
この記事のまとめ
- 介護士は介護業務を行う人全般を指す言葉で、介護福祉士も介護士に含まれる
- 介護福祉士と介護士の違いは、必要な資格や仕事内容、役割、給与など
- 介護福祉士を取得すると、給与アップやスキルアップを望めるメリットがある
「介護福祉士と介護士って何が違うの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。介護士という言葉は、介護業務を行う人全般を指します。一方の介護福祉士は、「介護福祉士」という国家資格を持っている介護士のことです。この記事では、介護福祉士と介護士の保有資格や役割、待遇の違いを解説します。介護福祉士を取得するメリットや資格取得のルートも紹介するので、介護の仕事に興味がある方はぜひチェックしてみてください。
介護福祉士とはわかりやすくいうとどんな資格?取得方法や試験概要を解説!目次
介護士と介護福祉士の定義とは?

上の図のように、介護士の中に介護福祉士が含まれ、保有資格によって違いが定義されます。介護士は「介護の仕事に従事する職員」のことで、介護福祉士は「介護福祉士の資格を有している介護士」と考えると分かりやすいでしょう。
以下で、介護士と介護福祉士の定義を解説するので、ぜひご一読ください。
介護士とは
介護士とは、簡単にいうと介護をする職員全般のことです。介護業務を行う人であれば、資格や経験に関わらず介護士と呼ばれます。訪問介護を行うホームヘルパー(ヘルパー)も、介護施設で働く介護職員も両方とも介護士です。
介護士は、「介護職」「介護スタッフ」といわれることもあり、定義が広く多様な呼び方があります。
介護福祉士とは
介護福祉士とは、「介護福祉士」という名前の資格を保有している人のことです。「介護の仕事をする人全般である介護士の中に、専門知識や技術を有する介護福祉士が含まれる」と考えると理解しやすいでしょう。介護福祉士の資格は、介護系の資格の中で唯一の国家資格です。
今の職場に満足していますか?
▼関連記事
介護資格の種類29選!取得方法やメリットを解説します
介護福祉士と介護士の違いはどこにある?
介護福祉士と介護士は、保有している資格や仕事内容、役割、待遇・給与、転職のしやすさに違いがあります。以下で、介護福祉士と介護士の違いを詳しくまとめているので、ぜひご覧ください。
保有している資格の違い
介護福祉士は、介護分野における唯一の国家資格であり、取得するには受験資格を得て試験に合格することが必須です。介護福祉士は名称独占の資格なので、取得していない人は「介護福祉士」と名乗ることはできません。一方、介護士になるために必須の資格はなく、介護業務に携わっていれば「介護士」と名乗れます。
以下にそれぞれの保有資格の例をまとめました。
| 介護士 | 介護福祉士 |
| ・無資格 ・認知症介護基礎研修 ・介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級) ・介護福祉士実務者研修 ・介護福祉士 | ・介護福祉士 |
介護士は、無資格であっても介護の資格を持っている場合であっても「介護士」といえるのがポイントです。
仕事内容や役割の違い
介護福祉士と介護士の仕事内容に大きな違いはなく、どちらも食事・入浴・排泄の介助や日常生活上の支援などを行います。就業先の違いもなく、ともに特別養護老人ホームやデイサービスといった介護施設や訪問介護事業所などで活躍が可能です。
介護福祉士は、専門的な知識やスキルを活かして業務に携わることが期待されています。介護福祉士に求められる高度な役割は下記をご覧ください。
- 利用者さん個々に合わせた介護サービスの提供
- 利用者さんの自立支援
- 介護職員の教育やマネジメント
- 現場のリーダー役
現場の職員全員が利用者さんに質の高い介護を提供できるよう、介護福祉士が中心になって実践・教育・管理を行います。介護福祉士は、専門性の高い介護の知識やスキルがあるため、管理職やリーダーを任されることも少なくありません。チームのマネジメントや職員の評価をすることもあります。
介護福祉士に求められる役割や詳しい仕事内容は、「介護福祉士の仕事内容とは?介護職員との違いや資格の活かし方をご紹介」の記事で解説しているので、あわせてご一読ください。
待遇・給与の違い
介護福祉士のほうが、そのほかの介護士よりも給与が高い傾向があります。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」をもとに、常勤の介護福祉士と介護士全体の給与を表にまとめました。なお、平均年収は平均給与に12を掛けて算出した金額です。
| 介護士 | 介護福祉士 | |
| 平均月収(常勤) | 338,200円 | 350,050円 |
| 平均年収(常勤) | 4,058,400円 | 4,200,600円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」
介護福祉士の平均給与は350,050円で、介護士全体の平均給与は338,200円でした。介護福祉士と介護士全体の平均給与の差額は、11,850円です。また、無資格の介護士の平均給与は290,620円で、介護福祉士との平均給与の差は59,430円でした。
なお、実際の給与は人によって差があるため、平均給与額はあくまで参考としてご覧ください。
介護福祉士の平均給与が介護士全体よりも高いのは、基本給や手当に評価が反映されているためと考えられます。業務範囲の広さや担う責任の大きさに伴い、昇給したり、役職手当や資格手当が支給されたりすることは少なくありません。
介護福祉士の資格を取得するには最短でも2~3年かかりますが、受験資格を満たして試験に合格すれば、介護業界で幅広く活躍できます。介護福祉士のやりがいについて知りたい方は、「介護福祉士がやりがいを感じるときは?資格取得方法や仕事の魅力も解説!」の記事をご覧ください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年6月1日)
転職のしやすさの違い
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年4月分)について:参考統計表8-1」によると、職業全体の有効求人倍率は1.12倍です。一方、介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.22倍でした。介護業界の有効求人倍率は高いため、介護士も介護福祉士も転職しやすい環境があるといえます。
介護士も介護福祉士も転職しやすいとはいっても、介護福祉士を取得している場合は、就職や転職の際に大きなアピールポイントになるでしょう。介護福祉士の資格があれば、高度な介護技術や知識を持っている証明になり、即戦力としての活躍が期待されます。そのため、介護福祉士としての経験があれば、介護士よりも転職先の選択肢が増えるでしょう。
介護福祉士の資格が就職・転職活動で有利になる理由は、「介護福祉士は転職で有利に働く?資格を持つメリットと取得する方法を解説」の記事でも紹介しているので、チェックしてみてください。
出典
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)について」(2026年6月1日)
▶ヘルパー・介護職の求人一覧ページはこちら
▶介護福祉士の求人一覧ページはこちら
介護福祉士は意味ない?取得のメリット
介護福祉士の資格を取得すると、給与がアップしたり介護スキルが身についたりなど、さまざまなメリットがあります。以下で、介護福祉士を取得するメリットを解説するので、資格取得を目指している方はぜひチェックしてみてください。
資格手当で給与アップを望める
「待遇・給与の違い」で紹介したように、介護福祉士を取得すると資格手当や昇給の対象になることも多いため、無資格の介護士のときよりも給与が上がる可能性があるでしょう。
また、介護福祉士の資格は、訪問介護事業所のサービス提供責任者(サ責)の要件の一つです。サービス提供責任者になれば、役職手当が支給されるなど、待遇面に反映されるでしょう。
サービス提供責任者の要件は、「サービス提供責任者になるには資格が必要?要件と取得方法、仕事内容を解説」の記事で解説しています。
首都圏限定!資格取得が無料!
転職活動しながら資格を取る資格取得のみでもOK!
レバウェル介護の資格スクール介護過程に基づく実践的なケアが身につく
介護福祉士の教育課程に含まれる「介護過程」の科目では、利用者さんに対して根拠のあるケアを提供できるよう、介護計画の作成について学びます。介護福祉士を取得する過程において、介護に関する実践的な知識やスキルを身につけることが可能です。
キャリアアップにつながる
介護福祉士は豊富な介護の知識やスキルがあるため、職場のリーダーのような立場になるなど、介護士をまとめる役割を担うことも多くあります。そのため、介護福祉士としてキャリアを積むことで、管理職に就ける可能性があるでしょう。
また、介護福祉士として実務経験を5年以上積むことで、次のステップとしてケアマネジャーを目指すことも可能です。介護業界でのキャリアアップを目指す方は、介護福祉士を取得しておいて損をすることはないといえます。
介護福祉士の資格を取得する方法
介護福祉士の資格を取得するには、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。介護福祉士国家試験には受験資格が定められており、受験資格を満たすルートは複数あるため、自分に合ったルートを選ぶことが大切です。

介護福祉士国家試験の受験資格を満たす方法は、「実務者研修の取得+介護等の実務経験を積む」「福祉系の高校を卒業する」「養成施設に通う」「EPA介護福祉士候補者として実務経験を積む」の4つです。介護福祉士になりたい方は、いずれかのルートを経て受験資格を獲得し、国家試験への合格を目指しましょう。
受験ルートの詳細を以下にまとめたので、参考にしてみてください。
実務経験ルート
「実務経験ルート」は、介護施設や事業所で介護の実務経験を積み、介護福祉士を目指すルートです。実務経験ルートで介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、「3年以上かつ540日以上の実務経験」と「介護福祉士実務者研修の修了」という2つの条件を満たす必要があります。
介護士として働きながら介護福祉士の資格取得を目指しやすいのが、実務経験ルートの特徴です。
なお、過去に介護職員基礎研修を修了した方は、実務者研修ではなく、喀痰吸引等研修を修了すれば、研修の修了要件を満たせます。介護職員基礎研修はすでに廃止されていますが、取得済みであれば現在も一定の効力がある資格です。
▼関連記事
介護福祉士国家試験の受験資格である実務経験とは?対象の施設や職種を解説
福祉系高等学校ルート
「福祉系高等学校ルート」は、福祉系の高等学校を卒業して介護福祉士を目指すルートです。2009年度以降の入学者は、卒業と介護福祉士国家試験への合格という条件をクリアすれば、介護福祉士を取得できます。
なお、2010年度以前の入学者は、介護福祉士の資格登録の申請をするまでに「介護過程lll」の科目を履修しなければなりません。また、福祉系特例高等学校を卒業した方の場合、介護等の実務経験を9ヶ月以上積み、介護福祉士国家試験への合格と「介護過程lll」の履修という条件をクリアすれば介護福祉士になれます。
養成施設ルート
「養成施設ルート」は、公的機関が指定する介護福祉士養成施設に通い、資格取得を目指すルートです。学歴によって養成施設に通う期間が異なり、高等学校等の卒業者は養成施設に2年以上通います。
福祉系大学等・社会福祉士養成施設等・保育士養成施設等のいずれかの卒業者は、養成施設に1年以上通うことで、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることが可能です。
EPAルート
EPAルートは、外国人の方が日本で就労しながら介護福祉士資格を取得するルートのため、日本人の方は選択できません。
EPA介護福祉士候補者に該当するのは、介護福祉士資格を取得することを目的に研修を受けながら就労している、インドネシア人・フィリピン人・ベトナム人です。EPA介護福祉士候補者は、受け入れ施設において、責任者監督のもとで研修を受けます。
出典
厚生労働省「介護福祉士の資格取得方法」(2026年6月1日)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格」(2026年6月1日)
▼関連記事
最短で介護福祉士になるには?知っておきたい3つのルート
介護福祉士・介護士に関するよくある質問
ここでは、介護福祉士・介護士に関するよくある質問に回答します。介護業界に興味がある方は、ぜひご覧ください。
介護士と看護師の違いは?
介護士と看護師は、仕事内容や支援対象者、必要な資格などが違います。介護士は、高齢者や障がいのある方に対し、生活のサポートをするのが仕事です。一方の看護師は、病気を患っていたり怪我をしていたりする患者さんに対し、点滴・採血などの医療行為や治療のサポートを行います。介護士は無資格からなれますが、看護師になるには看護師の国家資格が必要です。
介護士とヘルパーの違いが分かりません
介護士とヘルパーは同じ意味に捉えられがちですが、求められる資格や仕事内容に違いがあります。ヘルパーとは一般的にホームヘルパー(訪問介護員)のことを指し、訪問介護業務を行うのが仕事です。利用者さんの自宅に行き、身体介護や身の回りのサポートなどを行います。
ヘルパーは基本的に1人で利用者さんの自宅を訪問するので、独り立ちするには「介護職員初任者研修」以上の資格取得が必要です。一方の「介護士」は、介護を行う職員全般を指す言葉として使われる傾向があります。
介護福祉士とホームヘルパーの違いについては、「介護福祉士とホームヘルパーの違いは?仕事内容や必要な資格を解説」をご覧ください。
首都圏限定!資格取得が無料!
転職活動しながら資格を取る資格取得のみでもOK!
レバウェル介護の資格スクール介護士になるにはどうしたらいいですか?
無資格・未経験の方も、介護業務を行う仕事に就けば介護士になることが可能です。介護士の求人には、学歴や資格を問わないものもあります。資格を取得してから介護士になる人もいれば、介護士になってからスキルアップを図る人もいるので、自分に合ったキャリアを選ぶと良いでしょう。
介護士になる方法は、「介護士になるには資格が必要?未経験から就職・転職するコツをご紹介」の記事で解説しているので、ぜひご一読ください。
▶未経験可の求人一覧ページはこちら
▶無資格OKの求人一覧ページはこちら
まとめ
介護福祉士と介護士の違いは、保有資格や仕事内容、役割、給与水準などです。介護福祉士は資格名で、資格を保有する人のことも「介護福祉士」と呼びます。
一方の介護士は、介護業務に携わる職員全体を指す言葉です。介護士に分類される方の中に、資格保有者の介護福祉士も含まれると考えると分かりやすいでしょう。
介護士には、介護福祉士のほかに、無資格の方や初任者研修・実務者研修などを取得している方がいます。介護士も介護福祉士も基本的な仕事内容は同じですが、介護福祉士はその高い専門性を活かし、職員の指導や教育を担うことも少なくありません。
また、介護士は有効求人倍率が高く転職しやすい傾向にあるのが特徴です。無資格から就業を目指せますが、介護福祉士などの資格を取得すると、就職活動を有利に進められる可能性があります。介護福祉士の資格があれば、給与アップやキャリアアップにつながりやすいため、介護業界で長く活躍したい方は取得を検討すると良いでしょう。
「介護士の仕事について知りたい」「働きながら資格を取得したい」と考えている方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。
専任のキャリアアドバイザーが、介護士として無資格で働ける職場やキャリアアップを支援してくれる職場、資格取得支援を行っている職場などをご提案いたします。希望に合った働き方を丁寧にヒアリングして、一人ひとりの就職活動をサポート。キャリアプランの相談もできます。サービスはすべて無料なので、「どんな求人があるか気になる」という方はお気軽にご相談ください。
今の職場に満足していますか?
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


