あなたは区別できる?要支援・要介護度7段階のしくみ

ニュース 2016/07/08
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介護保険制度では、サービス費用のおよそ9割が介護給付によって賄われています。その財源構成は40歳以上の被保険者が納める保険料(50%)と公費(50%)。他の社会保険制度に比べ、公費の割合が高い点が特徴です。また、公費については国が1/2(全体比25%)、市町村(保険者)および都道府県がそれぞれ1/4(全体比12.5%)を負担しています。

さらに、予算が膨らんだ場合に不足分を後払いで補填できる「清算交付」、「財政安定化基金」からの貸付・交付金など、保険者の財源は重層的にバックアップされています。とはいえ、誰もが好きな時に好きなサービスを使い続ければ、介護給付は青天井に。そこで、限りある財源を適正に配分し、本当に必要なところに必要なサービスを届けるための基準となるのが「要介護度」。今回は要介護度7区分の状態についてお伝えします!

要介護度別 平均的な状態区分の目安


要介護認定の判定基準は「介護の必要度」「介護を提供する際にかかる手間」であり、障害や疾病の程度・状態ではありません。認定結果は大別すると3区分――(1)非該当(2)要支援(3)要介護。さらに、「要支援」には2つ、「要介護」には5つの下位区分があり、要介護度は全部で7つの状態区分に細分化されます。

非該当(自立): 身の周りのことを自分で行うことができ、介護を必要としない状態

■要支援: 日常生活上の基本動作において支援を必要とする場合もあるが、概ね自立した生活を送ることができ、また適切な介護サービスの利用によって心身機能の改善が見込まれる状態(法7条2項)

・要支援1
 基本的な日常生活の能力があり特別な介護は必要ないが、身の回りの世話に一部に支援が必要な状態
・要支援2
要支援1と同様の状態ではあるが、立ち上がりや歩行がやや不安定で、入浴などに一部介助が必要となる場合もある

■要介護: 日常生活上の基本動作において、常に介護の必要が見込まれる状態(法7条1項)

・要介護1
 立ち上がりや歩行が不安定。排泄・入浴など部分的な介助が必要な状態
・要介護2
 立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄・入浴などに一部または全面的な介助が必要な状態
・要介護3
 立ち上がりや歩行などが自力ではできない。排泄・入浴・衣服の着脱など全面的な介助が必要な状態
・要介護4
 排泄・入浴・衣服の着脱など、日常生活に全面的な介助が必要な状態
・要介護5
 ほぼ寝たきりで、意志の伝達も困難な場合もある。日常生活全般に全面的な介助が必要な状態

要介護度別 利用可能な介護サービス


要介護認定を申請し正式な要支援・要介護認定を受けると、それぞれの要介護度状態区分に応じたさ介護保険サービスを受けることができます。

「要介護」と認定された場合は「介護給付」、「要支援」の場合は「予防給付」が支給されます。
介護給付による「介護サービス」の目的は「自立した生活の支援」、予防給付による「介護予防サービス」の目的は「心身機能の維持や改善」です。

「要介護」はあらゆる介護保険サービス(在宅・施設・地域密着型)の利用が可能ですが、「要支援」では以下のサービスが対象外となっています。

<予防給付の対象外サービス>
■施設サービスのすべて
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設
■地域密着型サービスの一部
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・看護小規模多機能型居宅介護
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

つまり、「入所型」や「24時間対応型」など、より介護の手間がかかるサービスは「要介護」に割り振られています。


現行の要介護度の区分にはいくつかの課題も。例えば、介護の手間がかる認知症高齢者が身体機能上はあまり問題がないゆえに軽度と判定されてしまうなど、要介護度と実態との間にズレが生じるケースが散見されます。また、要介護認定1件あたりの費用は約2万円、3年ごとに実施される要介護認定システムのメンテナンスには億単位の費用がかかるなど、財政面での課題もあります。

とはいえ、介護サービスの利用を希望する高齢者について「どの程度の介護給付が支給されるべきか」を明確にする要介護度の設定が、介護保険制度の公平性を担保していることは確かです。2015年度の第4次改正に続き、今後これらの課題についてどのように議論されるのか、その最新の動向にも注視してみてくださいね!

出典:
厚生労働省. “公的介護保険制度の現状と今後の役割”. 厚生労働省HP. 2013.
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/dl/hoken.pdf, (参照2016-04-11).
厚生労働省. “平成25年度介護保険事業状況報告(年報)”. 政府統計の総合窓口e-Stat HP. 2015. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001031648, (参照2016-04-11).
静岡市保健福祉長寿局健康福祉部介護保険課給付・認定係. “要介護度別の状態区分”. 静岡市HP. 2015.http://www.city.shizuoka.jp/000055497.pdf, (参照2016-04-11).
山口春子. 介護保険: 保険事故の範囲と給付の限界. 東京成徳大学研究紀要(7). 2000, pp.99~112.

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