介護福祉士国家試験の合格点は?過去20年の推移や合格基準、難易度も解説

介護の資格 2025年3月26日
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この記事のまとめ

「介護福祉士国家試験は、何点取れば合格できるの?」と、気になる方もいるかもしれません。介護福祉士国家試験の合格点は、総得点の60%を基準に試験の難易度によって補正されます。そのため、合格点は受験する年によって異なるのが特徴です。この記事では、第37回介護福祉士国家試験の合格点や、過去20年の合格点推移を紹介。合格基準についても解説するので、介護福祉士を目指している方は、参考にしてみてください。

介護福祉士とはわかりやすくいうとどんな資格?取得方法や試験概要を解説!

目次

第37回(2025年1月)介護福祉士国家試験の合格点は?

第37回介護福祉士国家試験の合格点は70点でした。介護福祉士国家試験の合格点とは、合否の判定基準の一つで、合格に必要な得点の最低ラインのことです。総得点の60%を基準に難易度によって補正されます。

合格点は毎回前後するため、正確な合否は発表が行われるまで分かりません。過去の合格点の傾向から、合格するには80点以上を目指すと良いでしょう。

介護福祉士国家試験の過去20年の合格点推移

過去に開催された介護福祉士国家試験の合格点は、以下のとおりです。

介護福祉士国家試験筆記試験の合格点実技試験の合格点
第37回(2024年度)70点以上/125点実技試験は廃止なし
第36回(2023年度)67点以上53.33点以上/100点
第35回(2022年度)75点以上53.33点以上
第34回(2021年度)78点以上53.33点以上
第33回(2020年度)75点以上53.33点以上
第32回(2019年度)77点以上46.67点以上
第31回(2018年度)72点以上46.67点以上
第30回(2017年度)77点以上60.00点以上
第29回(2016年度)75点以上53.33点以上
第28回(2015年度)71点以上/120点46.67点以上
第27回(2014年度)68点以上46.67点以上
第26回(2013年度)68点以上46.67点以上
第25回(2012年度)69点以上53.33点以上
第24回(2011年度)75点以上53.33点以上
第23回(2010年度)71点以上53.33点以上
第22回(2009年度)75点以上53.33点以上
第21回(2008年度)76点以上53.33点以上
第20回(2007年度)82点以上53.33点以上
第19回(2006年度)77点以上40.00点以上
第18回(2005年度)73点以上46.67点以上

過去20年の筆記試験の合格点のなかで最も低いのは、第36回の67点でした。なお、第29回試験から総得点が125点に変更され、第37回からは実技試験が廃止されています。

出典
厚生労働省「介護福祉士国家試験合格発表(第37回第36回第35回第34回第33回第32回第31回第30回第29回第28回第27回第26回第25回第24回第23回)(第22回)」(2025年3月25日)

厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士国家試験の合格発表について(第21回第20回第19回第18回)」(2025年3月25日)
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介護福祉士国家試験の合格基準

介護福祉士国家試験に合格するには、以下2つを満たす必要があります。

  • 総得点の60%を基準とし、問題の難易度で補正した点数以上の得点があること
  • 試験科目の11科目群すべてにおいて得点があること

介護福祉士国家試験に合格するには、合格点を上回ることと、試験科目群すべてで得点があることが求められます。合格点を上回っていても、得点がない科目があると不合格になるので、バランス良く対策することが大切です。

また、第38回介護福祉士国家試験(2025年度)からは、パート合格が導入される予定。初回は全科目を受験した総得点で合否が判断され、不合格だった場合にパート合格が適用されます。
試験科目をいくつかのパートに分けて合否を判断し、合格したパートは翌年の再試験で免除される仕組みです。詳しくは、「介護福祉士のパート合格とは?受験の仕組みは?試験科目や合格基準をご紹介」を参考にしてみてください。

介護福祉士国家試験の過去10年の合格率推移

厚生労働省の「介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移」によると、第37回(2024年度)介護福祉士国家試験の合格率は、78.3%でした。過去10年の合格率推移は、下記のとおりです。

介護福祉士国家試験合格率
第37回(2024年度)78.3%
第36回(2023年度)82.8%
第35回(2022年度)84.3%
第34回(2021年度)72.3%
第33回(2020年度)71.0%
第32回(2019年度)69.9%
第31回(2018年度)73.7%
第30回(2017年度)70.8%
第29回(2016年度)72.1%
第28回(2015年度)57.9%

参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移

第28回の試験の合格率は57.9%でしたが、第35回には80%を上回りました。介護福祉士国家試験の合格率は、上昇傾向にあることが分かります。

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介護福祉士国家試験の難易度

介護福祉士国家試験は、ほかの福祉系の資格と比べて合格率が高い傾向にあるため、難易度が低いといわれています。ここでは、介護・福祉に関する資格との合格率の違いを、表にまとめました。

試験名合格率
第37回介護福祉士国家試験(2024年度)78.3%
第27回介護支援専門員実務研修受講試験(2024年度)32.1%
第37回社会福祉士国家試験(2024年度)56.3%
第27回精神保健福祉士国家試験(2024年度)70.7%

厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」「第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」「第37回社会福祉士国家試験合格発表」「第27回精神保健福祉士国家試験合格結果を公表します

介護福祉士の上位資格であるケアマネジャーの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の合格率は32.1%で、ほかの資格と比べて低い数値になっています。また、社会福祉士国家試験や精神保健福祉士国家試験は、介護福祉士より合格率が高いことに加え、受験資格を得るのに福祉系の大学や養成施設などへの通学が求められるため、取得のハードルは高めです。

介護福祉士は、介護・福祉分野の資格のなかでは、比較的取得しやすい資格といえるでしょう。ただし、合格率が高いからといって油断してしまうと不合格になるおそれがあるため、受験の際は十分に対策しておきましょう。

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介護の資格の難易度を種類ごとに解説!取得方法や試験の合格率、要件とは?

介護福祉士国家試験における合格者の内訳

介護福祉士を目指すのに年齢の定めはないため、幅広い年代の方が受験しています。下記では、厚生労働省の「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」を参考に、合格者の内訳を紹介します。

年齢別の合格者数

年齢別の介護福祉士国家試験合格者数のイメージ

第37回介護福祉士国家試験の合格者は、「21~30歳」が1万5,746人と最も多く、続いて「41~50歳」が1万3,659人となっています。60歳以上の方も2,778人合格しており、幅広い年代の方が介護福祉士の試験を受けているようです。

受験資格別の合格者数

下記では、受験資格別の合格者数と合格率をまとめました。

受験資格合格者数合格率
介護福祉士養成施設4,638人66.7%
社会福祉施設の介護職員等3万6,771人78.5%
訪問介護員等8,542人87.5%
介護老人保健施設、介護医療院の介護職員等3,405人70.2%
医療機関の看護補助者等3,661人76.8%
福祉系高等学校(専攻科を含む)1,917人90.3%

参考:厚生労働省「参考資料(1)受験資格別

最も合格率が高いのは、「福祉系高等学校(専攻科を含む)」の90.3%で、続いて、「訪問介護員等」が87.5%でした。合格者数が多いのは、社会福祉施設の介護職員で、3万6,771人です。上記から、働きながら介護福祉士に合格している方は多いことが分かります。

介護福祉士国家試験の科目と試験形式

介護福祉士国家試験は年に1回、1月下旬ころに実施されます。介護福祉士国家試験の科目は、下記のとおりです。

  • 人間の尊厳と自立、介護の基本
  • 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  • 社会の理解
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • こころとからだのしくみ
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • 医療的ケア
  • 総合問題

介護福祉士国家試験の筆記試験は、五肢択一のマークシート形式です。出題数は、全125問。1問1点の125点満点で、試験時間は220分です。1問あたりに割ける時間は、1.76分ほどという計算になります。すべての科目で得点するには、十分な対策が必要です。

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介護福祉士国家試験で合格点を超えるためのポイント

介護福祉士を目指している方は、合格するためのポイントをチェックしたうえで、自分に合った試験対策を行うことが大切です。下記に、試験対策のポイントをまとめました。

  • 合格に必要な勉強時間を確保する
  • 出題傾向を把握する
  • 自分の得意、不得意分野を理解し、重点的に勉強する科目を決める
  • 問題に対する読解力を深める
  • 使いやすいテキストを選ぶ
  • 繰り返し復習する
  • スキマ時間に学習アプリを活用する
  • モチベーションを保つ

先述したとおり、介護福祉士国家試験に合格するには、すべての科目において得点する必要があるため、幅広く勉強することが大切です。遅くても試験の半年前には学習スケジュールを立てて、計画的に勉強を進めると良いでしょう。

1人で学習するのが苦手な人や、短時間で効率的に試験対策をしたい人は、講座の受講もおすすめです。自分に合った学習方法で、介護福祉士国家試験に備えましょう。

「試験勉強の進め方が分からない」という方は、「介護福祉士国家試験の勉強方法とは?効率の良い受験対策と合格するコツ」の記事も参考にしてみてください。

介護福祉士国家試験に関するよくある質問

ここでは、介護福祉士国家試験に関するよくある質問を紹介します。介護福祉士を目指している方は、チェックしてみてください。

介護福祉士国家試験は過去問だけ勉強すれば合格できる?

介護福祉士国家試験対策で、過去問だけで合格できるかどうかは、人によって異なります。過去問は、頻出問題を効率的に学習できるため、試験勉強として有効です。しかし、基本的な知識を理解するには、過去問だけでは足りない可能性があるので、テキストや講座なども併用しながら、対策すると良いでしょう。
「過去問だけで合格できる?」と気になっている方は、「介護福祉士国家試験は過去問だけで受かる?試験対策のポイントを解説」もご覧ください。

介護福祉士国家試験の合格はいつ分かりますか?

介護福祉士国家試験の合否は、毎年3月下旬ころに発表されます。社会福祉振興・試験センターの「介護福祉士国家試験」にて公表されるため、受験したら確認しましょう。介護福祉士試験の合格通知については、「介護福祉士不合格通知はいつ送られてくる?必要な点数や合格率を解説」の記事も参考にしてみてください。

まとめ

第36回介護福祉士国家試験の合格点は70点でした。合格点は、試験問題の難易度によって補正されるため、毎年前後します。そのため、正確な合否は合格発表まで分かりません。余裕を持って合格できるよう、十分に試験対策を行っておくことが大切です。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2025年3月26日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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