ケアマネの今後はどうなる?深刻化する人材不足とその対応

介護の仕事 2022年9月21日
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考える介護士のイメージ

ケアマネ(ケアマネジャー)は介護を必要とする人、そしてその家族にとって欠かせない存在。そんなケアマネを取り巻く環境は、受験資格の変更や2021年3月に施行される介護保険法などで大きく変化しようとしています。現在ケアマネの職に就いている方はもちろん、将来的にケアマネを目指している方もケアマネは今後どうなるのか、気になりますよね。この記事では、直近だけでなく、中長期的に見て今後ケアマネがどうなっていくのかを考えていきます。

ケアマネージャーになるには最短で何年?受験資格や取得までの流れを解説

目次

居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーへ

2021年のイメージ

2018年に改定され、2021年の3月に施行される介護保険法では、「居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーでなければならない」とされています。まずは、この点について解説していきましょう。

主任ケアマネジャーとは

主任ケアマネジャーは、2006年(平成18年)に新設された介護分野の新しい職種。一般のケアマネジャーが所定の研修を受けることで得られるもので、一般のケアマネと同様、都道府県が実施している資格制度です。

主任ケアマネジャーの役割

一般的なケアマネの業務は、介護や支援を必要とする方の生活スタイルや環境にあわせた、介護サービスを提供するためのケアプラン作成が中心です。一方で主任ケアマネジャーは、一般のケアマネを束ねるまとめ役的な専門職を担っています。具体的な仕事内容は新人ケアマネへの指導や育成、相談、ケアプランを作成するケアマネに対するコンサルティングなどです。
2021年3月に施行される介護保険法では、「居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーでなければならない」と改訂されます。このことから、主任ケアマネはますます重要性とニーズを増すことになるでしょう。居宅介護支援事業所や介護老人福祉施設だけでなく、公的な支援機関である地域包括支援センターなどへも主任ケアマネの活躍する場が広がっています。

管理者が主任ケアマネではない場合は猶予があるけど…

これまではケアマネでなくても担えた居宅介護支援事業所の管理者が、2021年3月に施行される介護保険法で「居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーでなければならない」と改訂されます。そのため、多くの居宅介護支援事業所が廃業に追い込まれると、介護業界は騒然としました。
このような状況に配慮した厚生労働省は、「2021年(令和3年)3月31日時点において、主任ケアマネジャーでない者が管理者を務めている事業所については、その管理者が務める限りにおいて、2027年(令和9年)3月31日まで猶予する」という審議報告書を出しています。ただし猶予が認められるのは、2021年(令和3年)3月31日時点の管理者が引き続き務める場合のみ。2021年(令和3年)4月1日以降に新たな管理者を配置する場合は、主任ケアマネジャーが務めなくてはなりません。なお、いずれにしても猶予期間が終了する2027年(令和9年)3月31日以降は、居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーが務めることになります。

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ケアマネ・主任ケアマネの人材不足が問題に…

人手不足のイメージ

厚生労働省の『居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告』に「管理者が主任ケアマネジャーでない事業所が4割程度ある」とあるように、主任ケアマネの数は十分ではありません。その理由の一つに、主任資格取得のハードルの高さが挙げられるでしょう。主任資格を受けられるのはケアマネの資格保持者のみですが、そもそもケアマネになること自体もハードルが高いといわれています。

ケアマネで5年の実務経験・主任ケアマネは10年以上!

ケアマネの資格制度は各都道府県が実施しており、受験資格には以下いずれかの業務経験が必要。経験年数は5年以上、実務日数900日以上と決められています。

・生活相談員(特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 など)
・支援相談員(介護老人保健施設における支援相談員)
・相談支援専門員(計画相談支援、障害児相談支援における相談支援専門員)
・主任相談支援員(生活困窮者自立相談支援事業などの主任相談支援員)
・以下いずれかの国家資格
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士

介護支援専門員実務研修受講試験に合格後も所定の研修を受講する必要があり、これを経てやっとケアマネジャーとして登録されます。

さらに主任ケアマネになるためには、ケアマネとして5年以上の実務経験を積んだ後に70時間の研修を受けなくてはなりません。そのため、主任ケアマネになるには最短でも10年以上かかるといわれています。猶予期間が終了する2027年(令和9年)3月31日までに、十分な数の主任ケアマネを確保するのは容易ではないでしょう。

厚生労働省「居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告」(2020年5月)

10年後ケアマネはどうなる?

過去・現在・未来で変化するイメージ

ここまで、直近のケアマネをとりまく状況について解説しました。続いて、長期的に見たケアマネの今後について考えてみましょう。

ケアマネの仕事がAIに奪われる?

ケアマネに限らず、今後仕事がどうなるか考えるうえで昨今取り上げられるのが「AI」です。実際のところ、「AIの進歩によってケアマネは不要になる」と不安視する声も少なくありません。確かにAIの進化によって消えていく、つまり人の手を必要としなくなる職業は出てくることでしょう。たとえばロボットが接客する飲食店やホテルなど、すでにAIを事業に導入している企業も少なくありません。介護業界においても、AI活用によってケアプランを作成する技術開発を加速させています。

AIを活用することで、介護業界の深刻な人材不足も解消されることでしょう。大量に作成していた書類などをAIが瞬時に作成してくれるようになれば、ケアマネがこれまで行ってきた作業は大幅に削減されます。そうなればケアマネの業務負担が軽くなる一方、ケアマネの数を減らす事業所が出てくる可能性は十分に考えられるはずです。

しかしAIがどれだけ進化しても、そのAIを使いこなすのは人間です。ケアマネは煩わしい業務から解放されて、人間にしかできない分野に集中して取り組むことになります。人間にしかできない分野とは、思いやりと洞察力を持って介護を必要としている人の相談にのってあげること。ケアマネとして実績を積み上げスキルアップを遂げていけば、AIに職を奪われるといった事態は避けられるはずです。

ケアマネに関するよくある質問

ケアマネに関するよくある質問に回答します。「ケアマネって安定した仕事なの?」と、疑問に思う方は、ぜひご一読ください。

ケアマネの将来性は大丈夫なの?

今後さらに進む高齢化によってケアマネの仕事の需要は高まることが予想されるため、安定して働ける職種といえるでしょう。ケアマネージャーは介護の道のプロといえるので、資格を取得しておけばさまざまな施設や職場で活躍することが可能です。

ケアマネージャーとは?必要な資格や給料などについてわかりやすく解説!」の記事でも、ケアマネージャーの将来性について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

ケアマネの仕事はどのような人が向いているの?

ケアマネージャーには、利用者さんの心に寄り添い、悩みや不安を聞き出せる能力がある人が向いています。ほかにも、意見をしっかりと伝えられる人も向いているでしょう。

ケアマネの資格を取得するメリットとは?やりがいや役立つ職場を解説」の記事で、ケアマネージャーになるメリットを詳しく解説しているので、ケアマネージャーの仕事に興味がある方は、ぜひご一読ください。

まとめ

AIと人が協力するイメージ

2018年に改定され、2021年の3月に施行される介護保険法では、「居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーでなければならない」と規定されています。しかし現場が混乱するとして、厚生労働省は「2027年(令和9年)3月 31 日まで猶予する(2021年3月31日時点の管理者が務める限りにおいて)」とする審議報告書を出しました。また、ケアマネの仕事が今後どうなるか考えるうえで、AIの活用を不安視する声は少なくありません。しかし介護を必要とする方はその家族の相談にのることは、やはり人ではければできない仕事。確かにケアプラン作成などAIに取って代わられる仕事が出る懸念はあるものの、ケアマネとして本来向き合うべき仕事に集中できる環境になるのではないでしょうか。

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