この記事のまとめ
- 有料老人ホームに受かる志望動機にするには、応募先の特色を掴むことが大事
- 伝わりやすい志望動機の構成は、冒頭で結論を簡潔にまとめるのがポイント
- 有料老人ホームの志望動機を書く際は、前職のネガティブな内容は避ける
有料老人ホームへの転職活動を行うなかで、「履歴書の志望動機が思いつかない」と悩む方もいるでしょう。説得力のある志望動機にするには、応募先の特色や採用のニーズを掴み、志望動機に絡めることがポイントです。この記事では、有料老人ホームに転職する際の志望動機の書き方を解説します。また、状況別の志望動機例も紹介しているので、有料老人ホームへの転職活動を行っている方は参考にしてみてください。
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目次
有料老人ホームの志望動機を作成するポイント
採用担当者の印象に残る志望動機にするには、まず有料老人ホームに対する理解を深ることが大切です。さらに、応募先の強みや特色を調べて志望動機に絡めることで、より熱意の伝わる文章になるでしょう。
ここでは、有料老人ホームの志望動機を作成する際に押さえておいたほうが良いポイントを解説します。志望動機を作成する前に、チェックしておきましょう。
有料老人ホームの種類の違いを理解する
有料老人ホームは民間企業が運営する入居施設です。「食事の提供」「介護」「家事」「健康管理」など、提供するサービス内容によって、「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類に分けられます。
下記で、それぞれの入居条件や特徴を解説するので確認してみましょう。
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、主に入浴介助や排泄介助といった身体介護や生活支援などの介護サービスを提供する入居施設です。介護付老人ホームには、「自立型」「混合型」「介護専用型」の3種類があり、自立の方が入居できる施設もあれば、要介護1以上の方を対象としている施設もあるなど、入居条件は施設によって差があります。また、喀痰吸引や経管栄養、在宅酸素といった医療面の受け入れ態勢の有無も施設によって違うため、事前に調べておくと良いでしょう。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、主に食事・掃除・洗濯などの生活支援や健康管理サービスを提供する入居施設です。自立や要支援の方を対象としているところが多く、介護付きと比較して入居者さまの介護度は低い傾向にあります。介護が必要になった入居者さまは、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを利用しながら、施設での生活を続けることが可能です。
住宅型有料老人ホームについて詳しく知りたい方は、「住宅型有料老人ホームの仕事内容とは?働くメリット・デメリットも紹介」の記事もご覧ください。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、食事の提供や日常生活の支援などを行っている入居施設です。施設によって、温泉やジム、カラオケといった入居者さまが活発に活動できる設備が整っているのが特徴。主に自立した生活ができる高齢の方を対象にしており、介護が必要になった場合は退所となります。
健康型有料老人ホームに興味のある方は、「健康型有料老人ホームとは?ほかの介護施設との違いや働くポイントを知ろう」を参考にしてみてください。
施設の強みや特色を志望動機に絡める
転職を希望する施設の強みや特色を志望動機に絡めて書くことで、ほかの施設ではなく「その施設を選んだ理由」を明確に示せます。より説得力が増し、採用担当者の目に留まる志望動機になるでしょう。
前述のとおり、民間企業が運営する有料老人ホームは、施設によって強みや特色が大きく異なります。たとえば、同じ「介護付き」であったとしても、リハビリや季節ごとのイベントに力を入れている施設もあれば、医療的ケアや看取りに特化した施設もあるなど、施設の特徴はさまざま。もし、「強みや特色が分からない」という場合は、複数の施設を比較してみると良いでしょう。比較することで、応募先の強みや特色が見えてくるはずです。
施設が求める人物像に合うスキルや資格をアピールする
自分の強みやスキルは、転職を希望する施設のニーズに合わせて積極的にアピールすることが大切です。下記では、介護職員のアピールポイントの例を紹介します。
- 仲間と協力しながら仕事を進められる協調性
- 幅広い介護度の方に対応できる介護スキル
- スキルアップしていこうという向上心
- 丁寧な顧客対応ができる接遇スキル
- 利用者さんや同僚同士とのコミュニケーションスキル
- 保有している介護資格
理念に対する共感を重視している会社もあるため、理念に共感している旨も積極的に伝えると良いでしょう。アピールポイントが分からない場合は、自己分析を行うことをおすすめします。介護職員の自己分析のやり方を知りたい方は、「介護士さんの自己分析!業界の転職で効果的にアピールするコツを解説」をご覧ください。
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アドバイザーに相談する(無料)有料老人ホームにおける志望動機の書き方
有料老人ホームの志望動機は、「結論」「志望動機のきっかけとなる出来事」「応募先を選んだ理由」「入職後のビジョン」の構成で書くのがポイントです。構成を意識することで、志望した理由や熱意が伝わりやすい文章になります。下記では、志望動機の書き方を詳しく解説。転職活動の際の参考にしてみてください。
書き始めは結論を簡潔にまとめる
「○○という理由で、志望しました。」というように、冒頭に結論を持ってくることで、分かりやすくインパクトのある志望動機になります。また、結論は簡潔にまとめるのもポイント。書き出しの結論が長くなってしまうと、結局何を伝えたいのか分からない文章になってしまうので、簡潔に書くことを意識してみましょう。また、結論が簡潔にまとまっていると、物事を道筋を立てて考えられる能力があることのアピールにもなります。
「なかなか志望動機の書き出しが書けない」という方は、「志望動機の書き出しのポイントとは?介護職の就活に活かせる例文もご紹介!」の記事も参考にしてみてください
具体的な経験を交えて志望動機に説得力を持たせる
結論に続いて、その考えに至った具体的なエピソードを書いてみましょう。具体的なエピソードを書くことで、志望動機に説得力を持たせ、意欲や熱意の高さをアピールできます。
有料老人ホームへの転職を決意したきっかけとなった出来事を、改めて思い返してみましょう。
施設の特徴を記載し応募先ならではの志望理由を作る
「施設の強みや特色を志望動機に絡める」でも述べたように、志望動機を書く際は、応募先施設の強みや特色を絡めることが大切です。具体的な経験に続いて、「この施設だからこそ、自分のやりたいケアができる」という内容を、ほかの施設との差別化を意識したうえで書いてみましょう。
施設の特徴を把握するためには、求人票や公式Webサイトで調べるだけでなく、職場見学で実際に自分の目で見てみることをおすすめします。
入職後のビジョンは応募先のニーズに合わせる
志望動機の締めくくりは、入職後をイメージできるようなビジョンを伝えます。「入職後はどのように働いていきたいのか」や「志望先施設で達成したい目標」などを伝えることで、採用担当者に好印象を持ってもらえるでしょう。入職後のビジョンは応募先で叶えられるような内容かつ、採用担当者が求める人物像に合わせることがポイントです。
志望動機の文字数と敬称を整える
内容の骨組みができたら、文字数と敬称を揃えて完成です。志望動機の文字数は、履歴書の記入欄のサイズによって差は出るものの、200~300文字が基本。1文が長過ぎる箇所は2文に分けるなどして、読みやすくしましょう。
また、履歴書における敬称にも注意が必要です。設置主体が社会福祉法人の場合「貴法人」となり、株式会社なら「貴社」と書きます。なお、面接では「御法人」「御社」となるので、留意しておいてください。
ほかにも、間違いやすいものとして、「利用者」と「入居者(入所者)」があります。基本的に、介護サービスを利用している人を指す場合は「利用者」です。しかし、有料老人ホームや特別養護老人ホーム(特養)など、生活拠点が施設である場合は、「入居者」となります。一方、介護老人保健施設(老健)やデイサービスを利用している方の場合、生活拠点は自宅なので「利用者」です。
利用者と入居者の使い分けを見ている採用担当者もいるため、志望動機を書く際は正しく使い分けるように気を付けましょう。
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有料老人ホームへの転職で使える志望動機の例文
ここでは、有料老人ホームへの転職で使える志望動機の例文をパターン別で紹介します。志望動機がどうしても思いつかないときの参考にしてみると良いでしょう。なお、例文を参考にする際は、自分の経験を入れるなどして自分なりの志望動機にしてみてください。
有料老人ホームから有料老人ホームへ転職するときの志望動機
私は、一人ひとりの入居者さんの希望を叶える貴施設の姿勢に感銘を受け、貴施設を志望しました。私はこれまでも有料老人ホームで勤務してきました。前の施設では一人ひとりへの寄り添いを大切にしてきたのですが、深刻な人手不足からプラスアルファの工夫まではやりきれないことが多くありました。入居者さんが望んでいることは分かるのに、それを実現する余裕や仕組みがないことに歯がゆさを感じていたとき、貴施設のSNSアカウントを見つけました。入居者さんの夢を叶える制度や外部講師を招待したオリジナリティあふれるイベント活動を知り、「私もこんなふうに入居者さんの人生を充実させるお手伝いがしたい」と強く感じました。
デイサービスでも勤務した経験があり、レクリエーションのレパートリーは豊富です。入居者さんが楽しめる企画を率先して考えていきたいと思います。
特養から有料老人ホームへ転職するときの志望動機
私は、「心に寄り添うケアの実践」という理念に共感し、入居者さん一人ひとりに寄り添ったケアを実現したいと思い、貴施設を志望しました。これまでは従来型の特別養護老人ホームにて、3年間介護度の高い方を中心に介護スキルを磨いて参りました。今後も介護職として活躍していくことを考えたとき、要介護1・2の方に対して自立支援を意識した関わり方ができるようになりたいと感じるようになりました。貴施設は、入居者さんへの寄り添いを重視し、入居者さんがご自身でできることは時間がかかっても自分で行えるよう、職員が支援を行っているとうかがい、とても魅力的に感じました。
これまで培ってきた介護技術を活かしながら、有料老人ホームならではのケアをしっかり学び、できるだけ早くお役に立てるよう頑張りたいと思います。
訪問介護事業所から有料老人ホームに転職するときの志望動機
私は、多角的なケアの視点を取り入れて、利用者さんに良いサービスを提供できるようになりたいと思い、貴施設を志望しました。これまでは訪問介護事業所にて、個別ケアに力を入れて経験を積んで参りました。基本的に1人で訪問してサービスを提供するので、ほかの介護職員の仕事の様子を見ることがなく、自己流の介護に偏っていることが心配になりました。また、日中の時間帯しかサービスを提供しないため、夜間に大人数の利用者さんのケアを行う経験を積んだことがありません。介護職としてできることを増やしたいという思いから、幅広い介護度の方に昼夜問わず関わることができ、ほかの職員の声掛けや介助の方法を学べる有料老人ホームを志望しました。
中でも貴施設は、看護師や訪問診療の医師との連携に力を入れているとうかがっております。サービス提供責任者として訪問看護師やケアマネと連携した経験を活かして働けると感じたので、貴施設を志望しました。
デイサービスから有料老人ホームへ転職ときの志望動機
私は、ユマニチュードの考え方を大切にした認知症介護を実践できることに魅力を感じ、貴施設を志望しました。これまではデイサービスにて、介護度の低い利用者さんに対して日中楽しんで過ごしていただくことを意識して介護経験を積んで参りました。デイサービスには、状態が悪化して有料老人ホームや特養に移られる方が多くいます。認知症の症状から拒否が強まったりコミュニケーションが取りづらくなったりする方も多く、自分の介護に課題を感じることが多くありました。認知症の方や介護度が高い方へ適切な介護ができるようになりたいと感じたため、貴施設でユマニチュードや介護技術を身につけたいと考えております。
デイサービスで利用者さんが楽しんでくれるイベントやレクリエーションをたくさん考えてきたので、レクリエーションの運営という面ではこれまでのスキルを活かせると思います。足りないスキルについては先輩方のケアを見て積極的に勉強し、プロとして活躍できるよう精進してまいります。
未経験から有料老人ホームへ転職するときの志望動機
私は教育体制が充実していて、地域に密着した介護を提供している点に魅力を感じ、貴施設を志望しました。
私は母とともに祖父の介護をしていました。認知症も進行し、食事介助等大変ではありましたが、祖父との関わりは貴重な体験で、充実した時間を過ごせたと思っております。今考えると介護をできてよかったと感じております。
私はこれまで事務職として働いてきましたが、祖父の介護の経験から介護業界に行きたいと思うことが強くなってきました。
入職後は先輩方からしっかりと学び、スキルと知識を身につけて行きたいと考えております。
ブランクがある場合の有料老人ホームの志望動機
私が貴施設を志望した理由は、「利用者さんの笑顔のために」という理念に共感したためです。
私は7年前まで介護老人保健施設の介護士として3年間勤務していました。結婚と出産を機に一度退職して、他業界でパートとして働いてきました。子育てが一段落して、正社員として勤務をするうえで、介護職への復帰を考えるようになりました。
介護職員として働いていたときには、利用者さんからの「ありがとう」の言葉や笑顔にはとてもやりがいを感じていました。
貴施設に採用いただけた際には、利用者さんの笑顔のために、一人ひとりに寄り添った介護をしていきたいと考えております。また過去の経験を活かしつつも、一から学ぶ心づもりで業務に取り組んでいきたいと思っています。
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介護職の志望動機が思いつかない!例文でわかる考え方や書き方のコツ
有料老人ホームの志望動機NGケース
ここでは、有料老人ホームにおける志望動機で避けた方が良いポイントを紹介します。志望動機を書く前にチェックしておきましょう。
前職のネガティブな内容
「前職の人間関係が悪かったから」「前職は業務量が多く大変だったから」などネガティブな内容をもとにした志望動機はNGです。「うちの職場でも不満に感じるのでは?」「不満があったらすぐ辞めてしまうのでは?」と、マイナスの印象を与えてしまい、採用が遠のく可能性があります。「前の職場環境が悪かったから転職した」と捉えられるような志望動機にならないように、注意しましょう。
転職エージェントにおすすめされたから
「転職エージェントにおすすめされたから」といった志望動機は、採用担当者から「おすすめされたらどこでも良いの?」と思われる可能性があり、好印象にはつながりません。転職エージェントを利用して転職する場合、アドバイザーが志望動機を一緒に考えてくれることが多いので、不安があれば相談すると良いでしょう。
待遇・条件がいいから
本音であっても、「福利厚生が良かったから」「収入を上げたかったから」「勤務時間がライフスタイルに合っているから」などの待遇や条件を志望動機として書くのは避けましょう。「もっと条件がいい職場が見つかったらまた転職してしまうのでは?」「丁寧な仕事をしてくれるか心配」といった、マイナスのイメージを持たれてしまう可能性があります。業務内容やキャリアに関連付けた志望動機にすることが、印象が良い志望動機にするためのポイントです。
有料老人ホームの志望動機に関するよくある質問
ここでは、有料老人ホームの志望動機に関するよくある質問を紹介します。有料老人ホームの転職活動でお悩みを抱えている方は、参考にしてみてください。
志望動機が思いつかないときはどうしたら良い?
志望動機が思いつかないときは、自己分析や企業分析が十分でない可能性があります。志望動機を書く際は、自分の価値観を明確にする「自己分析」と、応募先施設の情報を詳しく調べる「企業分析」が重要です。「転職しようと思った経験」や「どんな介護を行いたいのか」といった自己分析をしたうえで、応募先のニーズに合わせて志望動機を書いてみましょう。「有料老人ホームへの転職で使える志望動機の例文」では、状況別の志望動機の例文を紹介しています。志望動機の書き方に悩んだ際に参考にしてみてください。
有料老人ホームの面接で志望動機の答え方のコツは?
面接における志望動機の回答は、まず「なぜ、この施設を志望したのか」という結論から述べるのがポイントです。結論から述べることで、そのあとに続く内容が分かりやすくなり、説得力のある志望動機になります。続いて、結論に至った理由を、具体的な経験を絡めて述べ、入職後のビジョンで締めるのが基本的な流れです。有料老人ホームの面接を控えている方は、「有料老人ホームの面接でよく聞かれる質問とは?介護職の転職のコツ!」の記事もご覧ください。
まとめ
有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類あります。施設によって提供している介護サービスや仕事内容は大きく異なるため、有料老人ホームの志望動機を考える前には、応募施設の特徴を十分に調べることが重要です。応募施設の特徴を調べることで、採用担当者が求める人物像は見えてくるはずです。有料老人ホームのニーズに合わせて自分をアピールすることで、より効果的な志望動機になります。この記事でも志望動機の例文をご紹介しているので、参考にしつつ、自分の言葉で志望動機を考えてみてください。
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