに報告すること、優先度が低い場合は相手の作業中を避けてタイミングを見て声を掛けることです。報連相を行うときは、要点をまとめて結論から話すと伝わりやすくなります。
また、「業務の手順は先輩に聞く」「緊急時は上司に相談する」など、内容に応じて報連相を行う相手を見極めることも大切です。
派遣先で業務改善の提案をする
派遣先の課題に積極的に向き合う姿勢を示すことで、周囲からの評価が上がることがあります。「派遣だから…」と消極的にならず、多様な経験をしてきた派遣社員だからこそ、これまでの経験やスキルを活かすことが大切です。
ただし、職場ごとに方針があるので、気づいたことがあれば、全体に共有する前に上司や先輩に相談してみると良いでしょう。
まじめな勤務態度を心掛ける
派遣社員として長く働くためには、普段からまじめな勤務態度を心掛けることが大事です。気を抜き過ぎて仕事中の私語が多くなると、「口ばかり動かして仕事をしていない」と思われることも考えられます。遅刻が多いと、「時間にルーズでだらしない」という印象を持たれてしまうかもしれません。
ときには力を抜くことも必要ですが、職場での評価を落とさないよう、まじめな勤務態度を維持しましょう。
派遣会社の担当者と良好な関係を築く
派遣社員として長く働くには、派遣会社の担当者と良好な関係性を築くことも大切です。不満を抱えながら働き続けると、ストレスにつながるおそれがあります。派遣会社の担当者と良好な関係性であれば、業務上のトラブルや待遇面の相談がしやすく、快適に働き続けられるでしょう。
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派遣の「3年ルール」が不安な方へ
派遣の3年ルールと5年ルールの違いは?
雇用に関する制度には、「3年ルール」のほかに「5年ルール」という制度もあります。3年ルールは派遣社員にのみに適用されるのに対して、5年ルールは有期雇用で働くすべての人のための制度です。
ここでは、5年ルールについて解説します。
5年ルールとは
労働契約法の5年ルールとは、「同じ企業との有期雇用契約が通算で5年を超えた場合、労働者の申し込みによって期限のない無期雇用に転換できる権利が発生する」という制度です。
「無期転換ルール」とも呼ばれ、労働契約法第18条第1項に定められています。派遣社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトなど、有期雇用契約で働くすべての人が対象です。
派遣社員の場合、契約の相手は派遣先ではなく派遣会社になるため、同じ派遣会社との雇用契約が通算して5年を超えると適用されます。通算の契約期間が5年を超えたタイミングで、派遣社員側から派遣会社へ無期雇用への転換を申し込めば、無期雇用契約を結ぶことが可能です。
出典
e-Gov法令検索「労働契約法」(2026年6月23日)
5年ルールの注意点
5年ルールは有期雇用で働く労働者の雇用の安定につながる制度ですが、以下のような注意点があります。
無期転換の手前で雇い止めに遭う可能性がある
5年ルールの懸念点は、無期転換の権利が発生する通算5年を迎える直前に、派遣会社から雇い止めに遭う可能性があることです。「同じ派遣会社で長く働き続けたい」という派遣社員にとって、希望が叶わなくなってしまうのはデメリットといえます。
ただし、5年ルールを免れるための雇い止めは、制度の趣旨に反する行為です。厚生労働省の「無期転換ルールについて」には、雇用主側は雇い止めに関して慎重な対応が必要と記載されています。
無期転換によって労働条件が良くなるとは限らない
5年ルールは、雇用契約の期間の定めをなくし、労働者の生活の安定を図ることが目的の制度です。待遇改善のための制度ではないため、5年ルールを適用して無期雇用に転換しても、必ず正社員になれたり給与が上がったりするわけではありません。
詳細な条件は勤務先によって異なりますが、基本的に直前の有期契約契約の際と同じ条件が引き継がれる場合が多いようです。また、無期雇用への転換の際に契約内容が変わると、勤務時間の変更や異動を命じられるようになる可能性があります。
5年ルールの対象外となる人
合計して5年以上同じ派遣会社と契約していても、次の契約までに6ヶ月以上の無契約期間があると、それ以前の契約期間は通算できません。この無契約期間を「クーリング期間」と呼び、勤務期間がリセットされてしまうため注意が必要です。
5年ルールの対象になる派遣社員は、これまでに派遣会社で1回以上契約更新をしており、その派遣会社との有期雇用契約が継続している方です。
出典
厚生労働省「無期転換ルールについて」(2026年6月23日)
3年ルールだけじゃない!派遣法改正のこれまで
派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)は、派遣社員の働きやすさを考えて何度も法改正されてきました。ここでは、これまでの改正の経緯を紹介します。
2015年:特定派遣の廃止
2015年まで派遣事業は、「一般派遣事業」と「特定派遣事業」に分けられていましたが、2015年の労働者派遣法改正で特定派遣事業は廃止され、「派遣事業」に統一されました。
廃止の目的は、派遣社員の雇用の安定と派遣会社の管理の強化です。一般派遣事業は許可制でしたが、特定派遣事業は届出制で比較的規制が緩く、派遣期間の制限がありませんでした。本来、特定派遣は期限のない常用雇用が前提の仕組みでしたが、実態は派遣先がない期間は給与を出さないなど、「名ばかりの常用型」として雇用が不安定になる傾向があったようです。
そこで、一般派遣事業に統一し、すべての労働者派遣事業を許可制とすることで、派遣社員の保護が強化されました。
上記のほか、2015年の派遣法改正では、「3年ルール」や派遣社員のキャリアアップを目的とした「キャリアアップ措置」、派遣社員と派遣先の社員の待遇の均衡を図るための「均衡待遇の推進」などが行われています。
2020年:同一労働同一賃金
2020年には、雇用形態による不合理な待遇格差をなくすことを目的に、「同一労働同一賃金」が導入されました。同一労働同一賃金とは、「雇用形態に関わらず、同じ仕事をする労働者に対しては、賃金や手当などの待遇の差を解消しなければならない」という制度です。
派遣社員の場合は、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」の2種類があります。「派遣先均等・均衡方式」とは、派遣先の社員の待遇に合わせて、同一労働同一賃金を実現しようとする方式のことです。
一方、「労使協定方式」は、派遣会社が定めた労使協定に基づいて待遇を決める方式。勤務先のエリアで同じ業務に就いている正社員の待遇に合わせて、同一労働同一賃金を図ります。
自身に「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」のどちらが適用されているか確認する際は、派遣会社に問い合わせてみてくださいね。
2021年:派遣労働者の雇入れ時の説明事項の追加
2021年は、派遣会社に対して、派遣社員を雇用する際の説明義務が強化されました。派遣会社は派遣労働者を雇用する際に、キャリアアップ措置や教育訓練計画の内容の説明を行わなければなりません。
2015年のキャリアアップ措置により、「派遣会社は派遣社員の教育訓練の実施やキャリアコンサルティングの相談窓口の設置を行わなければならない」と定められました。しかし、制度はあるものの、受講率が高くない派遣会社もあったようです。
そのため、2021年の法改正では、派遣社員のキャリア形成を実現するために、説明義務が強化されたという背景があります。
2024年:労働条件明示の義務化
2024年4月からは、契約時の労働条件明示のルールが追加されました。契約時・更新時には、就業場所や業務内容が将来的にどこまで変わる可能性があるかという「変更の範囲」を書面ではっきり示さなくてはなりません。
また、5年ルールが適用される更新のタイミングで、派遣会社から「無期雇用への転換を申し込めること」と「無期転換後の具体的な労働条件」をセットで労働者に明示することが義務化されました。無期雇用を申し込む前に、労働条件をしっかり確認・比較することが可能です。
出典
厚生労働省「労働者派遣事業について」(2026年6月23日)
厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」(2026年6月23日)
派遣の「3年ルール」が不安な方へ
派遣の就業ルールに関するよくある質問
ここでは、派遣の就業ルールに関するよくある質問に回答します。「3年ルールについて詳しく知りたい」という派遣社員の方はご覧ください。
途中で派遣会社を変更したら3年ルールはどうなりますか?
派遣会社を変えたとしても、同じ派遣先で働く場合は、原則として3年ルールが適用されます。派遣社員として3年を超えて同じ部署で働くことはできません。
派遣会社の変更については、「派遣会社の乗り換えは可能?手続きは?メリット・デメリットや注意点を解説」の記事も参考にしてみてください。
派遣の3年ルールに抜け道はありますか?
同じ職場・部署で、有期雇用の派遣社員として働く場合、3年ルールの抜け道はありません。派遣社員は3年以上同じ職場では働けないのが原則ですが、この記事の「派遣法の3年ルールの例外となる派遣労働者」で解説しているケースに該当する場合、3年ルールの対象外です。
派遣社員にとって3年ルールはひどい制度なの?
3年ルールに不満のある派遣社員の方のなかには、「辞めたくないのに、3年で仕事を変えないといけないなんてひどい」と思う方もいるようです。しかし、3年ルールは、派遣社員の雇用の安定やキャリアアップを目的に作られた制度なので、メリットを感じる方もいるでしょう。詳しくは、この記事の「派遣法の3年ルールがもたらすメリット」を確認してみてくださいね。
派遣の3年ルールはいつから廃止されますか?
2026年6月時点では、派遣法の3年ルールが廃止される予定はありません。2015年に派遣法が改正されて以降、派遣社員として同じ部署で3年以上働くことはできなくなりました。同じ職場で働き続けるには、派遣先との直接雇用に切り替えるか、派遣会社と無期雇用の契約を結ぶなどの方法を取る必要があります。
詳しく知りたい方は、この記事の「派遣社員が同じ職場に3年以上勤務する方法は?」をご覧ください。
まとめ
派遣の3年ルールとは、「有期雇用の派遣社員として同じ職場で働けるのは3年まで」という法律の通称です。一部例外となるケースはあるものの、派遣社員には原則としてこの3年ルールが適用されます。
派遣社員が3年以上同じ職場で働くためには、「派遣先に直接雇用してもらう」「部署を異動する」「派遣会社と無期雇用契約を結ぶ」など、雇用条件の見直しが必要です。派遣の3年ルールが適用されて転職する場合は、派遣社員として違う職場に勤務するか、派遣以外の雇用形態で働くことになるでしょう。
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派遣の「3年ルール」が不安な方へ
監修者

染谷
レバウェル介護 キャリアアドバイザー
転職は人生の転換期です。だからこそ、「この人に相談をして良かった」と思っていただけるような対応を心がけています。私自身も転職経験があるので、実体験も踏まえながら皆さんの不安を解消できたらと思います。
▼介護専門のキャリアアドバイザーについて ▼染谷の紹介ページを見る執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点



