有料老人ホームでケアマネはどのような仕事をしているのでしょうか。また、どうしたらその仕事に就くことができるのかも、就業を考えている方なら気になるはずです。このコラムでは、有料老人ホームで働くケアマネの役割や仕事内容を詳しくご紹介します。有料老人ホームがケマアネとして働くうえで自分に適しているかの判断材料にしてください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?業務内容や役割を解説!「きらケア」は転職だけではなく、介護職の方が働く中での悩みに幅広く寄り添えるサービスになるために「レバウェル介護」として新しく生まれ変わりました。
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目次
有料老人ホームのケアマネが果たす役割とは
有料老人ホームのケアマネが果たす役割は、ケアマネジメントが中心です。介護を必要とする入居者さんに、どのような介護サービスを提供すれば生活の質が今よりも向上するのか、暮らしやすくなるのかを詳しく調査分析します。その上で、必要な介護が受けられるよう手続きを行うことがケアマネの果たす大きな役割です。
介護を必要とする方が介護サービスを受けるためには、ケアマネの存在が欠かせません。ケアマネは介護サービスに精通するプロとして、有料老人ホームの中で管理者的なポジションに就くことが多い職種です。
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有料老人ホームとはどんな施設?
有料老人ホームと特別養護老人ホームとの違いは?
有料老人ホームと特別養護老人ホームの大きな違いとして、有料老人ホームが民間事業者によって運営されているのに対して、特別養護老人ホームは社会福祉法人や地方自治体といった公的な機関が運営している点が挙げられます。民間が営利目的で運営する有料老人ホームは、サービス内容を充実させて入居者を増やし、利益が出るための経営努力が必要です。そのため、プライバシーに配慮したプライベート空間の充実や豪華なデザイン、良い食材を使った食事など、さまざまな特徴を打ち出した施設が少なくありません。一方で特別養護老人ホームは公的な機関が運営しているため、経営努力よりも一定レベルの介護サービスを提供することに主眼を置いています。また、要介護度3以上といった入居者に制限を設けているところも特別養護老人ホームの特徴です。
有料老人ホームには3つのタイプがある
有料老人ホームには、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3つがあります。一般的に「有料老人ホーム」と呼ばれるものが、介護付き有料老人ホームです。
介護付き有料老人ホームは介護保険制度による「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設。高齢で寝たきりの方なども入居して、介護職員が24時間体制で介護サービスを提供しています。健康型有料老人ホームは施設というより、マンションに近いタイプの老人ホームと言えるでしょう。入居者さんのほとんどが健康な方たちで、それぞれで自立した生活を送っています。
有料老人ホームで働くケアマネの仕事内容は?
有料老人ホームのケアマネは、ケアマネ業務と介護業務を兼務することが可能です。
有料老人ホームで働くケアマネの具体的な仕事内容には、以下のようなものが挙げられます。
・介護を必要とする入居者さんに合わせたケアプランの作成
・介護サービスの実施
・ケアプラン通りに適切な介護サービスが提供できているか確認するモニタリング
・給付管理業務
有料老人ホームで働くケアマネの1日のスケジュール
有料老人ホームで働くケアマネの1日のスケジュールを見ていきましょう。
以下でご紹介する事例では、日勤のみの9~17時で勤務。在籍する有料老人ホームでは約50名の入居者さんが生活しており、2名のケアマネが対応しています。
9:00~ 出勤
事務仕事の準備
9:30~10:00 夜間スタッフからの引き継ぎ
ケアミーティングによる情報共有。ミーティングは施設長や生活相談員、ケアリーダー、看護師、ケアマネなどが参加して行い、体調が心配な入居者さんやケアを変更すべき入居者さんについて確認します。
10:00~11:30 受付とオペレーション作業
入居希望の方の見学案内や施設の説明などを担当。ケアマネの対応がホームへの印象に大きく影響するため、丁寧な対応を心掛けます。
11:30~12:30 昼食の配膳の手伝い
昼の時間帯は介護スタッフの皆さんが忙しいので、ヘルプに入ります。
13:30~ 昼休憩
タイミングを見ながら昼休憩をとります。時間があるときには入居者さんとのコミュニケーションを大切にし、ご本人を理解することがケアプランの基本です。
17:00~17:30 終業の準備
退勤する前に、確認事項を現場や事務所へ申し送りします。
18:00 終業退勤
就業時間が過ぎたら、先輩ケアマネの方が「帰れそうですか?」と声を掛けてくださいます。
有料老人ホームのケアマネにはどうしたらなれる?
ケアマネになるための資格要件やプロセスについて解説します。
ケアマネ試験に合格しなくては、有料老人ホームでケアマネとして活躍できません。
ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修)を受けるための資格要件
ケアマネ試験を受験するためには以下1・2いずれかの要件を満たす必要があります。
1.生活相談員(特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護など)や支援相談員(介護老人保健施設における支援相談員)、相談支援専門員(計画相談支援、障害児相談支援における相談支援専門員)、主任相談支援員(生活困窮者自立相談支援事業などの主任相談支援員)としての実務経験(5年以上・実務日数900日以上)が必要です。
2.以下いずれか保健・医療・福祉系の国家資格を持ち、これにもとづく5年以上かつ900日以上の実務経験のある人。
<該当資格>
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士
要件に該当する方が各都道府県で行われる「介護支援専門員実務研修受講試験」を通過したあと、「介護支援専門員実務研修」を終了することでケアマネージャー(介護支援専門員)として登録されます。ケアマネの資格を取得したら有料老人ホームの求人に応募し、採用試験に合格すれば有料老人ホームのケアマネとしての仕事をスタートすることが可能です。
出典
厚生労働省「介護支援専門員実務研修ガイドライン 」
有料老人ホームにおけるケアマネに関するよくある質問
ここでは、有料老人ホームのケアマネに関するよくある質問を紹介します。
有料老人ホームのケアマネの仕事内容は?
有料老人ホームでのケアマネの仕事は、利用者さまのアセスメントやケアプランの作成、会議の開催などです。ケアマネジメントがメインであるものの、施設によっては介護業務を兼任することもあります。
有料老人ホームではどのような職種が活躍していますか?
有料老人ホームには、ケアマネ以外にも一般的な介護職員や看護職員、生活相談員や機能訓練指導員などが勤務しています。それらの職種をまとめ、施設全体の運営を担うのが管理者です。有料老人ホームの人員配置については「有料老人ホームで活躍する職種とは?介護職員や看護師などの仕事内容を解説」の記事もご確認ください。
有料老人ホームのケアマネ求人は見つけやすいですか?
有料老人ホームはケアマネの人員配置が1名という施設も多いため、居宅ケアマネの求人数と比較すると少ない傾向があります。ただし、地域によっては有料老人ホーム自体が多い可能性もあるので、一概にはいえません。施設・事業所ごとに特徴は異なるので、ケアマネへの転職を考えている方は、まずは自分に合った働き方を明確にしましょう。
まとめ
有料老人ホームのケアマネは、ケアプランの作成といったケアマネジメントの業務が中心。介護を必要とする入居者さんに、適切な介護サービスが提供できるようマネジメントしています。有料老人ホームと特別養護老人ホームの違いとして挙げられるのが、運営者の違いです。有料老人ホームは民間業者が営利目的で運営しており、職員の待遇やサービス内容の充実をはかるなどして経営努力を行っています。これ対して特別養護老人ホームは公的な機関が運営し、一定レベルの介護サービスを提供することに主眼を置いているのです。有料老人ホームのケアマネとして活躍するには、受験要件をクリアしてケアマネ試験への合格が必要。「介護支援専門員実務研修受講試験」を通過し、「介護支援専門員実務者研修」を修了すれば、ケアマネージャーとして登録されます。
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