有料老人ホームと特養、働くならどっちが良い?仕事内容や施設の特徴を解説

介護の仕事 2024年2月27日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「有料老人ホームと特養」働くならどっち?の画像

この記事のまとめ

「有料老人ホームと特養、働くならどっちが良いの?」と悩む方は多いかもしれません。有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)では、それぞれ特徴が異なるので、自分に合った職場を選ぶことが大切です。この記事では、有料老人ホームと特養の特徴を解説します。また、それぞれの施設の仕事内容や福利厚生、給与についてもまとめました。「有料老人ホームと特養の働き方が知りたい」という方は参考にしてください。

「きらケア」は「レバウェル介護」にサービス名を変更しました

「きらケア」は転職だけではなく、介護職の方が働く中での悩みに幅広く寄り添えるサービスになるために「レバウェル介護」として新しく生まれ変わりました。

サービスはこれまでと変わらずすべて無料で簡単にご利用いただけます。一人ひとりに寄り添った転職サポートをこれからも提供していきます。

目次

「有料老人ホームと特養」働くならどっちが良い?

働くなら有料老人ホームと特養のどちらが良いかは、職場や仕事に求める条件によって変わります。有料老人ホームは、身体的な負担を減らして働きたい方や福利厚生を重視したい方におすすめ。一方、経営の安定やスキルアップを重視したい場合は、特養がマッチしやすい傾向にあるでしょう。

ただし、同じ施設形態であっても運営元によって待遇面の条件は異なります。応募する前に求人内容をよく確認しましょう。

▼関連記事
有料老人ホームとは?受けられる介護の種類やかかる費用を比較
特別養護老人ホーム(特養)とは?分かりやすく施設や入居者の特徴を解説!

今の職場に満足していますか?

無料で求人を見てみる

有料老人ホームと特養の違いとは?

有料老人ホームと特養の違いを解説します。それぞれの特徴を知ることで自分がどちらの施設で働くのに向いているか考えてみましょう。

有料老人ホームと特養は運営元が異なる

有料老人ホームの運営主体の多くは民間企業です。これに対して特養は、社会福祉法人や地方自治体といった公的機関が運営しています。
有料老人ホームはほかの施設との差別化を図り入居者を集めるため、介護サービスが充実した施設が多く、その分入居費用を高く設定している傾向があるでしょう。一方で特養は、特色のあるサービスや豪華さなどにはこだわらず、堅実な運営をしている施設が多いようです。

以下で詳しく説明しますので、興味のある方はご覧ください。

有料老人ホームの特徴とは?

有料老人ホームの特徴は、住環境にこだわった施設が多いことや、従業員が働きやすいことです。

住環境や入居者さんのプライバシーに配慮している

民間企業が運営主体である有料老人ホームは、入居者を集めるためのアピールが必要です。豪華さを売りにしたり、プライバシーに配慮した空間設計を行ったりするなど、住環境にこだわった施設が多い傾向があります。

介護職員の福利厚生やキャリア制度が充実している

有料老人ホームの入居費用は、ほかの入居型の施設に比べて高い傾向があります。その分、質の高い介護サービスを提供するために、介護職員の教育体制や資格取得支援などを整備していることが多いようです。

また、大手企業が運営している有料老人ホームでは、キャリアパスが明確な場合も。新規施設を立ち上げることが多ければ、施設長にキャリアアップできる確率が上がるでしょう。そのほか、法人本部で採用や管理業務に携わるチャンスもあるといえます。

入居定員を抑えた小規模な施設が多い

入居者さんへのサービスを充実させるために、定員を抑えている有料老人ホームは多くあります。定員が少ない施設では、一人ひとりの入居者さんに深く関わりながら、寄り添ったケアを行いやすいでしょう。

入居者さんの介護度が低い傾向にある

有料老人ホームの入居者さんの介護度は、特養よりも低い傾向にあります。そのため、介護職員の身体的な負担は比較的軽いでしょう。

▶有料老人ホームの求人一覧ページはこちら

特別養護老人ホーム(特養)の特徴とは?

ここでは、特養の特徴を紹介するので、有料老人ホームと比較してみてください。

有料老人ホームに比べて入居費用が安い

特養は、公的機関である社会福祉法人や地方自治体が運営しているため、入居費用が安く抑えられている場合が多いといえます。金銭面の負担が気になる方も入居しやすい施設です。

介護度が高い方が入居するためスキルが身につく

特養に入居するためには、要介護度状態の区分といった条件があり、誰でも入居できるわけではありません。入居するためには、以下3つのいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 65歳以上で要介護3~要介護5の方
  • 40歳~64歳で特定疾患があり要介護3~要介護5の方
  • 特例により入居が認められた要介護1、要介護2の方

特養には介護度の高い方が入居するので、働くことで高度な介護技術を身につけられます。そのため、スキルアップを目指す方におすすめの職場です。

経営が安定している

先述したように、特養は公的な機関が運営しています。経営が安定していて長く働けるのが、特養の魅力です。

入居者さんと長期的な関係を築ける

特養の入居者さんの入居期間は平均3.5年といわれています。基本的に終身で入居するため、一人ひとりの入居者さんと長く付き合えるのが特徴です。

費用が安いため、入居待機している方が多い

厚生労働省の「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」から計算すると、2022年時点で特養の入居待機者数は27.5万人でした。特養は稼働率が高く、空床ができたらすぐに新しい方が入居するようです。

入居者さんの看取り対応がある

多くの特養では看取り対応を行っています。そのため、特養で働くと、入居者さんが最後まで自分らしく過ごせるように看取り介護を行う経験が積めるでしょう。看取り介護について知りたい方は、「介護施設での看取り介護の知識と不安の解消法」をご覧ください。

特養には従来型とユニット型の2つのタイプがある

特養には、従来型とユニット型の2つのタイプがあります。以下でそれぞれの特徴を確認しましょう。

【従来型の特養の特徴】

従来型は、1部屋に4人程度が居住する多床室です。複数の介護職員で大勢の入居者さんの介護を担当し、夜勤も複数の介護職員で対応します。ほかの職員と協力しながら業務を進められるので、介護初心者もフォローしてもらいながら働ける環境です。

【ユニット型の特養の特徴】

ユニット型特養は、入居者さんのプライバシーに配慮するため、2002年に制度化。10部屋ほどの個室で1つのユニットを構成する施設です。関わる入居者さんの人数が従来型よりも少ないので、一人ひとりに合わせたケアを行いやすいという特徴があります。

▶特別養護老人ホーム(特養)の求人一覧ページはこちら

有料老人ホームで働く職員の仕事内容は?

有料老人ホームの勤務形態は、基本的に日勤と夜勤のシフト制となります。具体的な業務内容は以下のとおりです。

入居者さんの介護業務

有料老人ホームの仕事の中心は介護業務です。介護職員は、食事や入浴、排泄、移動などの介助を行います。また、部屋の掃除や洗濯といった家事も担当。業務は多岐にわたります。

レクリエーション活動の企画・実施

多くの有料老人ホームでは、レクリエーション活動に力を入れています。たとえば、運動やダンスなど体を動かすものをはじめ、陶芸、絵画といった手先を動かすものなど、施設によってさまざまなレクリエーション活動を実施しているようです。

健康維持や機能回復のための訓練

入居者さんの健康維持や機能回復を目的として、リハビリ訓練を提供している有料老人ホームもあります。

入居者さんのご家族への連絡

ご家族に入居者さんの最近の様子を連絡して適度なコミュニケーションを取ることも、有料老人ホームの介護職員の仕事です。

▼関連記事
有料老人ホームに向いている人は?施設の種類もあわせて解説!

特別養護老人ホーム(特養)で働く職員の仕事内容は?

特養の介護職員も、日勤と夜勤の勤務形態で働きます。ここでは、特養で働く介護職員の仕事内容を解説します。

入居者さんの介護業務

特養も有料老人ホームと同じく、介護業務が仕事の中心です。食事や入浴、排泄の介助といった身体介護から、家事を行う生活援助まで、幅広い介護業務があります。
特養は入居者さんの介護度が高いため、入浴介助や排泄介助など身体介護を行うことが多いでしょう。寝たきりの入居者さんの入浴介助を行う際は、寝たままの姿勢で入浴できる機器を使うこともあるようです。

健康維持のためのサポート

特養では、入居者さんの健康の維持・回復を図るための取り組みを行っています。介護職員は、毎日入居者さんのバイタルチェックをして、体温や血圧を記録。健康状態に変化がみられたら、主治医に連絡を行います。

ご家族への近況報告

ご家族に入居者さんの体調や日中の過ごし方などを伝えるのも、介護職員の業務です。入居者さんの生活が安定していると分かれば、ご家族も安心できるでしょう。
▼関連記事
特養に向いている人の特徴はある?働きやすい介護施設を探すポイント
特養の仕事内容は?施設の特徴や一日のスケジュール、夜勤業務も解説

有料老人ホームと特養は給与面で違いがある?

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)」によると、有料老人ホームと特養で働く介護職員(月給・常勤)の平均給与は以下のとおりです。

施設形態平均給与
介護職員全体317,540円
有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護事業所)313,920円
特養(介護老人福祉施設)348,040円

参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)

有料老人ホームの給与は、介護職員全体の平均に近いという結果でした。一方で特養は、介護施設の中で最も平均給与が高いという結果です。特養の給与が高い理由は、介護度の高い入居者さんが多く、介護職員の専門性や体力が求められるためと考えられます。
ただし、給与は施設や会社によって変わるので、あくまで参考として捉えておきましょう。「給料の高い有料老人ホームに転職したい」という方は、介護専門の転職エージェント「レバウェル介護(旧 きらケア)」に相談してください。

有料老人ホームや特養に関するよくある質問

ここでは、有料老人ホームや特養に関するよくある質問に回答します。「有料老人ホームで働けるかな?」「有料老人ホームと特養、どっちの仕事が楽なの?」と気になる方は参考にしてみてください。

有料老人ホームの仕事ってきついの?

有料老人ホームの仕事内容は、食事介助や入浴介助、排泄介助、レクリエーションの実施、リハビリのサポートなどです。身体介護では、自分より体格の大きな入居者さんを支えることもあり、体力的にきついと感じる人もいます。ほかにも、汚物の処理をすることに抵抗を感じる人もいるようです。有料老人ホームの仕事内容は、「有料老人ホームの仕事内容とは?介護職員の給料や働くメリットを解説」で解説しているので、ぜひご一読ください。

有料老人ホームで働くメリットとは?  

有料老人ホームで働くメリットは、丁寧な接遇を行うスキルが身につくことや、入居者さんに向き合った手厚い介護ができることです。有料老人ホームの中には、入居者さんを「お客さま」として接しているところもあります。また、資格取得支援制度のある職場が多く、働きながらスキルアップを目指せる環境です。有料老人ホームで働くメリットは、「有料老人ホームで働くメリットとは?介護職の仕事内容も解説!」で詳しく説明しているので、興味のある方はチェックしてみてください。

特養で働くメリットとは?

特養で働くメリットは、専門性の高い介護経験を積めることです。特養は、入居者さんの介護度が高く、日々のケアを通して介護の知識やスキルを身につけられるので、キャリアアップにも役立てられるでしょう。また、公的な機関が運営しているため、安定して長く働けるのも特徴です。特養で働くメリットを知りたい方は、「特養で働くメリットとは?活躍する職種や平均給与額についても解説」をご覧ください。

仕事が楽な介護施設はあるの?

仕事が大変だと感じるのは、自分に合っていないからかもしれません。仕事には向き不向きがあるので、全員が楽だと思うものはないでしょう。自分に合っていない仕事では、ストレスを感じやすく、大変だと思うようになります。自分に合った仕事を見つけるためには、自己分析と企業研究が必要です。「介護職の職場の選び方とは?失敗しない方法や各施設の特徴を解説」の記事で職場選びのポイントを解説しているので、参考にしてみてください。

まとめ

有料老人ホームは民間が運営する施設のため、豪華さやプライバシーに配慮した空間設計など住環境にこだわりがあり、従業員の待遇面でも充実していることが多いでしょう。一方で特養は、公的な社会福祉法人や地方自治体などが運営しているため、入居費用が安く抑えられています。ただしその反面、多くの入居者さんを受け入れているため、介護職員の業務が多くなる傾向にあるようです。それぞれの施設で働くイメージを掴み、自分に向いていると感じる職場を選択しましょう。

今の職場に満足していますか?

無料で求人を見てみる

執筆者

  • 元介護士ライター

グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。

関連記事

関連ジャンル: 介護の仕事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「きらケア」は「レバウェル介護」にサービス名を変更しました

「きらケア」は転職だけではなく、介護職の方が働く中での悩みに幅広く寄り添えるサービスになるために「レバウェル介護」として新しく生まれ変わりました。

サービスはこれまでと変わらずすべて無料で簡単にご利用いただけます。一人ひとりに寄り添った転職サポートをこれからも提供していきます。

※この記事の掲載情報は2024年2月27日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

「介護の仕事」の人気記事一覧

「総合」の人気記事一覧