
この記事のまとめ
- 特養はユニット型と従来型の2つのタイプがあり、混合型の施設もある
- 特養のユニット型と従来型は、間取りや人員配置、利用人数に違いがある
- 特養のユニット型と従来型それぞれのメリットとデメリットを把握しよう
「特養のユニット型と従来型って何が違うの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。特養のユニット型と従来型で基本的な介護サービス内容は変わりませんが、介護環境に違いがあります。この記事では、ユニット型特養と従来型特養の特徴や違いを解説。それぞれで働くメリット・デメリットも紹介しています。「ユニット型と従来型のどっちのほうが良いの?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
特別養護老人ホーム(特養)とは?わかりやすく入居条件や施設の違いを解説!目次
特養(特別養護老人ホーム)とは
特養(特別養護老人ホーム)とは、要介護3以上に認定されており、自宅で生活することが難しい高齢者が過ごすための介護施設です。要件を満たしている場合は、要介護1・2に認定されている方も利用可能。「介護老人福祉施設」と呼ばれることもあります。
特養は、地方自治体や社会福祉法人が運営する公的施設です。定員が30名以上の施設を「広域型」、29名以下の施設を「地域密着型」、定員がなく巡回訪問をする施設を「地域サポート型」のように分類します。
出典
厚生労働省「第221回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2025年4月17日)
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特養は「ユニット型」「従来型」の2タイプある
特養は、おおまかに「従来型」と「ユニット型」の2つのタイプに分けられます。ただし、利用者さんの入居条件や提供するサービス内容などは基本的に変わりません。以下で、住宅型とユニット型の特養の特徴を解説します。
従来型の特養
従来型の特養は4人部屋が一般的です。施設によっては個室や2~3人部屋があることもあります。居室内をパーテーションなどで区切って生活しており、大勢の利用者さんの対応を介護職員全体で行うのが特徴です。従来型は、多床室ともいわれています。
ユニット型の特養
ユニット型の特養は、完全個室で10人程度を基本として、最大でも15人以下を1グループとして生活します。グループごとにユニットケアをしており、各ユニットに担当の介護職員がつくため信頼関係が築きやすい傾向にあります。利用者さん一人ひとりの生活リズムを尊重した介護を提供することも可能です。
個室の中心にリビングなどの共用空間があるため、利用者さんが在宅に近い感覚で過ごせるのが特徴といえます。
厚生労働省の「個室ユニット型施設の整備・運営状況 に関する調査研究事業 (結果概要)(案)(p.2)」によると、従来型からユニット型に整備した施設のうち、2011年から2020年に整備した施設の割合は47.6%。2021年以降もユニット型へ移行している施設があるようです。
また、ユニット型・従来型の両方を備えた混合型の施設もあります。ユニット型と従来型を併設している施設では、人手不足から介護職員がそれぞれを兼務する可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省「第221回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2025年4月17日)
厚生労働省「第28回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会(Web会議)資料」(2025年4月17日)
従来型特養とユニット型特養の違い
従来型特養とユニット型特養特養は、施設内の間取りや人員配置、働き方、利用料金に違いがあります。
施設内の間取り
従来型は廊下に部屋が並び、各部屋に2~4名の利用者さんが生活するスタイルです。

引用:厚生労働省「介護老人福祉施設・ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(p.3)」
ユニット型は、各部屋の中心に共有空間があり、共有空間を囲むように個室があります。

引用:厚生労働省「介護老人福祉施設・ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(p.3)」
特養の間取りは細分化しており、従来型とユニット型以外にも「ユニット型個室的多床室」「従来型個室」「多床室(準ユニットケア加算)」があります。

引用:厚生労働省「介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)(p.24)」
施設の間取りによって、利用者さんとの交流割合や身体介護を提供する時間に影響が出ることもあります。どのように利用者さんと関わりたいのか考えて、どのタイプの特養が自分に合っているのか考えてみましょう。
人員配置基準
特養の人員配置は以下のように定められています。
| 職種 | 配置基準 |
| 生活相談員 | 利用者さん100人、または端数を増すごとに1人以上 |
| 介護職員・看護職員 | 利用者さん3人、またはは端数を増すごとに1人以上 看護職員1人以上 |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 1人以上 |
| 機能訓練指導員 | 1人以上 |
| 医師 | 入所者に対し健康管理・療養上の指導を行うために必要な数 |
| 栄養士・管理栄養士 | 1人以上 |
参照:厚生労働省「介護老人福祉施設・ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(p.4)」
ユニット型特養の場合、上記配置に加え、ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置する必要があります。日中は、1ユニットに1人以上の介護職員もしくは看護職員を配置し、夜間は2ユニットに1人以上の介護職員もしくは看護職員を配置しなければなりません。
働き方
従来型とユニット型の特養は働き方にも違いがあります。
見る利用者さんの人数
従来型はフロア固定制で、1フロア30人だとしたら配属されたフロアの30人をケアすることになります。フロア固定制ではなく出勤日によって担当フロアが違う場合は、さらに多くの利用者さんの対応をすることになるでしょう。
ユニット型の場合、日中は基本的に配属されたユニットの10名前後の利用者さんのケアを行います。夜勤時には隣り合う2ユニットを1人で見ることになるため、多くても20名前後の利用者さんのケアを行うのが基本です。
夜勤の時間
ユニット型は8時間前後のショート夜勤、従来型は16時間前後のロング夜勤であることが多いようです。事前に夜勤の体制について確認しておくと良いでしょう。
利用料金
ユニット型特養のほうが利用者さんが支払う費用が高い傾向にあります。
以下の表に、利用者さんの要介護度に応じた基本サービス費の単位をまとめました。
| 従来型特養の単位 | ユニット型特養の単位 | |
| 要介護1 | 600単位 | 682単位 |
| 要介護2 | 671単位 | 753単位 |
| 要介護3 | 745単位 | 828単位 |
| 要介護4 | 817単位 | 901単位 |
| 要介護5 | 886単位 | 971単位 |
参照:厚生労働省「介護報酬の算造」
1単位=10円程度です。介護サービスにかかる料金に加え、賃料や食費などがかかります。
トータルの利用料金は、ユニット型のほうが従来型よりも3~5万円程度高くなるようです。ユニット型は従来型より費用が高い傾向にありますが、そのぶん、入居待ちが少ない可能性があります。
出典
厚生労働省「第221回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2025年4月17日)
厚生労働省「第183回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2025年4月17日)
厚生労働省「第239回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」(2025年4月17日)
従来型特養で働くメリット・デメリット
ここでは、従来型特養で働くメリット・デメリットを紹介します。
従来型特養で働くメリット
従来型の特養では、多くの利用者さんをスタッフ全体でケアするので、困ったときにほかの職員に相談しやすい環境が整っています。複数の職員で対応できるので、安心感があるといえるでしょう。また、従来型の特養は、昔からある施設なので介護技術や知識が蓄積されており、学べることも多いかもしれません。
従来型特養で働くデメリット
従来型の特養は、大勢の利用者さんをみるので、利用者さん一人ひとりの状態や特性を把握するのが大変だと感じることがあります。ほかにも、従来型は昔からある施設なので、設備が古い可能性もあり、働くうえでデメリットに感じられるようです。
ユニット型特養で働くメリット・デメリット
ここでは、ユニット型特養で働くメリット・デメリットを紹介します。従来型とユニット型それぞれのメリットとデメリットを把握し、自分に合った職場を探してみましょう。
ユニット型特養で働くメリット
ユニット型の特養で担当する利用者さんは基本的に10人程度と少人数です。そのため、利用者さんの状態や特性が把握しやすく、一人ひとりに寄り添ったケアがしやすいことがメリットです。利用者さんとのコミュニケーションが多く取れるので、信頼関係も築きやすいでしょう。
厚生労働省の「ユニットケアについて」によると、従来型からユニット型に建て替えると、利用者さんのベッド滞在率が減少しリビング滞在時間が増加したという結果があります。職員も直接介助の時間が減少し、余暇・交流の時間が増えたという結果なので、従来型より身体的な負担が少ない可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省「「2015年の高齢者介護」」(2025年4月17日)
ユニット型特養で働くデメリット
ユニット型の特養では、ユニット単位でシフトを作成するので、休みが取りづらかったり、休んだ人のフォローが大変だったりする可能性があります。また、ユニットで利用者さんが固定されるので、合わない人がいると人間関係にストレスを感じることがあるでしょう。
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特養で働くメリットとは?仕事内容や平均給与額についても解説
ユニット型・従来型の特養についてよくある質問
ここでは、特養のユニット型・従来型に関するよくある質問に回答します。「ユニット型と従来型って何が違うの?」と気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
ユニット型特養の一日の流れは?
ユニット型の特養で働く介護職員の1日の仕事の流れは、引き継ぎからスタートします。具体的に日勤の場合は、出勤後に情報共有をしたら、午前中に利用者さんの入浴介助を実施。昼食後にレクリエーションを実施したり、利用者さん同士の交流を見守ったりします。午後3時ごろにおやつタイムを行い、夕方に退勤します。
夜勤の場合は、日勤のスタッフから引継ぎを受け、夕食の食事介助を実施。午後7時に就寝介助をして午後9時には消灯します。夜間は見回りをして、排泄介助を行い、コールがあれば対応するのが仕事です。朝に起床介助をして日勤に引き継ぎ、退勤します。
施設や日によっても1日の仕事の流れは異なるので、あくまで参考としてご覧ください。
ユニット型の特養の仕事ってきついの?
ユニット型の特養は、ユニットごとに職員が担当するので、「1人で利用者さんの対応をしなければいけない」というプレッシャーからきついと感じる可能性があります。どのような仕事にもきついことや、やりがいがあるので自分に合った職場を選ぶことが大切です。
「特養の仕事はきつい?介護職が転職前に確認したい大変さとメリットを解説」の記事で、きついといわれる仕事や働くメリットを解説しているので、あわせてご一読ください。
従来型とユニット型の特養の費用は違うの?
ユニット型は個室なので、従来型より費用が高い傾向があります。従来型は安く入居できますが、入居待機の人数が多かったり、4人部屋でプライベートな空間がなかったりする可能性も。費用だけではなく、居住環境やサービス内容を確認して施設を選ぶと良いでしょう。
従来型とユニット型の費用の違いは、この記事の「従来型特養とユニット型特養の違い」で解説しています。
まとめ
ユニット型特養と従来型特養の違いは、施設の間取りや人員の配置基準、対応する利用者さんの人数、利用料金などです。
ユニット型は、完全個室で共用空間を囲む形の間取りとなっており、介護職はユニット内で介護サービスを提供するのが特徴。10人前後の利用者さんのケアを行います。
従来型は2~4人部屋で、多くの利用者さんへのケアを施設全体の職員で行うのが特徴です。
ユニット型特養と従来型特養のそれぞれの働くメリット・デメリットについて知り、自分に合った求人を探してみると良いでしょう。
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今の職場に満足していますか?
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点



