
この記事のまとめ
- 公的な介護施設の種類は、特養や老健、ケアハウスなど
- 民間の介護施設の種類は、有料老人ホームやサ高住、グループホームなど
- 自分に合った介護施設の求人を見つけるには、条件に優先順位をつけると良い
「介護施設にはどんな種類があるの?」と気になる方もいるでしょう。介護施設は、特養や老健、有料老人ホームなど多様です。運営元や利用対象者の違いなどにより、多くの種類があります。この記事では、公的な介護施設と民間の介護施設の特徴や給与、働くメリット・デメリットを解説。求人を探す際のポイントも紹介するので、「介護施設の種類が多くて、どこに応募すれば良いのか分からない…」とお悩みの方は、ぜひご覧ください。
目次
介護施設の種類一覧
介護施設と一口にいっても、施設サービス・居宅サービス・地域密着型サービスといった分類があり、それぞれに多くの種類の介護施設や事業所があります。
介護施設の種類別に、給与や働くメリット・デメリットを表に簡単にまとめました。「どのような種類の介護施設があるのか知りたい」という方は、ぜひご覧ください。
介護サービスの大分類 |
サービスの種類 |
給与目安 |
働くメリット・デメリット |
施設サービス |
・介護老人福祉施設(特養) |
約28~35万円 |
・要介護度が高い入居者さんが多く、介護の知識やスキルを身につけられる。 |
居宅サービス |
・通所介護(デイサービス) |
約28~32万円 |
・居宅介護サービスには、通所、訪問、短期入所という3つの種類があるため、自分に合った職場を見つけられる。 |
地域密着型サービス |
・小規模多機能型居宅介護 |
約29万円 |
・地域に寄り添った介護サービスを提供できる。 |
介護保険適用外のサービス・施設 |
・一般型ケアハウス |
約20~37万円 |
・自立した方が入居している傾向にあり、職員が直接介護を行うことは少ない。 |
参考:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について(p.7)」
参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」
「施設サービス」に分類される介護施設は、特養や老健などの入居型の介護施設です。
居宅サービスには、利用者さんが施設に通うデイサービスやデイケアなどの「通所サービス」、自宅で介護サービスを利用する訪問介護や訪問入浴介護などの「訪問サービス」、短期間宿泊できるショートステイなどの「短期入所サービス」があります。
地域密着型サービスに該当するのは、小規模多機能型居宅介護事業所やグループホームなどです。
介護サービスの大分類が同じでも、職員の給与や働くメリット・デメリットは施設によって異なります。以下の項目では、それぞれの介護施設の特徴を解説するので、参考にしてください。
出典
厚生労働省「第93回社会保障審議会介護保険部会」(2024年7月19日)
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年7月19日)
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公的な介護施設の種類と特徴
ここでは、公的な介護施設の種類とその特徴を解説します。公的な介護施設は、「介護老人福祉施設(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「ケアハウス」「介護医療院(介護療養型医療施設)」などです。
介護老人福祉施設(特養)
特養の特徴や平均給与、メリット・デメリットを以下にまとめたので、ご一読ください。
介護老人福祉施設(特養)の特徴
介護老人福祉施設は、原則として要介護3以上で65歳以上の方を入居対象とする介護施設です。大規模な従来型の施設以外に、ユニット型の施設もあります。介護老人福祉施設の通称は、特養(特別養護老人ホーム)です。
特養の介護職員は、入浴介助や食事介助、排泄介助など、高齢者の生活のサポートを実施します。終身利用が可能なので、終の棲家として入居する方も少なくありません。認知症の方の入居や、看取り対応が可能な施設が多いのが特徴です。
介護老人福祉施設(特養)の給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、特養で働く介護職員(月給・常勤)の平均給与は、348,040円。特養の給与は介護施設の中でも高い傾向があるため、高収入を目指している方におすすめです。なお、実際の給与額は施設ごとに異なるので、平均給与はあくまで参考としてご覧ください。
介護老人福祉施設(特養)で働くメリット・デメリット
特養で働くメリットは、介護技術や対応力が身につくことです。要介護度の高い利用者さんが多いため、オムツ交換や入浴介助などのスキルを磨けるでしょう。また、入居者さんの入居期間が長いので、長期的にケアを行えます。
特養は、社会福祉法人や地方自治体などの公的な法人が運営しているため、職員の待遇が良かったり、運営が安定していたりする傾向にあるのも魅力です。施設が全国各地にあるので、引っ越す場合にも、次の職場を見つけやすいでしょう。
入居者さんの要介護度が高いことは介護職員にとってメリットになりますが、デメリットになることも考えられます。特養での業務には、基本的な介護の知識やスキルが必要なので、介護未経験で働き始めた方は、「仕事に慣れるのが大変」と感じることがあるかもしれません。また、寝たきりの入居者さんの身体介護を行うことに、体力的な負担を感じる方もいます。
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介護老人保健施設(老健)
老健の特徴や平均給与、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
介護老人保健施設(老健)の特徴
介護老人保健施設(老健)は、要介護1以上で65歳以上の方を対象とした介護施設で、医療法人などが運営しています。退院後すぐに自宅での生活に戻るのが難しい方が、在宅復帰を目指し、機能回復訓練やリハビリを行う施設です。老健は、入所期間が3~6ヶ月程度と短いのが特徴です。認知症の方の利用も可能ですが、看取りには対応していない場合があるでしょう。
介護老人保健施設(老健)の給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、老健で働く介護職員の平均給与は339,040円です。老健も、介護施設の中では、比較的給与が高い傾向にあります。
介護老人保健施設(老健)で働くメリット・デメリット
病院と自宅の中間的な役割を担う老健で働くと、医療的ケアやリハビリに関する知識を身につけることができます。看護師や理学療法士、作業療法士といった医療分野の専門職と連携することで、医療やリハビリへの理解も深まるでしょう。また、レクリエーションを企画・実施することが少ない点も、レクリエーションが苦手な方にとってはメリットといえます。
老健では、リハビリなどの医療的なサービスも提供するため、ほかの介護施設での経験が長い方は、ギャップを感じてしまうかもしれません。また、3~6ヶ月ほどで入居者さんが入れ替わり、長期的に同じ入居者さんに関われないことも、「入居者さんを長期間サポートをしたい」という方にとっては、デメリットといえるでしょう。
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ケアハウス
ケアハウスの特徴や給与事情、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
ケアハウスの特徴
ケアハウスは、軽費老人ホームの一つで、「一般型(自立型)ケアハウス」「介護型ケアハウス」の2種類があります。家庭で生活を送ることが困難になった方が入居対象です。
一般型ケアハウスは、掃除や洗濯などの日常生活のサポートや安否確認を行っており、60歳以上の方が入居可能。介護が必要になれば退所になる場合があり、認知症ケアや看取りケアに対応していない施設が多い傾向にあります。介護型ケアハウスは、要介護1以上で65歳以上の方が対象で、生活支援だけではなく介護サービスも提供しています。
ケアハウスの給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、介護型ケアハウスを含む「特定施設入居者生活介護事業所」の介護職員の平均給与は、313,920円です。ただし、これはケアハウスに限った平均給与ではありません。一般型のケアハウスで見守りなどをメインに行う場合、給与水準がこれより低い可能性も考えられます。
ケアハウスで働くメリット・デメリット
一般型のケアハウスの入居者さんは自立した生活を送れる方も多いため、介護未経験の方が働き始めやすいというメリットがあります。そのため、「高齢者の生活をサポートしたいけど、身体介護をするのは不安」という方におすすめです。また、介護型ケアハウスの場合、入居対象者は要介護1以上と幅広いため、さまざまな経験を積めるでしょう。
一般型ケアハウスの主な業務は生活支援なので、より直接的な介護を行いたいと考えている方は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。一方の介護型ケアハウスでは、身体介護などの業務も行うことがあるので、未経験の方は覚えることが多く、負担を感じる場合があるようです。
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介護医療院
介護医療院の特徴や給与、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
介護医療院の特徴
介護医療院は、長期的な療養が必要な方が入居する施設です。なお、「介護療養型医療施設」は経過措置を経て2024年3月に廃止され、介護医療院に転換されました。
介護医療院は、l型とll型の2種類です。l型の介護医療院では、医療の必要性が高い方を対象に、介護療養病床相当の手厚いケアを提供。ll型の介護医療院は、l型より容体が落ち着いた方を対象に、サービスを提供しています。
介護医療院は、特定疾病がある方も入居可能です。認知症ケアや看取りケアにも対応しており、医療的なケアや療養をメインとする施設なので、医療の知識を学びながら高齢者を支援したいという方に向いているでしょう。
介護医療院の給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、介護医療院で働く介護職員の平均給与は320,700円です。介護職員全体の平均給与は317,540円なので、同程度といえます。
介護医療院で働くメリット・デメリット
介護医療院では、医師や看護師が医療処置を行うため、専門的な仕事を現場で目にすることができます。看護師の補助を行うこともあり、ほかの介護施設とは違った経験を積めるでしょう。また、特養以上に入居者さんの要介護度が高い傾向にあるので、介護のスキルも鍛えられます。医師や看護師が常駐しているので、緊急時の対応に不安を感じにくいのもメリットです。
一方、ターミナルケアや看取りケアなどに、精神的な負担を感じる場合があることが、介護医療院で働くデメリットといえます。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年7月19日)
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民間の介護施設の種類と特徴
ここでは、民間の介護施設の種類とその特徴を解説します。民間の介護施設は、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「グループホーム」などです。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームの特徴や平均給与、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
介護付き有料老人ホームの特徴
介護付き有料老人ホームは、要支援1以上で65歳以上の方が主な入居対象。施設常駐の介護職員が介護サービスを提供しているのが特徴です。
介護付き有料老人ホームの仕事内容は、特養や老健と大きな違いはありません。しかし、民間の企業が運営しているため、接遇スキルが求められる傾向にあるようです。サービス内容や入居者さんの傾向は、施設によってさまざまなので、自分に合った職場を見つけるには、情報収集をしっかりと行う必要があるでしょう。
介護付き有料老人ホームの給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、介護付き有料老人ホームを含む「特定施設入居者生活介護事業所」で働く介護職員の平均給与は、313,920円です。こちらは、介護付き有料老人ホームのみの平均給与のデータはないので、あくまで参考としてご覧ください。
介護付き有料老人ホームで働くメリット・デメリット
介護付き有料老人ホームは、運営母体が民間企業で、規模の大きな事業者も珍しくありません。大規模な法人では、入居者さん向けのサービスだけでなく、スタッフをバックアップする体制もしっかり整備されていることが多いようです。資格取得支援や教育体制、子育て支援や休暇制度など、働きやすい環境が整っている職場もあります。
介護付き有料老人ホームは、公的な介護施設より入居費用が高い傾向にあり、その分接遇スキルが求められるため、慣れないうちは大変かもしれません。しかし、より良い接遇スキルを身につける機会にもなるので、一概にデメリットとはいえないでしょう。
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住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームの特徴や給与事情、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
住宅型有料老人ホームの特徴
住宅型有料老人ホームは、生活支援や安否確認が主なサービスで、常駐の介護職員の配置義務はありません。住宅型有料老人ホームの入居対象者は、自立の方や要支援の方です。具体的な入居対象者は施設によって異なるので、働く場合は事前に入居者さんの要介護度の傾向を確認しておきましょう。
住宅型有料老人ホームの入居者さんに介護サービスが必要になった場合、外部の事業所と契約するのが一般的です。認知症の方や看取りが必要な方には対応していない施設もあります。
住宅型有料老人ホームの給与
住宅型有料老人ホームの給与相場は、介護付き有料老人ホームなど(特定施設入居者生活介護事業所)の平均給与である313,920円より低い傾向にあるようです。なお、施設や地域によって給与は異なるので、上記はあくまで参考としてご覧ください。
住宅型有料老人ホームで働くメリット・デメリット
住宅型有料老人ホームは、自立の方が入居できるので、長期的に入居する方が多く、時間をかけて信頼関係を築きやすいというメリットがあります。また、住宅型有料老人ホームの職員は基本的に介護サービスを提供しないので、身体的な負担が少ないようです。生活支援や見守りに専念できるので、入居者さん一人ひとりに寄り添ったケアが行えるのも魅力といえます。
一方、介護サービスを提供しないので、介護のスキルが身につかないというデメリットもあります。また、接遇スキルを求められることが多いので、丁寧なコミュニケーションが苦手な方は、負担に感じるかもしれません。
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健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームの特徴や給与事情、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
健康型有料老人ホームの特徴
健康型有料老人ホームは、健康な方が入居し、生活支援サービスを利用して暮らす施設です。図書室やスポーツジム、天然温泉などを有する施設もあり、設備が充実しているという特徴があります。自立した生活を送れることが入居条件のため、介護が必要になると退去を求められる場合が多いようです。健康型有料老人ホームは、「健康だけど、自分だけで暮らすのは不安…」という高齢者向けの施設といえるでしょう。
健康型有料老人ホームの給与
健康型有料老人ホームは、住宅型有料老人ホームと同様に介護サービスを提供しないため、介護付き有料老人ホームより給与が低い傾向にあるといえるでしょう。健康型有料老人ホームに就職する場合、地域の給与相場を調べて比較するのがおすすめです
健康型有料老人ホームで働くメリット・デメリット
健康型有料老人ホームに入居するのは自立している方なので、一緒にレクリエーションを楽しめたり、言葉によるコミュニケーションを取りやすかったりします。そのため、高齢者との交流や、生活のサポートを通じたケアを行いたい方に向いている職場です。
なお、健康型有料老人ホームは、施設数が少ない傾向にあるため、条件に合う職場を見つけにくい可能性があります。また、介護サービスを提供していないので、働きながらスキルを身につけて介護職としてキャリアアップするのは難しいかもしれません。
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サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅の特徴や給与事情、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
サービス付き高齢者向け住宅の特徴
サービス付き高齢者向け住宅とは、バリアフリーに対応し、介護・医療と連携している賃貸住宅のことで、「サ高住」とも呼ばれます。入居者さんの自由度が高い傾向にあるのが特徴で、「一般型」と「介護型」の施設があります。
一般型のサービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスは基本的に行わないため、安否確認や生活相談への対応が主な業務です。介護が必要な方は、外部の介護事業所に依頼することになります。重度の認知症の方の入居や看取り対応を行うことは難しいため、場合によっては退去になることもあるようです。
介護型のサービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスを利用可能です。一口にサービス付き高齢者向け住宅といっても、施設の分類によって仕事内容は異なるので、一般型と介護型のどちらが自分に合っているのか検討しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅の給与
介護付きのサービス付き高齢者向け住宅の平均給与は、特定施設入居者生活介護事業所の介護職員の平均給与である313,920円と同程度と考えられます。一般型のサ高住は介護保険サービスではないため、住宅型・健康型有料老人ホーム同様、313,920円より給与が低い傾向にあるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅で働くメリット・デメリット
一般型のサービス付き高齢者向け住宅で働くメリットは、身体的な負担が少ないこと。介護型のサ高住で働くメリットは、介護スキルを身につけられることです。また、ほかの介護施設のように1日のスケジュールが細かく決まっているわけではないので、柔軟に対応できる点も、魅力といえます。
一方で、1日のスケジュールが明確に決まっていないことがストレスになることもあるようです。サ高住では、予定にない業務が急に入ることがあるので、突発的な対応を行うのが苦手な方は、デメリットに感じるかもしれません。また、利用者さんが比較的元気なので、高い介護スキルを身につけたいと考えている場合、物足りないと感じるかもしれません。
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サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?有料老人ホームとの違いを解説
シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションの特徴や給与事情、メリット・デメリットを、以下にまとめました。
シニア向け分譲マンションの特徴
シニア向け分譲マンションは、一般的な分譲マンションに高齢者が暮らしやすい設備やサービスを付加した住宅です。基本的に介護サービスを提供することはありませんが、見守りサービスなどが充実しています。入居者さんが所有する物件なので、要介護度が高くなっても退去する必要はありません。状況に応じて、外部の介護サービスを利用することになりますが、介護の必要性が高くなると、介護施設に入居する場合もあるようです。
なお、シニア向け分譲マンションのスタッフは、介護職員というよりコンシェルジュとしての役割が強く、来客対応や事務作業などの業務も行うようです。
シニア向け分譲マンションの給与
シニア向け分譲マンションで働く職員の給与相場は、20~37万円程度です。シニア向け分譲マンションは、職場によって給与が異なるので、仕事内容を確認しながら求人の給与額をチェックしましょう。
シニア向け分譲マンションで働くメリット・デメリット
シニア向け分譲マンションは、職員が介護を行うことがないので、身体的な負担が少ないというメリットがあります。介護未経験・無資格でも働き始めやすい職場です。
反対に、介護の知識やスキルを身につけたい方には、向いていないかもしれません。来客対応や見守り業務では、高いコミュニケーション能力が求められるので、多くの人と話すのが苦手な方は、デメリットを感じる場合があるでしょう。
グループホーム
グループホームの特徴や平均給与、メリット・デメリットを、以下にまとめました
グループホームの特徴
グループホームは、認知症の診断を受けている高齢者が共同生活を送る施設です。生活の単位としてユニット制があるのが特徴で、1ユニットの人数は5~9人と定められています。1事業所につき1~3ユニットだけなので、ほかの施設形態に比べて少人数で家庭的な雰囲気です。
グループホームの給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、グループホームの介護職員の平均給与は 291,080円です。グループホームは入居型の施設ですが、寝たきりの方の介護といった身体的な負担の大きい業務は少ないので、特養や老健と比較すると給与が低い傾向にあります。
グループホームで働くメリット・デメリット
グループホームの介護には、共同生活のお手伝いや見守りといった側面もあるため、できることはなるべく入居者さん自身に行ってもらう方針の施設が多いようです。介護職員はそのフォローに回るため、入居者さんと接する時間が長く、距離も近く、信頼関係を築きやすいでしょう。
少数制でアットホームな環境が、グループホームの魅力といえます。また、グループホームで働くと、認知症ケアの知識やスキルが身につくので、介護職としてのキャリアアップも見込めるでしょう。
一方のデメリットとしては、入居者さんへの対応で、精神的に疲れてしまう可能性があることが挙げられます。認知症の方は、症状によって暴力的になったり意思疎通が困難になったりする場合があるため、コミュニケーションに疲れてしまうこともあるようです。また、グループホームでは、1人で1ユニットの夜勤を行う場合もあり、スキルの習得が求められます。
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グループホームの仕事内容とは?役立つ介護の資格や給料事情を解説
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年7月19日)
介護施設の求人を選ぶときのポイント
ここでは、介護施設の求人を選ぶときのポイントを解説します。「自分に合った職場が分からない」「介護の仕事は初めてで不安…」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
希望条件に優先順位をつける
求人を探す際は、自分の希望する条件に優先順位をつけることが重要です。給与額を重視する方もいれば、休日数ややりがいを重視する方もいて、職場に求める条件は人それぞれ異なります。自分の譲れない条件と妥協できる条件を書き出して、重要な条件を満たせる求人を探すと良いでしょう。
仕事内容や福利厚生をチェックする
応募先の施設の仕事内容や給与、福利厚生、教育制度、介護方針などは、しっかり確認することが大切です。希望条件に合う求人を探すためにも、応募先の情報収集は欠かせません。情報収集が不十分だと、入職後にギャップを感じてしまう可能性があるので、求人や公式Webサイトなどを十分にチェックしておきましょう。
職場を見学して雰囲気を確認する
自分に合った職場を見つけるためには、実際に職場を見学して雰囲気を確認すると良いでしょう。職場見学では、利用者さんや職員の表情や対応、施設の清潔感などをチェックします。現場を直接見たり、採用担当者に質問したりできると、自分が働くイメージをしやすくなるでしょう。
転職エージェントを活用する
「1人で転職活動をするのが不安…」という方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。転職エージェントでは、アドバイザーが、あなたの希望条件に合った求人を提案します。書類選考や面接対策のアドバイスも行うため、介護業界が未経験の方も、安心して転職活動を行えるでしょう。
職場を選ぶ際のポイントは、「介護職の職場の選び方とは?失敗しない方法や各施設の特徴を解説」の記事でもご紹介しているので、あわせてご一読ください。
働きながら資格を取る方法教えます
介護施設の種類に関するよくある質問
ここでは、介護施設の種類に関するよくある質問に回答します。「介護施設の種類が多くて、違いがよく分からない」という方は、ぜひご一読ください。
介護保険施設の種類一覧は?
介護保険施設の種類は、「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」です。「介護療養型医療施設」も介護保険施設でしたが、2024年3月に廃止されました。介護保険施設は、主に65歳以上で要介護認定を受けている方が入居可能な介護施設です。「公的な介護施設の種類と特徴」では、各施設の特徴や働くメリット・デメリットなどを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
老人ホームの種類と選び方が知りたい
民間の有料老人ホームは、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類があります。介護付き有料老人ホームでは、介護サービスを提供していますが、住宅型・健康型有料老人ホームでは、基本的には介護サービスを提供していません。有料老人ホームを転職先として選ぶときは、どのような支援を行いたいかで職場を選ぶことが大切です。有料老人ホームの種類ごとの特徴は、この記事の「民間の介護施設の種類と特徴」で解説しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
介護施設の種類は豊富で、「施設サービス」「居宅サービス」「地域密着型サービス」などの分類ごとに、サービス内容は異なります。
公的な介護施設は、「介護老人福祉施設(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「ケアハウス」「介護医療院」などです。民間の介護施設には、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「グループホーム」などがあります。
自分に合った介護施設の求人を見つけるには、職場に求める条件に優先順位をつけ、応募先の情報を集めることが大切。職場を見学して、実際の雰囲気もチェックすることも重要です。自分に合った介護施設が分からない方は、転職支援のプロである転職エージェントを活用しましょう。
「これから介護職員として働きたい」「自分に合った介護施設に転職したい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。専任のアドバイザーがヒアリングを行い、豊富な介護求人の中から、あなたにぴったりの職場をご紹介いたします。「介護施設の種類が多くてどこが良いのか分からない…」という方も、ぜひ気軽にご利用ください。
働きながら資格を取る方法教えます
執筆者
「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点