
この記事のまとめ
- 介護職の面接で退職理由を聞かれる理由は、応募者の適性を判断するため
- 退職理由を伝えるポイントは、「前向きな印象を与える内容にすること」など
- 介護職の面接で伝える退職理由が思いつかないときは、例文を参考にしよう
「介護職の面接で退職理由を聞かれたときは、どう答えればいいのだろう…」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。転職をする際は、採用担当者から退職理由を質問されることがあります。答えるときは、できるだけ前向きな内容を伝えるのが、好印象を与えるコツです。この記事では、介護職の面接で質問されがちな「退職理由」について解説します。退職理由を問われる理由や回答の例文もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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介護職の面接で退職理由を質問される理由
介護職の面接では、退職理由を質問することで、応募者の適性を判断しています。転職活動においては、質問の意図をしっかりと理解して面接に臨むことが大切です。
下記では、介護職の採用担当者が面接で退職理由を質問する理由を解説するので、回答する際にどのようなポイントに気をつければ良いかを確認しましょう。
転職後に長く勤務できるかを見極めるため
採用担当者は退職理由を質問することで、「長く勤務する意思があるかどうか」を判断しています。退職理由がネガティブな内容だと、「同じような理由で早期退職しそうだ」という印象を与え、採用を見送られることがあるかもしれません。
介護施設や介護事業所にとって、採用活動や人材育成に時間やお金がかかる分、入職者が早期退職すると大きな損失となってしまいます。そのため、退職理由は担当者が安心して採用を決定できるような内容にすることを心掛けましょう。
応募者と職場の雰囲気が合っているか知るため
介護職の採用担当者は、面接で「職場の雰囲気になじめるか」や「協力して働けるか」といったポイントもチェックしています。介護職は人と接する仕事のため、あまりにも自分本位過ぎる退職理由は、職場の方針に合っていないと判断されてしまう場合があるでしょう。
たとえば「待遇が悪かった」「したくない仕事があった」というような退職理由を伝えると、自分勝手な人だと捉えられてしまう可能性があります。退職理由として前職の不満を話すのは避け、「個人的な事情による退職」であることを伝えるのがおすすめです。
仕事に対する熱意があるかを判断するため
面接で退職理由を聞くことで、応募者の介護に関する考え方や、仕事に対するモチベーションを分析しています。前述のとおり、介護職の採用担当者は、長く働いてくれる人を採用したいのが本音です。介護や仕事に対する熱意やモチベーションがあれば、長期的に活躍する人材として評価されるでしょう。
その悩み、解決できるかも
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介護職の採用担当者に好印象を与える退職理由の伝え方
介護職の面接で退職理由を聞かれた際に、「どのように伝えたらいいか分からない…」と悩む方もいるかもしれません。
退職理由の伝え方によって、採用担当者が求職者に抱く印象は変わります。ここでは、介護職の面接で退職理由を答える際に、好印象を与えられる伝え方のポイントを解説するので、参考にしてみてください。
退職理由はポジティブに変換する
採用担当者に退職理由を聞かれたら、ポジティブに言い換えることが大切です。「前の職場の給料が低かった」「人間関係が悪かった」といったネガティブな退職理由をそのまま伝えてしまうと、「入職後も同じ不満を抱いて辞めてしまうのでは…」と思われ、評価が下がる恐れがあります。
採用担当者から「長く勤めてくれそう」「転職後に期待ができそう」と思ってもらえるような、ポジティブな退職理由に変換してみましょう。たとえば、「キャリアアップしたい」「利用者さん第一の介護を実践したい」など、前向きなビジョンに変えると、好印象を与えられる可能性があります。
転職後の介護施設で活かせるスキルのアピールや今後のキャリアビジョンなど、前向きな内容で話を締めくくれば、採用担当者により良い印象を与えられるでしょう。
前の職場の悪口や不満を言わない
前職の介護施設の方針や職場環境がどれほど合わなかったとしても、面接では悪口や不平不満を言わないようにしましょう。職場や他人のせいにすると、「責任感がない」と思われ、採用担当者へマイナスな印象を与える可能性があります。
前職に不満がある場合は、「努力したものの自分の力ではどうにもならなかった」という点を伝えたうえで、「転職後はこのような介護がしたい」といった入職後の展望を伝えるのも一つの方法です。
退職理由と志望動機を対応させる
面接で退職理由を伝える際は、前職で成し得なかったことと、転職先の職場で成し遂げたいことを結びつけましょう。たとえば、「前職の介護施設は忙しかったので、一人ひとりに割ける時間が少なかった。御施設では、もっと利用者さまに寄り添った介護を実践できると思った」のように伝えるのがおすすめです。
転職後、どのようにスキルアップしていきたいのかを明確に説明できれば、「期待できそう」と思ってもらえるはずです。介護職の面接で好印象を与える志望動機の答え方については、「介護業界の面接で評価される志望動機とは?答え方のコツや例文を紹介」の記事をご参照ください。
本音がネガティブなものでも嘘はつかずに正直に伝える
介護職に限った話ではありませんが、面接で退職理由を伝える際は、嘘をつかずに正直に伝えましょう。自分や家族が病気ではないのに「体調不良で退職した」「家族の介護があって退職した」といった嘘の退職理由を伝えるのはNGです。採用担当者は多くの面接を経験しているので、バレてしまうリスクがあります。
また、本音がネガティブな内容であっても嘘をつくのはやめましょう。「退職理由はポジティブに変換する」でお伝えしたとおり、ネガティブな退職理由はポジティブ変換することで前向きに伝えることが可能です。もし面接で嘘を通せても、転職後にバレてしまったら職場で気まずくなってしまうことがあるため、退職理由は正直に答えましょう。
【6つの状況別】介護職の退職理由の例文
ここでは、介護職の面接で退職理由を答える際の例文を6つご紹介します。
「ネガティブな本音をどのようにポジティブ変換すればいいかイメージできない」という方は、例文を参考にしながら回答を準備してみましょう。
1.企業理念や経営方針に不信感があった場合
「上司のやり方についていけない」「運営方針が変わってやりたい仕事ができなくなった」といった退職理由の方もいるでしょう。このようなケースでは、「職場にどのような問題があり、どのように解決しようとしたか」を面接で簡潔に伝えることが大切です。さらに、転職後、自身がどう成長していきたいのかを伝えると、仕事に対する意欲をアピールできます。
御施設は、勉強会や意見交換の場を設け、介護職員の意見に耳を傾ける環境だと聞きました。私は、これまでの経験を活かし、周りのスタッフと協力しながら、利用者さま一人ひとりに丁寧な介護を行いたいと考えています。
2.給与や待遇に不満があった場合
「資格手当の支給がなく、給料に不満があって退職した」など、給与や待遇に不満がある場合、そのまま正直に退職理由を伝えるのはリスクが高いと考えられます。収入面のみに焦点を当てると、採用担当者から「給与が高ければ良いだけで仕事内容に興味がない」「給料が低いと早期退職してしまいそう」と判断される可能性があるためです。
この場合は、給与や待遇面には触れずに自分のスキルや資格などをアピールすると良いでしょう。たとえば、「成果を評価するシステムが確立されている御施設で、自分がどれくらいの実力を発揮できるか挑戦したいと思った」というように仕事への熱意を伝えます。介護職の面接では、正当な評価や待遇を受けることで、より良い成果を出していけることをアピールしましょう。
3.上司や同僚との人間関係が原因の場合
上司や同僚との人間関係が退職理由の場合、「今度は良好な人間関係を築いて働きたい」という感情を表すことが大切です。面接で「人間関係をうまく築けなかった」とそのまま伝えてしまうと、「ここでもうまくいかない可能性がある」と判断されてしまうことも。「周囲の方々とコミュニケーションを取りながら、チームの一員として働きたい」というように、前向きな表現で伝えてみましょう。
多職種連携しながら、多角的な視点を取り入れた介護をしたいと思い退職しました。御施設では、リハビリ職や介護職などの職種の垣根なく、チームケアを徹底した介護を行っていると知りました。一緒に仕事をするスタッフとコミュニケーションを取りながら、質の高いケアをしたいと考えています。
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4.前の職場を短期間で退職した場合
前の職場を短期間で退職した場合は、ポジティブな志望動機を盛り込んで伝えるのがポイントです。前述したように、介護職の採用担当者の多くは、長く勤めてくれる人を採用したいと考えています。面接では「またすぐ辞めてしまうのでは?」と思われないように、どんなスキルを活かして働いていきたいのか、どんなことを実現したいのかなどを退職理由とともにアピールできると良いでしょう。
5.会社都合で退職した場合
会社都合で退職した場合、採用担当者は「仕方なく転職活動をしているのでは?」「とりあえず就職できればいいと思っているのでは?」と感じる可能性があります。そのため、志望する介護施設でどのような経験を積みたいのか、どのようなキャリアビジョンを持っているのかなど、その施設を選んだ理由を明確に説明すると良いでしょう。
定期的に多くのレクリエーションやイベントを実施している御施設では、自分の資格を活かしながら利用者さまの介護を行えると考えています。
6.体調不良や家庭の事情が原因の場合
退職理由が自身の体調不良や家庭の事情の場合、できる限り詳細に伝えるのがポイントです。自身の体調不良の場合、現在は完治して問題ないのか、配慮して欲しいことがあるのかを面接で説明します。また、家族の介護がある場合は、休みたい曜日や時短勤務などの希望を伝えておくことが大切です。
母がデイサービスに行っている、月・火・木・金の週4日は出勤できます。また、午後5時時に母が介護施設から帰ってくるので、4時30分までに職場を出られたらと思っています。
介護職が転職を検討する際は、退職理由のほかにも志望動機や自己PRなど、対策しておくべき内容がいくつかあります。これから転職活動をする方や、退職理由をはじめ面接の受け答えの対策をしたい方は、介護職専門の転職エージェントであるレバウェル介護(旧 きらケア)へご相談ください。専任のキャリアアドバイザーが丁寧にサポートするので、安心して転職活動を進められますよ。
介護職の退職理由に関するよくある質問
ここでは、介護職の退職理由に関するよくある質問をまとめました。「退職理由ってどう伝えればいいの?」とお悩みの方は、回答を考えるヒントになるかもしれません。
介護職の退職理由は嘘をついてもいい?
介護職の面接で退職理由を伝える際、嘘をつくのは避けましょう。嘘をつくと履歴書や職務経歴書の内容と発言内容が合わずにバレるリスクがあるほか、経歴詐称を疑われる恐れもあります。言いづらい退職理由の場合は、スキルアップへの意欲や今後のビジョンなどを交えつつ、前向きな表現に変換して伝えるのがおすすめです。詳しくは、この記事の「介護職の採用担当者に好印象を与える退職理由の伝え方」をご覧ください。
介護職から介護職へ転職する場合の理由は?
介護職から介護職へ転職する場合の理由としては、「職場の人間関係が悪かった」「給与が仕事内容に見合っていなかった」「したい介護ができなかった」などが挙げられます。前職への不満が転職をするきっかけになることは少なくないようですが、ネガティブな退職理由を面接でそのまま伝えるのは避けたほうが無難です。「評価制度が整っている職場でスキルアップしたい」など、前向きな表現で伝えましょう。
よくある転職理由や面接での伝え方は、「介護職の転職理由をランキングで解説!退職の原因を面接で話すときの例文も」の記事を参考にしてみてください。
介護職の退職理由で腰痛はNGですか?
介護職の退職理由として、「腰痛」もよくある内容といえます。介護職の職業病ともいえるため、事情を伝えれば理解を得られるでしょう。これから退職を検討する場合は、「どうしてもつらい」ということを上司へ伝えたうえで、配置転換を検討してもらうのも選択肢の一つです。配置転換が難しい場合は、腰痛を抱えたまま無理をせず、身体介護の負担の少ない介護施設や職種への転職を考えてみることをおすすめします。
腰への負担が少ない職場については、「腰痛で退職を考える介護士さんも!治し方や負担のかからない職場とは?」の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
介護職の面接では、退職理由を聞かれることがあります。採用担当者は、「長く勤められるか」「職場の雰囲気と合っているか」「仕事に対する熱意があるか」などを、退職理由を聞いて見極めたいと考えているためです。
退職理由を伝える際は、退職に至る理由をポジティブに変換しつつ、転職後どのように仕事に取り組みたいのかを具体的に伝えましょう。どうしても退職理由の伝え方をイメージできないときは、例文を参考にするのがおすすめです。ただし、例文はあくまでも一例なので、面接の場では自分の言葉で伝えるようにしましょう。
自分に合った施設に転職したい方は、「レバウェル介護(旧 きらケア)」に相談してみるのがおすすめです。レバウェル介護(旧 きらケア)では、専任のキャリアアドバイザーが丁寧にカウンセリングしたうえで、あなたに合った求人をご紹介。求人票だけでは分からない、人間関係や職場の雰囲気、評判などの情報もアドバイザーが提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
その悩み、解決できるかも
執筆者
「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点