
「ケアマネ試験の難易度は高いのでは?」と不安に感じている方もいるでしょう。実際のところ、2021年度のケアマネ試験の合格率は23.3%となっており、難易度の高さがうかがえます本記事では、ケアマネ試験の難易度を、公的データを交えて解説。2022年度ケアマネ試験の予想合格ラインや難易度のほか、合格率や試験の対策方法についてもご紹介しているので、ケアマネを目指している方はぜひ参考にしてみてください。
ケアマネージャーとは?必要な資格や給料などについてわかりやすく解説!目次
ケアマネ試験の難易度
ケアマネ試験の難易度は高いイメージを持つ人は少なくありません。ここでは、厚生労働省が提供する合格率のデータをもとに、最近のケアマネ試験の難易度を見ていきましょう。
2021年度(第24回)の合格率
厚生労働省の「第24回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」によると、2021年度(第24回)ケアマネ試験の合格率は23.3%でした。以下は、2021年度から遡った5年間の結果をまとめたものです。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年度(第24回) | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
2020年度(第23回) | 46,415人 | 8,200人 | 17.7% |
2019年度(第22回) | 41,049人 | 8,018人 | 19.5% |
2018年度(第21回) | 49,332人 | 4,990人 | 10.1% |
2017年度(第20回) | 131,560 人 | 28,233 人 | 21.5% |
2016年度(第19回) | 124,585 人 | 16,281 人 | 13.1 % |
2021年以前の5年間のデータから算出すると、合格率の平均は18.4%です。そのため、2021年度のケアマネ試験の合格率は平均よりも高かったことが分かりますね。とはいえ、2018年度の合格率は10.1%となっており、平均より低い値です。受験する年度によって、合格の難易度は変化することを覚えておきましょう。
2021年度(第24回)の受験者数
難易度と一緒に受験者数を知っておくと、ケアマネ試験の実態をイメージしやすくなります。同調査によると2021年度(第24回)におけるケアマネ試験の受験者数は、5万4,290人。そのうち合格者は1万2,662人でした。およそ5人に4人の割合でケアマネ試験に落ちてしまっていることを考えると、合格するには十分な対策が必要であることが予想できますね。
また、ケアマネ試験の合格率が低い理由は、2018年から受験資格が厳格化したことが挙げられます。詳細は、「ケアマネージャーの合格率はどれくらい?試験を通過するポイントとは」でまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「第24回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(2022年1月25日)
働きながら資格を取る方法教えます
ケアマネ試験の概要
ここでは、ケアマネ試験の概要をまとめました。「ケアマネ試験って何?」「これから挑戦するかどうか考えたい」という方は、以下を確認しておきましょう。
ケアマネ(介護支援専門員)資格とは
ケアマネ(介護支援専門員)資格とは、各自治体が扱う公的資格です。介護福祉士のような国家資格ではありません。
ケアマネとは
厚生労働省の「介護支援専門員(ケアマネジャー) 」によると、以下のように定義されています。
要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者
厚生労働省の「介護支援専門員(ケアマネジャー) 」
ケアマネを名乗るのはもちろん、ケアマネ―ジャーとして業務を行うには、ケアマネ試験に合格したうえで登録申請を行い、各自治体から介護支援専門員証の交付を受けなければなりません。ケアマネのなり方は、「ケアマネージャーになるには?受験資格やケアマネ廃止の噂の真相を解説!」で詳しくまとめているので、気になる方はご参照ください。
ケアマネ試験の受験資格
ケアマネ試験の受験資格は、受験する地域によって異なります。たとえば東京都の場合、「対象となる資格及び業務で一定の実務経験を満たしている」というのが要件の一つです。具体的には、以下のような場合に受験資格を満たせます。
- 指定する国家資格(医師・看護師・介護福祉士など)の実務経験が5年以上あり、従事した日数が900日以上あること
- 生活相談員や支援相談員などの相談援助業務経験が5年以上あり、従事した日数が900日以上あること
受験資格の区分は多岐にわたっているので、上記に挙げた資格以外にも該当するものがあります。ケアマネ試験に挑戦する場合は、自身の保有資格や業務経験が受験資格を満たす内容であるかを、受験する地域を管轄する自治体に問い合わせることからはじめましょう。
ケアマネ試験の日程・受験料・申込期間
2021年度のケアマネ試験は10月10日(日曜日)に開催されました。例年10月の日曜日に開催されるため、2022年以降も同時期に開催されると考えられます。
また、受験料は東京都の場合で12,900円(受験手数料と払込手数料込み)です。
申込み期間は令和4年6月1日(水)~6月30日(木)(※当日消印有効)です。当日の消印有効ですが郵送のみとなっているので、余裕を持って申込みを行いましょう。
ケアマネージャーの試験手続きを解説!申し込みの方法や提出書類
ケアマネ試験の合格発表日は?
ケアマネ試験の合格発表は、令和4年12月2日(金)です。
出典
厚生労働省「介護職員・介護支援専門員」(2022年1月25日)
公益財団法人 東京都福祉保健財団「トップページ」(2022年1月25日)
ケアマネ試験の合格ラインは?
ケアマネ試験の合格ラインは正答率70%です。合格ラインは難易度に合わせて補正されるため必ずというわけではありませんが、どの分野においても正答率70%を超えておくのが理想といえます。
なお、ケアマネ試験は全60問あり、その内訳は介護支援分野から25問、保健医療福祉サービス分野から35問です。1問1点で換算されるので、少なくとも介護支援分野で18点、保健医療福祉サービス分野で25点を目安に合格を目指すと良いでしょう。
2022年度(第25回)ケアマネ試験の予想合格ラインは
2022年度のケアマネ試験は、全体的に難易度が低かったという感想が多いようです。
例年合格点は7割ほどですが、今年は例年と比べても合格点が上がる可能性があります。また、両分野それぞれ7割以上の点数を取る必要があります。
介護支援分野17点、保健医療福祉サービス分野25点、合計して42点が合格ラインになるのではないでしょうか。
ケアマネージャーは実務をこなしながら経験を積んで行くのがおすすめです。今回合格点に届かなかった方は、働きながら資格を取れる施設で経験を積むのもおすすめですよ。
2021年度(第24回)東京都の合格基準
東京都では、2021年度(第24回)のケアマネ試験の合格基準を公表しています。それによると、ケアマネ試験に出題される分野別の合格基準は以下のとおりです。
分野 | 問題数 | 合格基準 |
介護支援分野 | 25問 | 14点 |
保健医療福祉サービス分野 | 35問 | 25点 |
引用:東京都福祉保健局「トップページ」
2021年度のケアマネ試験の場合、介護支援分野の合格基準は14点でした。前述のとおり、介護支援分野の合格ラインである18点よりも低い基準であったため、例年よりも難易度が高めであったことが予想されます。正答率70%というのはあくまで目安のため、それ以上が求められる場合もあることを念頭に置きましょう。
「ケアマネ試験に合格できなかったかも…」と不安な方は、「ケアマネ試験の合格率が低い理由とは?対策ポイントと落ちたときの対処法!」の記事をご参照ください。過去のケアマネ試験の合格率の推移や対策方法についてまとめていますので、気持ちをリセットするヒントが見つかるはずです。
出典
東京都福祉保健局「トップページ」(2022年1月25日)
ケアマネ試験に合格に向けた4つの対策方法
ケアマネは介護に関わる職種のなかでも、専門知識や経験を問われる難易度の高い仕事です。ケアマネ試験の合格を目指すなら、しっかりと対策をしておきましょう。
1.各分野をバランス良く学習する
前述のとおり、ケアマネ試験の出題分野は「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」の2つあります。どちらか一方だけ合格ラインを超えていても、片方が下回っていれば不合格になってしまう恐れがあり、各分野をバランスよく学習して対策しておくことが大切です。おすすめの学習法は、過去問を活用してケアマネ試験の問題を一通り練習しておくこと。実際の問題を解くことで、自分の苦手分野を洗い出しましょう。
2.「五肢複択方式」「マークシート形式」の問題に慣れる
ケアマネ試験の問題に慣れておくことも合格の可能性を上げる秘訣です。たとえば、ケアマネ試験の「五肢複択方式」は、慣れていないと「答えを1つ選べば良い」と勘違いしてしまう可能性も。五肢複択方式では、5つの項目のなかから正しいものをすべて選ばなければ得点になりません。「答えは1つとは限らない」というのが、ケアマネ試験の難易度を上げる要素の一つとなっています。また、マークシート形式に慣れておくのもポイント。問題とマークシートの位置を間違えずに記入できるよう、練習しておくのがおすすめです。
3.ケアマネ試験対策の通信講座やスクールを活用する
独学でケアマネ試験の対策をするのに不安を感じる人は、通信講座やスクールを活用するのも方法の一つ。通信講座やスクールでは、あらかじめケアマネ試験対策のポイントや問題を用意してもらえ、プロによる添削を受けられるのがメリットです。働きながら勉強をするなら通信講座、時間に余裕があるならスクールを活用するなど、状況に合わせて選んでみると良いでしょう。通信講座やスクールを利用した勉強法に興味のある方は、「ケアマネ試験の勉強法とは?独学もありなの?」を参考にしてみてください。
4.職場と相談して勉強時間をつくる
ケアマネ試験に合格するには、勉強時間の確保も重要です。もし、今の職場で「介護職と学習の両立が難しい」「人間関係に対するストレスで勉強に集中できない」といった状況があるなら、一度職場の上司に相談してみましょう。業務量や人員配置を調整してもらえれば、勉強時間を確保しやすくなる可能性があります。それでも勉強時間が確保できない場合は、ケアマネ試験を目指しやすい職場へ転職してみるのも選択肢の一つ。資格取得に対して理解のある職場や自分のペースで働ける職場などを選べば、勉強もスムーズにできるはずですよ。
まとめ
2021年度(第24回)ケアマネ試験の合格率は23.3%という結果でした。最近の合格率は20%前後となっていることから、ケアマネ試験の難易度は比較的高めであるといえます。
ケアマネ試験の勉強法は、独学、通信講座、スクールなどの方法があります。学習方法よりも、どのような対策をどれだけ行ったかが大切なので、自身の状況に合わせたやり方を選びましょう。
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