
この記事のまとめ
- ケアマネジャーの更新制度の廃止に伴い、現行の更新研修は廃止される
- ケアマネジャーの更新研修の廃止は、2027年後半ごろまでに施行される
- 2026年の法改正により、ケアマネジャーの離職防止が期待される
「ケアマネジャーの更新研修は廃止される?」と気になる方もいるのではないでしょうか。2026年の法改正でケアマネジャーの更新制度自体がなくなり、資格更新のための研修は廃止されます。しかし、研修制度は残ります。この記事では、今回の法改正でケアマネジャーの資格制度がどのように変わるのか、現行の制度との違いを解説します。更新制度が廃止される時期や見直しの理由、今後の影響にも触れているので、ご覧ください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?業務内容や役割を解説!目次
2026年の法改正でケアマネジャーの更新研修は廃止される?
厚生労働省の「社会福祉法等の一部を改正する法律について(報告)(p.5)」によると、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格の更新制度は廃止されます。そのため、現行の更新研修は廃止されますが、ケアマネジャーの専門性を保つための法定研修は継続される予定です。
2026年の法改正に伴うケアマネジャーの更新制度の変更点を以下で解説するので、確認してみましょう。
ケアマネジャー資格の更新制度は廃止される
2026年6月に「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立・公布され、研修の受講を要件とするケアマネジャー資格の更新制度の廃止が決定しました。つまり、ケアマネジャー資格は一度取得したら一生失効しない資格となります。
現行の制度では、介護支援専門員証には有効期間があり、ケアマネジャーとして働き続けるには5年ごとに資格の更新が必要です。資格更新のためには、状況に応じて「更新研修」もしくは「専門研修」を受講しなければなりません。
しかし、「社会福祉法等の一部を改正する法律」が施行されれば、5年ごとに手数料を支払って資格の更新手続きをする必要がなくなります。
定期的な法定研修の受講義務は継続される
「資格更新のために更新研修を受講する」という仕組みは廃止されますが、ケアマネジャーとして仕事を続ける際は、定期的な法定研修の受講自体は引き続き求められます。多様化する利用者さんのニーズに応える質の高いケアマネジメントを提供するには、ケアマネジャーの専門知識やスキルのアップデートが欠かせません。
厚生労働省の「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)(p.11)」によると、正当な理由なく法定研修を受講しない場合、都道府県知事から受講を命じられる可能性があります。それでも受講しない場合は、「1年以内の業務禁止」という厳しい処分が下されるリスクがあるので注意しましょう。
ケアマネジャーとして働いていない期間は研修を受講しなくても問題ありませんが、仕事を続けるには法定研修の受講が必要です。
出典
厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)」(2026年7月1日)
更新研修などの法定研修の見直しが議論されている
ケアマネジャーの負担軽減を図るために、法定研修の内容の見直しが議論されています。
具体的には、研修の短時間化やオンラインの活用といった見直しを検討中。国レベルで一元的な教材を作成することで、今まで指摘されていた「研修内容の重複」や「時間の長さ」を見直す方針です。
また、研修の受講費用の負担を軽減するための補助制度の見直しや、事業所における受講環境の整備も進められます。研修費用は、特に離島や過疎地、小規模事業所などで働くケアマネジャーも十分に補助を活用できるよう、制度が改善される予定です。
さらに、「労務管理に基づき、勤務時間内に法定研修の受講時間を確保すること」を事業所側に求めるなど、働きながら無理なく研修を受講できる仕組みづくりが行われます。
出典
厚生労働省「第135回社会保障審議会介護保険部会の資料について」(2026年7月1日)
研修や資格更新が大変…
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ケアマネジャーの更新研修の廃止はいつから?
厚生労働省の「社会福祉法等の一部を改正する法律について(報告)(p.1)」によると、ケアマネジャーの更新研修が廃止されるのは、社会福祉法等の一部を改正する法律が公布されてから1年6ヶ月以内の期間で国が定めた日です。
同法の公布日は2026年6月25日なので、2027年後半ごろまでには新しい制度が始まると考えられます。更新制度廃止の具体的な時期を知るには、今後の国からの詳細な発表を待つ必要があるでしょう。
出典
厚生労働省「第135回社会保障審議会介護保険部会の資料について」(2026年7月1日)
ケアマネジャーの更新制度廃止や法定研修見直しの理由
2026年の法改正によるケアマネジャーの更新制度の廃止や、それに伴う法定研修の見直しの理由は、ケアマネジャーの負担を減らして人手を確保することです。なぜ制度を変える必要があるのか、現場の状況と国の意図を以下で確認してみましょう。
ケアマネジャーの人材が不足している
ケアマネジャーの更新制度の廃止や研修見直しの主な理由は、ケアマネジャー不足です。日本では高齢化が急速に進んでおり、介護サービスのニーズが高まっています。一方で、資格取得の難しさや業務の負担感からケアマネジャーのなり手が少なく、現場の人手不足が常態化しているのが現状です。
さらに、ケアマネジャーの高齢化も進んでいるため、今後引退するケアマネジャーが増えると、ますます人手不足になることが懸念されます。
このような危機感から、ケアマネジャーが長く働き続けられる環境づくりを目的に、国は今回の法改正へ踏み切ったと考えられるでしょう。
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資格を維持する難易度が高い
資格を維持する難しさも、ケアマネジャーの更新制度が廃止された理由の一つです。現行の制度では、5年ごとに更新研修の受講が義務づけられているため、負担に感じて資格の更新を諦め、現場から離れることも考えられます。資格の更新制度を廃止することで負担が減れば、ケアマネジャーが仕事を続けたり復職したりしやすくなるでしょう。
現行の更新研修の問題点として、以下のような意見があります。
研修回数が多く時間が長い
現行のケアマネジャーの更新研修の大変なところは、研修の期間や時間が長いことです。受講者の実務経験などの状況によっても異なりますが、最大で88時間の研修カリキュラムを、数ヶ月の決められた期間内に受講する必要があります。
東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイトの「更新研修(実務経験者)88時間」によると、2026年度第2期の東京都における実務経験者向けの更新研修(88時間研修)は、9月ごろから12月ごろ。修了には3ヶ月程度かかります。
更新研修には、講義だけではなくほかの受講者と行うグループ演習なども含まれており、数ヶ月にわたる長丁場となることを負担に感じる場合があるようです。
出典
東京都福祉局「介護支援専門員の研修情報」(2026年7月1日)
東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト「更新研修(実務経験者)88時間」(2026年7月1日)
研修と仕事の両立が大変
ケアマネジャーの更新研修を受講する方のなかには、「仕事と学習を両立させるのが大変」と感じる方もいるでしょう。更新研修をオンラインで受講できる自治体もあるものの、終業後や休日に時間を取って勉強する必要があります。
また、日程が決められているカリキュラムは、その日に受講できないと研修を修了できず、資格を更新できないリスクも。グループ演習の予定に合わせて仕事を休まなければならない場合、「研修を受講するために業務を調整するのが負担…」と不満の声が上がるのも無理はありません。
研修機関に仕事やプライベートの事情を考慮してもらうことは難しいため、職場の協力が得られなければ、受講者の負担は大きいでしょう。
高額な費用がかかる
ケアマネジャーの法定研修の受講料は都道府県ごとに異なりますが、実務研修や更新研修の受講には2~6万円程度の費用がかかります。
厚生労働省の「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長 会議資料(p.19)」によると、2024年度のケアマネジャーの法定研修の負担額の全国平均は以下のとおりです。
| 研修種別 | 受講者負担(全国平均) |
| 実務研修 | 5万7,565円 |
| 専門研修I | 3万4,452円 |
| 専門研修II | 2万4,772円 |
| 更新研修(実務未経験者) | 3万9,395円 |
| 更新研修(経験者・初回) | 5万9,734円 |
| 更新研修(経験者・2回目以降) | 2万5,072円 |
| 再研修 | 3万9,510円 |
参考:厚生労働省「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長 会議資料(p.19)」
現行の制度では、更新研修を受講する5年ごとに数万円の受講料がかかるため、負担に感じるケアマネジャーもいます。
なお、実務未経験者が更新研修を受ける費用の自己負担は、愛媛県が5万3,800円で最も高い結果です。ケアマネジャー資格を持っているもののほかの職種として働いている方は、特に更新を負担に感じるのも無理はないでしょう。
厚生労働省の「ケアマネジメントに係る現状・課題(p.31)」によると、ケアマネジャーのうち34%が、「受講料を全額自分が負担している」と回答しています。
また、「一部法人が負担している」と回答した人は13.7%。仕事に必要な資格であるにもかかわらず、約半数が受講料の一部もしくは全額を負担しているのが現状です。
新しい制度のもとで法定研修の受講料がどのように設定されるのか、今後の指針を注視しましょう。
出典
厚生労働省「令和7年度 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料」(2026年7月1日)
厚生労働省「第1回ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 資料」(2026年7月1日)
法定研修の受講内容が重複している
異なる種類の法定研修で複数の科目が重複しており、「何度も同じ内容のカリキュラムを受講するのは時間の無駄」という意見があったことも、法定研修の見直しの理由の一つです。
東京都の「介護支援専門員研修に関する緊急提言について(p.5)」によると、「ケアマネジメントの実践における倫理」「認知症のある方及び家族等を支えるケアマネジメント」といった内容は、複数の研修カリキュラムに繰り返し組み込まれています。このような研修内容の重複による無駄をなくすことも、今回の法改正による「法定研修の精査・短時間化」のポイントです。
出典
東京都「介護支援専門員研修に関する緊急提言について」(2026年7月1日)
法定研修の内容を実務に役立てられない
ケアマネジャーの法定研修は費用や時間がかかる一方で、「勉強する内容が実務に役に立たない」という声も上がっているようです。
厚生労働省の「ケアマネジメントに係る現状・課題(p.34)」によると、「法定研修で学んだことが日々の業務に活かせているか」という問いに対する回答は、「できていない」が10.7%、「あまりできていない」が33.6%でした。また、4割以上のケアマネジャーが、法定研修の内容に満足できていないことも分かります。
経験年数が長いケアマネジャーや、日ごろから積極的に勉強しているケアマネジャーの場合、「更新研修で新たに学べることが少ない」と感じるのかもしれません。
出典
厚生労働省「第1回ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 資料」(2026年7月1日)
ケアマネジャーの更新廃止や研修見直しによる影響
今回の法改正により、ケアマネジャーを取り巻く環境は今後どのように変化していくのでしょうか。新しい制度の開始によって期待される効果を、以下で確認してみましょう。
ケアマネジャーの離職防止と定着促進
今回の法改正の効果として最も期待されているのが、ケアマネジャーの負担軽減による離職防止・定着促進です。更新制度が廃止され、新しい法定研修の短時間化やオンライン化が進めば、「更新研修と仕事の両立が苦しい」「更新のために休みを削らなければならない」といったこれまでの身体的・精神的な負担が減ります。
さらに、「2026年の法改正でケアマネジャーの更新研修は廃止される?」でも触れたように、「受講費用の補助制度の見直し」や、「勤務時間内の受講時間の確保」も進められる予定です。
お金や時間の面のサポートによって、「更新が大変だから辞める」という事態を防ぎ、ケアマネジャーが長く安心して働ける環境が整うことが期待されます。
潜在ケアマネジャーの復職
資格を持ちながらも現場を離れている「潜在ケアマネジャー」が復帰しやすくなることも、制度見直しのメリットです。今回の法改正に伴う国の決議には、「潜在ケアマネジャーの復職支援に取り組むこと」が明記されています。
更新制度の廃止や研修の負担軽減で復職のハードルが下がれば、「資格を活かしてケアマネジャーとして働こう」と考える人が増え、人手不足の解消につながるかもしれません。
ケアマネジメントの質の確保
制度の改正にあたり、ケアマネジャーの負担軽減だけではなく、ケアマネジメントの質をいかに担保していくかも重要視されています。国は、これまで各自治体でバラつきのあった法定研修の教材を全国で一元化する方針を打ち出しました。
全国統一の質の高い教材が用意されることで、内容の重複が解消されれば、より実務に直結する学びが期待できるでしょう。
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ケアマネジャーの更新研修廃止についてよくある質問
ここでは、ケアマネジャーの更新研修廃止についてよくある質問に回答します。「ケアマネジャーの更新研修は廃止?」「更新しないとどうなる?」と気になる方は、ぜひご一読ください。
ケアマネジャーの更新研修は廃止になる?
ケアマネジャー資格の更新制度がなくなるため、2027年度末までには資格更新のための研修は廃止されます。ただし、専門性を維持するための法定研修は廃止されません。
とはいえ、これまでのように長時間の負担を強いるものにならないよう、研修時間の短縮やオンライン化が今後進められる予定です。更新制度の改正により、資格維持の負担が軽減されることが期待できます。
ケアマネジャー資格は更新しないとどうなる?
現在の制度では、5年ごとに研修を受講したうえで資格を更新しないと、ケアマネジャーとして働けなくなります。資格が失効した場合、再研修を受けて介護支援専門員証の再交付を受けることが必要です。
しかし、2026年に成立した改正法が施行されれば、更新制度は廃止されて資格失効のリスクはなくなります。
2026年度(令和8年度)のケアマネジャーの更新研修の詳細は?
ケアマネジャーの更新研修は各都道府県が管轄しているため、具体的な日程や受講料は自治体ごとに異なります。自身が資格登録をしている自治体の窓口で、最新情報を確認しましょう。
たとえば、東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイトの「更新研修(実務経験者)88時間」によると、東京都の場合は実務経験者向けの「88時間研修」が9月ごろから12月ごろに実施される予定です。同サイトの「よくあるご質問:研修」によると受講料は5万8,300円で、申し込みはインターネットからのみ受け付けています。
出典
東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト「更新研修(実務経験者)88時間」(2026年7月1日)
東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト「よくあるご質問:研修」(2026年7月1日)
まとめ
2026年の法改正により、ケアマネジャーの更新制度が廃止されることが決定したので、更新の要件としての研修はなくなります。ただし、ケアマネジャーの専門性を維持するために、法定研修の受講は引き続き求められるようです。
今後も研修の受講は必要なものの、短時間化やオンライン活用、教材の一元化といった見直しにより、受講者の負担の軽減と質の維持を両立させる方針が示されています。新しい制度の具体的な開始時期や運用方法については未定なので、厚生労働省の今後の動向を注視しましょう。
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研修や資格更新が大変…
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


