
この記事のまとめ
- 小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・泊まりの3つのサービスを提供する
- 小規模多機型居宅介護の仕事内容は、送迎や身体介護、夜間の見守りなど
- 小規模多機能型居宅介護で働くメリットは、少人数を集中して支援できること
小規模多機能型居宅介護の仕事内容を知りたい方もいるのではないでしょうか。介護職員は利用者さんの送迎や身体介護、体調チェックなどを行います。「通い」「訪問」「泊まり」の3つの機能を持つサービスで、業務が幅広いのが特徴です。この記事では、小規模多機能型居宅介護の具体的な仕事内容と1日の流れ、働くメリットをまとめました。自分に向いているか気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
小規模多機能型居宅介護とは?
小規模多機能型居宅介護事業所とは、通い・訪問・泊まりの3つのサービスを提供する事業所です。具体的なサービス内容は、身体介護やレクリエーション、機能訓練など。地域密着型のサービスとして、「住み慣れた地域での生活を続けたい」という利用者さんのニーズに対応しています。
施設形態の特徴
小規模多機能型居宅介護は、在宅生活を支援することが目的で、利用者さんの状況や要望、ライフスタイルに沿ったサービスを提供するのが特徴です。
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(改定の方向性)(p.19)」によると、1事業所の登録定員は29名以下。介護職員の人員配置は、通いサービスは利用者さん3人に対して常勤換算で1人以上、訪問サービスは常勤換算で1人以上となっています。
夜間帯は宿泊や訪問の状況によって異なることがありますが、泊まりと訪問対応合わせて2人以上が基本で、その内1人が宿直可です。
出典
厚生労働省「第228回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年6月26日)
サービスの対象者
介護サービス情報公表システムの「どんなサービスがあるの? – 小規模多機能型居宅介護」によると、小規模多機能型居宅介護の対象者は、要介護認定を受けていて事業所と同じ市区町村に住んでいる方です。要介護1~5の方は介護給付として、要支援1・2の方は予防給付として利用できます。
出典
厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? – 小規模多機能型居宅介護」(2026年6月26日)
利用者さんのメリット
利用者さんにとっての小規模多機能型居宅介護のメリットは、「通い・訪問・泊まり」という複数のサービスを同じ事業所で受けられることです。日によって利用するサービスが異なっても、介護職員は同じなので、環境の変化が苦手な方も安心して介護を受けられます。
また、少人数制ならではの家庭的な雰囲気があることや、慣れ親しんだ地域で在宅生活を続けられること、月額制で料金が安定していることも利用のメリットです。
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小規模多機能型居宅介護事業所の仕事内容
小規模多機能型居宅介護事業所における介護職員の主な仕事内容は、身体介護を含む日常生活の支援です。「通所(通い)」「訪問」「宿泊(泊まり)」のサービスごとの業務を以下にまとめたので、チェックしてみましょう。
通所サービスの仕事内容
小規模多機能型居宅介護の通所の仕事内容は、送迎、食事・入浴・排泄の介助、レクリエーションの実施などです。通いの利用者さんに提供する介護サービスは、通常のデイサービスと大きな違いはありません。
介護職員同士で利用者さんの情報を共有し、適切な介護サービスを提供することが大切です。
訪問サービスの仕事内容
小規模多機能型居宅介護の訪問サービスでは、利用者さんの自宅に訪問し、身の回りのことを補助します。
通常の訪問介護では、訪問回数や時間、サービス内容が決められていますが、小規模多機能型居宅介護の訪問サービスは、訪問回数や時間に制限がありません。また、身体介護や生活援助の提供以外にも、「安否確認を行う」「話を聞くだけ」といった、利用者さん一人ひとりに合わせたサービスを提供できます。
宿泊サービスの仕事内容
小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスの仕事内容は、利用者さんの体調チェックや夕食・朝食の支援、就寝介助、起床介助、夜間の見守りなどです。また、送迎や事務作業も実施することがあるでしょう。夜勤後は、日勤の職員に必要な情報を引き継ぎます。
小規模多機能で働く介護職員の一日のスケジュール
小規模多機能型居宅介護の一日の業務スケジュール例を、以下にまとめました。
小多機の職員のスケジュール
08:00
出勤、一日の流れや申し送りの確認
09:00
通いの利用者さんの送迎
09:30
健康チェックや入浴介助の実施
11:30
食事の準備、配膳
12:00
昼食の食事介助、食後の口腔ケア
13:00
休憩
14:00
レクリエーションの実施
15:00
利用者さんにお茶とおやつを提供
15:30
利用者さんの帰宅準備
16:00
利用者さんを自宅に送る
16:30
ミーティング・申し送り
17:00
退勤
上記は、通所サービスをメインで担当した場合の一日のスケジュール例です。あくまで一例で、「今日は午前中だけ利用したい」「昼食を済ませてから行きたい」といった要望があれば、利用状況に応じて柔軟に対応します。
「小規模多機能型居宅介護の一日の流れを解説!仕事内容やほかの施設との違い」では、夜勤や訪問業務が入る日のスケジュールも紹介しているので、興味のある方はあわせてチェックしてみてください。
小規模多機能型居宅介護とほかのサービスの違い
介護サービスには、デイサービスや有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど、多様な形態があります。そのなかでも、小規模多機能型居宅介護は、「通い・訪問・泊まり」などのサービスを一体的に提供することが特徴です。それぞれのサービスに特化した施設との共通点も多いですが、違いもあるので確認しておくと良いでしょう。
たとえば、小規模多機能型居宅介護の「通い」のサービスには、デイサービスのような利用時間や滞在時間、回数などの制限はなく、利用者さんが希望に応じて自由に利用できます。
また、「訪問」のサービスは、24時間いつでも柔軟に対応可能です。訪問介護のように時間や回数を気にする必要はなく、利用者さんにとって融通の利く便利なサービスといえるでしょう。
さらに、小規模多機能型居宅介護の「泊まり」は基本的に予約不要で、定員に空きがあれば当日でも「通い」を「泊まり」に変更可能です。
小規模多機能型居宅介護では、その日の利用者さんの人数やサービス内容によってスケジュールや仕事内容が変わります。利用者さんのニーズに合わせて柔軟に動く必要がある点が、デイサービスやショートステイ、訪問介護などとは異なるといえるでしょう。
出典
厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? – 小規模多機能型居宅介護」(2026年6月26日)
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小規模多機能型居宅介護で働くメリット
小規模多機能型居宅介護事業所で働くメリットは、少人数制で利用者さん一人ひとりとコミュニケーションをとりやすいことや、介護職員としての幅広い対応力が身につくことなどです。
少人数の利用者さんを集中して支援できる
小規模多機能型居宅介護は利用定員が少ないため、利用者さん一人ひとりと密にコミュニケーションをとって信頼関係を築けます。規模の大きい介護施設の場合、利用者さんも介護職員も人数が多く、利用者さんの一人ひとりの個性やニーズを覚えるのは大変かもしれません。
小規模多機能型居宅介護の定員は、通いはおおむね15人以内、泊まりは9人以内と少人数なので、アットホームな環境で介護サービスを提供できるでしょう。
介護職員としてスキルアップが可能
小規模多機能型居宅介護では、通い・訪問・宿泊という複数のサービスを提供するため、オールマイティーに対応できる介護力が身につきます。ほかの施設へ転職する際も、小規模多機能型居宅介護での業務経験があれば十分アピールできるでしょう。
多様なニーズに対応できる
前述のとおり、小規模多機能型居宅介護では利用者さんに合わせて、通い・泊まり・訪問の3つのサービスを組み合わせて提供します。利用回数や時間の制限がないため、利用者さんの要望・状況に柔軟に応えられることがメリットです。
身体介護の負担が少ない
小規模多機能型居宅介護は、要介護度が比較的低い利用者さんが多く、身体的な負担がほかの介護サービスに比べて少ない傾向にあります。
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(p.12)」によると、小規模多機能型居宅介護を利用する方の要介護度の割合は、要介護1が29.7%、要介護2が26.8%です。要介護3以上の方は半数以下なので、介護経験が少ない方もチャレンジしやすいかもしれません。
出典
厚生労働省「第218回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2026年6月26日)
小規模多機能型居宅介護の働きにくいところ
小規模多機能型居宅介護の仕事において、業務内容が幅広いことや生活リズムが不規則になりやすいことなどをデメリットに感じる可能性があります。
通い・訪問・宿泊と複数のサービスに慣れるのが大変
小規模多機能介護では、通い・訪問・宿泊という複数のサービスを提供します。そのため、業務内容が幅広く覚えることが多いのが特徴です。通いでは、介護だけではなく送迎にも対応します。
また、訪問では、介護環境が整っていない利用者さんの自宅でのケアを行ううえに、基本的に1人で対応しなくてはなりません。このように、各サービスそれぞれに大変さがあるため、特に未経験の場合、業務に慣れるのに時間がかかって大変に感じるかもしれません。
柔軟な対応力が必要
小規模多機能型居宅介護では、利用者さんやご家族の都合で当日の予定が急に変更になる場合があります。どのような場面でも柔軟に対応する必要があるので、イレギュラーな対応が苦手な方は「働きにくい」と悩むことも考えられるでしょう。
夜間の勤務が大変
小規模多機能型居宅介護は、24時間365日体制で運営する事業所のため、シフトによっては夜勤があります。夜勤に入る場合、生活リズムが崩れて体調へ影響するおそれも。「体力に自信がなく夜勤をこなせるか不安」という方は、働き方をデメリットに感じる可能性があります。
小規模多機能型居宅介護に向いている人
小規模多機能型居宅介護の利用者さんは在宅生活を送っている方で、介護度が低い方もいるため、初めて介護職に就く人も比較的働きやすいでしょう。介護職として総合的なスキルを身につけたい人や、臨機応変に対応できる人にも向いています。
また、常に情報収集を意識し、相手の様子に気を配れる人も活躍できる職場です。小規模多機能型居宅介護の職員は、利用者さんの生活を総合的に支える存在なので、集めた情報を分析するスキルや観察力も重要といえます。
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小規模多機能型居宅介護の平均給与
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.129)」によると、小規模多機能型居宅介護事業所で月給制で働く介護職員の平均給与は、常勤が30万5,220円、非常勤が23万6,060円でした。介護職全体の平均給与は、常勤が33万8,200円、非常勤が19万6,060円です。
また、同資料(p.143)によると、小規模多機能型居宅介護の管理職の平均給与は37万1,280円で、管理職以外は29万7,870円。役職に就くと、大幅に給与がアップする可能性があるでしょう。
小規模多機能型居宅介護で収入アップを図るなら、職場でキャリアを積むことで高収入を目指せます。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年6月26日)
小規模多機能型居宅介護で働くのに必要な資格はある?
小規模多機能型居宅介護事業所で働き始めるために、特別な資格は必要ありません。無資格者や未経験者を歓迎している事業所もあります。ただし、資格保有者を優遇していたり、応募条件を設けていたりする事業所もあるので、事前の確認が必要です。
以下に、小規模多機能型居宅介護の仕事に役立つおすすめの資格をまとめました。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の入門ともいえる資格です。1人で訪問介護サービスを行うには、基本的に介護職員初任者研修以上の介護資格が必須なので、取得しておいて損はありません。受験資格は特になく、修了試験の難易度も低いため、比較的簡単に取得できるでしょう。
詳しくは「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」で解説しているので、あわせてご覧ください。
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レバウェル介護の資格スクール介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、初任者研修を修了した人が次に取得するレベルの資格です。受講要件はないため、無資格から取得を目指すこともできます。
初任者研修に比べて幅広い介護知識やスキルを身につけられるのが、実務者研修の特徴です。介護福祉士の受験資格の一つでもあるので、キャリアアップを目指すならぜひチャレンジしてみてくださいね。
詳しくは「介護福祉士実務者研修とは?資格取得のメリットや初任者研修との違いを解説」で解説しています。
介護福祉士
介護福祉士は、介護系唯一の国家資格で、初任者研修や実務者研修の上位資格です。介護福祉士の資格を取得すると、介護職員の指導を任されることもあり、人材育成の面でも活躍できるでしょう。資格手当がつけば、給与アップも期待できます。
介護福祉士になるには、受験資格を満たしたうえで介護福祉士国家試験に臨み、合格しなければなりません。介護福祉士試験の受験資格については、「介護福祉士の受験資格を得るルートを解説!必要な実務経験や試験概要は?」で解説しているので、こちらをご覧ください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護福祉士からさらにキャリアアップを目指す方に適した資格です。資格を取得してケアマネジャーになると、利用者さんやご家族から相談を受け、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成できます。
ケアマネジャーは、小規模多機能型居宅介護事業所に1人以上配置する必要があり、利用者さんが適切な支援を受けられるよう調整する重要な職種です。
なお、ケアマネジャーの資格取得には。試験への合格や研修の受講が必要で、試験には受験資格が設けられています。詳しくは「ケアマネジャーになるには?介護支援専門員の受験資格や試験の難易度を解説」で解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
普通自動車第一種運転免許
事業所によっては専属の送迎ドライバーがいることもありますが、介護職員が通いや泊まりの利用者さんの送迎を行うこともあります。また、車で訪問する場合も運転免許が必要です。
そのため、運転免許があれば、小規模多機能型居宅介護事業所への転職に有利になる可能性があります。
▼関連記事
小規模多機能型居宅介護で働くのに資格は必要?介護職員として活躍する方法
▶無資格OKの求人一覧ページはこちら
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小規模多機能型居宅介護についてよくある質問
ここでは、小規模多機能型居宅介護の仕事についてよくある質問に回答します。「小規模多機能型居宅介護事業所ってどんなところ?」と疑問に思っている方は、ぜひご覧ください。
小規模多機能型居宅介護事業所ではどのような仕事をするの?
小規模多機能型居宅介護事業所で働く介護職員は、通所や訪問、宿泊のサービスを提供します。利用者さんの送迎、食事介助、入浴介助、排泄介助、レクリエーション、就寝・起床介助介助、訪問介護など、幅広い業務を担当するのが特徴です。
この記事の「小規模多機能型居宅介護事業所の仕事内容」で、各サービスの仕事内容を解説しているので、ぜひご一読ください。
小規模多機能型居宅介護では何人の介護職員が働いているの?
厚生労働省の「小規模多機能型居宅介護(改定の方向性)(p.19)」によると、小規模多機能型居宅介護事業所の配置基準は、通いの利用者さん3人に対し介護職員1人、訪問の対応に1人と定められています。なお、夜間の配置基準は、泊まりと訪問対応で2人が基本です。
詳しくは、「小規模多機能型居宅介護の人員基準とは?職員の兼務や違反時のルールを解説」で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「第228回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年6月26日)
小規模多機能の仕事はしんどいの?
小規模多機能の仕事を大変に感じるかは人によって異なるため、一概にしんどいとはいえません。ただし、仕事の幅の広さや夜勤があることなどをしんどいと感じる人もいます。小規模多機能型居宅介護は、「通い」「訪問」「泊まり」という複数のサービスを提供するため、覚える業務が多いのが特徴です。
小規模多機能の仕事で大変なポイントは、「小規模多機能型居宅介護の仕事がしんどい理由は?対処法やメリットを解説!」の記事でも紹介しています。
まとめ
小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・宿泊という複数の機能を備えたサービスです。介護職員の仕事内容は、送迎や身体介護、訪問業務など多岐にわたります。定員が少人数のため、利用者さんと信頼関係を築きやすく、寄り添った介護を実践できるでしょう。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点



