最短で介護福祉士になるには?知っておきたい3つのルート

介護の資格 2020年11月9日
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介護福祉士は介護系唯一の国家資格であり、取得すると資格手当で給与がアップしたり、仕事の幅が広がったりする利点があります。ただ、試験を受けるには一定の受験資格を満たす必要があり、未経験ですぐに取得できるわけではありません。
このコラムでは、介護業界でのキャリアアップを目指す方に向けて、最短どのくらいで介護福祉士になれるかをご説明します。社会人から資格を目指すには、今から何をすれば良いのでしょうか?

目次

最短で介護福祉士になるには?

介護福祉士になるには、最短でも1年はかかります。介護福祉士の役割と資格取得にかかる期間について確認していきましょう。

そもそも介護福祉士とは?

介護福祉士は、1人で日常生活を送るのが困難な人をサポートする専門職で、別名「ケアワーカー(CW)」とも呼ばれます。介護福祉士の仕事は、食事や入浴、排泄といった身の回りのお世話を通して、介護を必要とする方がその人らしい生活を送れるようにすることです。また、介護スタッフのリーダーとしての役目を果たしたり、ご利用者やご家族からの相談に対応したりもします。

資格取得には最短で1年かかる

介護福祉士になるには、「介護福祉士国家試験」に合格しなければいけません。国家試験合格後は、必要書類を提出し、介護福祉士登録簿に登録されて初めて介護福祉士と名乗れます。介護福祉士の国家試験には受験資格があるため、まずは受験資格を満たす必要があります。受験資格を得るためのルートは、福祉系の学校や養成施設に通うか、3年以上の実務経験を積むかの3つです。

この中で、最短で資格がとれるのは養成施設に通うルートで、かかる時間は1年です。次の項目で、3つのルートを詳しく確認していきましょう。

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実務経験・養成施設・福祉系高校の3つのルート

介護福祉士になるには、「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「実務経験ルート」の3つの道があります。

養成施設ルート:最短1年

厚生労働大臣が指定する指定養成施設を卒業して、介護福祉士試験を受けるルートです。養成施設に入学する条件は、高等学校卒業以上もしくはそれに準ずる者とされています。
養成施設に指定されている教育機関は、大学や短期大学、専門学校などです。なお、養成施設に通信制はありません。

学歴によって養成施設に通う期間が異なる

養成施設に通う期間はそれまでの学歴によって異なります。

・普通科の高校を卒業した人:2年以上
・福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業した人:1年以上

上記から分かるとおり、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業して養成施設に通う場合に限って、最短1年で介護福祉士資格が得られます。

注意点

かつては、養成施設の卒業者は試験を受けずに介護福祉士の資格を取得できました。しかし、平成29年4月1日からは、養成施設を卒業した後に試験を受けることが資格取得の条件となっています。
ただ、経過措置として、平成29年4月1日から令和9年3月31までに養成施設を卒業した人は、卒業年度の翌年から5年以内であれば、試験を受けなくても介護福祉士の資格を有する者として扱われます。この期間の卒業者が将来的にも介護福祉士として働くには、卒業後5年以内に試験に合格するか、卒業後5年間継続して介護などの業務に従事することが条件です。
経過措置対象外の卒業者は、卒業後に介護福祉士国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。

福祉系高校ルート:最短3年

福祉系高校もしくは福祉系特例高等学校を卒業して、介護福祉士国家試験を受けるルートです。

注意点

平成20年度以前と平成21年度以降に入学した人で、介護福祉士国家試験の受験内容が異なります。平成20年以前に入学した人は、筆記試験と実技試験の両方に合格することが資格取得の条件です。一方、平成21年以降に入学した人は、筆記試験に合格すれば資格が取得できます。
なお、平成20年以前の入学者であっても、「介護技術講習」を受講していれば実技試験が免除されます。

実務経験ルート:最短3年

介護現場で3年間の実務経験を積み、受験資格を得るルートです。実務経験ルートでは、3年以上の経験(従業期間3年以上、従事日数540日以上)と合わせて実務者研修の修了が国家試験受験の際の条件となります。
実務経験として認められるのは、ご高齢者や障害のある方、児童を対象とする施設での介護に関係する業務です。生活相談員といった相談援助業務を行う職種や医師、看護師など、介護がメインでない職種は実務経験にならないので気をつけてください。

未経験者が目指すなら実務経験ルート

介護の経験が全くない人が介護福祉士を目指す場合は、実務経験ルートがおすすめです。実務経験ルートは時間的に最短ではありませんが、社会人が働きながら資格を目指すのに最適です。実際に介護現場で働くことで実践的な技術が身につきますし、養成学校に通うのと比べて費用が抑えられます。

実務者研修について

実務者研修は、実践的な介護の知識・技術を身につけることを目的とした資格です。介護福祉士の受験資格となるほか、訪問介護事業所のサービス提供責任者になるのに必要です。

実務者研修資格を取得するには、指定された450時間のカリキュラムを修了する必要があります。
修了するには、民間の資格学校に通って講座を受講しましょう。スクールは多数あるため、スクーリングや通信教育形式など、自分に合った学び方を選ぶのがポイントです。

また、介護が全く未経験の人は、介護の入門的な資格である「介護職員初任者研修」を受講してそこからステップアップしていくのも良いでしょう。介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識や考え方が身につき、日頃の業務にも役立ちます。介護職員初任者研修と実務者研修はどちらも受講資格は設定されていないので、今すぐ勉强を始められますよ。

外国人向けの「経済連携協定(EPA)ルート」

介護福祉士になるには、ご紹介した3つのルートに加えて、外国人向けの「経済連携協定(EPA)ルート」が存在します。
こちらは、経済連携協定にもとづいて来日した外国人が、介護現場で働きながら介護福祉士を目指すルートです。現在対象となっている国は、インドネシアとフィリピン、ベトナムの3カ国のみ。EPAの介護福祉士候補者が介護福祉士になるには、一定の条件を満たしたうえで来日し、日本語研修を受けつつ介護施設で3年以上の実務経験を積んだ後で国家試験に合格する必要があります。

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介護福祉士試験の申し込み方法

ここからは、介護福祉士国家試験の概要と申し込み方法をご紹介していきます。試験は年に1回だけなので、申し込みは間違いのないように行ってくださいね。

試験概要

介護福祉士国家試験の概要は以下のとおりです。

実施日

年に1回。例年1月下旬に筆記試験、3月上旬に実技試験が実施されます。

試験科目

試験は筆記試験と実技試験です。

【筆記試験】
人間の尊厳と自立、介護の基本、 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、社会の理解、生活支援技術、介護過程、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、こころとからだのしくみ、医療的ケア、総合問題

【実技試験】
介護等に関する専門的技能

試験地

試験地は筆記試験と実技試験で異なります。

【筆記試験】
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

【実技試験】
東京都、大阪府

※試験概要は第33回試験(令和3年実施)の情報です

申し込み方法

例年、試験前年の6月に「公益財団法人 社会福祉復興・試験センター」から受験申し込みの詳細が発表されるので、詳しくは同法人のWebサイトをご確認ください。

申込みの際は、「受験の手引」を取り寄せ、手引に従って手続きを行います。手引を読んで申し込みに必要な書類を確認し、申込書や受験用の写真、受験手数料の払込票などを郵送で提出しましょう。
例年、試験の申し込み時期は8月~9月頃となっています。

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介護福祉士資格の難易度

介護福祉士国家試験を受験するためには、ご紹介したいずれかのルートをたどって受験資格を満たす必要があるので思い立ったときにすぐとれる簡単な資格というわけではありません。
ただ、試験の合格率はおおむね50%以上を推移しており、国家資格の中では比較的合格しやすい試験といえます。

介護福祉士試験の合格率

第25回:64.4%(平成25年)
第26回:64.6%(平成26年)
第27回:61.0%(平成27年)
第28回:57.9%(平成28年)
第29回:72.1%(平成29年)
第30回:70.8%(平成30年)
第31回:73.3%(平成31年)
第32回:69.9%(令和元年)

介護福祉士国家試験の合格基準

筆記試験・実技試験ともに、合格基準は総得点の60%程度です(問題の難易度によって補正あり)。また、筆記試験は合格基準点を満たすのと合わせて、すべての科目で得点があることが合格の条件になります。合格基準点を満たしていても0点の科目がある場合、不合格となるので試験対策はまんべんなく行いましょう。

介護福祉士の勉強法

対策講座を行っている資格学校に通っても良いですし、独学で勉強することもできます。費用面を抑えたいなら独学、プロの指導で効率的に学びたいなら資格学校が良いでしょう。
独学で学習する人は、まずは必要な教材をそろえるのが第一歩です。テキストは複数販売されているので、自分が理解しやすいものを選びましょう。

介護福祉士の勉強では、過去問を何度も解くのがポイントです。間違えた箇所を復習し、苦手分野をなくしましょう。独学の場合も、資格学校が開催する模擬試験を利用すると、本番に向けた力試しになりますよ。

出典
厚生労働省
第25回介護福祉士国家試験合格発表
第30回介護福祉士国家試験合格発表
第31回介護福祉士国家試験合格発表
第32回介護福祉士国家試験合格発表
(2020年10月9日)

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介護福祉士の資格は独学で取得できる?受験対策と学習期間とは

介護福祉士の仕事内容

最後に、介護福祉士の仕事内容を詳しく見ていきましょう。実際の働き方を想像して、将来介護福祉士として働く自分の姿をイメージしてみてくださいね。

身体介護

ご利用者の体に直接触れて行う介護です。具体的には、食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗介助などがあります。ほかにも、通院に伴う外出介助や、薬の服用をサポートする服薬介助、洗面や清拭といった体の清潔を保つための支援も身体介助に該当します。
介護スタッフによる医療行為は原則として認められていませんが、実務者研修を経て介護福祉士資格を取得した場合は、喀痰吸引や経管栄養といった医療行為を行うことも可能です。

生活援助

生活援助はご利用者の体に直接触れない介助で、日常生活を送るのに必要な家事をサポートします。具体的な内容は、施設の掃除や食事の支度、洗濯、ベッドメイク、薬局や病院での薬の受け取りなどです。

介護のアドバイス

介護福祉士は、ご利用者やご利用者のご家族に対する介護のアドバイスも行います。たとえば、家庭で介護を行うご家族に介護用具を使う際の注意点を説明したり、介護食の作り方を伝えたりすることも。その際は、介護に慣れていない方にわかりやすく情報を伝えることはもちろん、自宅の設備やご家族の負担を考慮したうえで、的確なアドバイスをすることが求められます。

介護スタッフの指導

介護福祉士は、介護スタッフのリーダーとしてスタッフの教育・指導も行います。介護福祉士資格を主任やリーダーの就任条件としている施設は多く、介護福祉士になると施設のまとめ役として業務を行う場面も出てきます。

まとめ

介護福祉士になるには、養成施設に通う場合で最短1年かかることが分かりました。ただ、社会人の方が働きながら介護福祉士を目指すなら、実務経験ルートがおすすめです。実務経験ルートでは、介護現場で実践的なスキルを磨きながら、最短3年で介護福祉士資格が取得できます。
介護福祉士国家試験の合格率は例年およそ50~70%で、働きながら独学で目指すことも可能です。これから介護の仕事に就く方は、「介護職員初任者研修」から勉強を始めるのも良いですね!

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