
この記事のまとめ
- 特養と老健のどちらが働きやすいか知るには、それぞれの特徴を把握しよう
- 特養と老健のどちらに転職するか迷っている方は、体験談を参考にしてみよう
- 自分に合う職場に転職するコツは、自己分析や求人の比較をすること
転職活動をしている方のなかには、「特養と老健ってどちらが働きやすいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。働きやすいと感じるポイントは、人それぞれです。転職の際は、施設形態ごとの特徴を把握し、自分に合う職場を見つけましょう。この記事では、特養と老健の仕事内容、働くメリット・デメリットを解説しています。また、特養や老健の介護職委の体験談も紹介。働きやすい職場を判断する際の参考にしてみてください。
目次
特養と老健はどちらが働きやすいの?
人によって、働きやすいと感じる職場は異なります。転職の際は、施設の特徴を把握したうえで、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
以下で、特養と老健の違いをまとめたので、特養と老健の違いが気になる方は、チェックしてみてください。
| 特養(特別養護老人ホーム) | 老健(介護老人保健施設) | |
| サービスの特徴 | 長期的な生活の場として利用者さんをサポートしている | 利用者さんの在宅復帰を目的としてサポートをしている |
| 利用対象者 | 要介護度3以上、65歳以上の方特定疾患が認められた40~64歳の方特例により入居が認められた要介護度1~2の方 | 要介護度1以上、65歳以上の方特定疾患により要介護認定を受けた、40~64歳の方 |
| 平均給与 | 36万1,860円(常勤) | 35万2,900円(常勤) |
| 介護職に向いている人の特徴 | 介護技術を身につけたい人長期的なケアを行いたい人ユニット型で個別ケアを学びたい人介護技術を活かして働きたい人 | 利用者さまの在宅復帰をサポートしたい人コミュニケーション能力が優れている人医療やリハビリに興味がある人チームケアに興味がある人 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」
なお、同じ施設形態でも、職場によって労働条件や業務内容、職場内の雰囲気は異なります。転職の際は、職場見学などで実際の介護現場を見てみることが大切です。
特養と老健の具体的な仕事内容や平均給与、働くメリット・デメリットについては、「特養(特別養護老人ホーム)とは」「老健(介護老人保健施設)とは」で後述します。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月26日)
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特養(特別養護老人ホーム)とは
特養(特別養護老人ホーム)とは、中度〜重度の介護が必要で在宅での日常生活が難しくなった方の生活をサポートする施設のことです。ユニット型と従来型の2つのタイプがあります。
それぞれの違いについては、「特養のユニット型・従来型の違いは?人員配置や介護職として働くメリット」で説明しています。
先述のとおり特養の利用対象者は、原則として要介護度3以上に認定されている65歳以上の方、特定疾患が認められた40~64歳の方です。終の棲家として、長期的に利用する方も少なくありません。一部の特養では、看取り介護を行っています。
特養の介護職員の仕事内容
特養は、利用者さんの介護度が高い傾向にあるため、食事・入浴・排泄などの身体介助を行う機会が多数あります。介護職員は、ある程度の介助スキルや経験が求められるでしょう。
また、特養は利用者さんの身体機能の維持・向上やQOL(生活の質)の向上を目的に、レクリエーションや季節ごとのイベントを行います。企画や実行も、介護職員の役割です。
特養は、終の棲家として長く利用する利用者さんもます。なかには、看取り介護を行う施設もあるようです。介護職員は利用者さんの日々の変化に寄り添い、長期的な視点でケアを提供します。
特養の仕事内容については、「特養の仕事内容を解説!介護職員の1日のスケジュール、夜勤業務も紹介」も参考にしてみてください。
特養で働く介護職員の平均給与
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」によると、介護職員等処遇改善加算を取得している特養の介護職員の平均給与は、常勤が36万1,860円、非常勤は25万7,620円です。
介護職員全体の平均給与は常勤が33万8,200円、非常勤が19万6,060円なので、平均よりも給与水準が高い傾向にあることが分かります。特養の介護職員は、夜勤手当や深夜手当の支給があることや、高い介護技術を求められるため、給与が高く設定されているようです。
なお、介護職の給料は、施設や経験年数、保有資格によっても異なるのであくまで参考としてご覧ください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月26日)
特養の介護職で働くメリット
特養は、要介護度が高い利用者さんが多く入居しているため、専門性の高い介護スキルを身につけられるのがメリットです。看取り介護を行っている施設では、看取りケアの経験も積めるでしょう。
また、看護職員が配置されているため、利用者さんの急な体調不良の際に、指示を仰げるなどの安心感があります。
特養で働くメリットについては、「特養で働くメリットとは?仕事内容や平均給与額についても解説」も参考にしてみてください。
特養の介護職で働くデメリット
特養は要介護度が高い利用者さんが入居しているため、身体介護を行う機会が多くあります。身体介護では、無理な姿勢を長時間取ることもあり、身体的な負担が大きいという大変さがあるようです。
ほかにも、長期間ケアしてきた利用者さんの看取りケアに携わることもあり、精神的につらいと感じる場合もあるでしょう。
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老健(介護老人保健施設)とは
老健(介護老人保健施設)とは、自宅での生活が難しい高齢者に対して、在宅復帰に向けた日常生活の世話や医療的ケア、リハビリなどを提供している施設です。原則として、要介護1以上の65歳以上の方、特定疾患により要介護認定を受けた40~64歳の方を対象としています。
老健は自宅に戻ることを目的としているため、入所期間は約3~6ヶ月ほどと短期間なのが特徴です。なお、必ずしも在宅復帰できるわけではなく、老健を退所後、特養や有料老人ホームなどの介護施設に入居することもあります。
老健の介護職員の仕事内容
老健の介護職員は、自立支援を意識したケアが求められます。利用者さんの身の回りのことをすべてするのではなく、利用者さん本人ができないことをサポートするのが主な役割です。
老健では、医療ケアを受けている利用者さんもいるため、個別の配慮が求められることも。看護師や医師、リハビリ専門員、機能訓練指導員など幅広い職種が活躍しており、他職種との連携が必須となっています。また、特養に比べてレクリエーションやイベントは積極的に行わない施設が多いようです。
老健の仕事内容については、「老健の仕事内容を解説!介護職員の1日の流れや働くメリット・デメリット」も参考にしてみてください。
老健で働く介護職員の平均給与
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」によると、介護職員等処遇改善加算を取得している老健の介護職員の平均給与は、常勤が35万2,900円、非常勤は22万6,310円です。
先述のとおり、介護職員全体の平均給与は常勤が33万8,200円、非常勤が19万6,060円なので、老健も平均よりも給与水準が高い傾向にあります。夜勤による手当の支給があることや、介護に加え医療やリハビリなどの専門知識が求められるため、給与水準が高くなっているようです。
ただし、介護職の給料は、施設や経験年数、保有資格によって異なります。参考として、ご覧ください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月26日)
老健の介護職で働くメリット
老健の介護職員は、医療やリハビリの視点を取り入れたケアが求められるため、多角的視点で介護を行えるのが魅力です。リハビリ専門職や看護師などの多職種と連携することで、介護に関する幅広い専門知識や知見を深めることができるでしょう。
また、老健の看護師は、介護職員総数の2/7程度が配置され、ほかの介護施設より多い傾向があります。夜間も看護師が勤務しているので、介護職員も安心して夜勤に入れるでしょう。
老健の介護職で働くデメリット
先述したとおり、老健の入所期間は3~6ヶ月程度です。人によっては、利用者さんの入れ替わりが早いため、信頼関係が築きにくいと感じることがあるでしょう。長期的なケアを提供したいと考えている方は、ミスマッチを感じる可能性があります。
また、老健では医師や看護師との連携が求められるので、医療的な専門用語に慣れていない場合は大変さを感じることもあるようです。とはいえ、専門用語は働いていくなかで覚えていけるので、慣れていけば問題ありません。
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老健とは?特徴をわかりやすく解説!入所条件やほかの介護施設との違い
【体験談】特養・老健の介護職で働く魅力とは
ここでは、特養・老健で働く介護職員の体験談を紹介します。転職先を迷っている方は、参考にしてみてください。
特養の介護職で働く魅力
ここでは、特養の介護職として働いたことがある方の体験談を紹介します。
特養は、終の棲家として入居する利用者さんも多く、介護職員は利用者さんと長く関わることになります。このような特徴から、信頼関係をじっくり構築できることに魅力を感じている方は少なくないようです。
老健の介護職で働く魅力
ここでは、老健で働いた経験がある方の体験談を紹介します。
老健は利用者さんの在宅復帰を目的としている施設のため、自立支援を重視したケアが行えることに魅力を感じている方は多いようです。また、ケアをとおして利用者さんから信頼されていると感じられることも、老健で働く魅力でしょう。
特養の仕事が向いている人の特徴
ここでは、特養の仕事が向いている人の特徴を紹介しています。「自分に向いている職場が分からない」という方は、参考にしてみてください。
介護技術を身につけたい人
高い介護技術を身につけたいと考えている人は、特養の仕事が向いているでしょう。特養は、利用者さんの介護度が高く身体介助を行う機会が多いので、働いているうちに一通りの介護技術を身につけられます。
また、認知症の方もいるので、認知症ケアやコミュニケーション方法を身につけることも可能です。規模が大きく職員数の多い施設では教育体制が整っており、フォローしてもらいやすい環境といえます。
長期的なケアを行いたい人
特養は、長期的なケアを行いたい人に向いています。終の棲家として利用している方も多く、長期間、利用者さん一人ひとりと向き合ってケアを提供することが可能です。24時間365日体制で見守るため、利用者さんとの信頼関係も築きやすく、仲が深まることで介護のやりがいも強く感じられるでしょう。利用者さんが最期まで自分らしく生きられるよう、寄り添って介護がしたいという方に向いているといえます。
ユニット型で個別ケアを学びたい人
利用者さん一人ひとりのニーズや性格に合わせて介護を行いたい方には、ユニット型の特養がおすすめです。ユニット型の特養では、10人以下の利用者さんで1つのユニットを形成し、ユニットごとに専任のスタッフを配置します。スタッフが固定なので、利用者さん一人ひとりの体調や生活歴、ニーズを深く把握できるところが最大のメリット。個別ケアの手法を学んで実践しやすい環境といえます。
介護技術を活かして働きたい人
特養の入居条件は原則として要介護度3以上と介護度が高いため、寝たきりの方や車いすの方も多くいます。そのため、利用者さんを支えたり、抱えたりするなど介護技術を必要とする業務も少なくありません。
体力的な負担を軽減するボディメカニクスの原理や、コミュニケーションスキルを学んでおくと良いでしょう。基本的な介護技術を学んできた方であれば、前職の経験を活かせる機会も多いはずです。
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老健の仕事が向いている人の特徴
続いて、老健の仕事に向いている人の特徴を紹介しています。特養と老健どちらが自分に向いているか考える際の参考にしてみてください。
利用者さんの在宅復帰をサポートしたい人
老健は、「利用者さんの在宅復帰をサポートしたい」と考えている方に向いています。老健では、在宅復帰を目指した利用者さんが回復していく様子を見守れるので、やりがいもひとしおです。回復していく様子を見守れるのは老健の介護職員の仕事ならではといえるでしょう。
コミュニケーション能力が優れている人
老健は、利用者さんの入れ替わりが比較的頻繁にあるため、コミュニケーション能力に優れている人が向いています。短期間で利用者さんとの信頼関係を築ける方は活躍できるでしょう。
医療やリハビリに興味がある方
老健では、主に医療やリハビリを行っているため、その分野に興味のある方に向いている職場です。医療やリハビリのやり方を身近で観察できるので、介護の視点を広げられるようになるでしょう。
チームケアに興味がある人
老健では、医者や看護師などさまざまな職種のスタッフとの連携が求められます。そのため、老健は、チームケアに興味がある方におすすめの職場です。
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自分に合う職場に転職するコツ
自分に合う職場に転職を成功させるには、自己分析と企業分析が欠かせません。以下で自分に合った職場に転職するコツを詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
自己分析をして仕事に求めるものを明確にする
自分に合う職場を見つけるには、自己分析を十分に行い、自分が仕事に求めるものは何なのか明確にすることが大切です。「やりがいを感じられる仕事がしたい」「自分が成長できる仕事がしたい」など、自分がどうなりたいのか考えましょう。
また、給料や残業の有無など、労働条件においての自分の希望を優先順位をつけて書き出しておくと、求人を選ぶ際に役立ちます。自分で自己分析をしても求めるものが分からないときは、就職・転職エージェントのアドバイザーに相談するのも効果的です。
複数の求人を比較検討する
求人を探す際は、複数の求人情報を比較してみましょう。たとえば、同じ特養でも、施設によって提供しているケア内容や労働条件は異なります。自分に合った職場を見つけるためには、細かな条件まで調べるのがポイントです。また、求人を比較することで、自分が仕事に求める条件が定まることもあります。
企業分析をして施設の情報を集める
転職活動では、企業分析をして施設の情報をしっかりと集めましょう。施設が力を入れているポイントや企業理念、仕事内容、給料、人員体制、教育体制、福利厚生などの情報を集め、施設の求める人材と自身の強みや長所が一致する職場を探してみましょう。
また、施設のWebサイトや求人票の情報だけではなく、SNSや口コミサイトの評判も調べておくのも効果的です。しかし、SNSや口コミは誰でも書き込める分、信憑性が低いので、参考にする程度にとどめておきましょう。
施設を見学して雰囲気を直接確かめる
職場の働きやすさは、人間関係や雰囲気によっても異なります。明るい雰囲気が好きな人もいれば、落ち着いた雰囲気が好きな人もいるでしょう。自分に合う職場かどうか確認するためにも、実際に施設を見学して職場の雰囲気を確かめておくことが重要です。
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介護職の職場の選び方とは?失敗しない方法や各施設の特徴を解説
特養や老健の働きやすさについてよくある質問
特養や老健の働きやすさについて、よくある質問に回答します。「特養や老健の仕事って大変なの?」と不安を抱えている方は、ぜひご一読ください。
特養や老健の仕事はきついの?
仕事のきつさは、人によって感じ方が異なります。転職を検討している方は、「自分に向いている仕事は何か」を明確にしたうえで、転職先の特徴を十分に把握することが大切です。
特養や老健の仕事内容やケアの内容は施設によって異なります。夜勤があったり、吐瀉物の処理をしたり、慣れないうちはきついと感じることもあるかもしれません。しかし、特養や老健の仕事は利用者さんの生活を支えるやりがいのある仕事です。
特養や老健の仕事に興味のある方は。「老健の仕事はきつい?介護老人保健施設が大変な理由と働くメリットを解説!」や「特養の仕事はきつい?介護職が転職前に確認したい大変さとメリットを解説」もチェックしてみてください。
看護師や管理栄養士は、特養と老健ではどちらが働きやすいの?
看護師の人員配置基準はどちらの施設も利用者さん3人に対して1人以上(介護職員と合わせて)ですが、老健のほうが看護師の人員が手厚い傾向があるため、働きやすいかもしれません。
特養の管理栄養士は、食事を通じた健康管理だけではなく、食の楽しさを伝える役割があります。老健の管理栄養士は、食事をとおして在宅復帰を目標とした栄養ケアを行う役割もあるようです。看護師・栄養士ともにいえることですが、どのように利用者さんをサポートしたいのかによって、働きやすいと感じるポイントは異なります。
まとめ
特養と老健どちらが働きやすいかは、施設の特徴が自分に合っているか、自分が行いたいケアを提供できるかによって人ぞれぞれです。自分に合った職場を見つけるためにも、情報を収集しましょう。
特養は、利用者さんの生活の場としてサポートする施設です。要介護3以上の方が入居しており、一定の介助スキルが求められます。終の棲家として利用している方も多く、長期的なケアを提供できるのが特徴です。看取りケアや認知症ケアを学ぶこともできるので、介護職としてスキルアップを目指している方におすすめの職場といえます。
老健は、在宅復帰を目指す利用者さんに対し医療ケアやリハビリを行いサポートする施設です。要介護1~5の方が入居していますが、在宅復帰を目指したリハビリが主なので、特養よりも体力的な負担が少ない傾向があります。老健は利用者さんの入れ替わりが早いので、コミュニケーション能力に優れている方におすすめの職場です。
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今の職場に満足していますか?
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点



