
この記事のまとめ
- 有料老人ホームの仕事がきつい理由は、対応する業務の種類が多いから
- 有料老人ホームは、介護付・住宅型・健康型の3種類に分かれている
- 有料老人ホームで働くメリットは、身体介護による負担が比較的小さいこと
介護職への就職・転職を検討中の方のなかには、「有料老人ホームの仕事はきついの?」と気になる方もいるでしょう。有料老人ホームの仕事は、業務範囲が広かったり夜勤があったりという理由できついと感じる方もいますが、働くことで得られるメリットも多くあります。本記事では、有料老人ホームの仕事がきついといわれる理由や働くメリット、向いている人の特徴を解説。有料老人ホームに興味がある方はチェックしてみてください。
有料老人ホームとは?入居対象者やほかの施設との違い、介護職の仕事を解説目次
有料老人ホームの仕事がきついと感じる理由
有料老人ホームで働く職員のなかには、「仕事がきつい…」と感じる人もいるようです。以下で有料老人ホームの仕事をきついと感じる理由をご紹介するので、参考にしてみてください。
対応する業務の種類が多い
有料老人ホームで働くと、入居者さんの生活のあらゆる場面に関われることにやりがいを感じられる一方で、対応する仕事が多くて大変な面もあるようです。
有料老人ホームは施設ごとに特色が異なるうえ、提供するサービスの種類が豊富な傾向があるため、仕事内容は多岐にわたります。介護職員の主な業務である身体介護や、掃除・洗濯・買い物といった生活援助に加えて、レクリエーションの準備・実施、クリーニングの代行などを担当することも。施設によっては、清掃や事務作業を任されることもあるようです。
苦情や入居者さんの難しいニーズに対応することがある
サービスを提供するなかで、入居者さんやご家族から苦情を言われることもあるかもしれません。苦情を言われるのは、必ずしも介護職員のミスやスキル不足だけではなく、入居者さんのこだわりや価値観に対応できなかったことが原因になる場合も。有料老人ホームは対応できるサービスの多さを強みにしている施設が多く、過剰な要求をされることもあるようです。
できるだけ入居者さんに寄り添った対応をしていても、苦情を言われたり要求に応えられなかったりすると、仕事がきついと感じてしまうのも無理はありません。
夜勤で生活リズムが乱れる
日勤と夜勤が混ざる不規則なシフトによって生活リズムが乱れ、体力的・精神的な負担を感じる人もいるでしょう。有料老人ホームは入居型の施設なので、入居者さんが24時間滞在しています。そのため、介護職員には夜勤があるのが一般的です。
なお、「住宅型」や「健康型」の有料老人ホームは自立度の高い入居者さんが多く、夜勤がない施設もあります。夜勤を行うとしても見守り業務が多いため、身体的な負担やきつさを感じにくい環境といえるでしょう。
ホスピタリティを求められることがある
健康型有料老人ホームには、ホテルや高級マンションのような建物や、スポーツジム・娯楽室・レストランといった多種多様な設備を売りにしている施設が多いのが特徴です。そのような施設では、介護職員に対しても丁寧な言葉遣いやホスピタリティを求められる場合があります。
ほかの介護施設から転職して、入居者さんに対する接し方の違いが受け入れられず、仕事がきついと感じてしまう方もいるかもしれません。
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有料老人ホームとは
有料老人ホームとは、主に高齢者の方に対して、生活しやすい住居と家事や介護などのサービスを提供する施設です。民間企業が経営している場合が多いため、サービスの種類が豊富という特徴があります。
居室は個室型が一般的で、入居者さん一人ひとりの生活リズムに合った個別ケアを取り入れている施設が多いようです。
有料老人ホームの3つのタイプ
有料老人ホームは、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類に分かれており、入居の条件は施設によって異なります。「介護が必要」「快適な暮らしを実現するための住まいを確保したい」など、入居者さんの目的や心身の状況によって最適な施設は異なるので、理解しておきましょう。
1.介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームでは、入居者さんが生活するうえで必要な食事介助、入浴介助、排泄介助などの身体介護を24時間体制で提供します。入居者さんの状態に応じて、洗濯や掃除といった生活援助も実施。ほかの企業と差別化を図るために、レクリエーションやサークル活動を充実させている施設も多いようです。
2.住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、食事の提供や洗濯、清掃などの生活支援サービスを行う高齢者施設です。基本的に介護サービスの提供はないものの、訪問介護事業所やデイサービスが併設されているなど、施設で生活をしながら介護を受けられる環境が整っている場合があります。
住宅型有料老人ホームの仕事内容や活躍する職種については、「住宅型有料老人ホームの介護職員の仕事内容とは?活躍する職種や1日の流れ」の記事をチェックしてみてください。
3.健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、家事のサポートや食事の提供などのサービスが付いた高齢者施設です。自立した高齢者の方を対象にしており、スポーツジムや浴場を設置している場合もあります。
健康型有料老人ホームについては、「健康型有料老人ホームとは?ほかの施設との違いや働くポイントを解説」の記事をご一読ください。
有料老人ホームの3つの特徴
以下では、有料老人ホームの特徴を3つご紹介します。有料老人ホームの仕事に興味がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
1.幅広い介護度の入居者さんがいる
有料老人ホームの入居条件は幅広く、介護を必要としない自立している方や、要介護認定を受けている方など、さまざまな介護度の方が利用できるのが特徴です。入居する際は、受けたいサービスやライフスタイルなどに合わせて施設を選びます。
2.民間企業が運営しているため多種多様な設備がある
有料老人ホームは民間企業が運営母体である場合が多く、設備やサービスのバリエーションが豊富なのも特徴です。高級感のある内装やアットホームな雰囲気など、施設によって特色があります。個室の完備はもちろん、大規模な浴場や娯楽室を設置している有料老人ホームもあるようです。
3.介護付きの場合は看護職員が配置され医療体制が整っている
前述したように、有料老人ホームには3つの種類があります。このうち介護付き有料老人ホームは、介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」として、看護職員の配置が義務付けられています。医師の配置義務はないものの、看護職員が健康管理を行ったり医療機関と連携を取ったりするため、入居者さんが安心して生活できる環境です。
また、入居者さんが健康的な暮らしを継続できるよう、身体機能の維持・向上を目的としたリハビリプログラムを用意している施設もあります。
有料老人ホームの仕事内容
有料老人ホームで働く介護職員はどのような仕事をしているのか、詳しく見ていきましょう。
介護職員の主な仕事内容
有料老人ホームで働く介護職員の仕事内容は、施設の種類によって異なります。このうち、スタッフが直接介護サービスを提供する「介護付き有料老人ホーム」で働く場合、主な仕事内容は入居者さんの身体介護や生活援助といった日常生活のサポートです。
具体的には、以下のような業務を担当します。
- 身体介護(食事・入浴・排泄・更衣・移乗などの介助)
- 生活援助(食事の提供、掃除、洗濯など)
- レクリエーションの企画・実施
介護職員のシフト体制は、早番・日勤・遅番のほか、夜勤シフトが組まれている場合もあり、基本的には複数のスタッフで各フロアを担当します。
有料老人ホームで働く介護職員のタイムスケジュール
ここでは、有料老人ホームで働く介護職員のタイムスケジュールの一例をご紹介します。施設やシフトの時間帯によって仕事の流れは異なるので、参考までにご覧ください。
有料老人ホームの1日の流れ
09:30
出勤、業務の引き継ぎ・情報共有
10:00
入浴介助
11:30
昼食の配膳
12:00
食事介助
13:00
休憩
14:00
レクリエーション
15:00
おやつの提供・食事介助
16:00
トイレ介助・オムツ交換など
17:00
夕食の配膳・食事介助
18:00
夜勤への申し送り・記録作成
18:30
退勤
日中は、複数のスタッフで協力して、入浴介助やレクリエーションなどを実施。排泄介助や移動介助は、必要なタイミングで適宜行います。なお、夜間の業務は巡回や排泄介助が中心です。
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有料老人ホームで働くメリット
「仕事がきつい」と感じる場合もある有料老人ホームですが、「身体介護が少ない施設がある」「1日を通して入居者さんをサポートできる」といったメリットも多く存在します。以下で、有料老人ホームで働くメリットを確認してみましょう。
身体介護が少ない施設もある
有料老人ホームのなかでも、「住宅型」と「健康型」は、身体介護の機会が少ない傾向にあります。これは、「住宅型」では介護サービスの提供がなく、「健康型」は自立した高齢者を対象としているためです。
業務は見守りや生活相談が中心で、基本的には身体介護の提供がないため、介護職員の体力的な負担は少ないでしょう。特別養護老人ホームやグループホームのように認知症を患う方に対応することも少ないので、入居者さんと言葉でコミュニケーションを取りながら、スムーズに業務を進めることが可能です。
1日をとおして入居者さんをサポートできる
有料老人ホームは入居施設です。そのため、生活の一部をサポートする訪問介護やデイサービスとは異なり、1日をとおして入居者さんの生活をサポートできます。昼夜を問わず入居者さんと関わるため、一人ひとりの生活習慣や性格をよく理解したうえで適切なサポートができるでしょう。
介護職が未経験でも安心して働ける施設が多い
有料老人ホームは、民間企業が運営している場合が多く、人材確保や高品質のサービス提供のために、福利厚生や研修制度を整えている傾向があります。そのため、介護職未経験や資格なしの方も、比較的スキルアップやキャリアアップを目指しやすく、安心して働けることが期待できるでしょう。
また、家事や掃除、食事の提供など、介護経験がなくてもできる仕事が多くあるのも魅力です。
接客スキルを磨ける
健康型有料老人ホームには、ホテルのような高級感や多様なサービスを売りにしている施設もあります。そのため、接遇を重視している施設が多く、コミュニケーションスキルを磨くことが可能です。
接客業が未経験であっても働きながら丁寧な接遇マナーを習得できる点は、有料老人ホームで働く魅力といえるでしょう。
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有料老人ホームで働くのに向いている人
有料老人ホームで働くのに向いているのは、入居者さんとのコミュニケーションが好きな人や、身体的な負担が少ない職場で働きたい人などです。以下で、有料老人ホームの仕事に向いている人の特徴を解説するので、働くことを検討している方はチェックしてみましょう。
入居者さんとのコミュニケーションが好きな人
人との関わりやコミュニケーションが好きな人は、有料老人ホームの仕事に向いています。有料老人ホームでは、入居者さんとコミュニケーションを取る機会が多くあるのが特徴です。身体介護や生活援助を行うなかで円滑なコミュニケーションが取れると、入居者さんは安心してサービスを受けられるでしょう。
特に、接客業の経験がある方や高齢者と接するのが好きな方は、有料老人ホームで働くのに向いている可能性が高いといえます。
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身体的な負担が少ない職場で働きたい人
前述のとおり、有料老人ホームのうち「住宅型」や「健康型」には自立度の高い入居者さんが多く、身体介護を行う機会が少ないのが特徴です。介護・福祉業界で働くうえで、身体的な負担が少ない仕事を希望している方は、有料老人ホームでの勤務に向いているかもしれません。
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一人ひとりの入居者さんと長期的に向き合いたい人
介護職員として入居者さんの人生のサポーターとして長期的に寄り添ってケアがしたいという方には、有料老人ホームの仕事が向いているでしょう。有料老人ホームは、長期的に利用される方が多い傾向があります。入居者さんの入れ替わりがあまり多くないため、信頼関係を築きやすいでしょう。
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【体験談】有料老人ホームに転職して感じたこと
ここでは、レバウェル介護(旧きらケア)が有料老人ホームで働く方から聞いた体験談を紹介します。
私が勤める有料老人ホームには、ケアマネジャーと看護師が在籍しています。介護の方向性や医療的なことについて困ったことがあればすぐに相談できるので、安心して働けています。
有料老人ホームの仕事をとおして、対応力が上がりました。要支援の方から要介護5の方まで幅広い介護度の方が利用されているので、ひととおりの介護スキルを習得できたと実感しています。
築年数が浅い有料老人ホームは、居室がきれいで介護に必要な物品もそろっています。個人的には、ホームヘルパーとして働いていたときと比べて、介護がしやすい環境だと感じています。
私が働く施設では、業務が細かくマニュアルで決められていません。仕事のスケジュールや優先順位などを自分で自由に決められるので、働きやすいと感じています。
ただし、マニュアルどおりに仕事をしたい方や指示されないと動けないという方は、逆にきついと感じるかもしれません。
有料老人ホームは、施設によって方針や働き方が異なります。情報収集をしっかり行い、自分に合っている施設なのか確認してから転職先を決めてくださいね。
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有料老人ホームで働く介護職員の給料
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.129)」によると、月給制・常勤で特定施設入居者生活介護事業所(介護付き有料老人ホーム)で働く介護職員の平均給与は、36万1,000円でした(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)。
介護職員全体の平均給与は33万8,200円なので、介護付き有料老人ホームで働く介護職員の給与は、ほかの施設と比較して高い傾向があるといえます。
なお、有料老人ホームは民間企業が多く運営する介護施設のため、施設による給与差が大きい可能性も。転職する介護施設を選ぶときは、給与の違いにも注目すると良いでしょう。
有料老人ホームの給料事情については、「有料老人ホームの給料相場とは?平均給与や年収、収入アップの方法を解説」の記事もチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年7月28日)
有料老人ホームの仕事に関するよくある質問
ここでは、有料老人ホームの仕事に関するよくある質問にお答えします。「有料老人ホームの業務ってどんな感じなの?」と気になっている方は参考にしてください。
有料老人ホームの夜勤の仕事は楽?きつい?
有料老人ホームの夜勤は、介護度の高い方が多くいる特別養護老人ホームなどと比べると、体力的な負担が少ないといえるでしょう。自立度の高い入居者さんが多い場合、夜勤は見守り業務が中心となります。ただし、夜勤中に入居者さんの急変などが発生した場合は、医師・看護師と連携したうえで迅速な対応が必要です。「見守りだけだから楽」とは限らないので、注意しましょう。
詳しくは、「有料老人ホームの夜勤の実態は?仕事内容や大変なこと、メリットを解説」の記事をご覧ください。
有料老人ホームの仕事は介護の資格がなくてもできますか?
有料老人ホームの仕事は、内容によっては介護資格がなくてもできます。資格なしで有料老人ホームに転職した方が担当できる仕事内容は、掃除や洗濯といった生活援助です。また、有資格者の指導や監督のもとであれば身体介護も行えます。ただし、無資格の場合は訪問介護のように1人で身体介護を行うことは原則禁止されているので注意が必要です。
介護の資格がない方が職場を探すときは、教育体制や研修制度が整っている施設を選ぶと良いでしょう。職場のサポートを受けて現場で知識やスキルを身につけながら、資格取得を目指せます。
有料老人ホームの仕事に活かせる資格については、「老人ホームで働くには資格が必要?取得のメリットや施設の種類も解説」の記事にまとめているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
まとめ
有料老人ホームの職員は、業務内容が幅広かったり、入居者さんから難しい要求をされたりすることから、「仕事がきつい」と感じる場合があるようです。ほかの高齢者施設よりもホスピタリティを重視する傾向があるため、戸惑ってしまう介護職員もいるかもしれません。
しかし、有料老人ホームの仕事には、身体介護が少なめだったり、未経験でも安心して働ける職場が多かったりするメリットもあります。入居者さん一人ひとりを長期的にサポートしたい方は、有料老人ホームに向いているでしょう。
「有料老人ホームで働きたい」「まだ施設は決めていないけど介護職に興味がある」という方は、介護業界に特化した転職エージェントであるレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


