
この記事のまとめ
- 小規模多機能型居宅介護の利用定員は、通いは原則15名、宿泊は9名まで
- 小規模多機能のサービスをどこまで使うかは、利用者さんによって異なる
- 介護職の仕事内容は、身体介護やレクリエーション、訪問など
「小規模多機能型居宅介護が提供するサービスってどこまで?」と気になる方もいるのではないでしょうか。小規模多機能型居宅介護では、利用者さんの状況に応じて「通い・宿泊・訪問」の3つのサービスを提供します。この記事では、小規模多機能型居宅介護の運営基準や利用状況、提供するサービスの範囲を解説。利用者さん側のメリットと介護職が働くメリットも紹介するので、参考にしてみてください。
目次
小規模多機能型居宅介護とは?
小規模多機能型居宅介護とは、「通い」「宿泊」「訪問」の3つの支援を提供する介護サービスです。利用者さんの状況やご家族の希望に応じてケアプランを作成し、3つのサービスを組み合わせて提供します。ここでは、小規模多機能型居宅介護サービスの運営基準や利用状況を詳しくまとめました。
サービスの基準
小規模多機能型居宅介護は地域密着型サービスで、利用者さんが住み慣れた環境で自立して暮らせるようサポートします。
小規模多機能居宅介護サービスの基本的な利用条件は、「事業所と同じ市区町村に住んでいること」と「要介護認定を受けていること」です。要支援認定を受けている方は、介護予防小規模多機能型居宅介護を利用する形になります。
利用定員
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(改定の方向性)(p.19)」によると、小規模多機能型居宅介護の登録定員は、1事業所あたり29名以下となっています。各サービスの利用定員は下記のとおりです。
- 通い→登録定員の2分の1から15名の範囲内(一定の条件下では最大18名)
- 宿泊→通いの利用定員の3分の1から9名の範囲内
訪問は登録定員の範囲内なら制限がありません。小規模多機能型居宅介護は、少人数制でアットホームな雰囲気のなか、個々のニーズに沿ったサービスを提供する事業所です。
職員の人員配置
同資料(p.21)によると、小規模多機能型居宅介護事業所における介護職員の人員配置基準は、以下のとおりです。
| 日中・通いサービス | 利用者さん3名に対して常勤換算で1名以上 |
| 日中・訪問サービス | 常勤換算で1名以上 |
| 夜間(宿泊の夜勤職員) | 時間帯を通じて1名以上 |
| 夜間(訪問の宿直職員) | 時間帯を通じて1名以上 |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了したケアマネジャー1名以上 |
参考:厚生労働省「小規模多機能型居宅介護(改定の方向性)(p.21)」
上記のように、利用者さんの人数や利用状況に応じた人数の介護職員が配置されます。なお、宿泊利用者がいない場合、夜勤職員の配置なしで運営可能です。宿直職員は、訪問サービスに支障がない場合は、事業所内で宿直しなくても問題ありません。
出典
厚生労働省「第228回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2026年3月11日)
サービスの利用状況
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p.35 )」によると、小規模多機能型居宅介護では複数のサービスを利用する方が多いようです。特に、通いをベースに訪問や宿泊を利用する方が多く、生活の場としてさまざまな役割を担っていることがうかがえます。
同資料(p.10)によると、小規模多機能型居宅介護の利用者数は、サービスの開始以降増加が続いている状況です。近年では全国で10万人以上が利用しており、小規模多機能型居宅介護の需要は高まっています。
出典
厚生労働省「第218回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2026年3月11日)
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小規模多機能型居宅介護のサービス範囲はどこまで?
小規模多機能型居宅介護のサービスをどこまで使うかは、利用者さんごとに異なります。ここでは、小規模多機能型居宅介護のサービスの範囲を詳しく解説。「通い」「宿泊」「訪問」のサービスごとの特徴を知りたい方は、ぜひチェックしてみましょう。
通い
小規模多機能型居宅介護の通いでは、食事・入浴の介助や健康チェック、レクリエーションなどを提供します。また、送迎や機能訓練も実施しており、デイサービスのように幅広いサービスに対応しているようです。
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p.34)」によると、利用者さん1人あたりの通いサービスの1ヶ月の平均利用回数は15.6回です。つまり、1ヶ月の半分ほど通いのサービスを利用している方が多いと考えられます。
宿泊
小規模多機能型居宅介護の宿泊は、夜間における利用者さんの日常生活上のサポートや就寝時の見守りなどを行うサービスです。役割はショートステイと共通していますが、急な利用にも対応しており、事前予約が必要ない点が異なります。日中に通いや訪問を利用した方が、夜に宿泊を利用することも可能です。
訪問
訪問は24時間体制でサービスを提供しており、ニーズに応じたケアを実施して在宅生活をサポートします。利用者さんは、「午後に服薬介助のみ」「明日は夕方に食事介助と入浴介助」など、日々の状況に合わせてサービスを受けられるのが特徴です。利用時間や回数の制限はありません。
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p.34)」によると、利用者さん1人あたりの訪問サービスの1ヶ月の平均利用回数は18.1回で、最も利用されているサービスです。通いや宿泊を利用しない日は、1日に複数回訪問を利用する場合があるため、提供回数が多いと考えられます。
出典
厚生労働省「第218回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2026年3月11日)
小規模多機能型居宅介護サービスを利用するメリット
以下に、利用者さんが小規模多機能型居宅介護のサービスを受けるメリットをまとめました。
サービスごとに手続きする必要がない
同一事業所が「通い」「宿泊」「訪問」の3種類の介護サービスを提供するので、サービスごとに契約の手続きを行う必要がありません。利用者さんだけではなくご家族にとっても、サービスを利用するまでの時間と労力を省けることはメリットといえるでしょう。
必要に応じたサービスを定額で利用できる
小規模多機能型居宅介護は回数制限がなく定額で利用できるため、月額料金を把握しやすいのがメリットです。「複数のサービスを組み合わせたい」「利用回数が多い」という方にとっては、便利で使いやすいサービスといえます。
ただし、利用料金は要介護度や介護保険の自己負担割合によって異なり、オムツ代や宿泊費などは別途必要です。
個々の状況に沿ったきめ細やかなケアを受けられる
小規模多機能型居宅介護サービスは、利用者さんやご家族の状況・要望によって細かく利用できるものです。一般的なデイサービスや訪問介護ではある程度の流れが決まっているのに対して、小規模多機能型居宅介護は「数分単位」「依頼したいことだけ」など、手厚く細やかなサービスを受けられます。
また、同じ事業所の顔なじみの職員からサービスを受けられるため、安心感も得られるでしょう。
小規模多機能型居宅介護事業所の介護職の仕事内容
ここでは、小規模多機能型居宅介護で働く介護職の仕事内容を紹介します。介護業界での就職や転職を検討している方は、参考にしてみてください。
身体介護
小規模多機能型居宅介護では、通い・宿泊・訪問のいずれのサービスでも、利用者さんの身体介護を行います。日中は食事介助・入浴介助・排泄介助、着替えの介助、移乗介助などを実施。夜間帯は、就寝時の介助や体位変換、オムツ交換といった業務もあります。
レクリエーションの企画・実行
小規模多機能型居宅介護の通いではレクリエーションを実施する事業所もあり、介護職は企画・実行を担います。大きなデイサービスほどレクリエーションが活発ではないものの、利用者さんが楽しめるイベントや趣味活動などを実施することは、介護職の重要な業務の一つです。
利用者さんの自宅への訪問・ケア
訪問では、利用者さんの自宅に出向いて身体介護や生活支援、相談業務を行います。必要に応じて、安否確認や外出の同行なども実施。小規模多機能型居宅介護は基本的に無資格から働けますが、訪問で身体介護を行うには、介護職員初任者研修以上の資格が必要になります。
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介護職が小規模多機能型居宅介護事業所で働く3つのメリット
介護職が小規模多機能型居宅介護事業所で働くと、「利用者さんとじっくり向き合って手厚いケアを行える」「介護業務の負担が比較的少ない」といったメリットがあります。
1.一人ひとりにきめ細やかなケアを行える
小規模多機能型居宅介護は少人数制のサービスのため、利用者さん一人ひとりに対してきめ細やかなケアを実施できます。また、通い・宿泊・訪問すべてのサービスに関わり、日中から夜間まで継続的に同じ利用者さんへサービスを提供することも可能です。
一人の利用者さんと触れ合う時間が長く、信頼関係を築きやすいのもメリットといえるでしょう。
2.幅広い業務を通してスキルアップできる
働き方にもよりますが、小規模多機能型居宅介護では通い・宿泊・訪問と3種類の業務を経験でき、介護職としてスキルを磨けます。日勤だけではなく夜勤に入ることも可能です。
そのため、「訪問介護と施設での介護両方に興味がある」「日勤メインで働きつつ夜勤も経験したい」とお考えの方に向いている職場といえます。
3.介護業務の負担が軽い傾向にある
小規模多機能型居宅介護は、通い15~18名、宿泊9名が上限なので、規模の大きい施設と比べて介護業務の負担は少ないでしょう。
また、厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p.12)」によると、要介護1と2の利用者さんが多く、平均要介護度は2.4と比較的低めです。介護職経験が浅い方やブランクのある方にとって、働きやすい職場といえるでしょう。
出典
厚生労働省「第218回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2026年3月11日)
小規模多機能型居宅介護に関するよくある質問
ここでは、小規模多機能型居宅介護に関するよくある質問に回答します。
小規模多機能型居宅介護はずっと泊まりで利用できる?
小規模多機能型居宅介護は1ヶ月ごとの月額制で、サービスを利用するのに回数制限はなく何度でも利用できます。しかし、在宅介護の支援を目的とする施設のため、ずっと泊まり続けることは難しいでしょう。「介護者が長期不在のため、その間宿泊したい」などの事情があれば、一定期間の宿泊の継続利用は可能です。
小規模多機能型居宅介護の仕事はしんどい?
小規模多機能型居宅介護では、通い・宿泊・訪問の3つのサービスを提供するので、「仕事内容が幅広くしんどい」と感じることがあるようです。ほかにも、送迎業務や職場の人間関係にストレスを感じることもあるでしょう。
裏を返せば、さまざまな介護経験を積める職場なので、スキルアップを目指す方はやりがいを感じやすいといえます。
小規模多機能型居宅介護でしんどいと感じることは「小規模多機能型居宅介護の仕事がしんどい理由は?対処法やメリットを解説!」の記事で解説しているので、就職・転職を迷っている方はチェックしてみてください。
まとめ
小規模多機能型居宅介護とは、介護を必要とする方に対して「通い」「宿泊」「訪問」を包括的に提供する地域密着型の介護サービスです。
同一事業所が3種類のサービスを提供するので、利用者さんは手続きの手間が省け、顔なじみの職員からきめ細やかなサービスを受けられます。また、介護職にとっては、一人の利用者さんに寄り添ったケアが実施でき、介護経験を積める環境です。
同じ小規模多機能型居宅介護でも働き方が異なることがあるので、転職の際は自分に合った職場を見つけることが重要です。小規模多機能型居宅介護の仕事に興味がある方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
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介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点



