生活相談員とは?仕事内容や必要な資格、給料、やりがいを分かりやすく解説

介護の仕事 2023年11月8日
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この記事のまとめ

「生活相談員とはどんな仕事?」と気になっている方もいるでしょう。生活相談員とは、利用者さんやご家族の相談に乗って、安心して介護施設を利用できるようサポートする職種のことです。この記事では、生活相談員の仕事内容や必要な資格を解説します。職場の種類や給料事情、やりがいもご紹介。ケアマネジャーや介護職員との違いもご説明するので、「生活相談員を目指したい」という方はぜひ参考にしてください。

介護業界で働く職種一覧!仕事内容から必要な資格までご紹介

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目次

生活相談員とは?

生活相談員とは、介護施設で利用者さんやご家族の相談に乗って、介護サービスの窓口を担う職種のことです。関係者への連絡・調整や、介護サービス利用に関する手続き、地域との連携などを行い、利用者さんの自立を支援します。
誰もが安心して介護施設を利用できるよう、きめ細かなサポートをする生活相談員は、介護サービスを提供するうえで重要な存在です。

生活相談員とケアマネジャー(介護支援専門員)の違い

生活相談員と同じく、利用者さんが介護サービスを利用するためのサポートを行う職種として、ケアマネジャーが挙げられます。生活相談員とケアマネジャーの違いを、以下でチェックしてみましょう。

生活相談員ケアマネジャー
仕事内容相談援助関係機関との連絡・調整ケアプランの作成関係機関との連絡・調整
職場入所型・通所型の介護施設居宅介護支援事業所
入所型の介護施設多機能型の介護施設地域包括支援センター
サービスを提供する対象介護施設の利用者さん利用者さんのご家族介護保険サービスの利用者さん(要介護認定・要支援認定を受けた方)
必要な資格社会福祉士精神保健福祉士社会福祉主事任用資格※自治体によって異なる介護支援専門員

生活相談員の仕事は、利用者さんやそのご家族に介護施設・サービスの説明を行うこと。相談援助により利用者さんの抱える課題を把握して、ケアマネジャーや介護職員に共有することも、生活相談員の重要な役割です。

一方、ケアマネジャーは、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成して援助の方針を決め、利用者さんが必要な介護サービスを利用できるように手配します

生活相談員とケアマネジャーの違いについて詳しく知りたい方は、「生活相談員とケアマネの違いとは?必要な資格・仕事内容などをご紹介!」をご一読ください。

生活相談員と介護職員の違い

生活相談員と介護職員は、業務内容が異なります。前述したように、生活相談員は、相談援助や関係機関との連携といった業務がメインの職種です。一方、介護職員は、利用者さんに対して直接介護を行います

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生活相談員の主な仕事内容

介護施設の利用者さんを総合的に支援する生活相談員の仕事内容は、多岐にわたります。主な業務を下記で確認してみましょう。

  • 利用者さんが介護施設を利用するための説明・契約
  • 介護施設の入退所に関する手続き
  • ケアマネジャーや医療機関、地域、行政との連絡・調整
  • 利用者さんやご家族の相談対応
  • 介護施設のスタッフとの連絡・調整
  • 介護職員のサポート
  • クレーム対応

生活相談員の具体的な業務は働く施設ごとに異なり、地域住民との交流を企画したり、職員向けの研修を実施したりする場合もあります

入所型の介護施設で働く場合、勤務時間外の利用者さんの様子を介護職員に聞いて共有することも大切です。通所型の介護施設で働く生活相談員は、通所介護計画書の作成を行うこともあります。

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生活相談員の1日のスケジュール

ここでは、生活相談員の1日のスケジュール例をご紹介するので、転職を考えている方は参考にしてください。

時間業務内容
午前9時出勤、朝礼、業務の確認
午前10時利用者さんの相談対応、事務作業
正午休憩
午後1時介護職員やケアマネジャーとの情報共有、意見交換
午後3時サービス担当者会議への出席
午後5時書類作成
午後6時退勤

生活相談員は夜勤がない場合が多いので、決まった時間で働けるのが特徴です。ただし、介護業務を兼務する生活相談員は、夜勤を行う可能性があります。

介護職員と生活相談員を兼務する場合もある

施設や自治体によって規定はさまざまですが、介護業務と生活相談員の仕事は兼務できる場合が多いようです。そのため、介護業界での経験が浅いうちは、介護業務に携わりながら生活相談員としてのスキルを磨く方も少なくありません。

介護業務を実践して知識・技術を習得すれば、介護職員や利用者さんへの理解が深まります。利用者さんのリアルなニーズが分かるようになれば、相談援助がスムーズになるでしょう。

「自分の気持ちを伝えるのが苦手な利用者さんは、どのように感情表現をしているのか」などを考えながら介護を行うと、専門的なスキルが身につき、生活相談員の業務にも役立つといえます。

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生活相談員は資格なし・未経験でも目指せる?

生活相談員は職種の名前です。「生活相談員」という資格はないので、指定された要件を満たせば、無資格や未経験の方も生活相談員として働くことができます

生活相談員になるための資格要件

生活相談員になるための資格要件は、各自治体で個別に定められています。働く都道府県や市町村によって、生活相談員になるための要件は違うので、事前の確認が必要です。
なお、一般的に下記のうちいずれか1つの資格があれば、生活相談員として働けます

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 社会福祉主事任用資格

それぞれの資格の取得方法は「生活相談員の資格要件は?無資格や介護福祉士でもなれる?」で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

無資格から生活相談員になるには

介護福祉士やケアマネジャーの資格を要件に、生活相談員として働ける自治体もあります。また、資格要件がなく、特定の実務経験を満たせば生活相談員になれる自治体もあるため、無資格の方も生活相談員になるチャンスはあるでしょう。

資格なしで生活相談員になれる自治体

ここでは、保有資格なしで生活相談員として働ける自治体の例をご紹介します。

  • 福岡県:社会福祉施設等での3年以上の勤務経験
  • 青森県八戸市:社会福祉施設等で2年以上介護または相談業務に従事
  • 神奈川県川崎市:介護施設等で常勤で2年以上介護等の業務に従事

※2023年10月31日時点

自治体の規定により、資格なしで生活相談員として働く場合、特定の業務の経験が必要になるので、自分が要件を満たしているかを確認しましょう。介護保険サービスに関する具体的なルールは、市区町村ごとに公表してあることが多いので、事前に調べておくと安心です

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資格があれば介護未経験でも業務ができるのか

自治体が定める資格や要件を満たせば、介護未経験でも生活相談員として就職することができます。ただし、生活相談員は、一人ひとりの利用者さんの状況や介護度、介護サービスの特徴を理解したうえで相談対応を行う必要がある仕事です。介護未経験の場合、最初はスムーズに業務を行えず苦労する可能性があります。

介護施設の職員の役割分担や連携方法、業務の進め方などについては、現場で介護業務を経験すると理解が深まるでしょう。資格要件を満たしていても、あえて介護職員として働いてから生活相談員になるというキャリアを選ぶ方もいます。
生活相談員が在籍する施設で介護業務の経験を積めば、生活相談員の働き方も見て学ぶことができるのでおすすめです。

生活相談員を目指す方は、「まずは介護の実務経験を積む」「教育体制の整った介護施設で相談援助を学ぶ」といった選択肢があるので、自分に合ったキャリアを選択しましょう

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生活相談員が活躍する職場

生活相談員は、老人福祉施設に勤務しています。生活相談が活躍する代表的な職場をまとめたので、ご覧ください。

  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム

生活相談員は、デイサービスや特別養護老人ホームなど、多くの介護施設で働いています。なお、介護老人保健施設で働く相談員は「支援相談員」と呼ばれ、生活相談員ではありません。支援相談員と生活相談員の役割は共通していますが、支援相談員が対応するのは在宅復帰を目指す方なので、利用者さんからの相談内容に違いがあるでしょう。

生活相談員の配置基準

生活相談員の配置基準をまとめたので、「介護施設に生活相談員はどれくらいいるの?」と疑問に思っている方は参考にしてください。

介護施設生活相談員の配置基準
デイサービス事業所ごとにサービス提供時間に応じて専従で1人以上(生活相談員の業務には、サービス担当者会議、地域ケア会議も含められる)
※生活相談員か介護職員のうち1人は常勤
ショートステイ利用者さん100人につき1人以上(常勤換算)
※生活相談員のうち1人は常勤(定員が20人未満の併設事業所を除く)
特別養護老人ホーム利用者さん100人につき1人以上
※生活相談員のうち1人は常勤、専従が原則
介護付き有料老人ホーム利用者さん100人につき1人以上(常勤換算)
※生活相談員のうち1人は常勤

大勢の利用者さんが入居する介護施設は、利用者さん100人につき1人以上、生活相談員の配置が義務付けられています。常勤として配置されることの多い生活相談員は、介護施設において欠かせない存在です。

生活相談員のお給料事情

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p119)」によると、生活相談員・支援相談員の平均給与額は、常勤で34万2,330円、非常勤で30万6,260円でした。内訳は以下のとおりです。

月給・常勤月給・非常勤
平均給与額34万2,330円30万6,260円
平均基本給額21万4,470円23万3,930円
平均手当額7万1,450円3万7,240円
平均一時金額5万6,420円3万5,090円

参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p119)

生活相談員として働く場合、基本給だけではなく、手当や一時金の有無も確認して職場を選ぶと良いでしょう。なお、生活相談員の給与は、働く介護施設ごとに異なるので、平均給与は参考程度にご覧ください。

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生活相談員の仕事の4つのやりがい

ここでは、生活相談員の業務のやりがいや魅力を解説します。生活相談員の仕事を深く知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

1.介護の相談窓口として利用者さんを援助できる

介護施設と利用者さんの橋渡しを行う生活相談員は、利用者さんやご家族から、悩みを打ち明けられることもしばしば。相談に乗って、悩みや不安を解消できたときは、直接感謝の言葉をもらえることもあります。利用者さんが笑顔で感謝を口にしてくれると、生活を支えている実感が得られて、仕事のやりがいを感じられるでしょう

2.介護職員からの転身で給与アップが期待できる

前述した厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p119)」によると、介護職員(月給・常勤)の平均給与額は31万7,540円でした。生活相談員の平均給与額は34万2,330円なので、介護職員から転身すれば2万円程度の給与アップを狙えます
介護職員として身につけたスキルを活かして、給与アップを目指したい方は、生活相談員の仕事も視野に入れると良いでしょう。

3.日勤帯がメインなので生活リズムが整う

生活相談員は、日勤勤務がメインで夜勤を行わない場合が多いため、プライベートとの両立を図りやすいのが魅力です。「夜勤が体力的にきつい」と感じる介護職員の方は、生活相談員を目指してみるのも良いかもしれません。

4.ケアマネや管理職へキャリアアップできる可能性が上がる

生活相談員として働くと、介護保険制度に関する知識や、相談援助のスキルを習得できます。身につけた専門的な知識・スキルは、ケアマネジャーや管理職を目指す際に役立つでしょう。

生活相談員からケアマネジャーや管理職にキャリアアップすれば、業務範囲が広がるだけでなく、給与アップも可能です。生活相談員の仕事には、将来的に介護業界でステップアップを目指せるという魅力もあります

生活相談員に向いている人の特徴

生活相談員に向いている人の特徴をご紹介するので、「適性があるか知りたい」という方は確認してみてください。次に挙げるスキルのある人は、生活相談員に向いている可能性が高いでしょう。

  • 親身になって利用者さんやご家族の話を聞ける人
  • 責任感をもって業務に取り組める人
  • コミュニケーション能力の高い人
  • 客観的に物事を判断できる人
  • チームワークを大切にできる人

生活相談員に向いているのは、利用者さんやご家族、ケアマネジャー、介護職員などと信頼関係を築いて働ける人です。介護サービスの質を高めるために、相手の立場で物事を考えて多職種と連携できる人は、生活相談員として活躍できるでしょう。

生活相談員を目指す方によくある質問

ここでは、生活相談員を目指す方によくある質問に回答します。「生活相談員の仕事はきつい?」「生活相談員になるにはどうしたらいいの?」と気になっている方は参考にしてください。

生活相談員の仕事は大変ですか?

生活相談員は、やりがいがあると同時に、一定の大変さもある仕事です。たとえば、業務範囲が広いことや、仕事で関わる人が多いことにストレスを感じる可能性があるでしょう。詳しく知りたい方は、「生活相談員の仕事は大変?向いている人の特徴と辞めたいときの対処法を解説」をご覧ください。

生活相談員の資格要件は何ですか?

生活相談員として働くには、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかの資格が必要となる場合が多いようです。ただし、自治体によって生活相談員になるための要件は異なります。生活相談員の要件については、この記事の「生活相談員は資格なし・未経験でも目指せる?」で解説しています。

生活相談員が初めての場合、仕事探しはどうすれば良いですか?

「生活相談員として働きたいけど、職場の選び方が分からない」という方には、就職・転職エージェントの活用がおすすめです。介護業界に特化したエージェントなら、希望条件に合った生活相談員の求人を見つけられるでしょう。生活相談員として働きたい方は、「生活相談員の志望動機を書くポイント!例文や求められるスキルもご紹介」の記事も参照してください。

まとめ

生活相談員とは、介護施設で利用者さんの相談に乗り、スムーズに介護サービスを利用できるようサポートする職種のこと。主な仕事内容は、介護施設の利用に関する手続きや、関係者との連絡・調整です。

生活相談員の要件は自治体によって異なり、福祉系の国家資格や、介護に関する資格、介護・相談業務の実務経験などが必要となります。生活相談員の職場は、デイサービスや特別養護老人ホームといった介護施設です。

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執筆者

  • 元介護士ライター

グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。

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※この記事の掲載情報は2023年11月8日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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