療養通所介護とは?利用対象者や介護職員の仕事内容、デイサービスとの違い

介護の仕事 2026年9月15日
  • この記事をシェアする
  • facebook
  • X
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
療養通所介護に関する記事のタイトル画像

この記事のまとめ

「療養通所介護はどんなサービス?」と気になる方もいるのではないでしょうか。療養通所介護とは、サービス提供において看護師の観察が必要な方に、医療的ケアや身体介護を行う通所型サービスです。この記事では、療養通所介護の概要やサービス内容を解説します。療養通所介護と通所介護(デイサービス)の違いもご紹介。療養通所介護の介護職員の仕事内容や給料、働くメリットにも触れているので、転職の参考にしてください。

障害者支援施設とは?仕事内容や1日の流れ、障害福祉サービスの種類を解説!

現在のストレス度と傾向がわかる!介護職のストレスタイプ診断

目次

療養通所介護とは?

療養通所介護とは、日常生活上の支援に加えて医療的ケアも提供する、通所型の介護保険サービスです。住み慣れた地域での生活を支援する「地域密着型サービス」に該当します。療養通所介護事業所には看護師が常駐しており、介護職員とともに身体介護や機能訓練などのケアを行うのが特徴です。

療養通所介護の概要

療養通所介護の目的は、利用者さんが自宅で可能な範囲で自立した日常生活を送れるようにサポートすることです。他者との交流の場を提供し、孤立感の解消や、メリハリのある生活を送るきっかけ作りを支援しています。
ご家族が利用者さんの介護から離れて安心して自分の時間を過ごせるよう、介護負担の軽減を図ることも療養通所介護の役割です。

療養通所介護には、医療ニーズが高い方の在宅生活を支援する重要な役割があるものの、通常のデイサービスと比較すると設置数が少なく、事業所がない都道府県もあります。また、訪問看護ステーションや障害者支援施設、介護老人保健施設に併設されている療養通所介護事業所もあるようです。

療養通所介護の利用対象者

療養通所介護の利用対象者は、以下の2つの条件を満たす方です。

  • 要介護1~5と認定されており、サービス提供において常時看護師による観察が必要
  • 事業所と同じ市区町村に住民票がある(原則)

療養通所介護の利用対象者は、要介護認定を受けており常時の看護が必要な方です。具体的には、難病を患う方や認知症と診断された方、がん末期の方、脳血管疾患後遺症の重度者などが該当します。また、地域密着型のサービスなので、原則事業所と同じ自治体に住んでいる方が対象です。

療養通所介護の利用者さんは、介護度の高い方が多い傾向があります。厚生労働省の「療養通所介護(p.8)」によると、2025年における療養通所介護の利用者さんのうち88.8%が要介護3以上の方です。

なお、児童発達支援や放課後等デイサービス、生活介護などのサービスに対応している事業所は、高齢者の方だけでなく重度障がいのある方も利用できます。

療養通所介護のサービス内容

療養通所介護では、主に以下のサービスを提供します。

  • 看護師による観察
  • 医療的ケア
  • 日常生活に必要な介助(食事介助、入浴介助、排泄介助など)
  • 機能維持のためのリハビリテーション
  • 自宅と事業所間の送迎

療養通所介護で提供されるサービスは、看護師による観察や医療的ケア、日常生活に必要な身体介護、機能訓練などです。看護師や介護職員が連携して利用者さんの状況に応じたケアを行います。

療養通所介護の人員配置基準

厚生労働省の「療養通所介護(p.4)」をもとに、療養通所介護の人員配置基準をまとめました。

職種人員配置基準
介護職員または看護職員利用者さん1.5人に対して専従で1人以上
※1人以上は常勤・専従の看護師
管理者常勤の看護師を配置する
(管理業務に支障がない場合は、同一敷地内にある事業所や施設などを兼務可能)

参考:厚生労働省「療養通所介護(p.4)」

療養通所介護は、利用者さん1.5人に対して1人以上の介護職員または看護職員の配置が必要です。職員のうち少なくとも1人は、常勤の看護師でなければいけません。マンツーマンに近い体制で利用者さんに対応するため、手厚いケアを提供できるのが特徴です。

また、療養通所介護の定員は18人以下という基準があります。同資料(p.10)によると、実際の1事業所における1ヶ月あたりの受給者数(利用実人員)の平均は7.5人で、少人数体制ならではのアットホームな雰囲気のなかで働くことが可能です。

療養通所介護と通所介護(デイサービス)の違い

療養通所介護と通所介護(デイサービス)の違いは、利用対象者や配置が必要な職種、サービス内容などです。下記に、療養通所介護と通所介護の違いをまとめました。

療養通所介護通所介護(デイサービス)
利用対象者要介護1以上の認定を受けており、看護師による観察が常時必要な方要介護1以上と認定された方
(要支援1・2の方も総合事業として利用可能)
必要な職種・管理者
・看護師
・介護職員または看護職員
・管理者
・生活相談員
・介護職員
・看護職員
・機能訓練指導員
主なサービス内容・看護師による健康管理や医療的ケア
・身体介護
・機能訓練やリハビリテーション
・身体介護
・生活援助
・レクリエーション

療養通所介護と一般的な通所介護の大きな違いは、看護師による常時の観察や医療的ケアを行うかどうかという点です。療養通所介護には常勤の看護師が在籍し、介護職員と協力して利用者さんをサポートしますが、通所介護の看護師は常勤とは限りません。

また、通所介護は要介護1以上の認定を受けた方に加え、要支援1・2の方も総合事業として利用可能です。通所介護を利用する方のなかには、介護度が低い方もいます。一方、療養通所介護は、医療的ケアを必要とする比較的介護度の高い利用者さんのケアを行うのが特徴です。

通所介護については、「デイサービスとは簡単にいうとどんな施設?介護職向けに基本を解説します」の記事をチェックしてみてください。

内定後まで安心サポート

無料で介護の仕事を探す

療養通所介護事業所で働く介護職員の仕事内容

療養通所介護で働く介護職員の仕事内容は、身体介護や健康チェック、機能訓練・リハビリのサポートなどです。療養通所介護で介護職員として働くことを検討している方は、以下を確認してみましょう。

身体介護

身体介護とは、食事介助や入浴介助など、利用者さんの身体に直接触れて行う介助のことです。食事は、経口摂取の場合は介護職員が介助し、経管栄養の場合は看護師が介助します。入浴介助は、利用者さんの状況に応じて看護師と協力しながら行うようです。

健康チェック

療養通所介護の介護職員は、バイタルチェックなどを通して、看護師とともに利用者さんの健康チェックを行います。たんの吸引といった医療行為は看護師の仕事です。介護職員は、利用者さんの様子に気を配って変化がないか確認し、体調の異変に気づいた場合は看護師へ迅速に報告します。

機能訓練やリハビリのサポート

関節を動かすなどの機能訓練やリハビリのサポートも、療養通所介護の介護職員の仕事です。利用者さん一人ひとりの身体状況に合わせて作成されたメニューに沿って、口腔機能や生活機能向上のための個別リハビリを支援します。

看護師のサポート

介護職員は、医療器具の準備や洗浄など、看護師が行う医療的ケアをサポート。利用者さんの医療依存度が高く、看護師が中心となって食事介助や入浴介助を行う場合、介護職員はその補助を行います。

レクリエーションの実施

療養通所介護の利用者さんのなかには、1日のほとんどをベッドで過ごす方もおり、気分転換のためにもレクリエーションを行うことがあります。実施されるレクリエーションは、折り紙や工作、映画鑑賞などで、利用者さんの心身状況に合わせた内容です。

送迎

療養通所介護では、看護師を含めた複数の職員で利用者さんの送迎を行うことがあります。専任のドライバーがいる事業所もありますが、介護職員が運転を担当する場合も。送迎時は、介護職員が利用者さんの居室やベッドまでの移動・移乗介助を行うこともあります。

▼関連記事
デイサービスの送迎業務を解説!自宅での介護はどこまで?必要な資格は?

介護記録・事務作業

介護記録の作成や事務作業も、療養通所介護に携わる介護職員の仕事の一つです。介護記録には、利用者さんの様子やケアの内容などを記録します。職員同士のスムーズな連携には、詳細で正確な記録が不可欠です。

▼関連記事
デイサービスの仕事内容を職種別に解説!介護職員の1日の流れやメリットも

療養通所介護の働き方

療養通所介護では、日勤のみ・平日勤務の働き方をする介護職員が多い傾向があります。ただし、事業所によっては、土曜日も営業している場合があるようです。

ここでは、療養通所介護事業所で働く介護職員の1日の業務スケジュール例をご紹介します。細かい仕事内容やスケジュールは職場によって異なるため、あくまで参考としてご覧ください。

療養通所介護の1日の流れ

  • 08:30

    出勤

  • 09:00

    利用者さんの送迎

  • 09:30

    利用者さんの体調チェック、排泄介助

  • 10:00

    看護師と協力しながら入浴介助

  • 12:00

    昼食提供、食事介助、口腔ケア

  • 14:00

    折り紙などのレクリエーションの実施

  • 15:00

    機能訓練、リハビリの実施

  • 15:30

    利用者さんの送迎

  • 16:30

    介護記録の記入、備品の補充

  • 17:30

    退勤

療養通所介護では、利用者さんが安全に事業所に通えるよう送迎をします。また、通所する利用者さんや担当する職員は日によって異なることがあるので、介護記録を正確に記入し、利用者さんの状況を共有することが大切です。

療養通所介護の給料

療養通所介護事業所の給与データはないため、参考として通所介護事業所(デイサービス)の介護職員の平均給与をご紹介します。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129~131)」をもとに、通所介護事業所の介護職員の平均給与を常勤・非常勤に分けてまとめました。以下の表は、常勤職員の給与データです。

平均給与額(月給制)平均給与額(時給制)
介護職員全体(常勤の者)33万8,200円24万6,020円
通所介護事業所(常勤の者)29万4,440円22万2,780円

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129~131)」

介護職員全体と通所介護事業所における非常勤職員の平均給与は、以下のとおりです。

平均給与額(月給制)平均給与額(時給制)
介護職員全体(非常勤の者)19万6,060円12万9,880円
通所介護事業所(非常勤の者)21万8,710円12万2,140円

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129~131)」

通所介護事業所において月給制で働く介護職員の平均給与は、常勤が29万4,440円、非常勤が21万8,710円でした。介護職員全体平均と比較して、通所介護は給与が低い傾向にあるようです。
同資料(p.129~131)の集計対象数を見ると、通所介護事業所の介護職員の勤務形態は、「月給制/常勤」と「時給制/非常勤」が多いことが分かります。

なお、通所介護と療養通所介護は、通所型で夜勤がない点は共通していますが、仕事内容や配置基準は違うサービスです。実際の給与は、求められるスキルや業務範囲、働く地域などによって異なるので、上記はあくまでも参考としてご覧ください。

▼関連記事
デイサービスの給料相場は?他施設より安い?手取り額や年収アップの方法も
デイサービスのパートの平均時給はいくら?給料を上げる方法について解説!

療養通所介護事業所で働くメリット

療養通所介護事業所で介護職員として働くと、以下のようなメリットがあります。

  • 医療的ケアの知識が身につく
  • 利用者さん一人ひとりにきめ細かなケアを提供できる
  • 無資格や未経験からスキルアップできる
  • 日勤のみで働けるため生活リズムを一定に保てる

療養通所介護の利用者さんは、医療ニーズの高い方が多く、ケアを通して医療についての知識を学べる環境といえます。また、比較的小規模な施設なので、きめ細やかなサポートをしたい方にとって魅力的な職場です。

療養通所介護事業所のなかには、無資格や未経験から勤務可能な職場もあるため、経験の浅い方も働きながらスキルアップを目指せます。ただし、職場によっては、「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」といった資格の保有を入職の条件としている場合もあるので、応募の際は事前に確認しておきましょう。

▼関連記事
デイサービスで働くメリットやデメリットとは?

▶デイサービスの求人一覧ページはこちら

療養通所介護に関するよくある質問

ここでは、療養通所介護についてよくある質問に回答します。療養通所介護事業所で働くことを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

療養通所介護は廃止されるの?

療養通所介護は、2026年8月現在廃止されていません。名称が似ている「介護療養型医療施設」は2024年3月に廃止されました。介護療養型医療施設とは、自宅での生活が難しく長期療養を必要とする方が、医療・介護サービスを利用しながら生活できる入所型の施設で、現在は「介護医療院」に移行しています。
入所施設である介護療養型医療施設や介護医療院に関しては、「廃止される介護療養型と医療療養型の違いは?新設の介護医療院の特徴も解説」の記事をご覧ください。

療養通所介護と地域密着型通所介護の違いは何?

療養通所介護と地域密着型通所介護の違いは、利用対象者や支援体制、サービス内容などです。療養通所介護は、要介護1以上と認定された方のうち、常時の看護を必要とする方を対象としています。看護師が常駐し、介護だけではなく医療的ケアも提供するのが特徴です。

一方で、地域密着型通所介護は、要介護1以上の方であれば利用できます。療養通所介護とは異なり、看護師が常勤とは限らないため、医療の必要性が高い方は利用できない場合も。配置が必要な職員数も療養通所介護事業所よりは少ない施設です。身体介護やレクリエーションなど、一般的な通所介護と同じサービスを提供します。
なお、療養通所介護と地域密着型通所介護は、どちらも地域密着型の介護サービスです。そのため、「利用定員18名以下」「地域住民が利用対象」という共通点があります。

療養通所介護の事業所数は?

厚生労働省の「療養通所介護(p.7)」によると、療養通所介護の2025年における請求事業所数は71ヶ所です。また、少し前のデータにはなりますが、「療養通所介護(p.8)」を見ると、2022年調査時点で療養通所介護事業所がない県もあることが分かります。療養通所介護事業所は、近年減少傾向にあるようです。働き手の確保や経営が難しいことが、事業所数の減少につながっていると考えられます。

まとめ

療養通所介護とは、サービス提供の際に看護師による常時の見守りが必要な利用者さんに、医療的ケアや日常生活の支援を行う通所型の介護保険サービスです。地域密着型サービスの一つで、利用者さんができるだけ自宅で自立した生活を送れるように支援する目的があります。

療養通所介護事業所で働く介護職員の仕事内容は、身体介護や機能訓練のサポート、送迎などです。介護職員は、看護師と協力してケアを行います。
療養通所介護で働くメリットは、医療的ケアの知識を身につけられたり、きめ細やかなサポートができたりすることです。また、無資格や未経験からスキルアップできるのも魅力といえます。

「療養通所介護事業所の求人があるのか知りたい」「自分に向いている施設で働きたい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。「レバウェル介護(旧 きらケア)」は、介護業界に特化した転職エージェントです。経験豊富なプロのキャリアアドバイザーが、あなたの希望の働き方や条件を丁寧にヒアリングし、ぴったりの求人をご紹介します。
履歴書の添削サポートや面接対策にも対応しているので、「未経験だから不安…」という方もお気軽にお問い合わせください。

内定後まで安心サポート

無料で介護の仕事を探す

執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

関連記事

関連ジャンル: 介護の仕事

この記事をシェアする

  • facebook
  • X
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※この記事の掲載情報は2026年9月15日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

レバウェル介護の新着一覧

「介護の仕事」の人気記事一覧

「総合」の人気記事一覧

新着記事一覧