
この記事のまとめ
- 転職経験のある介護従事者のうち、前職を4ヶ月以下で辞めた割合は3.4%
- 介護職の離職率は、ほかの業種や職種と比べて高いわけではない
- 介護職をすぐ辞める理由には、イメージとのギャップや業務の大変さがある
「介護職をすぐ辞める人はいる?」と気になる方もいるのではないでしょうか。イメージとのギャップや仕事の大変さを感じて介護職をすぐ辞める人はいますが、介護業界の短期離職者が特別多いわけではありません。この記事では、介護職を辞めるまでの期間に関するデータや離職率を紹介します。退職理由やすぐ辞める人の特徴も解説。介護職がすぐ辞めなくても良い状況や短期離職のリスクにも触れているので、参考にしてみてください。
目次
介護職をすぐ辞める人はどれくらい?
介護職として働き始めて、すぐ辞める人はどれくらいいるのでしょうか。退職までの期間に関するデータを、以下で確認してみましょう。
直前の仕事を4ヶ月以下で辞めた介護従事者は3.4%
公益財団法人 介護労働安定センターの「令和6年度 介護労働実態調査結果:労働者調査(資料編p.28)」によると、直前の仕事を4ヶ月以下で辞めた介護従事者のデータは以下のとおりです。
| 直前の仕事 | 3~4ヶ月以下で転職した人の割合 |
| 全体 | 3.4% |
| 介護関係の仕事(訪問系) | 2.2% |
| 介護関係の仕事(通所系) | 3.5% |
| 介護関係の仕事(施設系) | 4.6% |
| 介護関係の仕事(その他) | 3.7% |
| 介護以外の福祉関係の仕事 | 2.6% |
| 医療関係の仕事 | 2.9% |
| 介護・福祉・医療関係以外の仕事 | 3.6% |
参考:公益財団法人 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果:労働者調査(資料編p.28)」
転職経験のある介護従事者のうち、直前の仕事を4ヶ月以下で辞めた人は3.4%と少ないことが分かります。直前の仕事が「施設系の介護関係の仕事」の人が、勤続4ヶ月以下で転職した割合が最も高い4.6%でした。
勤続4ヶ月以下で介護業界以外から介護業界へ転職した人と、勤続4ヶ月以下で介護業界内で転職した人の割合に大きな差はありません。介護業界がすぐ辞める人が多いわけではないようです。
半年~1年程度で転職した介護従事者は15.9%
同ページによると、転職経験がある介護従事者のうち、直前の仕事を半年程度で辞めた人は4.4%、1年程度で辞めた人は11.5%です。3~4ヶ月以下で転職した人が3.4%なので、転職経験のある介護従事者のおよそ5人に1人は、前職を数ヶ月~1年程度で辞めていることが分かります。
介護業界内で転職した人の、直前の仕事の勤続年数は以下のとおりです。
| 直前の仕事 | 訪問系の介護事業所 | 通所系の介護事業所 | 施設系の介護事業所 |
| 3~4ヶ月以下 | 2.2% | 3.5% | 4.6% |
| 半年程度 | 5.5% | 5.4% | 4.4% |
| 1年程度 | 11.0% | 14.6% | 12.6% |
| 2年程度 | 15.6% | 15.1% | 12.8% |
| 3年程度 | 15.0% | 13.6% | 16.9% |
| 4年程度 | 8.1% | 8.5% | 9.4% |
| 5年以上 | 41.6% | 38.9% | 38.7% |
参考:公益財団法人 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果:労働者調査(資料編p.28)」
介護業界で転職した人の4割ほどが、直前の仕事を5年以上続けています。一方で、約5~6割は4年程度以内に転職している結果でした。
出典
公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」(2025年10月28日)
登録は1分で終わります!
▼関連記事
介護職を半年で退職するのはアリ?離職理由や転職のタイミング・準備を紹介
介護職の離職率はほかの仕事より高い?
公益財団法人 介護労働安定センターの「令和6年度 介護労働実態調査結果:事業所調査(本編p.8)」によると、介護職(介護職員と訪問介護員)の2023年度の離職率は13.1%、2024年度の離職率は12.4%でした。
厚生労働省の雇用動向調査における、2023年度の全産業の離職率は15.4%です。
異なる調査なので単純比較はできませんが、介護職の離職率がほかの業界や職種と比べて特別高いことはないと考えられます。介護業界の離職率については、「介護業界の離職率は高い?10年分の推移と退職者が多い職場の特徴を解説」の記事をチェックしてみてください。
出典
公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」(2025年10月28日)
介護職が仕事を辞める理由は?
公益財団法人 介護労働安定センターの「令和6年度 介護労働実態調査結果:労働者調査(本編p.66)」によると、介護業界で転職した方が直前の仕事を辞めた理由として最も多いのは、「職場の人間関係に問題があったため(24.7%)」です。
次いで、「他に良い仕事・職場があったため(18.5%)」、「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため(17.6%)」、「収入が少なかったため(16.3%)」という結果となっています。
人間関係に悩みがある
職場の人間関係のトラブルから、仕事がしにくいと悩む介護職は少なくありません。介護職は、周囲との連携が求められる仕事です。そのため、「無視される」「陰口を言われる」「常に不機嫌な人がいる」など人間関係に問題があると、仕事がしにくくなってしまうでしょう。
職場の方針が合わない
「利用者さんの意思を尊重したいのに、効率や利益が重視される」など、自分の介護観と職場の介護観の相違に悩む介護職もいます。
介護観が異なると、仕事に対するやりがいが感じられなくなったり、人間関係の悪化につながったりする可能性も。「この職場で長くは働けない」と感じ、退職のきっかけになることがあるようです。
給与や待遇に不満がある
給与や待遇に対する不満も、介護職が転職を考える理由の一つといえます。介護職は体力が必要とされるうえに、安全な介護を行うための専門知識も求められる仕事です。そのため、「賞与が低い」「昇給制度がない」「資格手当がない」など、介護技術や知識が適切に評価されない職場の場合、退職を考えるのも無理はないでしょう。
上記のような悩みや不満がきっかけで介護職を辞めることもありますが、「今より良い職場が見つかった」という前向きな理由で退職する場合もあります。
出典
公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」(2025年10月28日)
▼関連記事
介護職の退職理由ランキング!職場への伝え方と面接で好印象な回答を解説
介護職が抱える悩みとは?職場の人間関係などのストレスとそれぞれの対処方法
介護職が仕事をすぐ辞める理由は?
介護職が短期離職するパターンとしては、1日で辞めたくなる人と、1ヶ月程度の試用期間中に辞めたくなる人がいるようです。ここでは、介護職が入職してすぐに辞めたくなる場合の理由を紹介します。
介護職を1日で辞めたくなる理由
介護職の入職1日目は、入職に関する手続きや仕事の説明がメインになることが多いでしょう。本格的に介護業務を行う前の段階では、職員や利用者さんの様子を見たり仕事内容を聞いたりして、イメージとのギャップを感じて「辞めたい」と思う場合があります。
また、介護職経験者の場合は、前の職場との違いから、「すぐに辞めたい」と感じることもあるようです。
介護職を1ヶ月(試用期間中)で辞めたくなる理由
入職して1ヶ月ほど経つと、徐々に任される業務が増えます。まだ仕事に慣れていないなかで新しいことに対応する時期なので、「覚えられない」「難しい」と悩んで、辞めたいと感じることがあるようです。
介護未経験者の場合は、介護現場での汚物の処理や体力的な負担など、実際の業務の大変さから辞めたくなることも。「高齢者の方を支えたいと思ったのに、雑用ばかりでコミュニケーションを取るタイミングがない」など、理想と現実の差から退職を考えてしまうこともあるかもしれません。
ほかにも、転職して1回目の給料日に「業務量の割には給与が低い」と感じると、長く働き続ける意欲を失う可能性があります。
▼関連記事
未経験が介護職に慣れるまでどのくらい?新人職員の心得や乗り越え方を紹介
介護職を1日ですぐ辞めることはできる?
入職してすぐに仕事を辞めると、職場へ迷惑が掛かったり転職活動に影響してしまったりする懸念があるため、慎重に検討することが大切です。とはいえ、「仕事がきつくて今すぐ辞めたい」と悩む方もいるかもしれません。以下では、退職までに必要な期間やトラブルを防ぐためのポイントについて解説します。
退職の意思を伝えてから退職するまで2週間必要
民法第627条第1項には、「雇用の期間を定めなければいつでも解約の申し入れができ、退職の申し入れから2週間が経過すると雇用が終了する」という旨の記載があります。したがって、法律上は最短2週間で退職が可能です。
ただし、雇用期間によって報酬を定めている場合は、やむを得ない事情を除き、上記は適用されないので注意しましょう。
出典
e-Gov法令検索「民法」(2025年10月28日)
就業規則に従って手続きをするとトラブルを防げる
法律では申し入れから2週間での退職が可能とされていますが、仕事に関する手続きは職場の就業規則に従って行うのが基本です。就業規則には、「退職の申し入れは、○ヶ月前にすること」などの記載があることが多いので、確認してみましょう。
ただし、就業規則で定めている申し入れの期日が明らかに長過ぎる場合などは、就業規則は無効になる場合があります。
バックレずに上司に相談して退職することが大切
すぐに辞めたいからといって、退職意思を伝えずにバックレるのはNGです。トラブルの原因となってしまう可能性があるため、仕事をバックレるのは避けましょう。就業規則を確認し、余裕を持って直属の上司へ退職の意思を伝えたほうが、トラブルなくスムーズに手続きができます。
介護職をすぐ辞める人の特徴は?
介護職をすぐ辞めることがある人の特徴としては、「コミュニケーションが苦手」「新しいことを覚えるのが苦手」「臨機応変な対応にストレスを感じる」などが挙げられます。ただし、これらに当てはまるからといって、必ずしもすぐ辞めてしまうとは言い切れないので、参考程度にご覧ください。
コミュニケーションが苦手
コミュニケーションをうまく取れないと、「自分に介護職は向いていないかも…」と感じてしまうことがあるようです。介護職はチームで利用者さんのケアを行うため、連携のためのコミュニケーションが求められます。
また、利用者さんと信頼関係を構築するためにも、コミュニケーションを取る姿勢は不可欠です。信頼関係が築けていないと、介護拒否をされて仕事がしにくいと感じ、辞めたいと考えるきっかけになるかもしれません。
新しいことを覚えるのが苦手
新しいことを覚えるのが苦手な方は、なかなか仕事を覚えられない現状や早く覚えなければいけないというプレッシャーから、すぐに辞めたくなってしまうことがあるようです。
介護職は、利用者さんの特徴や仕事の流れ、介護技術など覚えることが多い仕事。特に規模の小さい介護施設は職員数が少なく、短期間で独り立ちを求められて焦ることもあるのかもしれません。
臨機応変な対応にストレスを感じる
臨機応変な対応をすることや、マニュアル外の対応をすることにストレスを感じる介護職の方は、仕事がうまくいかず悩む場合があるようです。
介護職の業務には、基本的にマニュアルがあります。しかし、利用者さんによって性格や心身の状態は異なるので、マニュアルどおりの対応では不十分な場合も。特に認知症を患っている利用者さんは、想定外の行動を起こすことがあり、状況に合わせた柔軟な対応が求められます。
体力がない
体力がないと、介護職を続けるのがつらくなってしまうかもしれません。介護職は、身体介護や夜勤を行うため、一定の体力が必要です。
入浴介助や移乗介助の際は、利用者さんの身体を支えたり持ち上げたりすることもあるでしょう。介護職は職業病として腰痛になる方も多く、続けたい気持ちがあっても仕事を続けられなくなってしまう方もいるようです。
また、夜勤と日勤を組み合わせたシフトの場合、生活リズムが不規則になってしまうため、体調を崩しやすくなる方も少なくありません。
介護職としてのビジョンがない
「介護職として将来どのようになりたいか」という明確なビジョンが定まらないまま働き始めてしまった場合、モチベーションが低下して長く続かないことがあります。
将来のビジョンがある方は、きつい仕事があっても「この経験が将来の役に立つだろう」と、退職を踏み止まれるでしょう。しかし、介護職としてのビジョンがないと仕事のモチベーションを保てず、すぐ辞めたいと感じやすいといえます。
仕事への責任感が強過ぎる
仕事への責任感が強い方であるほど、思うようにできない自分を責めてしまい、介護職を辞めたくなる傾向があるようです。介護職は利用者さんの命や健康を預かる立場のため、プレッシャーに耐えられないという方もいます。
施設によっては、夜勤を1人で担当するなど、職員にかかる責任が大きくなってしまうことも。責任感が強い人は強いストレスを感じてしまい、離職につながることもあるかもしれません。
▼関連記事
介護職に向いていない人の特徴とは?仕事の適性や悩みの対処法を解説!
介護職がすぐ辞める職場の特徴は?
教育体制が整っていなかったり、人手不足で業務量が多かったりする職場は、介護職が短期間で退職する可能性があります。介護職がすぐ辞める職場の特徴を、以下で確認してみましょう。
教育体制が整っていない
「教育制度が整っていない」「人手不足のため十分に教育の時間が確保できない」という職場は、介護職が安心して仕事をできずすぐ辞めることが考えられます。
特に介護職未経験の場合、十分な教育が受けられないと、必要な知識や技術を身につけられず、仕事に自信をなくしたり介護事故につながってしまったりする可能性も。長く働いても思うように成長できなければ、教育制度が整った職場への転職を考えるようになることもあるでしょう。
新人介護職が放置される理由については、「介護職の新人放置が起きる理由は?対処法や職場選びに失敗しない方法を解説」の記事をご一読ください。
人手不足で業務量が多い
慣れていないのに対応できる以上の業務を割り振られる職場では、転職を選択をする介護職が多い傾向があります。
職場によっては、新人職員に対して「これくらいならできるはず」と決めつけて仕事を任せる場合も。自分の状況を伝えても改善がなく、働くのがつらいと感じる場合は、働き方を改めて考えるのも悩みを解決する一つの方法です。
相談できる人がいない
職場に相談できる人がいない場合、介護職は働きにくさを感じてしまうでしょう。特に新人介護職の場合、分からないことや不安なことが多いのは当然のこと。質問できる雰囲気ではなかったり、具体的なアドバイスが得られなかったりすると、前向きに仕事に取り組むことが難しくなります。
困ったときに助け合える同僚や、的確な指導をしてくれる上司がいる職場が、介護職が安心して働ける環境といえるでしょう。
介護職がすぐ辞めても良い状況とは?
以下では、「退職しても良いか分からない」という疑問を抱えている介護職の方に向けて、職場を辞めたほうが良い状況を紹介します。退職すべきか続けるべきかを迷っている方は、参考にしてみてください。
応募時の条件と異なる
雇用契約の際に聞いていた条件と異なる部分が多く、職場環境が悪い場合は、退職を検討しても良いかもしれません。
たとえば、「残業はないと聞いていたが、長時間残業が常態化している」「残業代が支払われない」「夜勤回数が聞いていたよりも多い(少ない)」といった状況だと、健康やプライベートにも働き方が影響する可能性があります。上司や管理者へ相談しても改善される見込みがない場合、転職に向けて動いても良いでしょう。
パワハラやセクハラが横行している
理不尽に怒鳴ったり、威圧的な態度を取ったりする職員がいると、仕事にストレスを感じてしまいます。パワハラを行っているスタッフがベテラン職員や上司の場合、施設側の指導が届かず解決が難しいことも。我慢しながら働いていると、精神的な不調が出てしまう可能性があるため、管理職に相談したり環境を変えたりすることを視野に入れましょう。
ストレスで心身に不調が出ている
仕事のストレスで心身に不調が現れたときは、無理をせず休息を取ることも必要です。無理して働き続けてしまうと、長期間にわたって不調が続くリスクがあります。
今の職場で休職する選択肢もありますが、休職するのが難しかったり、同じ職場で働くのがつらいと感じたりする場合、職場を変えることも考えましょう。
介護職がすぐ辞めないほうが良い状況とは?
すぐに辞めずに仕事を続けたほうが、悩みの解決に近づく場合もあります。下記で、すぐに介護職を辞めないほうが良い状況を確認してみましょう。
待遇や給与を改善したい
「業務内容や職場環境に問題はないが、待遇や給与を改善したい」という場合は、転職を急がないほうが良いでしょう。
介護職は、資格を取得したり勤続年数を重ねたりすることで、給与が上がる傾向があります。短期間で転職するよりも、長く働き続けたほうが給与が上がる可能性があるため、今後のキャリアプランも考えて、現状と将来性を慎重に見極めることが大切です。
スキル不足から働きにくさを感じている
スキル不足が原因で転職を検討しているのであれば、一度立ち止まって考える時間を作ってみましょう。仕事に慣れるまでは、誰でも大変さを感じるものです。経験が浅いまま転職しても、同じような理由で辞めたくなってしまう可能性があります。
教育制度が整っている職場で働いている場合は、周囲のサポートを受けながら効率的にスキルアップしていけるはず。コツコツと経験を積むことで、介護職として必要なスキルが身につき、自信を持って働けるようになるでしょう。
▼関連記事
介護職を辞めたいけど転職すべき?よくある退職理由と悩みの対処法を解説
介護職をすぐ辞めるリスクは?
介護職を勢いですぐ辞めることにはリスクがあります。介護職をすぐ辞めるリスクを理解したうえで、退職すべきか検討しましょう。ここでは、介護職をすぐ辞めた場合のリスクを4つ紹介します。
1.転職で不利になりやすい
短期離職をしてしまうと、転職活動をする際に、応募先から「採用してもすぐに辞めてしまうのでは?」とマイナスの評価を受けることも。転居などのやむを得ない理由や、誰が聞いても仕方ないと思える説得力のある退職理由がない限り、短期離職がマイナスのイメージにつながる可能性があります。
2.短期離職を繰り返す可能性がある
「辞めても仕事はすぐ見つかる」と安易に捉えて退職すると、仕事をすぐ辞めることに抵抗がなくなり、辞めグセが付く可能性があります。
年齢が若いうちは、勢いで辞めてしまっても、次の転職先がすぐに見つかるかもしれません。ただ、年齢を重ねるうちにスキルや経験を重視されるようになるので、次第に転職のハードルは上がる傾向があります。「なぜすぐ辞める必要があるのか」と自己分析をして、辞めグセが付かないようにすることが大切です。
3.スキルが身につかず待遇改善が難しい
介護職をすぐ辞める場合、介護に関する知識や技術があまり身につきません。介護の知識や技術は、コツコツと経験を積むことで習得できます。
知識や技術が身についていないと、資格取得や役職に就くことは難しく、なかなか待遇が改善されない可能性も。今後も介護の仕事を続けていく場合は、働きやすい職場を見つけて一つの職場で経験を積んだほうが、将来の選択肢が広がるでしょう。
4.失業保険の条件に当てはまらない
仕事をすぐ辞めてしまった場合、失業手当がもらえない可能性があるので注意が必要です。
失業保険の受給条件は、「離職前の2年間で通算12ヶ月以上、雇用保険に加入していること」と定められています。
前職を退職した際に失業手当を受給していなければ、前職での雇用保険加入期間も通算可能です。しかし、前職から現職への転職時に失業手当を受給した場合は、前職の被保険者期間は失業保険の算定対象外となります。短期間で離職すると、失業手当をもらえない場合があることを理解しておきましょう。
出典
ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(2025年10月28日)
▼関連記事
介護業界で転職を繰り返すと不利になる?デメリットや注意点を解説!
介護職をすぐ辞める前にできることはある?
転職してすぐに介護職を辞めたくなったときは、「悩みやストレスを誰かに相談する」「期間を決めて冷静になってみる」「上司に配置換えやシフトの調整を希望してみる」といった対処法を試してみましょう。
介護職をすぐ辞める前にできることを下記で解説するので、退職すべきか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
悩みやストレスは誰かに相談する
仕事に関する悩みやストレスがあるときは、1人で抱え込まずに家族や友人、職場の先輩などに相談してみましょう。
家族や友人は、職場と直接的な関係がないので、客観的な意見が聞けるかもしれません。同じ職場の先輩なら、一緒に解決策を考えてくれたり、具体的なアドバイスをしてくれたりする可能性があります。「身近に話せる人がいない」という場合は、福祉関係職向けの公的な相談窓口に相談するのも選択肢の一つです。
「○日まで」と期間を決めて冷静になってみる
勢いで退職してしまうと多くのリスクがあるため、「○日まで考えよう」「3ヶ月頑張ってみよう」というように、期間を決めて状況の把握や改善に努めてみるのも効果的です。時間が経過することで冷静になり、現状を客観的に見られるようになることがあります。
目標の期間まで続けられたら、「思っていたよりも深刻ではなかった」「もう少し頑張れそう」など、気持ちを切り替えられるかもしれません。
上司に配置換えやシフトの調整を希望してみる
退職を考える理由が、ほかの職員や利用者さんとの人間関係である場合、異動や配置換えを上司に希望することで、悩みが解消される可能性があります。上司に抱えている悩みを相談したうえで、担当フロアの変更やシフトの調整を検討してもらうと良いでしょう。
夜勤がつらいのなら、日勤メインのシフトに変えてもらう方法もあります。我慢するのではなく、限界を感じる前に自分の希望を伝え、状況を変えられるよう動いてみましょう。
仕事とプライベートで気持ちを切り替える
仕事とプライベートで気持ちを切り替えて、ストレスを溜めないよう工夫することも大切です。ストレスが溜まると、体調不良が生じたりイライラしやすくなったりなど、心身に悪影響が出る可能性があります。
「休日に適度な運動をする」「趣味に打ち込む時間を作る」など、自分なりのストレス解消方法を見つけて、メリハリのある生活を目指してみましょう。
何をしても状況が変わらないなら転職を検討してみる
介護職をすぐ辞めず、一定期間努力したり、上司に相談したりしたものの今の状況の改善が難しい場合は、転職に踏み切るのも一つの方法です。職場環境を変えることで、抱えている悩みや不満が解消される可能性があります。
転職の際は、辞める理由を明確にしたうえで、今感じている不満や悩みを解決できる職場を探しましょう。
▼関連記事
介護職の仕事に疲れた…疲労する理由や対処法、転職のコツを解説
介護職を辞めるときの流れは?
介護職を辞めるときの基本的な流れは、「転職先を探す」「直属の上司に退職の意思を伝える」「退職届を提出する」「職場から借りているものを返却する」です。下記で詳しく解説します。
転職先を探す
介護職を辞める前に、転職先を探しておくと安心です。転職先が見つかるまで離職期間ができてしまうと、収入がなくなってしまいます。焦って自分に合わない職場に転職して後悔しないよう、余裕を持って転職活動を始めると良いでしょう。
直属の上司に退職の意思を伝える
就業規則に従って、退職日の1ヶ月前ごろまでに直属の上司へ退職の意思を伝えます。退職は、電話やメール、SNSではなく、直接伝えるのがマナーです。上司の手が空いているタイミングを見て、ほかの職員がいない別室などで伝えると良いでしょう。
事前に同僚に退職することを話すと、トラブルの原因になるおそれがあります。退職の意思は、必ず最初に上司に伝え、不用意にほかの職員に話さないようにしましょう。
退職届を提出する
上司に退職の意思を伝えたら、退職届を提出します。退職届を提出しなくても仕事を辞めることは可能ですが、退職に関する認識の不一致をなくすためにも提出しておきましょう。
職場で規定の退職届があればそれを提出しますが、ない場合は自分で作成します。退職届には、「退職理由」「退職日」「退職届を作成した日付」を記載したうえで、署名・捺印をしましょう。
退職届の書き方が分からない方は、「介護職員の退職届の書き方とは?書類を提出する流れもご紹介」の記事を確認してみてください。
職場から借りているものを返却する
退職日までに、社員証やユニホーム、健康保険証など、職場から借りているものを返却します。ロッカーやデスクにある自分の荷物は持ち帰り、清掃しておきましょう。
また、担当している利用者さんの情報など、自分しか把握していないことがあれば引継ぎを行います。
▼関連記事
【介護の転職】円満退職の方法や退職意思の伝え方のポイント
短期離職しない転職先の選び方とは?
ここでは、短期離職しない転職先の選び方を解説します。転職を考えている介護職の方は、ぜひ参考にしてみてください。
自分がどのように介護に関わりたいのか考える
同じ施設で長く働くには、自分の介護観に合った職場を見つけることが大切です。そのためには、「自分がどのように介護の仕事に関わりたいのか」を明確にしましょう。
利用者さん一人ひとりに対して個別性を重視した介護を行いたいのか、介護技術を習得したいのかなどを考え、自分の介護観や目指したい姿を言語化することが大切です。介護の仕事への関わり方を整理することで、自分に合った求人をピックアップしやすくなります。
希望条件が叶う職場を探す
自分の介護観を明確にしたら、希望を叶えられる職場を探しましょう。介護観だけでなく、業務内容や待遇、職場環境などの希望条件も明確にすることで、転職後のミスマッチを減らせます。これまでの退職理由や、これから介護職として叶えたいことを洗い出し、転職で重視することを考えましょう。
志望先についてしっかり調べる
志望先をいくつかに絞り込んだら、しっかり情報収集を行って比較します。介護方針や理念、給与、休日数、残業の有無などの労働条件に加え、勤務形態や仕事内容なども把握しておきましょう。
転職サイトや求人票だけではなく、パンフレットや公式のWebサイトも利用して施設の特徴を調べるのがポイント。施設を見学して、職場の雰囲気を確認しておくのも効果的です。
転職エージェントに相談する
転職活動に悩んでいる場合は、転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。転職エージェントのキャリアアドバイザーが、あなたの希望条件に合った求人を紹介してくれます。どのような介護施設が自分に合っているか分からない方や、1人で転職活動をするのが不安な方におすすめです。
介護業界の転職に特化した転職エージェントである「レバウェル介護(旧 きらケア)」は、介護求人を豊富に扱っているのが特徴。豊富な選択肢から応募先を検討できるため、自分に合った職場がきっと見つかります。「希望条件に合った求人がなかなか見つからない」という方は、お気軽にご相談ください。
▼関連記事
介護職の職場の選び方とは?転職で失敗しない方法や各施設のおすすめ理由
登録は1分で終わります!
介護職を短期間で退職した方の体験談
ここでは、短期離職の経験がある介護職の方の体験談を紹介します。すぐに辞めるべきか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
職場の風通しに不安があり退職した
以下は、職場の風通しに不安があったため、辞めることを決意した方の体験談です。
デイサービスに勤務していましたが、3ヶ月で退職しました。
私が働いていた施設は、勤務歴が長い職員が多く、今までの仕事のやり方に強いこだわりを持っていました。あるとき同僚から、「業務の効率を良くする方法を何度か提案したけど、変わらなかった」「意見を言いにくい雰囲気がある」といった話を聞き、体制に疑問を感じました。
私自身が働くうえで、「意見や考えを言いやすい」「柔軟に対応してくれる環境がある」という部分を重要視していたので、退職を決意しました。
職場の人間関係が良好で風通しが良いことは、長く仕事を続けるうえで重要なポイントです。スタッフ同士がお互いに協力してサポートし合える環境が、質の高い介護サービス提供には不可欠といえるでしょう。
勤務時間やシフトへの違和感から転職を決めた
以下は、勤務時間やシフトに対する違和感が原因で転職を決めた方の体験談です。
有料老人ホームに転職して1ヶ月ほど経ったころ、施設長から残業やシフト変更の依頼が増えたことに違和感を覚えました。入職前に残業やシフトなどについての説明は受けていましたが、実際に働いてみると想像以上に残業やシフト変更が多かったのです。
今後の勤務が不安になったので施設長に相談しても、「○○さんは経験もあるし、期待してるからだよ」と言われる始末。「この施設長のもとで仕事を続けられるかな…」と不安を感じました。
その後もしばらく働いていましたが、違和感や疑問が消えることはなく、「この職場は自分に合わない」と感じたため、退職を決意しました。
上記のケースでは、事前に受けた説明と実際の勤務時間やシフトの体制が違ったため、退職を決めたようです。入職後のミスマッチを減らすためには、事前の情報収集を徹底することが必要といえます。
介護職を短期離職したことがある方の転職成功事例
ここでは、短期離職の経験がある介護職が、転職エージェントの「レバウェル介護(旧 きらケア)」を利用して転職を成功させた事例を2つ紹介します。転職に不安がある方は、以下を確認してみてください。
50代後半・7年で5社を経験した方の転職事例
1つ目の事例は、7年間で5社にわたる転職経験がある50代後半の方です。介護福祉士実務者研修を保有していて一定のスキルがあるものの、過去に2ヶ月で退職した職場もあり転職活動が難航したなかで、どのように転職を成功させたのでしょうか?以下でチェックしてみましょう。
転職活動を始めたころは、「短期離職に懸念がある」「勤続3年未満の離職を2回以上繰り返している人はエントリー不可」など、これまでの転職回数が理由で断られてしまうことが多くあったようです。
6ヶ所の施設で面接が決まったものの、すべて不合格となり、なかなか転職先が決まりませんでした。
転職活動を始めたころは、「短期離職に懸念がある」「勤続3年未満の離職を2回以上繰り返している人はエントリー不可」など、これまでの転職回数が理由で断られてしまうことが多くあったようです。
6ヶ所の施設で面接が決まったものの、すべて不合格となり、なかなか転職先が決まりませんでした。
レバウェル介護(旧 きらケア)のキャリアアドバイザーは、「採用ハードルが低い転職先を探す」「転職理由をポジティブに言い換える」を意識することをお伝えして、選考対策を実施。面接時に転職理由を聞かれた際は、前職の悪口にならないように気をつけ、短期退職を反省し、自分の落ち度も認めて話すようにしました。その結果、無事に地域密着型の介護施設への転職が決まりました。
40代後半・転職歴8回の方の転職事例
2つ目の事例は、転職歴8回の40代後半で、介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士の資格を保有する方です。直近は病院で5年間勤務していたものの、以前は半年未満の転職を繰り返していた経緯がありました。
この方は、年齢を重ねると転職ハードルが上がるため、「40代のうちに転職したい」と思い前職を退職しました。社会福祉士の資格を取得したので、未経験から生活相談員として働くことを目指していました。
レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談いただき、未経験者の受け入れが可能でほかにも生活相談員が複数いるような、教育体制が整っている施設を中心に探すことに。過去の経歴は事実として正直に伝えたうえで、直近の経歴は5年間勤続できていることを強みとしてアピールするようアドバイスしました。面接時に、生活相談員に対する熱意や入職後の意気込みをしっかり伝えた結果、未経験からデイサービスの生活相談員に転職できました。
この方は、年齢を重ねると転職ハードルが上がるため、「40代のうちに転職したい」と思い前職を退職しました。社会福祉士の資格を取得したので、未経験から生活相談員として働くことを目指していました。
レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談いただき、未経験者の受け入れが可能でほかにも生活相談員が複数いるような、教育体制が整っている施設を中心に探すことに。過去の経歴は事実として正直に伝えたうえで、直近の経歴は5年間勤続できていることを強みとしてアピールするようアドバイスしました。
面接時に、生活相談員に対する熱意や入職後の意気込みをしっかり伝えた結果、未経験からデイサービスの生活相談員に転職できました。
転職活動の面接では、短期離職や転職回数について聞かれることが多くあります。退職理由の答え方や、いかに介護の仕事への意欲や熱意を伝えられるかが、転職成功のカギとなることも少なくありません。
「転職について相談したい」という方は、いつでもレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。必要以上に転職を勧めたり、キャリアについてアドバイザーが決めたりすることはないので、介護の仕事をしていて悩んだときは、気軽に利用してみてくださいね。
登録は1分で終わります!
介護職の退職についてよくある質問
ここでは、介護職の退職についてよくある質問に回答します。「介護職を1日で辞めたときの給料はどうなる?」「介護職が長く続く人の特徴はある?」と気になる方は、以下を参考にしてみてください。
介護職を1日で辞めたのですが給料は出ますか?
初日で退職しても、給与は支払われます。たとえ数時間であっても、事業者は労働者に給与を支払う義務が発生するためです。労働基準法にも定められているので、給与を支払ってもらえない場合は、労働基準監督署に相談して対応してもらいましょう。
介護職が続く人の特徴は?
介護職が長く続く人の特徴として、「人と関わることが好き」「明るく元気が良い」「体力がある」「介護を積極的に学ぶ姿勢がある」が挙げられます。とはいえ、上記に当てはまらないからといって、介護職に向いていないわけではありません。どのような仕事にも向き不向きはあるものの、コツコツと経験を重ねれば、着実にスキルアップできます。
介護職に転職してすぐに辞めないか不安な方は、「介護職が長く続く人の特徴とは?どうしても辞めたいときの対処法も解説」の記事をチェックしてみてください。
介護職を退職した人は「辞めて良かった」と思っている?
介護職を退職したことで精神的・身体的な負担が軽減したり、経験を活かしてやりたい仕事ができていたりする人は、「介護職を辞めて良かった」と思う傾向があります。一方で、知識を新しく覚えることに抵抗がある方や、高齢者の方との関わりが好きな方は、介護職を退職したことを後悔することがあるようです。
転職を早まって後悔しないためには、仕事の悩みを周囲に相談して客観的なアドバイスをもらったり、辞めたい理由を整理して検討してみたりすると良いでしょう。
介護職の退職理由や体験談については、「介護職を辞めてよかった?元介護士の体験談とよくある退職理由を解説」の記事をご一読ください。
まとめ
介護職をすぐ辞める人はいますが、ほかの業界に比べて特別多いわけではありません。入職前に抱いていた介護職のイメージと実際の業務にギャップがあったり、覚える業務が多かったりすることが原因で短期間での退職を考える人もいるようです。
法律的には、退職の意思を伝えてから2週間で退職できます。しかし、円満退職をするには、就業規則に従った時期に余裕を持って辞意を伝えたほうが良いでしょう。
短期間で仕事を辞めると、スキルが身につかなかったり次の転職で短期離職を懸念されたりするリスクがあるので、退職の判断は慎重に行うことが大切です。すぐ辞めたくなったときは、誰かに相談してみたり、異動願いを出してみたりする対処法もあります。
「自分に合う介護の職場が分からない」「長く働ける職場を見つけたい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)をご活用ください。
レバウェル介護(旧 きらケア)のキャリアアドバイザーは、施設へのヒアリングをこまめに行っているため、求人票だけでは分からない職場環境や人間関係といった詳しい情報の提供が可能です。職場環境を把握したうえで応募先を選べるため、入職後のミスマッチを減らせるでしょう。サービスはすべて無料なので、お気軽にご相談ください。
登録は1分で終わります
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


