
この記事のまとめ
- 居宅ケアマネの担当件数の上限は原則44件で、条件を満たす場合は49件
- 施設ケアマネは最大100人の利用者さんを担当できる
- 居宅ケアマネの平均担当件数は44.0件で、増加傾向にある
介護支援専門員の資格をお持ちの方は、「ケアマネの担当件数は何件なの?」と気になることがあるのではないでしょうか。ケアマネジャーの担当件数の上限は、居宅ケアマネが原則44件、施設ケアマネが100件です。この記事では、ケアマネジャーの担当件数の上限や平均値、計算方法を解説。2024年度の介護報酬改定に伴う担当人数の変更点もまとめました。居宅と施設の仕事内容の違いも紹介するので、参考にしてみてください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?業務内容や役割を解説!目次
ケアマネジャーの担当件数は何件?
居宅介護支援事業所と介護施設では、ケアマネジャーの担当件数のルールが異なります。居宅ケアマネと施設ケアマネの担当件数の違いを解説するので、チェックしてみましょう。
居宅ケアマネの担当件数の上限
居宅介護支援事業所で働く「居宅ケアマネ」の1人あたりの担当件数の上限は、原則として要介護者44人です。「ケアプランデータ連携システムの活用」「事務職員の配置」という2つの条件を満たす居宅介護支援事業所では、49人まで担当できます。
また、要支援の利用者さんを担当する場合、3人を要介護者1人として計算するルールです。
上記の担当件数を超えると逓減制(ていげんせい)が適用され、介護報酬が減算になります。ケアマネジャーの介護報酬における逓減制とは、担当件数が基準を超えると、担当件数の増加とともに介護報酬が減額される仕組みです。
出典
e-GOV法令検索「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(2026年2月17日)
施設ケアマネの担当件数の上限
介護施設で働く「施設ケアマネ」の1人あたりの担当件数は、100件が上限です。施設によっては1人で利用者さん全員を担当することもありますが、大規模な施設では複数のケアマネジャーを配置する傾向があります。施設ケアマネは、介護職員や生活相談員を兼任することも珍しくありません。
出典
e-GOV法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(2026年2月17日
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2024年の介護報酬改定でケアマネジャーの担当件数はどう変わった?
2024年度の介護報酬改定では、居宅介護支援に関する変更がありました。具体的に変更されたのは、「居宅介護支援の算定要件(担当件数)」と「要支援の担当件数の算出方法」です。

引用:厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定における改定事項について(p.131)」
厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定における改定事項について(p.131)」をもとに、ケアマネジャーの担当件数の改正内容を下記にまとめたので、確認してみてください。
居宅介護支援費の逓減制の適用が45件からに緩和
2024年度の介護報酬改定では、居宅介護支援事業所における逓減制の適用が、「担当件数40件以上」から「45件以上」に緩和されました。前述したように、ケアプランデータ連携システムを活用しており、事務職員を配置する事業所では、居宅ケアマネ1人あたり最大49件まで減算なしで担当できます。
ケアプランデータ連携システムとは、居宅サービス事業所とのケアプランやサービス提供票の共有を、オンライン上で完結させるシステム。これを導入して事務作業の負担を軽減し、ケアマネジャーの業務を効率化することで、担当件数を増やせます。
また、居宅介護支援事業所の事務職員は非常勤でもOKで、法人内での他事業所との兼任も可能です。
指定介護予防支援(要支援)の担当可能な件数が増加
要支援の方の担当件数を計算する際、以前は要介護者2分の1人(0.5人)として計算していましたが、3分の1人として計算できるようになりました。つまり、2024年度の介護報酬改定により、居宅ケアマネが担当できる要支援の利用者さんの人数が増えたということです。
出典
厚生労働省「第239回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年2月17日)
ケアマネジャーの担当件数の平均は?
「実際にケアマネが担当している件数は何件ぐらい?」と気になる方もいるのではないでしょうか。以下で、ケアマネジャーの担当件数の平均を紹介します。
居宅ケアマネの平均的な担当件数
厚生労働省の「令和5年介護事業経営実態調査結果(p.13)」によると、2022年度における居宅ケアマネ1人あたりの担当件数は平均44.0件です(常勤換算)。
同省の「介護事業経営実態調査:結果の概要」をもとに、居宅ケアマネの過去の担当件数の平均を以下の表にまとめました。
| 年度 | ケアマネ(常勤換算)1人あたりの担当件数 | 事業所の実利用者数 |
| 2022年度 | 44.0人 | 104.7人 |
| 2021年度 | 42.7人 | 98.8人 |
| 2019年度 | 39.4人 | 93.7人 |
| 2018年度 | 36.3人 | 91.6人 |
参考:厚生労働省「令和5年介護事業経営実態調査結果(p.13)」「令和2年介護事業経営実態調査結果(p.14)」
2018年度・2019年度は常勤の居宅ケアマネ1人あたり30人台だった平均担当件数が、2021年度・2022年度では40人台に増加しました。居宅介護支援事業所1件あたりの利用者数の増加に伴い、居宅ケアマネの担当件数も増加しています。
2021年度の介護報酬改定で、ICT活用または事務職員の配置を行っている居宅介護支援事業所が対象の、居宅介護支援費(II)という算定区分が追加されました。条件を満たす事業所では、逓減制の適用が「40件以上」から「45件以上」に緩和されたことが、担当件数の増加につながった可能性があります。
出典
厚生労働省「介護事業経営実態調査:結果の概要」(2026年2月17日)
厚生労働省「令和3年度介護報酬改定について」(2026年2月17日)
施設ケアマネの平均的な担当件数
一般社団法人 日本介護支援専門員協会の「介護保険施設部会アンケート結果及び考察について(p.10)」によると、施設ケアマネは「0~10件」の担当件数の方が19.0%と、最も多い結果です。次いで「41~50件」が17.2%、「21~30件」が15.5%、「51~60件」が14.7%でした。施設ケアマネ116人のうち約80%は、担当件数60件以下です。
同資料(p.8)によると、施設におけるケアマネジャーの配置人数は「1人」という回答が51.7%で最多でした。続いて「2人」が23.3%、「3人」が12.1%という結果です。
約80%が担当件数60件以下という調査結果を考慮すると、施設の定員に応じてケアマネジャーの配置人数が調整される場合が多いと考えられます。施設の定員や方針などによって、ケアマネジャーの配置人数や1人あたりの担当件数は異なるでしょう。
出典
一般社団法人 日本介護支援専門員協会「「介護保険施設等に勤務する介護支援専門員の実態把握調査」のご報告」(2026年2月17日)
非常勤のケアマネジャーの担当件数の計算方法
非常勤のケアマネジャーは、(勤務時間数)÷(常勤ケアマネジャーの勤務時間数)で常勤換算が可能です。たとえば、常勤が週40時間勤務する職場で20時間のみ働く場合、20÷40=0.5となり、常勤ケアマネジャーの上限件数の半分まで担当できる計算となります。
出典
厚生労働省「第223回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年2月17日)
ケアマネジャーの担当件数による減算を防ぐ方法
逓減制が適用されると、介護報酬が減額されて事業所の収入が減ってしまいます。ここでは、ケアマネジャーの担当件数による減算を防ぐ方法を解説するので、参考にしてみてください。
事業所の担当件数やケアマネジャーの人数を調整する
ケアマネジャーの担当件数が上限を超えないためには、事業所全体で何人の利用者さんを担当できるのかを計算して、件数を調整する必要があります。事業所で担当できる件数をあらかじめ決めて周知しておけば、ケアマネジメントの依頼にスムーズに対応可能です。
退職者が出て担当件数が上限を超える場合は、新たにケアマネジャーを雇用するか、利用者さんをほかの事業所に引き継ぐことで減算を回避できます。常勤で働ける人が見つからなかったり、一部だけを補填したかったりするときは、非常勤のケアマネジャーを雇用する方法もあるでしょう。
ケアプランデータ連携システムを導入し事務職員を配置する
前述したように、ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置を行うことで、居宅ケアマネ1人あたり最大49人の利用者さんを担当できます。職場環境を改善すると、担当件数を増やして利益を上げられるだけではなく、業務効率化も可能です。
事業所が人手不足で新たにケアマネジャーを確保するのが難しい場合は、ケアプランデータ連携システムの導入と事務職員の雇用を検討すると良いかもしれません。
居宅ケアマネと施設ケアマネの仕事内容の違い
居宅介護支援事業所に勤務する「居宅ケアマネ」と介護施設に勤務する「施設ケアマネ」は同じ職種ですが、仕事内容が異なります。以下で違いを解説するので、参考にしてみてください。
居宅ケアマネは居宅サービス計画書を作成
居宅ケアマネは、利用者さんの在宅生活に寄り添い、ご家族の介護負担も考慮したケアプランを作成します。
居宅ケアマネが作るケアプランは、利用者さんが自宅で自立した生活を送ることを目的としたものです。介護サービスの利用開始後も、ケアマネジャーは利用者さんの自宅を定期的に訪問し、ケアプランに改善点がないかを確認します。
居宅ケアマネは1人で行動することが多いため、利用者さんや居宅サービス事業所からの連絡を受け、個人の判断で対処することもあるようです。
施設ケアマネは施設サービス計画書を作成
施設ケアマネが作るケアプランは、利用者さんが施設内で役割を持って快適に過ごすことを目的としたものです。施設の方針に沿ってケアプランを作成します。
施設ケアマネは、利用者さんとコミュニケーションを取ったうえで、生活相談員や介護職員にしっかりと利用者さんの様子を確認。利用者さんの現状や課題を把握して、一人ひとりに個別な介護サービスを提供するためのケアプランを作成します。
施設ケアマネは、勤務する介護施設によって仕事内容が異なることも少なくありません。特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、介護施設の種類はさまざまです。施設形態によって、利用者さんの人数は異なるため、担当件数やケアマネジャーの業務範囲にも違いがあるでしょう。
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居宅ケアマネと施設ケアマネの働き方の違い
居宅ケアマネと施設ケアマネは、働き方にも違いがあります。以下でそれぞれの仕事の特徴を確認してみましょう。
居宅ケアマネは利用者さんの自宅へ訪問する
居宅ケアマネは、居宅介護支援事業所に所属しており、利用者さんの自宅への訪問が業務の一つです。事務作業は事業所で行いますが、利用者さんの自宅へ訪問することも頻繁にあります。
ケアプラン作成の際は、利用者さんが快適に過ごせるように考えると同時に、自立支援の視点を持つことも重要です。利用者さんの在宅生活をサポートするために、居住環境や身体状況に合わせたケアプランを作ります。
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施設ケアマネはスケジュールに沿って勤務する
施設ケアマネは、施設のスケジュールに合わせて仕事を行います。
担当件数が多い場合は、ケアマネジメント業務に時間を要するため、専任で働く可能性が高いでしょう。業務に余裕がある施設ケアマネは、介護業務を兼任する場合があります。施設ケアマネは仕事の幅が広いので、スケジュール管理を徹底することが重要です。
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ケアマネジャーの平均給与
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」によると、2024年の常勤・月給制の施設ケアマネの平均給与は38万8,080円でした。2023年からの1年で、施設ケアマネの平均給与は1万480円上がっています。
なお、平均給与はケアマネジャー(職種)ではなく、ケアマネジャーの資格を保有する介護職員のデータです。
施設形態ごとのケアマネジャーの平均給与を以下にまとめたので、チェックしてみましょう(百の位以下切り捨て)。

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161~p.162)」
施設ケアマネは、専任で日勤のみで働く場合もあれば、介護職を兼任して夜勤を行う場合もあります。働き方は施設ごとに異なるので、ワーク・ライフ・バランスの整えやすさや給与額など、自分が優先したい条件を考えて職場を選ぶと良いでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年2月17日)
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ケアマネジャーの担当件数についてよくある質問
ここでは、ケアマネジャーの担当件数についてよくある質問に回答します。担当件数の計算方法や、上限を超えた場合の影響について知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
パートのケアマネの担当件数の計算方法は?
非常勤パートのケアマネジャーは、(勤務時間数)÷(常勤ケアマネジャーの勤務時間数)で常勤換算できます。常勤の半分の勤務時間で働く場合、常勤ケアマネジャーの上限件数の半分の人数を担当可能です。
ケアマネの担当件数は何件で減算になりますか?
居宅介護支援事業所では、原則として担当件数45件以上で介護報酬が減算になります。2024年の介護報酬改定により、ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置という要件を満たした場合に限り、1人あたり49件まで減算なしで担当可能になりました。
ケアマネジャーの担当件数の上限については、「ケアマネジャーの担当件数は何件?」も参考にしてみてください。
ケアマネの上限件数をオーバーするとどうなるの?
ケアマネジャーの担当件数が基準で定められた上限を超えた場合、人員基準違反として基本報酬の減算が行われ、指定取消などの行政処分の対象となります。
また、居宅介護支援では、担当件数が45件(居宅介護支援費IIの場合は50件)以上60件未満の場合、逓減制の対象です。逓減制が適用されると、45件目(居宅介護支援費IIの場合は50件目)以降の利用者さんの介護報酬が減算となります。
まとめ
居宅ケアマネの担当件数の上限は原則44件で、平均担当件数は44.0件でした。施設ケアマネの担当件数は100件が上限で、実際には50件前後を担当する方が多いようです。小規模な施設では、担当件数が10件以下のこともあります。
2024年度の介護報酬改定でルール変更があり、ケアプランデータ連携システムを活用し、なおかつ事務職員を配置する事業所で働く居宅ケアマネは、49件まで減算なしで担当できるようになりました。
ケアマネジャーの担当件数による減算を防ぐためには、事業所全体で担当件数を調整し、上限を超えないようにすることが重要です。また、ICT化や事務職員の配置を進めると、担当件数を増やして利益を上げられるだけでなく、業務の効率化やケアマネジャーの負担軽減にもつながるでしょう。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
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介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


