特養(介護老人福祉施設)での生活相談員の仕事内容とは?必要な資格も解説

介護の仕事 2022年7月29日
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高齢者のカウンセリングを行う生活相談員のイメージ

介護に関わる職種の仕事内容は、介護施設の形態によって大きく異なります。そのため、生活相談員を目指している方の中には「特養で働く生活相談員の仕事内容を知りたい」という方も多いでしょう。この記事では、特別養護老人ホーム(特養)で働く生活相談員の仕事内容を詳しく解説。また、特養の生活相談員に必要な資格や求められるスキルも説明しています。生活相談員として働く職場をお探しの方は、転職活動に役立ててください。

目次

特養で働く生活相談員の仕事内容

特養の生活相談員は、利用者さまと施設を繋ぐ相談窓口のような役割を担っています。ここでは、特養で働く生活相談員の具体的な仕事内容を確認していきましょう。

1.利用者さまと家族からの相談に対応する

生活相談員の主な仕事内容の一つは、利用者さまやご家族の方から入所中の生活や介護保険などに関する相談を受け、対応することです。利用者さまやご家族から日常生活や介護などに関する要望があった際には、話を聞いたうえで施設の職員と共有・対応していきます。必要であれば、外部の関係機関に連絡をして連携をとることも。利用者さまやご家族の方と信頼関係を築くために、コミュニケーションスキルや傾聴スキルが必要とされます。

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2.施設への入所と退所の手続きをする

特養への入所や退所に伴う必要な手続きを行うのも、生活相談員の仕事です。介護保険制度などは、利用者さまやご家族にとって理解が難しいこともあるため、分かりやすく説明したり、必要書類を揃えたりするなどのサポートを行います。また、特養への入所を検討している方やご家族に施設見学の案内をするのも、生活相談員の仕事です。

3.関係各所への連絡をする

生活相談員は、医療機関や行政機関など外部の関係機関と連携をとり、利用者さまが適切な介護サービスを受けられるように情報の授受や調整を行います。たとえば、「利用者さまが医療機関への受診が必要と判断された場合に、医療機関やご家族へ連絡する」「退所する方が継続して適切な介護サービスを受けられるように、外部の事業所や関係機関へ繋げる」などです。さらに、ボランティアや実習生の受け入れの連絡や調整などを行うことも。多方面との連携が必要なため、報告・連絡・相談を正確にこなすスキルが求められます。

4.担当者会議へ参加する

特養の生活相談員は、利用者さまの今後のケアプランの共有や意見交換のためのサービス担当者会議に参加することもあります。サービス担当者会議とは、利用者さまとご家族、ケアマネージャー、主治医、施設側責任者が集まり、今後の介護方針や利用サービスなどの共有を行う場のことです。生活相談員は、基本的に普段の利用者さまの様子や今後のケアに関する意見などが求められます。現状を正しく、明確に伝えるためにも「普段から利用者さまの様子を観察すること」や「介護職員とコミュニケーションをとること」が大切です。

5.クレーム対応をする

生活相談員は、利用者さまやご家族からのクレーム対応を行うこともあります。受けたクレームを施設の職員と共有し、改善するように働きかけることも重要な仕事の一つです。また、利用者さま同士のトラブルも少なからずあるので、定期的に利用者さまの部屋を訪問して状況の確認やコミュニケーションをとることも大切です。

6.ケアプランに沿って介護サービスの調整をする

特養の生活相談員は、ケアマネージャーが作成したケアプランに沿ってケアが提供できるように、施設内や外部の関係機関との調整を行います。ケアプランとは、必要となる介護サービスの種類や頻度を定めた計画書のこと。ケアプランはケアマネージャーが作成し、生活相談員はそれぞれの介護サービスへと繋げる役割を担っています。多職種との連携が求められるため、正確に情報を伝えるスキルや柔軟なコミュニケーションスキルが必要です。

7.介護職を兼務することもある

生活相談員は原則専従ですが、利用者さま100人に対して生活相談員1人以上の配置となっているため、この人員配置基準が満たされていることを条件に介護職と相談業務を兼務することが可能になります。特に人手が足りない施設では、生活相談員が介護業務を行うことが多いでしょう。そのほか、利用者さまへの支援に支障がない範囲内であれば、機能訓練指導員や介護支援専門員(ケアマネージャー)が生活相談員を兼務することも可能としています。

厚生労働省「介護老人福祉施設の報酬・基準について(p5)」(2022/07/20)
厚生労働省「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について(p1)」(2022/07/20)

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特養における生活相談員の役割とは?

特養とは「特別養護老人ホーム」の略称で、要介護認定を受けており、自宅での介護が難しい方の日常生活・療養上の世話を行っています。

特養では、自分で判断して動くことが難しい利用者さまが多く、手続き関係などは生活相談員が主となってサポートをしています。また、利用者さまやご家族だけでは「本人にとって適切な介護サービスが分からない」「介護サービスが受けられる事業所が分からない」といったことから、適切なサポートが途切れてしまう可能性も。こうした状況が起こらないよう、特養において専門知識をもって、利用者さまやご家族を必要な介護サービスへ繋げる役割を担っている生活相談員は、重要な存在といえます。

生活相談員の配置基準

特養の生活相談員の配置基準は、「利用者さま100人に対して生活相談員1人以上」と定められています。下記は、特養で働く職種の人員配置基準です。

職種人員配置基準
医師利用者さまの健康管理や療養上の指導をするのに必要な人数
介護職員または看護職員利用者さま3人に対して1人以上
生活相談員利用者さま100人に対して1人以上
栄養士1人以上
機能訓練指導員1人以上
介護支援専門員(ケアマネージャー)利用者さま100人に対して1人以上

ユニット型介護老人福祉施設の場合は、昼間は「1ユニットごとに1人以上の介護職員もしくは看護職員」、夜間は「2ユニットごとに1人以上の介護職員もしくは看護職員」の配置が定められています。

厚生労働省「介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)(p2)」(2022/07/20)

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特別養護老人ホーム(特養)で働く職種は?それぞれの業務内容を詳しく解説

ケアマネージャーとの仕事内容の違いは?

ケアマネージャーと生活相談員の仕事内容は、「相談業務」として混同されがちですが、大きく異なります。ケアマネージャーは、主に利用者さま一人ひとりに合わせて介護サービスのケアプランを立案し、モニタリングを行う職種です。一方の生活相談員は利用者さまやご家族の悩みや希望、ケアマネージャーが作成したケアプランに沿って、必要な介護サービスや関係機関へと繋げる仕事をしています。生活相談員とケアマネの違いを詳しく知りたい方は「生活相談員とケアマネの違いとは?必要な資格・仕事内容などをご紹介!」の記事も参考にしてみてください。

特養で働く生活相談員の1日の流れ

ここでは、特養で働く生活相談員の1日の流れをご紹介します。施設の方針によって業務範囲はさまざまですが、大まかな流れを確認しておきましょう。

9:00 出勤し、利用者さまの情報共有を行う

10:00 入所希望者がいれば施設案内や面談をする

11:00 外部の事業所や行政など関係機関との連絡・調整を行う

12:00 休憩に入る

13:00 利用者さまやご家族との面談を行う

14:00 サービス担当者会議へ参加する

16:00 必要書類の作成や記録などを行う

18:00 退勤

介護職との兼務がなければ、生活相談員が夜勤に入ることは基本的にありません。また、シフトはある程度固定されているため、家庭の事情などで日勤のみで働きたい方にとっては、働きやすい職種といえます。

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特養の生活相談員になるのに必要な資格や条件

生活相談員は職種の名称であり、「生活相談員」という資格はありません。生活相談員の資格要件について、「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(第5条の2)」で以下のように定められています。

生活相談員は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

「生活相談員は、社会福祉法第19条第一項各号のいずれかに該当する者」とは下記を指します。

  • 厚生労働大臣が指定する科目を修了した者
  • 都道府県知事の指定する養成機関、もしくは講習会を修了した者
  • 社会福祉士
  • 厚生労働大臣が指定した社会福祉事業者試験に合格した者
  • 以上の条件と同等の能力を有すると厚生労働省令で定めている条件に当てはまる者

また、「厚生労働省令」とは、社会福祉法施行規則第1条の2において下記のように記載されています。

  • 精神保健福祉士
  • 厚生労働大臣が指定する社会福祉に関する科目を修了し、大学院への入学を認められた者

下記からは、生活相談員の要件として定められている主要な資格を解説します。

e-Govポータル「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準((第5条の2))」(2022/07/20)
e-Govポータル「社会福祉法(第19条)」(2022/07/20)
e-Govポータル「社会福祉法施行規則(第1条の2)」(2022/07/20)

精神保健福祉士

精神保健福祉士とは、精神に障害を持つ方の社会復帰や生活のサポートができるようになる国家資格で、「精神保健福祉国家試験」の合格が必要です。精神保健福祉士国家試験を受験するには、「保健福祉系の大学で指定科目を修了する」「相談援助の実務を積んだのちに、一般養成施設に通う」などの要件が定められています。さらに詳しい内容は、「精神保健福祉士」の記事を参考にしてみてください。

社会福祉士

社会福祉士とは、身体または精神に障害のある方や日常生活に支障のある方の支援ができるようになる国家資格です。社会福祉士になるには、「社会福祉士国家試験」の合格が求められます。社会福祉士国家試験で定められている受験要件は、「福祉系大学で指定科目を履修する」「相談実務経験を積んだのちに、一般養成施設に通う」など。詳しくは「社会福祉士」の記事をご覧ください。

社会福祉主事任用資格

「社会福祉主事」とは、自治体の福祉事務所で社会福祉に関する支援業務を行う役職を指し、「社会福祉主事任用資格」は、その社会福祉主事として任用されるために必要な資格を指します。社会福祉主事任用資格は受験をして得る資格ではありません。「大学などで指定された科目を履修する」「自治体の講習会を受講する」などの条件を満たすことで、「社会福祉主事任用資格」が得られます

各都道府県が認めている実務経験や資格

上記でも少し述べましたが、国が定める資格以外にも「同等の能力」として、生活相談員の要件を都道府県が独自に認めている場合があります。たとえば、「介護福祉士としての実務経験が1年以上あること」や「介護支援専門員(ケアマネージャー)であること」などです。生活相談員に転職する際には、志望施設がある都道府県のホームページで生活相談員の要件を確認しておきましょう

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特養で働く生活相談員の給与

厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、生活相談員・支援相談員の平均給与(賞与・手当などを含む)は、常勤が338,370円で非常勤が290,820円とあります。また、介護職員全体の平均給与は、常勤で316,610円、非常勤は 198,520円です。施設形態や夜勤の有無によって給料は異なりますが、生活相談員の平均給与は介護職員より高いことが分かります。

生活相談員になるには、国や自治体で定められた要件をクリアしたうえで、専門的な知識や経験が求められるため、給料を高く設定している介護施設が多いようです。

厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(第79表)」(2022/07/20)

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特養の生活相談員のやりがいとメリット

生活相談員のやりがいやメリットとして、「スキルアップできること」や「ケアマネージャーの受験資格が得られる」などが挙げられます。ここでは、特養の生活相談員ならではの仕事のやりがいについて紹介。生活相談員への転職を迷っている方は参考にしてみてください。

スキルアップできる

生活相談員は、利用者さまや家族からの相談を受け、多方面と連携をとりながら調整や対応をします。また、利用者さまとご家族が抱える不安や悩み、クレームなど多くの情報を収集し、対処しなければならない場面も。そのため、スケジュール管理能力やコミュニケーションスキル、臨機応変に対応するスキルが身に付けられるでしょう。介護業務で得た介護スキルのほかに、さらにスキルアップを目指したいという方には、やりがいのある職種だといえます。

ケアマネージャーの受験資格が得られる

基本的に生活相談員として5年以上かつ900日の実務経験があれば、介護福祉士などの国家資格がなくても、介護支援専門員国家試験の受験資格が得られます。ただ、各自治体で受験資格となる介護施設が定められているので、自分が該当する自治体のホームページなどでの確認は必要です。ケアマネージャーの仕事にも興味のある方は「ケアマネージャーの資格の取り方は?合格までの流れを解説!」の記事も参考にしてみてください。

利用者さまやご家族から感謝の言葉がもらえる

生活相談員のやりがいとして、「利用者さまやご家族から感謝の言葉がもらえること」を挙げる方は多くいます。特養は終の棲家として利用する方が多く、終末期ケアや看取りがあるなど、特養ならではの大変さもあります。ただ、特養は老健と比べて、長期入所する利用者さまが大半です。慣れ親しんだ関係を築けるといった面でも、大きなやりがいを感じられる職種といえるでしょう

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特養の生活相談員に関するよくある質問

ここでは、特養の生活相談員に関する質問をご紹介します。

特養は無資格や未経験でも働けるの?

生活相談員になるには、精神保健福祉士・社会福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかの資格を取得するか、都道府県が定める資格や実務経験などの要件を満たす必要があります。また、生活相談員は介護保険の制度に関する知識も求められるため、無資格や未経験からの転職は難しいかもしれません。生活相談員の資格要件に関しては「生活相談員の資格要件は?無資格や介護福祉士でもなれる?」の記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。

生活相談員が活躍できる特養以外の職場は?

生活相談員は特養以外にも、デイサービスや介護付き有料老人ホームなどの施設で活躍しています。介護施設の種類については「【介護施設の種類】自分に合う職場を見つけよう!」の記事で分かりやすく解説しているので参考にしてみてください。また、老健で働く相談員は「支援相談員」と呼ばれています。支援相談員に関しては「老健の支援相談員ってどんな職種?仕事内容と目指す方法とは」の記事をご覧ください。

まとめ

特養の生活相談員の主な仕事内容は、利用者さまが適切な介護サービスを受けられるように、ほかの職種や外部の事業所、関係機関に連絡・調整を行うことです。また、利用者さまやご家族からの相談対応なども生活相談員が行います。さらに、介護施設によっては介護職と兼務することも。特養の生活相談員の仕事内容は多岐に渡ります。そのため、同じ特養でも施設の規模や方針によって生活相談員の仕事内容は異なるので、十分に業務内容を調べないまま転職してしまうと、「思っていた仕事と違う」といったミスマッチを感じてしまうかもしれません。

とはいえ、求人票だけで生活相談員の業務内容を把握するのは難しいでしょう。「生活相談員としてスキルが積める職場へ転職したい」という方は、介護業界専門の転職情報を提供する「きらケア介護求人」がおすすめです。介護業界に特化した就職・転職エージェントのきらケアでは、ご希望をヒアリングしたうえで、希望やスキルに合った生活相談員の求人をご紹介します。「自分が持っている資格や実務経験で、生活相談員になれるか分からない」という方でも、きらケアに相談することで求人が見つかるかもしれません。さらに、きらケアではスタッフが求人先に直接訪問して情報を収集しているので、応募前に施設の詳しい情報を含めた求人のご提案も可能です。仕事内容や職場の雰囲気を十分に知ってから勤務先を選びたい方は、ぜひきらケアにご相談ください。

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