
この記事のまとめ
- 介護職の退職理由には、職場の人間関係の悩みや給与への不満などがある
- 職場へ退職理由を伝えるときは、直属の上司に最低1ヶ月前には伝える
- 面接で退職理由を伝えるときはネガティブな表現を避け、前向きな理由にする
「介護施設を退職するときの理由はどう伝えたら良い?」「面接で退職理由を聞かれたらどうする?」など、退職理由についてお悩みの介護職の方もいるかもしれません。退職理由を伝える際は、マイナスな印象を与えないよう、表現に気をつけることが大切です。この記事では、介護職の退職理由をランキング形式でご紹介します。退職意思の伝え方のコツも解説するので、転職をお考えの介護職の方は参考にしてみてください。
目次
介護職の退職理由ランキング
レバウェル株式会社の「レバウェル介護白書2022(p.30)」によると、介護職の転職理由の上位は、「職場の人間関係が悪かった」「給与が低かった」「仕事内容への不満があった」という内容でした。

ここでは、介護職によくある退職理由をそれぞれ詳しくご紹介します。
職場での人間関係の悩み
前述のレバウェル株式会社のアンケート結果でも1位だったように、職場での人間関係の悩みは、多くの介護職の方が退職理由として挙げています。
介護職の仕事は、利用者さんやそのご家族、他職種の職員など、関わる人が多いことから、人間関係のトラブルを抱える場合があるようです。たとえば、「管理者の考えに賛同できない」「上司からパワハラを受けた」「お局さんに意地悪された」「職員の派閥間の対立があった」「利用者さんからの理不尽な要求があった」というような状況が考えられます。
介護職の特性上、協力しながら仕事を進めなければなりません。人間関係が悪くなると、働きにくさから「精神的にきつい」と感じることも。改善されないと、退職・転職につながる難しい悩みといえます。
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給料・待遇面の問題
給料や待遇面の問題も、介護職のよくある退職理由です。前述したレバウェル株式会社のアンケート結果でも2位と、人間関係に次いで多い退職理由でした。介護の仕事は体力的・精神的にハードな面がありますが、介護職員の給与は労働者全体の平均給与よりも低いのが現状です。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査(p.7)」によると、2023年の日本の給与所得者のうち、正社員の平均年収は530万円で、1ヶ月に換算すると平均給与は約44万円でした。一方で、「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」によると、2023年の介護職員の平均給与は約32万円となっています。
賞与などが含まれた金額であることと、それぞれ算出方法が異なる可能性があるためあくまで参考値ですが、日本の給与所得者全体の平均給与と比べて介護職の賃金は低いことが分かります。
仕事内容に給料が見合わないと感じると、「もっと給料をもらえる職場に転職したい」と思うようになるのは自然なことです。しかし、介護職員の給与は処遇改善により増加傾向にあります。一昔前の状況とは変わってきているので、本当に退職が必要なのか考えてから行動に移すようにしてみてくださいね。
出典
国税庁「標本調査結果」(2025年9月9日)
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月9日)
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仕事内容への不満
「仕事内容への不満」も、介護職員のよくある退職理由の一つです。レバウェル株式会社のアンケート調査でも3位という結果でした。介護職としてのキャリアが長い場合、自身の介護観と就業先の業務内容や仕事の進め方にギャップを感じると「仕事が合わない」と思うかもしれません。
ほかにも、「入浴担当や送迎担当などへの業務負担の偏りがあり、自分ばかりしんどい思いをしている」「配属先の希望が叶わず、自分がやりたいと思う仕事ができない」など、仕事内容に起因する退職理由は少なくないようです。
休みや残業時間などの労働条件
休みの取りやすさや残業時間の長さといった、労働条件に対する不満もよくある退職理由といえます。たとえば、「夜勤明けにもかかわらず残業がある」「有給休暇を取得しづらい」「休日出勤がある」など、過酷な労働条件が理由で退職を考える場合があるようです。
また、結婚や出産・育児、親の介護といったライフイベントがきっかけで、勤務できる曜日や時間に制限がかかり、今の働き方を続けられなくなる方もいます。その場合、希望の条件で働ける職場への転職を考えることになるでしょう。
業務の体力的・精神的な負担
介護職は、職場によって体力的・精神的な負担の大きさが異なります。介護度が低い利用者さんがメインの施設から、介護度が高い利用者さんが多い施設に転職した際に、「想像よりも業務の負担が大きかった」「身体介護の頻度が上がり、腰痛が悪化した」と感じるパターンもあります。
また、「訪問介護の自転車移動が思ったよりキツい」といった体力的な負担に悩む介護職もいるようです。「夜勤中に1人で利用者さんの見守りをしなければならず、転倒リスクが不安」「利用者さんからの暴言・暴力に耐えられない」など、精神的な負担を感じて退職に至る介護職もいるようです。
キャリアアップの希望
自身のキャリアプランを達成できる見込みが低いことも、退職を考える要因になるかもしれません。たとえば、「今の職場では昇進できる見込みがないので、キャリアアップのチャンスがある施設に転職したい」「ほかの職場を経験して介護職としてのスキルを高めたい」など、前向きな理由から退職を考えることもあるでしょう。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2025年9月29日)
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職場へ退職理由を円満に伝える方法
「退職をしよう!」と決意したら、職場に退職の意思を伝えなければなりません。
ここでは、介護職の方向けに、職場に退職の意思を伝える方法をご紹介します。円満退職できるよう、チェックしておきましょう。
直属の上司に伝える
退職の意思は、直属の上司に伝えます。直属の上司よりも先に施設長や同僚に伝えてしまうのはマナー違反なので、気をつけるようにしてみてください。人手不足で困っているときや重要なイベント前を避けるなど、職場の状況に配慮した時期に伝えるのが円満退職のポイントです。メールや電話ではなく、直接伝えるようにしましょう。
退職は契約内容を確認して早めに報告する
事前に雇用契約や就業規則の内容をチェックし、退職の意思を伝える時期を確認しましょう。法律上は2週間以内に退職の意思を伝えれば良いことになっていますが、人員の補充を考慮し、最低でも退職の1ヶ月前までに報告するのが一般的です。
なお、退職交渉をする前に転職先を決めるのも方法の一つ。仕事をしながら転職活動をすれば、給与が支給されるので経済的に余裕が生まれるため、安心して転職活動に取り組めるでしょう。この場合も、退職の1ヶ月前には報告するのが望ましいため、計画的に行動することが大切です。
転職活動のスケジュールについては「介護業界の転職活動のスケジュール!内定までの期間や退職時期について解説」の記事でも解説しているので、動き出すタイミングが分からない方は参考にしてみてください。
退職日を明確にして報告する
退職を伝える際は、退職日を明確にしてから報告するほうがスムーズといえます。退職を悩んでいる段階であいまいに伝えてしまうと引き止められる可能性があるためです。可能であれば、転職先が決まってから退職交渉を行うと良いでしょう。決定事項・報告として退職への意思の固さを示すのがコツです。
仕事への不満を退職理由として伝えない
退職を報告する際は、今の仕事に対する不満を伝えないようにしましょう。「夜勤回数が多くて…」「正社員として働きたいから」といった待遇面を退職理由とした場合、「待遇を改善するから続けてほしい」と引き止められる可能性があります。条件交渉をされても現職を続けるつもりがなく、スムーズに退職したい場合は、待遇面などの理由は避けるのが賢明です。
退職理由は、現職では叶わない条件かつポジティブな理由にすると引き止められにくいといえます。また、引っ越しや家庭の事情といった内容も、職場の理解を得やすいでしょう。
業務の引き継ぎ方を相談する
円満に退職の話を進めるには、「引き継ぎは誰にするか」といった話もしておくのがおすすめです。特に、介護職が退職をする場合、きちんと引き継ぎを行っておかなければ、後任者が「利用者さんの好みや注意点が分からない…」といった事態になるなど、困ったことになるかもしれません。
残された職員や利用者さんのことも考え、最後まで責任をもって仕事を終えるようにしましょう。退職後、職場や後任者に迷惑をかけないよう、計画的に引き継ぎを完了させることが円満退職のコツです。
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退職理由を伝えて引き止められたらどうする?
介護業界は人手不足の職場が多いので、退職を申し出たとしても職場の上司から引き止められる場合があるでしょう。
ここでは、よくある引き止めのパターンや対処法などをご紹介します。
退職引き止めのよくあるケース
「みんながあなたを必要としている」と、情に訴えかけて優しく引き止めるパターンや、「給料を上げる」「シフトに融通を利かせる」「配置換えをする」など、待遇を向上させると提案して引き止めるパターンなどがあります。ほかにも、「この程度で辞めるならほかの場所でも通用しない」などと威圧的に退職を引き止められるパターンもあるようです。
引き止めのために好条件を示されたとしても、その場しのぎで伝えているだけという可能性もあります。「退職意思を伝えるまで改善に向けて動いてくれない会社」とも取れるため、引き止めに応じるべきかどうかは、慎重に判断したほうが良いでしょう。
退職を引き止められる理由
退職を引き止められる理由は多岐にわたりますが、「経験豊富なスタッフの流出を防ぎたい」「人手不足なので辞められたら困る」といった施設側の事情が背景にあるようです。
引き止めの具体的な理由を理解することは、退職交渉や、転職のための自己分析に役立ちます。「なぜ引き止められたのか」を客観視することで、自身の強みや、今の職場の問題点に気づけるかもしれません。
退職を引き止められたときの対処法
職場から退職を引き止められた場合は、自分の決意が固いことや、よく考えたうえでの選択であることを伝えるようにしましょう。退職する際には、心の準備が必要です。同僚や利用者さんとの絆を感じている場合、引き止めによって気持ちが揺らいでしまうこともあるかもしれません。しかし、理想のキャリアを築くためには、一時の感情に流されず退職の意思を貫くことが大事です。
引き止められたときは、必要としてもらえていることに感謝を伝えることも大切。そのうえで、「次の職場で挑戦したいことがある」「家庭の事情でやむを得ない」など、退職理由・意思をはっきりと伝えることがポイントです。感情的にならず冷静に、職場への配慮を忘れずに対応すると良いでしょう。
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介護職の面接で好印象な退職理由の伝え方
介護業界に限らず、転職の面接では前職の退職理由を聞かれることがあるでしょう。
ここでは、介護業界で転職活動をしている方へ、採用担当者に好印象を与える退職理由の伝え方をご紹介します。「面接で前職の退職理由を聞かれたらどうする?」とお悩みの方は参考にしてみてください。
キャリアアップへの意欲をアピールする
もともと介護職をしていた場合、面接では「介護職として専門的な知識を身につけたい」「新しい環境で経験を積みたい」「介護度の高い利用者さんがいる職場で高度なスキルを身につけたい」など、スキルアップへの意欲をアピールすると効果的です。キャリアアップへの熱意を示すことで、転職後の活躍を期待され、ポジティブな印象を与えられるでしょう。
ネガティブな表現を避ける
「人間関係が悪くて…」「残業ばかりで大変だったから辞めました」といったネガティブな退職理由を伝えると、採用担当者へマイナスな印象を与えてしまいます。ネガティブな退職理由をそのまま言うのは避け、ポジティブな表現に言い換えるなど、言葉を慎重に選ぶのがポイントです。
たとえば、人間関係がうまくいかずに辞めた場合は「職員間の連携や支え合いを大切にしている職場で働きたい」、労働条件が合わず辞めた場合は「在宅での介護に興味を持つようになり、これまでと違うサービス形態で働きたい」など。新しい環境に踏み出す前向きな転職だとアピールすることで、マイナスイメージを避けられるでしょう。
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介護業界で自分に合った職場を見つけるには?
ここでは、介護業界で自分に合った職場を見つける方法について解説します。「相性の悪い職場に転職するのは避けたい」「今の職場より職場環境が悪くなってしまったらどうしよう…」といった不安を感じている方は、職場を選ぶうえで重視すべきポイントをチェックしましょう。
求人の労働条件を確認する
求人情報を見る際は、労働条件をしっかり確認しましょう。具体的なチェック項目は以下のとおりです。
- 雇用形態
- 給与(基本給・賞与・諸手当)
- 労働時間・休日数
- シフト体制
- 残業の有無
- 交通アクセス
- 福利厚生
正社員・パート・派遣社員といった雇用形態はもちろん、給与や福利厚生といった待遇や、労働時間・残業の有無といった働き方など、確認すべき項目は多岐にわたります。自宅からの交通アクセスや通勤時間を確認しておくのもポイントです。
職場環境や経営方針などの情報を収集する
気になる求人を見つけたら、職場環境や企業理念などの情報を集めましょう。給与や労働条件が良くても、職場環境が悪かったり企業理念に共感できなかったりすれば、入職後にミスマッチを感じる可能性があります。
また、職場の雰囲気をチェックして、人間関係をイメージしておくことも大切です。「少人数制の施設だからアットホームだろう」と想像するだけではなく、実際に施設見学などを行い、自分の目で見て働きやすい職場かどうかを確認しておきましょう。
業務に必要なスキルや仕事内容を理解する
仕事内容が自分の性格やスキルと合っているかを確認することも、職場選びには欠かせません。たとえば、ホームヘルパーとして単独で訪問介護を行う場合、原則として介護職員初任者研修以上の介護資格が必要です。
求人の条件を満たさずに応募すると、「有資格者を募集しているから」と、採用を見送られてしまうことも考えられます。転職活動をスムーズに進めるために、応募先が求める条件を満たしているかどうかは必ず確認しておきましょう。
また、介護施設によって積める経験や仕事内容は異なるので、自身のキャリアプランに合った職場を選ぶことが大切です。「認知症ケアについて深く学びたい」という場合、認知症の方が共同生活を送るグループホームを選ぶなど、情報収集をして自分に合った職場を見極めましょう。
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介護職の転職で感じる不安は?現職・未経験が悩みを解消して職場を選ぶ方法
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レバウェル介護の資格スクール転職を検討する際はエージェントの利用がおすすめ!
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介護職の退職理由についてよくある質問
ここでは、介護職の退職理由に関するよくある質問に回答します。「退職理由を言いづらい…」と、お悩みの方はぜひご覧ください。
介護職の退職理由のポジティブな伝え方は?
介護職の方が面接官に退職理由を伝える際は、ネガティブな理由をそのまま伝えることは避け、前向きな理由にして伝えましょう。たとえば、「人間関係が悪かった」「給料が低かった」といった理由は、前職への不満と受け取られることも。「スキルアップがしたい」「違う分野の介護経験を積みたい」などの理由にポジティブ変換して伝えると好印象を与えられるでしょう。
なお、今の職場で退職交渉を行う際は、退職理由を「一身上の都合」と伝えれば問題ありません。
腰痛による介護職の退職理由はどう伝えたら良い?
面接で腰痛による退職理由を伝える場合は、「腰痛で介助業務が全くできないのでは?」と心配される可能性があるため、伝え方に工夫が必要です。
現職の業務としてどのような介護度の人に、どのような介助を、どれくらいの頻度で行っていたのか具体的に話し、腰痛になった状況を理解してもらいましょう。そのうえで、今の腰の状況でも無理なく対応できる介助内容を説明し、事業所側の懸念を払拭することが大切です。医師からの就業許可をもらっている場合は、しっかり伝えてください。
まとめ
介護職の退職理由は、職場の人間関係の悩みや給与・待遇面の問題、仕事内容への不満、体力的・精神的な負担の大きさなどです。
今の職場に退職理由を伝えるときは、直属の上司に直接伝えるようにしましょう。退職の意思は退職希望日の1ヶ月前までに伝えるのが一般的です。ただし、職場によって異なるので必ず雇用契約や就業規則を確認しましょう。
退職を引き止められた場合は、引き止めてくれたことに感謝の意を示しつつ、退職の意思が固いことや、しっかりと考えたうえで判断したことを伝えます。前向きな理由や家庭の事情といった理由は、労働条件への不満などと比べて引き止められにくいようです。
転職の面接で退職理由を聞かれた際は、ネガティブな内容はポジティブに言い換えるようにしましょう。前向きに仕事に取り組む意欲をアピールすることで、好印象を与えられます。
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先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら監修者

尾嶋
レバウェル介護 キャリアアドバイザー
保有資格:キャリアコンサルタント(国家資格)
新卒でレバレジーズ株式会社に入社し、キャリアアドバイザーとして神奈川・大阪・広島・東京の介護職の転職を支援。2021年からはリーダーを兼任し、2023年は新卒教育にも携わる。
地域ごとの雇用動向や介護職の転職事例に精通し、個々に合ったサポートを提供しています。理想の介護や生活を実現する方法について一人ひとりの求職者さまと一緒に考え、キャリア構築のお手伝いをしていきます。
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


