特養の仕事はきつい?介護職が転職前に確認したい大変さとメリットを解説

介護の仕事 2025年12月2日
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この記事のまとめ

「特養の仕事ってきついの?」と不安で、就職や転職をためらっている方もいるかもしれません。特養で働くと、心身の負担などをきついと感じる場合があるようです。特養の仕事には大変な面がある分、やりがいや魅力も多くあります。この記事では、特養の仕事がきついと感じる理由と働くメリットを解説。特養の仕事に向いている人の特徴にも触れているので、「自分に合っているか気になる」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

特養(特別養護老人ホーム)とはどんな施設?

特養(特養老人ホーム)とは、主に要介護3~5の認定を受けた65歳以上の方が生活している介護施設です。特定疾病により要介護3以上の認定を受けた40歳以上の方も利用できます。特養の正式名称は「介護老人福祉施設」です。

特養は看取りまで対応しているため、施設での生活を続けることが難しい場合を除き、終の棲家として利用できます。従来型と小規模なユニット型の2種類の特養があり、利用者さん一人ひとりと密な関係を築きやすいユニット型の施設が増加傾向にあるようです。

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特養に勤務する介護職員の仕事内容

特養に勤務する介護職員の仕事内容を以下にまとめました。

  • 食事介助や入浴介助、排泄介助などの身体介護
  • 掃除や洗濯、買い物などの生活援助
  • 健康管理
  • レクリエーションの企画や実施
  • 利用者さんのご家族への近況報告
  • 利用者さんの機能訓練のサポート
  • 看取りケア

特養は利用者さんが入居して生活する施設なので、夜勤帯含めて24時間体制で生活を支援するのが介護職員の仕事です。利用者さんが穏やかに自分らしく生活できるよう、幅広いサポートを行います。

特養は、要介護度が高い利用者さんが多いため、業務に占める身体介護の割合が高いようです。1日のスケジュールはおおむね決められているので、時間内にケアが終わるように仕事を進める必要があります。

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特養の仕事がきついと感じる理由

特養の仕事がきついと感じる理由には、体力的な負担が大きいことや業務量が多いこと、ほかのスタッフと介護観が合わないことなどがあるようです。特養の仕事がきついと感じる理由を以下で解説するので、ぜひチェックしてみてください。

要介護度の高い利用者さんが多く体力的な負担が大きい

特養は要介護度が高い利用者さんが多いので、オムツ交換や入浴介助、移乗介助など、体力を使う身体介護の業務が多い傾向にあります。ときには、自分より体格の良い利用者さんの身体を1人で支えながら介助することもあり、慣れないうちは体力的にきついと感じるかもしれません。

しかし、介護の知識を身につけて「ボディメカニクス」を活用することで、介助する人・介助される人両方の負担を軽減できます。また、スライディングボードや介護ロボットなどもきついと感じる身体介護を楽にしてくれる場合があるので、そのような福祉用具を採り入れている介護施設を探してみるのも良いでしょう。

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スタッフ1人あたりの業務量が多い

特養で働くスタッフの仕事内容は、身体介護や生活援助、レクリエーションやイベントの企画・実施、事務作業など多岐にわたります。そのため、業務量の多さからきついと感じてしまうことがあるようです。

特養では、決められた時間内に多くの身体介護をこなさなければならず、業務のスピードが求められることも。人手不足の施設では「余裕がなくてきつい…」と感じることも考えられます。

業務に慣れて現場全体が見えてくると、状況を理解して臨機応変に動けるようになるものの、最初は「何をすべきか分からない」と大変さを感じるかもしれません。

利用者さんとのコミュニケーションが難しい

特養では、認知症を患う利用者さんや寝たきりの利用者さんの介護を行うことがあります。そのため、要介護度の低い利用者さんが多いデイサービスや有料老人ホームなどと比べると、コミュニケーションの機会が少なく、意思疎通に一定の難しさを感じることもあるようです。

特養では、利用者さんの様子を見守り、職員から小さな変化に気づかなければなりません。「昨日より食事量が増えた」「最近笑顔が見られるようになった」という風に、利用者さんの変化を見逃さないことが大切です。

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他職種と自分の介護観が合わない可能性がある

特養では、介護職員以外にも看護職員や医師、生活相談員、機能訓練士、ケアマネジャーなどが働き、チームでケアを行います。他職種がいることでお互いに助け合える良さがある一方で、考え方の違いによるトラブルが起こることも。介護の現場では、「介護観」の相違が人間関係の不満につながる場合があるようです。

介護観は人それぞれなので、自分と他人の介護観が違うからといって、気に病む必要はありません。自分と異なる介護観に出会ったときは、相手の意見を否定せず、新しい価値観を得られるチャンスとして理解に努めましょう。他職種とスムーズな連携を取れるように、利用者さんの情報共有や意見交換を日ごろからしておくことが重要です。

看取り対応が精神的にきついと感じる

ずっと介護を担当してきた利用者さんが亡くなることを「きつい」と感じる介護職員もいるようです。特養は終の棲家としての機能があるため、利用者さんと長く関わって関係性を築ける分、亡くなった際の精神的な負担も大きいでしょう。気持ちを切り替えてほかの利用者さんの生活を支えなければなりませんが、「もっとできることがあったのでは…」と悩んでしまう方もいます。

利用者さんによって、人生の最期をどのように迎えたいかは異なるでしょう。振り返った際に後悔のない看取りケアを行うには、利用者さんやご家族とすり合わせながら、ご本人が悔いのない最期を迎えられるようサポートすることが大切です。

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教育体制が整っていないことがある

教育体制が整っていない特養では、十分な研修を受けられないまま独り立ちさせられてしまい、「正しいケアができているか不安できつい」と感じる場合も。人員が不足している施設では、数週間で独り立ちを求められることもあるようです。
介護職員が仕事に慣れるまでの期間は3ヶ月程度が目安ですが、経験の有無や勤務時間などによっても異なり、個人差があります。

特養の仕事に少しでも早く慣れるためには、1回教わったことはメモをして見返せるようにすると良いでしょう。また、特養に転職してからきついと感じないよう、事前に教育体制をチェックしておくと安心です。

介護職員の新人放置への対処法や、教育が充実している職場の選び方は、「介護職の新人放置が起きる理由は?対処法や職場選びに失敗しない方法を解説」を参考にしてください。

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特養の仕事はきついだけじゃない!働く6つのメリット

ここでは、特養の仕事の良い点についてご紹介します。特養の業務はきついと感じることがあるかもしれませんが、仕事を続けるメリットややりがいも多くあります。
実際に働いてから感じる良さもあるので、最初から「きつそうだから転職するのはやめよう…」と距離を置くのはもったいないかもしれません。

1.業務を通じて高度な介護スキルが身につく

特養は要介護度が高い利用者さんが多く、介護職員として働くと高度な介護スキルが身につきます。夜勤では、少ない人数で臨機応変に対応する力を習得可能です。
培ったスキルはほかの介護現場でも活かせるので、介護業界で長く活躍したいと考えている人は、特養で経験を積んでスキルアップするのも良いでしょう。

2.平均給与が高く収入アップが期待できる

特養は、ほかの介護施設と比較すると給与が高い傾向にあるので、転職すると収入アップが期待できます。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」をもとに、施設形態別の介護職員の平均給与を以下にまとめたので、チェックしてみてください。

施設形態平均給与
介護事業所全体33万8,200円
介護老人福祉施設(特養)36万1,860円
介護老人保健施設35万2,900円
介護医療院33万30円
訪問介護事業所34万9,740円
通所介護事業所(デイサービス)29万4,440円
通所リハビリテーション事業所(デイケア)31万9,310円
特定施設入居者生活介護事業所36万1,000円
小規模多機能型居宅介護事業所30万5,220円
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)30万2,010円

参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)

特養で働く常勤の介護職員の平均給与は36万1,860円で、介護職員全体の平均給与より2万円以上高いことが分かります。介護施設のなかで最も平均給与が高いため、特養以外の施設から転職することによって、収入アップを狙えるでしょう。

特養の介護職員の平均給与が通所型の施設より高い理由は、夜勤手当が支給されるからと考えられます。夜勤に従事する際は、「深夜割増賃金」や「時間外割増賃金」などの夜勤手当が支給され、夜勤手当の相場は1回あたり5,000~9,000円程度です。施設や事業所によって夜勤手当の金額は異なるものの、日勤だけの勤務より給与が高い傾向があります。
また、上位資格を取得することでも収入アップを目指せるので、積極的に挑戦するのもおすすめです。

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3.利用者さんに寄り添った介護ができる

利用者さんを長期的に支援でき、信頼関係を築きやすいことも、特養で働く魅力です。施設の職員が朝から晩まで利用者さんを見守るので、些細な変化にも気づきやすいでしょう。利用者さん一人ひとりの気持ちに寄り添い、より良い生活を送るためのサポートができることにやりがいを感じる介護職員は少なくありません。

4.利用者さんやそのご家族から直接感謝される

特養に限らず、介護が必要な利用者さんを支える介護職員は、ご本人やそのご家族から直接感謝を伝えてもらえることがあります。仕事とはいえ、サポートの対象者から感謝の気持ちを伝えられるのはやはりうれしいことでしょう。また、自分の支援が利用者さんの笑顔につながるのも、介護職員のやりがいの一つです。

5.経験年数が長い職員が多く現場で心強い

特養は、スキルのあるベテラン介護職員が多く在籍している傾向があるので、利用者さんの急変など緊急時にも頼りになるでしょう。大規模な施設は、利用者さんが多い分スタッフも多いので、「自分1人だけだと不安…」という方も助け合いながら働ける環境です。

6.年齢に関係なくキャリアアップしやすい

特養をはじめとする介護施設では、キャリア形成において年齢よりもスキルや経験を重視する傾向があります。一般企業では年齢が若いうちに就職してキャリアを積むのが通例ですが、特養では40~50代で転職しても、年齢に関係なくキャリアを積むことが可能です。パートやアルバイトから経験を積み正社員に登用される人もいます。

経験を積めば、何歳からでも管理者や施設長などを目指せるので、転職する際に自身の年齢を気にしなくて良いのはメリットといえるでしょう。

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介護職未経験で特養に転職できる?

未経験・無資格で特養へ転職することは可能です。ハイレベルな現場でいち早く介護職員としての汎用スキルを身につけたいという方は挑戦してみると良いでしょう。
ただし、特養は求められる介護スキルが高かったり、夜勤があったりするので、慣れないうちはきついと感じることも。介護未経験の方が働く場合、介護の知識やスキルを身につけるのに苦労する可能性があります。

いきなり特養で働くのが不安な方は、介護に関する資格を取得したり、利用者さんの自立度が高い介護施設で経験を積んだりしてから特養に挑戦するのも良いかもしれません。介護の基礎知識を身につけられる資格には、「介護職員初任者研修」があります。資格を取得することで、介護への理解が深まり、仕事に取り組みやすくなるでしょう。

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特養の仕事に向いている人

特養の仕事は、長期的なケアを提供したい人や体力がある人、メンタルが強い人、チームワークを大切にできる人などに向いています。どのような人が特養の仕事に向いているのか以下で解説するので、自分に当てはまるかどうか確認してみましょう。

長期的なケアを提供したい人

上記で解説したように、特養は利用者さんを24時間体制で見守り、長期的なケアを提供しています。利用者さんと接する期間が長いため、「一人ひとりと信頼関係を築き、気持ちにしっかりと寄り添いたい」と考えている人に向いているでしょう。

体力がある人

特養は利用者さんの要介護度が高く、車いすを利用する方や寝たきりの方もいます。利用者さんを抱えたり支えたりする身体介護を行う機会が多いため、体力がある人は活躍できるでしょう。

メンタルが強い人

特養は看取りに対応しているため、仕事に精神的な負担を感じる場合があります。利用者さんが逝去された場合も、通常の業務をこなす必要があるので、気持ちを切り替えて冷静に働ける人が向いているでしょう。

専門性の高い介護スキルが求められる特養では、必要な介護の知識・技術を身につけ、利用者さんの一人ひとりへの理解を深めるのに時間がかかります。介護に関する勉強を続け、利用者さんと根気強く向き合える人も、特養の仕事に向いているといえるでしょう。

ほかの職員とのチームワークを大切にできる人

介護はチームで対応する仕事のため、ほかの介護職員や他職種とコミュニケーションを取って連携できる人は活躍しやすいでしょう。できる仕事を見つけて臨機応変に動くことも大切です。反対に、仕事を1人で抱え込んでしまう人は、自分を追い込んできついと感じてしまうことがあります。

介護業界でのキャリアアップを目指している人

介護業界でのキャリアアップを目指している人にも、特養はおすすめです。特養で働くと幅広い介護業務を経験できるため、着実なキャリアアップが望めます。ベテランの介護職員のサポートを受けながら、実践的な介護スキルを身につけられる傾向があり、キャリアアップを目指しやすいのが魅力です。

培ってきた介護スキルを活かして働きたい人

特養には、さまざまな状態の利用者さんがいるので、これまでの経験や介護技術を活かせる場面が多くあります。経験者は即戦力として活躍できるので、介護スキルを活かして働きたい人に向いている職場です。また、介護スキルを活かして高給与の職場で働きたいと考えている人にも向いているでしょう。

特養の仕事に向いている人の特徴は、「特養に向いている人の特徴を解説!働きやすい介護施設を探すポイントとは?」の記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。

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特養の仕事についてよくある質問

ここでは、特養の仕事についてよくある質問に回答します。特養の仕事に関する不安がある方は、チェックしてみてください。

特養の仕事が覚えられないときはどうすれば良いの?

特養の仕事が覚えられないときは、一度にすべてを覚えようとせず段階的に覚えましょう。まずは、利用者さんの顔と名前を覚えます。それから、業務の流れを覚え、利用者さんごとの介護業務を覚えると良いでしょう。教わったことをメモに取ったり、分からないことを先輩職員に質問したりすることも大切です。
詳しくは、「特養で仕事が覚えられない時の対処法とは?現役介護職員が新人の悩みを解説」の記事で解説しているので、ぜひご一読ください。

特養の仕事って楽しいの?

特養の職員は、自分が考えたレクリエーションを利用者さんが楽しんでくれたときや、実施したケアによって利用者さんに良い変化が見られたときに、仕事が楽しいと感じるようです。特養の仕事にはきつい部分もありますが、やりがいや楽しさを感じられることも多くあります。特養の仕事に興味がある人は、必要以上に不安を抱えず、前向きに挑戦してみると良いでしょう。
特養の仕事のやりがいについて知りたい方は、「特養(特別養護老人ホーム)のやりがいとは?介護職員の仕事内容も解説」も参考にしてください。

特養の仕事がきついと感じるときはどうしたら良いの?

特養の仕事がきついと感じるときは、上司や先輩職員に相談してみると良いでしょう。1人で悩み続けず誰かに話すと、解決策が見つかることも。上司がシフトや配置を考慮してくれたり、先輩が介護に関するアドバイスをくれたりする可能性もあります。
自分なりに改善を試みても状況が変わらず、「今の職場で働き続けるのがきつい」という場合は、限界を感じる前に転職するのも一つの選択肢です。今の仕事の悩みや不安を整理し、職場や働き方の希望を考えると、自身の選ぶべきキャリアが見えてくるでしょう。

まとめ

特養(特別養護老人ホーム)は、主に要介護3~5の65歳以上の方が生活している介護施設です。介護職員は、身体介護や生活援助、健康管理、レクリエーション、機能訓練のサポートなど幅広いケアを提供しています。

特養の仕事がきついと感じる理由は、「体力的な負担が大きい」「業務量が多い」「利用者さんとのコミュニケーションが難しい」「他職種と介護観が合わない」「看取り対応に精神的な負担がある」などです。

一方で、高度な介護スキルが身についたり、収入アップが期待できたりするメリットもあるため、特養の仕事はきついことだけではありません。一人ひとりに寄り添った介護ができることや、利用者さんやご家族に感謝されること、年齢に関係なくキャリアアップできることも特養の魅力です。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2025年12月2日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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