
この記事のまとめ
- 有料老人ホームで働くメリットは、「福利厚生が充実している」など
- 有料老人ホームで働くデメリットは、「高い接遇スキルが必要となる」など
- 有料老人ホームで働く介護職員の主な仕事内容は、見守りや生活援助
「有料老人ホームで働くメリットは?」と気になる方もいるのではないでしょうか。有料老人ホームは、福利厚生が充実している傾向があったり、幅広い介護経験を積めたりするなど、多くのメリットがあります。この記事では、有料老人ホームで働くメリット・デメリットを解説。施設の種類や仕事内容、1日のスケジュール例もまとめました。介護職員の給料もご紹介するので、介護業界で仕事を探している方は参考にしてみてください。
有料老人ホームとは?入居対象者やほかの施設との違い、介護職の仕事を解説目次
有料老人ホームで働くメリット
有料老人ホームで働くメリットはどのようなものがあるか、気になる方もいるでしょう。ここでは、有料老人ホームで働くメリットをご紹介します。
職員の福利厚生が充実している・待遇が良い
有料老人ホームは、福利厚生が整っている施設が多い傾向にあります。有料老人ホームは営利法人が多く運営しており、大手企業では給与体系や、資格取得支援といったサポート体制が充実していることも少なくありません。介護職員として働きながら必要な資格を取得できるなど、スキルアップを目指しやすいのは、有料老人ホームで働くメリットです。
特養や老健に比べて入居者さまの要介護度が低い
有料老人ホームの入居者さまの要介護度は、比較的低い傾向にあります。厚生労働省の「介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(p.16)」によると、有料老人ホーム(介護付き有料老人ホームなど)の平均要介護度は2.70、介護老人福祉施設は3.92、介護老人保健施設は3.17です。有料老人ホームと同じ施設形態である入居型の特養や老健と比べて、入居者さまの要介護度が低いことが分かります。
特に、健康型や住宅型の有料老人ホームは自立した方や介護度が低い方が多く、主に見守りや生活援助といった業務が中心です。そのため、介助による身体的負担に不安がある人にとって魅力的な職場といえるでしょう。
出典
厚生労働省「第260回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年7月21日)
幅広い介護経験を積める
有料老人ホームは、自立した方や要支援・要介護の方など、さまざまな入居者さまに対応するため、幅広い介護経験を積むことが可能です。介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームのなかには、自立した方から要介護の方まで幅広く対応している場合があり、介護職としてひととおりのスキルを身につけられるでしょう。施設によるものの、軽介助や全介助など、異なる介護ケアを実践できるのは、有料老人ホームで働くメリットといえます。
人員配置が手厚い場合がある
有料老人ホームのなかには、入居者さまに手厚いサービスを提供するため、人員基準よりも多く職員を配置している場合があります。人員配置にゆとりがあると、1人に業務が集中し過ぎないので、働きやすいでしょう。また、一人ひとりの入居者さまに質の高いサービスを提供しやすくなります。入居者さまに寄り添った介護を実践することで、やりがいや充実感を得ながら働くことが可能です。
接遇スキルが身につく
接遇スキルが身につくのも、有料老人ホームで働くメリットの一つです。サービスの拡充を目的に館内をおしゃれな造りのデザインにし、ホテルのような接遇で入居者さまをおもてなしする有料老人ホームもあります。そのような有料老人ホームで働くことで、丁寧な接遇スキルを習得できるでしょう。
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有料老人ホームで働くデメリット
有料老人ホームに就職・転職を考えている方にとっては、有料老人ホームで働くデメリットも気になるところではないでしょうか。下記では、有料老人ホームで働くデメリットをご紹介します。
施設の種類ごとに異なる大変さがある
有料老人ホームは、施設の種類や方針によって入居者さまの特徴や提供するサービスが異なるため、施設ごとに違った大変さがあります。
全介助が必要な入居者さまがいる施設では、介助による身体的負担がきついと感じる可能性があるでしょう。認知症を患う方が多い施設では、認知症の症状への適切な対応に苦慮するという声も少なくありません。レクリエーションが活発な施設では、入居者さまを楽しませる企画づくりに頭を悩ませる方もいるようです。
有料老人ホームで働く場合は、どのような業務に携わりたいか、自分の希望に合う施設かどうかを事前に見極めるようにしましょう。
介護スキルを身につけにくい場合がある
身体介護を行わなかったり、行う機会が少なかったりする施設では、介護スキルを身につけにくいでしょう。住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームは、基本的に介護サービスを提供せず、生活サポートがメインです。そのため、介護技術を学びたい方にとっては物足りないと感じる可能性があります。
また、施設によっては、介護福祉士国家試験の受験条件の一つである実務経験の対象にならない場合があるので、介護福祉士の資格取得を実務経験ルートで目指す人は注意しましょう。
レベルの高い接遇を求められる可能性がある
民間企業が運営する有料老人ホームでは、介護スキルだけではなく、接客マナーや丁寧な対応といった接遇スキルも重視されます。言葉遣いや身だしなみ、立ち居振る舞いにも気を配る必要があるため、要求されるレベルが高い場合は大変だと感じるかもしれません。
有料老人ホームとは
厚生労働省の「有料老人ホームの現状と課題について(p.5)」によると、有料老人ホームとは、「食事の提供」「介護の提供」「家事の供与」「健康管理」のうち複数またはいずれかのサービスを提供している介護施設です。入居者さまは、施設に入居して24時間体制で職員の支援を受けながら生活をします。
有料老人ホームの施設の特徴
有料老人ホームは、主に民間企業・団体が運営する介護施設です。施設の規模や方針によって、提供している介護サービスや設備、働くメリットはそれぞれ違います。また、ほかの介護施設と差別化するために、入居者さまに対して手厚い介護サービスを提供している施設が多く見られるのが特徴です。
有料老人ホームの種類
有料老人ホームは、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類です。入居者さまの介護度や、受けたい介護サービスによって入居できる有料老人ホームの種類が異なります。それに伴い、介護職員の仕事内容やメリットもそれぞれです。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、規定の人員配置や設備、運営上の基準を満たし、さらに都道府県知事から「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けている施設です。主に介護を必要とする方が入居します。看護師や技能訓練指導員が常駐している施設もあり、介護スキルを磨きたい方に向いている施設です。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立した方から要介護の方まで利用できる施設です。主に食事や洗濯、掃除など生活援助のサービスを提供します。また、レクリエーションやイベントに力を入れている施設も多いでしょう。
介護が必要な入居者さまは、必要に応じて外部の介護サービスを利用するのが基本です。要支援や要介護の方が同じ施設に暮らす場合、入居者さまそれぞれの状態に応じた介護ケアが必要となるため、幅広い介護経験を積みたい方に適しているといえます。
住宅型有料老人ホームの仕事内容が気になる方は、「住宅型有料老人ホームの介護職員の仕事内容とは?活躍する職種や1日の流れ」の記事で解説しているので、ぜひご一読ください。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立して生活する方が入居できる介護施設です。住宅型有料老人ホームと同様に生活援助が基本で、介護サービスは提供しません。レクリエーションやイベントを充実させており、レストランへの外食や工場見学など、外出を伴うレクリエーションを企画することもあります。
施設によっては、温泉やスポーツジムが併設されているところも。高級志向の施設では、入居者さまに手厚いサービスを提供するため、接遇スキルを身につけられるでしょう。
出典
厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第6回)の資料について」(2026年7月21日)
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有料老人ホームで働く介護職員の仕事内容
有料老人ホームの仕事内容は、施設の種類や方針によって多種多様です。ここでは、有料老人ホームで働く介護職員の主な仕事内容をご紹介します。
見守り・生活相談
有料老人ホームの職員の仕事内容は、入居者さまの安全・安心を見守るのが基本です。入居者さまの居室を訪問して日常の様子を観察したり、体調不良がないかチェックしたりします。また、入居者さまやご家族の方からの相談に応じることも。日常生活上の悩みごとや困りごと、不安などを聞き取り、必要に応じて生活相談員やケアマネジャーと連携し、問題解決を図ることもあるでしょう。
生活援助
有料老人ホームでは、食事の提供や掃除、洗濯、買い物代行など、入居者さまの日常生活上のサポートをします。健康管理やフロントサービス(郵便物の取次ぎや来訪者の対応)など、提供する生活援助のサービス内容は施設によって異なるため、必要となる業務が何か事前に確認しておくと良いでしょう。
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レクリエーションの企画・実施
有料老人ホームによっては、レクリエーションを企画・実施する場合があります。体操やゲーム、季節のイベントなどを通じて、入居者さまの身体機能の維持や認知症予防につながるほか、コミュニケーションを楽しむ交流の場にもなります。特に健康型有料老人ホームや住宅型有料老人ホームといった介護度の低い施設では、レクリエーションを活発に行っているでしょう。
身体介護
介護付き有料老人ホームでは、食事や入浴、排泄などの介助、寝たきりの方の清拭といった身体介護を、施設に在籍する介護職員が行います。要介護1~5まで幅広く対応する場合があるため、入居者さまの状態に合わせた対応が必要です。
夜間業務
夜勤帯の業務では、コール対応や見守り、定期的な巡回による安全確認などを行います。有料老人ホームは入居型の施設のため、職員による24時間・365日体制での見守りが必要です。そのため、日勤と夜勤があり、職員はシフトに沿って勤務します。
有料老人ホームの夜勤については、「有料老人ホームの夜勤の実態は?仕事内容や大変なこと、メリットを解説」の記事も参考にしてみてください。
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有料老人ホームで働く介護職員の1日の流れ
ここでは、有料老人ホームで働いている様子をイメージできるように、具体的な1日の流れについて例を挙げてご紹介します。
日勤のスケジュール例
以下は、介護付き有料老人ホームで働く介護職員の日勤のスケジュール例です。
有料老人ホームの日勤の例
08:30
出勤、夜勤からの申し送り
09:40
入浴の見守り(介助が必要な入居者さまに入浴介助を実施)
11:30
昼食の準備・配膳、配薬管理
12:00
昼食の見守り(必要に応じて食事介助や口腔ケアを実施)
13:00
休憩
14:00
レクリエーション活動(レクリエーションの実施や見守り)
15:00
入居者さまのおやつタイム(お饅頭やケーキなどのスイーツ提供)
16:00
コミュニケーションタイム(入居者さまとおしゃべりをして交流)
17:00
夕食の準備・配膳
17:30
夕食の見守り(必要に応じて食事介助や口腔ケアを実施)
17:45
夜勤へ引き継ぎ(夜勤スタッフへ申し送りをして情報共有)
18:00
業務終了(退勤)
日勤帯は、入居者さまの活動時間のため、身体介護や生活援助、レクリエーションの提供など、業務内容が多様です。
夜勤のスケジュール例
介護付き有料老人ホームで働く介護職員の夜勤の流れは、以下のとおりです。
有料老人ホームの夜勤の例
17:30
業務開始(出勤)
17:45
日勤から申し送り、巡回(入居者さまと交流しつつ健康状態を確認)
18:00
夕食の片づけ・摂取量の確認(お膳を下げるときに食事量もチェック)
20:00
見守りと安否確認(消灯後に巡回を定期的に実施)
22:00
入居者さまからのコールに随時対応、トイレ介助やオムツ交換の実施
00:00
交代で休憩・仮眠
05:00
起床準備
06:00
起床介助(起床の声掛けや排泄介助、更衣介助)
07:30
朝食の準備・配膳(必要に応じて看護師の指示に従って配薬)
08:00
朝食の見守り(介助が必要な入居者さまに食事介助や口腔ケアを実施)
08:30
朝礼、引き継ぎ(日勤スタッフへ申し送りをして情報共有)
09:00
業務終了(退勤)
夜勤では、見守り・巡回や排泄介助、コール対応が主な業務です。
なお、上記はあくまで一例のため、実際の業務の流れや内容は異なる点にご留意ください。
有料老人ホームで働く介護職員の給料は高い?
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」によると、特定施設入居者生活介護事業所(介護付き有料老人ホームなど)で働く月給制・常勤の介護職の平均給与(月収)は36万1,000円です。
以下のグラフに、介護職員の施設形態別の平均給与をまとめました(十の位以下切り捨て)。

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」
介護職全体の平均給与が33万8,200円と、有料老人ホームで働く介護職員の給与は約2万円以上高くなっています。また、有料老人ホームの給与は、特別養護老人ホームに次ぐ2番目の高さです。
有料老人ホームを運営している企業や規模、提供している介護サービスなどによって給料は異なりますが、介護施設のなかでも有料老人ホームの給料は高い傾向にあるといえるでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年7月21日)
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有料老人ホームとほかの介護施設の仕事内容の違い
有料老人ホームと同じ入居型の介護施設として、介護老人福祉施設と介護老人保健施設が挙げられます。各施設のメリットや特徴をしっかり把握して、志望施設を決めることが大切です。
ここでは、各施設の特徴や違いをご説明します。
介護老人福祉施設(特養)
特養と有料老人ホームの違いは、運営元や施設の特徴、入居者さまの要介護度など、さまざまです。
前述のとおり、有料老人ホームは主に民間企業が運営していますが、特養は主に国や自治体が運営しています。入居対象者は、主に認知症や要介護3以上といった介護度の高い方です。高度な医療行為が必要になった場合を除き、終身にわたって入居することが可能です。身体介護の機会が多いので、高度な介護のスキルが積めるというメリットがあります。
一方、有料老人ホームの場合、要支援から要介護の方まで幅広く入居しているため、要支援・要介護の方両方の介助を学ぶことが可能です。また、要介護3以上の方ばかりではないので、特養よりは身体的負担が低いでしょう。
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介護老人保健施設(老健)
特養と同じく、老健と有料老人ホームの違いは、運営元や施設の特徴、入居者さまの要介護度などさまざまあります。
老健は、主に社会福祉法人が運営する公的な施設です。老健では、主に自宅復帰を目的とした介護やリハビリなどを提供しています。入居期間は3ヶ月~6ヶ月と短期間なのが特徴。基本的に、自宅で生活できると判断されれば退去となります。
老健には機能訓練指導員が配置されているため、介護職にとってリハビリの観点から介護ができる点がメリットになることも。また、老健で働く介護職員は、入居者さまが回復してご自宅に戻られる姿を見るのがやりがいだと感じる方が多いようです。
一方の有料老人ホームは、長期的な生活支援を行う施設です。入居者さまとの関係性をじっくり築けるので、長期的なサポートや見守りを実践したいという方は有料老人ホームが向いているでしょう。また、自立度の高い方が多い有料老人ホームを選べば身体的な負担を抑えて働けます。
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有料老人ホームについてよくある質問
ここでは、有料老人ホームに関するよくある質問に回答します。有料老人ホームに興味がある方は、ぜひご覧ください。
有料老人ホームで働くやりがいは?
有料老人ホームで働くやりがいには、「入居者さまを長期的にサポートできる」「接遇スキルを磨ける」などがあります。有料老人ホームのなかには人員配置を手厚くしている場合があり、入居者さま一人ひとりのケアをしっかり行うことが可能です。ほかにも、資格取得支援制度が充実していることが多いため、資格を取得して仕事に活かせることにやりがいを感じる人もいます。
詳しくは「有料老人ホームで働くメリット」で解説しているので、ぜひご一読ください。
有料老人ホームと特養は何が違うの?
有料老人ホームと特養は、運営元や入居者さまの要介護度など、さまざまな相違点があります。特養は地方公共団体や社会福祉法人が運営する施設、有料老人ホームは民間企業や社会福祉法人などが運営する施設です。また、有料老人ホームは、自立した方から要介護の方まで幅広い高齢者の方が利用できますが、老健は主に要介護3以上の方を対象としています。
有料老人ホームと特養の違いを「有料老人ホームとほかの介護施設の仕事内容の違い」の見出しで解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
まとめ
有料老人ホームで働くメリットは、職員の福利厚生・待遇が充実していることや、幅広い介護経験を積めること、接遇スキルが身につくなどさまざまです。また、有料老人ホームには「介護型」「住宅型」「健康型」といった複数の種類があり、施設によって苦労することや大変なことも異なるでしょう。有料老人ホームで働く際は、自分の希望の業務や働き方などを踏まえて職場を探すことが大切です。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


