小規模多機能型居宅介護とは?サービス内容や人員基準を解説

介護の仕事 2022年11月18日
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高齢女性に寄り添う介護職員の画像

「小規模多機能型居宅介護はどのような事業所?」と詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。小規模多機能型居宅介護は、利用者さまの状況に応じて通い・訪問・宿泊のサービスを提供しています。この記事では、小規模多機能型居宅介護の概要やサービス内容の詳細、事業所で働く職員をまとめました。ぜひご一読いただき、参考にしてみてください。

目次

小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護とは、利用者さまが住み慣れた環境で自立した生活を送れるよう、「通い」「訪問」「宿泊」の3種類を提供する地域密着型サービスです。主に身体介護や日常生活上での支援、機能訓練などを行います。

小規模多機能型居宅介護の特徴

小規模多機能型居宅介護は、ケアプランの作成から各サービスの提供まで1つの事業所で行うのが特徴です。料金は定額制で、要介護度によって異なります。
利用定員は以下のとおりです。

  • 事業所の登録定員→29名以下
  • 通い→登録定員の2分の1から15名の範囲内
  • 宿泊→通いの利用定員の3分の1から9名の範囲内

なお、通いサービスは一定の要件を満たす場合に限り、最大定員18名です。小規模多機能型居宅介護は24時間365日利用することが可能で、空きがあれば利用回数に制限もありません。利用者さまやご家族の状況に合わせて、柔軟に利用できる介護サービスといえます。

グループホームとの違い

小規模多機能型居宅介護とグループホームには、宿泊期間に違いがあります。小規模多機能型居宅介護は短期入所であるのに対して、グループホームは長期入所が基本です。また、グループホームは一般的に認知症を患う方を対象にした施設であるため、利用要件も異なります。

小規模多機能型居宅介護の3つのサービス内容

ここでは、小規模多機能型居宅介護における3つのサービス内容を詳しく紹介します。小規模多機能型居宅介護への理解を深めたい方や、転職を検討している方はチェックしてみましょう。

1.通い

通いでは、基本的に通常のデイサービスと同様のサービスを提供しています。具体的なサービスは以下のとおりです。

  • 健康チェック
  • 食事介助
  • 入浴介助
  • レクリエーション
  • リハビリ
  • 送迎

通いでは、「食事のみ」「午後のみ」といった必要なサービスのみを利用する方法もあります。厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p14)」によると、利用者さまの大半が通いサービスを利用していることが分かり、特に訪問や宿泊と組み合わせて利用している方が多いようです。

2.訪問

訪問では、小規模多機能型居宅介護の職員が利用者さまの自宅に訪問し、身体介護や生活支援などを行います。生活支援では安否確認や病院への付き添いなども実施。短時間の利用や、夜間帯のみの利用も可能なサービスです。

3.宿泊

小規模多機能型居宅介護の宿泊では、身体介護や移乗介助、就寝前後の見守り、口腔ケアなどを実施しています。主にご家族が用事で不在な際や、介護負担の軽減を目的に利用されるサービスです。急な利用や日中の「通い」との併用、数日間にわたる連続した宿泊にも対応しています。

小規模多機能型居宅介護の利用条件

小規模多機能型居宅介護の基本的な利用条件は、「要介護認定を受けていること」+「利用する事業所と同じ市区町村に居住していること」の2つです。以下で詳細をまとめているので、ご確認ください。

介護保険による要介護認定

小規模多機能型居宅介護の利用条件として、「要介護認定を受けていること」があります。なお、要支援認定を受けている方は、「介護予防小規模多機能型居宅介護」を利用することが可能です。厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p11)」を参考に小規模多機能型居宅介護の要介護度割合を見ると、要介護1と2が多く、平均要介護度は2.2であることが分かります。また、同資料によると要介護度が上がるほど「通い+泊まり」や「通い+訪問+泊まり」のケースが多いようです。

自宅と同じ市区町村の事業所のみ

小規模多機能型居宅介護は、事業所と同じ市区町村に居住している方が対象のサービスです。そのため、利用者さまは住み慣れた地域で、必要な介護サービスを受けられるでしょう。
小規模多機能型居宅介護を利用するには、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、希望に合った事業所と契約する必要があります。

小規模多機能型居宅介護の人員基準

小規模多機能型居宅介護事業所の基本的な人員基準は、日中は「利用者さま3人に対して職員が1人」「訪問対応は1人」となっています。ここでは、厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について」をもとに、人員基準を詳しくまとめました。

代表者認知症の介護従事経験もしくは保健医療・福祉サービスの経営経験があり、認知症対応型サービス事業開設者研修の修了者
管理者3年以上認知症の介護従事経験があり、認知症対応型サービス事業管理者研修の修了者で常勤・専従の者
介護従事者(日中・通いサービス)常勤換算方法で3:1以上
介護従事者(日中・訪問サービス)常勤換算方法で1以上
看護職員介護従業者のうち1以上
介護支援専門員介護支援専門員で小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した者1以上

参考:厚生労働省「小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について(p49)

人員基準の常勤換算とは、事業所に勤務する平均職員数を指します。雇用形態に関係なく全職員の労働時間で計算し、「常勤職員が何人勤務しているか」に換算したものが常勤換算です。

人員基準の計算方法

主に介護職員の人員基準となる常勤換算は、1ヶ月の稼働時間をベースに常勤と非常勤の職員の全勤務時間を足して、「常勤職員が働くと仮定すると何人になるのか」を出します。
具体的な計算式は以下のとおりです。

「事業所の1ヶ月間の稼働時間数」÷「常勤の1ヶ月間の勤務時間数」=常勤換算人数

たとえば、1つの事業所に常勤(月160時間勤務)が2人、月100時間・月80時間・月70時間のパートが1人ずつ働いている場合、常勤加算の計算式は以下になります。

570(全職員の総勤務時間数)÷160(常勤の1ヶ月の勤務時間数)=3.5(小数点第2位以下は切り捨て)

常勤換算方法で算出した人員数は、3.5人という結果です。

人員基準欠如減算に注意

小規模多機能型居宅介護事業所の人員基準を満たしていない場合、報酬が減算される恐れがあります。同資料の(p51)によると、月平均の利用登録者数が規定の登録定員を超えた際、「超過利用が発生した月の翌月から解消した月まで介護報酬を100分の70に減算する」というものです。事業所が減算対象になったときには届出をする必要があり、もし行わなかった場合は指定を取り消される可能性もあります。
人員基準欠如減算には、「人員基準を満たしていない事業所によるサービス提供」を事前に防ぐ目的があるといえるでしょう。

夜間の人員基準は?

小規模多機能型居宅介護事業所における、夜間の人員基準は以下のとおりです。

夜勤職員時間帯を通じて1以上(宿泊利用者がいない場合は配置しなくても良い)
宿直職員時間帯を通じて1以上(随時の訪問サービスに支障がない体制が整備されている場合は必須ではない)

参考:厚生労働省「小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について(p49)

夜間帯の人員基準は事業所の状況次第であるものの、1名以上の配置が一般的です。先述したとおり、要介護度が上がるにつれて「宿泊」の利用は増加傾向にあるため、夜間帯利用の需要は高いのが現状。そのため、多くの事業所では夜勤職員が在籍しているでしょう。

小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット

小規模多機能型居宅介護には、「1つの事業所で3つのサービスを利用できる」というメリットがある一方、「ほかのサービスと併用できないことがある」というデメリットもあります。

小規模多機能型居宅介護のメリット

小規模多機能型居宅介護は1度の契約で3種類の介護サービスが利用可能になるため、手続きの手間を減らせます。また、「少人数制でアットホームな環境」「顔なじみの職員からサービスを受けられる」といった特徴があり、初めての環境が苦手な方も安心できるでしょう。
比較的緊急な利用対応も可能なことから、利用者さまとご家族どちらもメリットを感じられるサービスといえます。

小規模多機能型居宅介護のデメリット

小規模多機能型居宅介護で利用できるのは通い・訪問・宿泊の3つのため、看護やリハビリ中心のサービスを受けたい方は、必要とするケアが受けにくいのがデメリットといえます。また、今まで別の介護サービスを受けていた方は契約を終了する必要があり、特に複数のサービスを利用していた場合、契約解除に時間と労力が掛かってしまうかもしれません。

小規模多機能型居宅介護の料金

ここでは、小規模多機能型居宅介護における1ヶ月の基本料金例を紹介します。1割負担のケースで要介護度・要支援度ごとにまとめているので、チェックしてみてください。

同一建物に居住する者以外の者に対して行う場合同一建物に居住する者に対して行う場合
要支援13,403円3,066円
要支援26,877円6,196円
要介護11万320円9,298円
要介護21万5,167円1万3,665円
要介護32万2,062円1万9,878円
要介護42万4,350円2万1,939円
要介護52万6,849円2万4,191円

引用:厚生労働省「小規模多機能型居宅介護

上記の料金以外にも、宿泊費や食費などは別途かかります。地域や事業所によって異なるケースもあるので、あくまでも目安として参考にしましょう。

小規模多機能型居宅介護の注意点

小規模多機能型居宅介護には「30日ルール」が存在し、注意する必要があります。以下で詳しく解説しているので、ご一読ください。

30日ルールが存在する

30日ルールとは、小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスを長期的に利用する方で、かつ訪問診療を受ける必要性がある場合に関係します。具体的には、「宿泊先で訪問診療を受けるにはサービスを利用する30日以内に自宅で訪問診療を受けることが必須」というものです。定期的に診察を受ける必要がある方や長期的な利用を検討する方は、注意しなくてはなりません。

退院直後のみずっと泊まり可能

厚生労働省の「令和2年度診療報酬改定の概要(在宅医療・訪問看護)p17」によると、退院直後に宿泊サービスを利用する場合のみ、30日の間に自宅で訪問診療を受けていない方でも宿泊先で訪問診療を受けることが可能です。
ただし、それ以外の方が小規模多機能型居宅介護の宿泊先で診療が必要になった際は、一度自宅に戻り訪問診療を受けなくてはなりません。

小規模多機能型居宅介護で働ける介護職員

小規模多機能型居宅介護には、事業所の管理者やケアマネージャー、介護職といった職員が働いています。下記で紹介しているので、小規模多機能型居宅介護への転職を考えている方は参考にしてみましょう。

管理者

小規模多機能型居宅介護の管理者は、利用者さまの状況確認や人材育成、ご家族や医療機関との連携などを行います。事業所によっては施設長やホーム長と呼ばれることもあるようです。事業所の管理職として、さまざまな場面で利用者さまとご家族、職員をサポートする仕事です。管理者になる条件は「小規模多機能型居宅介護の人員基準」をご確認ください。

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ケアマネージャー

小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーは、主にケアプランの作成やマネジメント全般を行うのが仕事です。介護職と兼任するケースやスタッフの教育を担う場合もあり、業務範囲は多岐にわたります。介護のスペシャリストとして、スキルや知識を発揮できるでしょう。

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介護職員

小規模多機能型居宅介護で勤務する介護職員は、利用者さまの身体介護やレクリエーションの実施、送迎などを行います。働き方によっては夜勤業務もあるでしょう。働くのに介護職員初任者研修や実務者研修といった資格が必要な場合もありますが、無資格・未経験で勤務可能な事業所もあります。

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まとめ

小規模多機能型居宅介護は、「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスを提供しています。利用者さまやご家族の状況によって、柔軟に組み合わせて利用することが可能です。利用料金は定額制で、要介護度や要支援度によって異なります。
小規模多機能型居宅介護には管理者やケアマネージャー、介護職員などが勤務し、利用者さまごとに必要なケアやサービスを提供しています。
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