
この記事のまとめ
- 介護とは、支援が必要な方をケアをしたり、自立をサポートしたりすること
- 介護の仕事の魅力は、年齢を問わず働けることや、スキルアップしやすいこと
- 介護の仕事では、周囲に気を配ることや、利用者さんに寄り添うことが大切
「介護とは何か」疑問に感じている方はいませんか?介護の仕事に興味がある方や、始めて間もない介護士さんにとって、介護とは何か深く知ることは大切です。そこで本記事では、介護とは何かをはじめ、介護業界の現状や仕事の魅力・やりがい、活躍の場など、介護に関する基本情報をまとめました。介護と介助、看護との用語の違いについても解説しているので、介護の仕事を深く知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
介護とは何か
介護とは「高齢者や介護が必要な方の身の回りをお世話したり自立を支援したりすること」です。日常生活を送ることが困難な人に対して生活全般を支援し、自立を目指すことです。身体介助だけでなく精神面の援助も含みます。
介助と介護の違い
介助とは、「対象者のそばで動作を手助けすること」です。介護士さんが行うような、食事介助や入浴介助、排泄介助といった日常生活のサポートそのものを指します。介護のなかに、日常生活の介助が含まれると考えると分かりやすいかもしれません。
看護と介護の違い
看護は、健康状態に回復するまでの支援をすることで、介護との大きな違いは医療行為に対応できる点にあります。処方箋を参考に注射薬やとん服ができ、排せつ時に人工肛門を扱うことが可能です。また予防指導やご家族の心理的ケアなども含まれます。
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介護の現状
2000年にスタートした介護保険制度は、介護を必要とする人の尊厳を保ち自立した日常生活を営むことを目的とし、現在まで発展してきました。しかし、近年介護に関する課題が複雑かつ複合化し、従来の体制を見直す動きがあります。
高齢の方、障がいのある方、子ども、生活困窮に関する各の窓口の一元化や、別々に管理されている医療や介護、社会・医療保険データの統合などにより、地域ごとに適切なサービスが提供できる支援体制の仕組み作りが急がれているのが現状です。
出典
厚生労働省「日本の介護保険制度について」(2021年8月23日)
介護の質が問われている
近年、日本でもQOL(quality of life)を追求した介護の形が提唱されるようになりました。QOLを追求する介護には、直接的な身体介助だけでなく、見守りやアドバイスという形で介護を必要とされる方の精神的、社会的な自立を支援することも含まれています。
そもそもQOLとは、「自分らしく充実した生活を送ることができているか」という人生の充実度を示す言葉。介護サービスがその人にとって本当に必要なものかどうかを判断するための重要な指針になるといえるでしょう。
介護の仕事の魅力とやりがい
介護の仕事の魅力は、「年齢に関係なく働ける」「無資格からでもスキルアップしやすい」「需要が高く職を失うリスクが低い」などが挙げられます。利用者さまの生活に寄り添い、感謝されることもある仕事のため、やりがいも多いはずです。以下で詳しく解説します。
1.年齢や性別に関係なく働ける
介護の仕事は、性別や年齢に関係なく働けます。年齢が若いうちに始めなくてはいけないわけではないので、家事や子育てが落ち着いてからでも挑戦することが可能です。介護施設は交代制が多いため、常勤・夜勤といった働き方もできます。そのため、育児や家事と両立したい方も、自分に合った職場を見つけやすいはずです。
2.無資格からでもスキルアップしやすい
未経験者を歓迎している介護施設が多いため、無資格からでもスキルアップしやすいメリットがあります。資格取得支援制度が整っている施設なら、無資格からでも働きながら資格取得を目指しやすいでしょう。介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、介護福祉士というように、ステップアップの道筋が明確なので、実務経験を積みながらキャリアアップを目指せます。
3.需要が高く職を失うリスクが低い
高齢化社会が進む日本では、今後も高齢者の人口は増加すことが予想されています。介護の需要もそう簡単になくならないと考えられるため、職を失うリスクが低いでしょう。また、引っ越しにともなう転職を考える場合でも、介護職の経験があれば比較的すぐに仕事を見つけられるはずです。
4.利用者さんの人生に寄り添い感謝される
介護士さんの仕事は、介護を必要とする人の心に寄り添い、自立した生活ができるように支援しすることです。利用者さんの人生に寄り添えるため、人に役に立ちたいと思う人は大きなやりがいを感じるでしょう。また、利用者さんから直接感謝を伝えてもらえるのも介護の仕事の魅力です。「ありがとう」と言われることで、さらに仕事へのモチベーションが高まるでしょう。
介護士さんの活躍の場
介護の需要が高まるとともに、介護士さんの活躍の場も増えています。ここでは介護士さんの活躍の場を4つ紹介。これから介護士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
1.通所型の介護施設
通所型の介護施設では、介護が必要な高齢者や障害のある方などを対象に日帰りで食事、入浴、排せつなどの介護や機能訓練などのサポートを行います。通所型の介護施設にはデイサービスがあり、利用者さんのご家族の介護負担軽減や孤立を防ぐ役割も。介護だけでなく、リズム体操や書道などさまざまなレクリエーションを実施するため、利用者さんとのコミュニケーションが多いのが特徴です。
2.入居型の介護施設
入居型の介護施設では、比較的要介護度の高い入居者さんを対象に日々の生活のサポートを行います。具体的には、自治体や社会福祉法人が運営し、原則要介護3以上の比較的重度の方を入所対象とする介護老人福祉施設(特養)や、民間企業が運営する有料老人ホームなどが挙げられるでしょう。
なお、有料老人ホームは、大きく分けて「介護付」と「住宅型」の2種類。「介護付き」は介護サービス提供をしますが、「住宅型」はあくまで高齢者向け住宅という位置づけのため、サービスを利用する場合は訪問介護やデイサービスと契約する形になります。そのため同敷地内にその施設を持っている場合が多いようです。
出典
厚生労働省『特別養護老人ホームの「特例入所」に係る国の指針(骨子案)について』(2021年8月23日)
3.訪問介護事業所
訪問介護事業所では、利用者さんのご自宅に訪問して介護サービスを提供します。食事、入浴、排せつ介助といった基本的な身体介助のほか、掃除や洗濯など家事のお手伝い、病院への付き添いといった生活援助まで、仕事内容は多岐にわたるのが特徴です。核家族化が進み家庭内での介護が難しくなるなかで、その役割はますます大きくなっていくことが予想されます。
4.医療機関
医療機関で入院患者さんを対象に介護サービスを行うこともあります。医療機関での介護士さんの仕事は、身体の自由が利かない方の食事や入浴、排せつ、移動などの介助業務、シーツ交換や清掃、洗濯などです。
医療法人や社会福祉法人などが運営する介護老人保健施設(老健)でも似たような仕事を行います。老健とは、病状が安定した人が自宅に戻れるよう医療ケアやリハビリを行う施設です。リハビリを行う理学療法士といった専門職との連携やサポートも重要になるでしょう。
介護職員として働く際に役立つ資格
介護士さんとして長期的に働くなら資格があると役立ちます。前述のとおり、無資格でも介護の仕事に挑戦できますが、キャリアアップを考える場合は資格があると有利です。ここでは、介護士さんとして働く際に役立つ資格をご紹介します。これからのキャリアのため、どんな資格があるのか知っておきましょう。
1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護の基礎知識を身につける入門資格のため、介護の仕事を始める方はまず取得しておきたい資格といえます。食事、入浴、排せつ介助など、高齢の方や障がいのある方に対して専門的なサポートを行うための知識と技術が身につき、安全で適切な介護が行えるようになるでしょう。研修は、講義と演習をあわせて130時間程度。最後には、筆記試験による修了評価を行います。受験資格はなく未経験の方でも受講可能です。
出典
厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」(2021年8月23日)
2.介護職員実務者研修
介護職員初任者研修の上位資格で、介護業務に関するより実践的で専門的な知識と技術が得られる資格です。たん吸引や胃ろうなど、経管栄養の基礎知識を学び、簡単な医療ケアができるようになります。介護福祉士を受験するための必須資格なので、介護の現場でのステップアップを考えている方には必要な資格です。
無資格の場合は450時間を受講します。介護職員初任者研修の資格がある場合は講座の130時間分が免除されるため、もう少し早い期間での取得が可能です。介護職員実務者研修を取得すると、より専門的な介護知識やスキルがあると証明でき活躍の場や仕事の幅が広がります。認知症の知識を活かしてグループホームでのリーダーや、訪問介護事業所ではサービス提供責任者として働くことも可能です。
出典
厚生労働省「介護福祉士資格の取得方法について」(2021年8月23日)
3.介護福祉士
介護福祉士は国家資格で、取得方法には3つのルートがあります。福祉系高校を卒業して取得する方法、指定校で科目と単位を取得して国家試験を受ける方法、実務経験を3年以上積んで介護職員実務者研修を修了してから国家試験を受ける方法の3つです。
介護福祉士の資格を取得すると、身体介護や生活援助の深い知識はもちろん、現場のリーダーとして介護職員をまとめる役割を担えます。ケアマネージャーや医師といった他職種との連携を図り、利用者さんのご家族へのアドバイスをすることも、介護福祉士の重要な仕事です。
出典
厚生労働省「介護福祉士資格の取得方法について」(2021年8月23日)
4.ケアマネージャー
ケアマネージャーは、利用者さんに適したサービスを提供するためのケアプラン作成、各市区町村・自治体・サービス事業者との連絡、調整を行うために必要な資格です。サービスを受けたい人が必要な保健・医療・福祉サービスを総合的に判断して適切なサービスが受けられるようにマネジメントします。
ケアマネージャーになるには、介護福祉士や社会福祉士などの一定の資格を持ち、実務経験が5年以上ある人が介護支援専門員実務研修受講試験に合格。そのうえで、介護支援専門員実務研修の課程を修了し、介護支援専門員証の交付を受けなければなりません。難易度は高めですが、介護業界で長く活躍したい方は、将来の目標にしてみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー) 」(2021年8月23日)
介護の仕事に取り組む際に大事な5つのポイント
介護を必要とする人に対して生活全般を支援し、自立を目指すという仕事は、利用者さんの健康や命に直接関わる仕事ともいえます。入浴や排せつ介助などは、体力的にも大変なことがあるでしょう。ここからは、介護の仕事に取り組む際に大事な5つのポイントをご紹介します。
1.周囲の様子に気を配る
介護の現場では、常に周りの様子に気を配ることで事故を防止できたり、異変にいち早く気づけたりします。とはいえ、働いている介護士さんよりも利用者さんの人数が多いため、1人ひとりをずっと見ているわけにはいきません。転倒の危険はないか、認知症の利用者さんが一人で外に出ようとしていないか、いつもと様子が違って元気がない人はいないかなど、できるだけ広い視野を持つようにしましょう。単に周りを見渡すのではなく、ある程度リスクを予測しながら見るようにすると、事故を未然に防ぐことができ、異変にもいち早く気づけるはずです。
2.利用者さんの心に寄り添う
利用者さん一人ひとりを尊重することは、介護をするうえで大切な心構えといえます。利用者さんは、人によって話や行動のペースが違うのは当たり前のことです。サービスを受ける際、遠慮をして本音が言えない利用者さんもいるかもしれません。毎日同じような業務をたくさんの利用者さんに対して行っていると、つい機械的な応対をしてしまいがちなので注意が必要です。どんな方でも安心して介護を受けてもらえるよう、相手に信頼してもらうことが大切なので、一人ひとりに合った対応や会話を心掛けましょう。
3.より良い介護を目指し学び続ける
介護の業務は時代や利用者さんの状態によって変化するものです。介護や医療の知識・技術は日々進化しているため、新しい情報にアップデートする必要があります。現状に満足せず、新しい介護方法や介護用具でより良くする方法はないかと常に向上心を持ち続けることも大切です。最新の知識や技術を身につけることは利用者さんに対してより良いケアができるだけでなく、自分自身の身を守ることや負担を減らすことにもつながるでしょう。
4.気持ちを切り替える
介護の仕事ではストレスや疲労を感じることもあるため、うまく気持ちを切り替えることが大切です。ときには意思疎通が難しかったり、クレームをされたりすることも。頭で理解はしていても、モチベーションの低下につながる場合もあるでしょう。ストレスや披露を感じたときは、仕事は仕事と切り替えて、休みの日は仕事のことを一切考えずにリフレッシュしてみましょう。仕事中に小さなことでも何か楽しみを見つけて、気持ちを切り替えられるようにしておくのもおすすめです。
5.コミュニケーション能力を鍛えておく
介護の基本はコミュニケーションともいえるので、日ごろから意識して鍛えておきましょう。たとえば、介護現場では交代制で時間帯によって働く人が変わることが多いため、チームワークは重要といえます。小さなことでも一人で抱えるのではなく、周りと共有することが大切。悩みがあれば先輩や上司に相談するなど、報告・連絡・相談をしっかり行い、スムーズに業務を進めましょう。
また、利用者さんとのコミュニケーションも大切です。何気ない会話や声掛けから異変に気づけることがあるため、リスク回避につながるでしょう。普段から利用者さんのご家族とのコミュニケーションを大切にしていれば、何かあったときすぐに相談できます。難しく考えずに周りをよく見て積極的に声をかけていれば、自然と信頼関係も築けるはずです。
介護とは何かを理解して着実に経験を積もう
介護とは、高齢者や介護が必要な方の身の回りをお世話したり自立を支援したりすることです。働く施設によって仕事内容が変わり、求める人材も異なります。質の高い介護サービスを提供するには、介護とは何かを理解することや、スキルを向上させる努力が大切です。
「スキルアップを叶えたい」「より良い環境で働きたい」という介護士さんは、転職を検討してみてはいかがでしょうか?介護専門の転職エージェント「レバウェル介護(旧 きらケア)」では、転職を希望する介護士さんのニーズを丁寧にヒアリングしたうえで、希望や適性に沿った求人をご紹介。専任のアドバイザーが、求人情報サイトだけでは分かりにくい職場環境もお伝えするため、安心して入職いただけます。サービスは無料なので、ぜひお気軽にご相談くださいね。
介護の仕事に関してよくある質問
ここでは、介護の仕事でよくある質問をQ&A形式で回答していきます。
介護で大切なことは何ですか?
接遇マナーを心がけることが大事です。介護現場における接遇とは、おもてなしの心をもって利用者さんに接することを指します。利用者さんと信頼関係を築き、安心安全の介護を行うためにも接遇マナーが必要です。「介護職の接遇マナーとは?重要性とキホンの5原則」の記事では、介護職に求められる接遇マナーについて詳しく解説しています。
介護の基本はどうすれば身につけられる?
介護職員初任者研修を修了することで身につけられます。介護職員初任者研修は、介護業界の入門といえる資格で、介護職に必要な知識や技術を習得することが可能です。介護職員初任者研修の詳細は「介護職員初任者研修とは?資格を取得する方法やメリット・デメリットを解説」の記事でまとめているので、ぜひご確認ください。
面接で「あなたにとって介護とは」と聞かれたら?
自分の介護観を前向きな言葉で伝えましょう。介護職の面接では、仕事に対する熱意のある回答を踏まえ、採用担当者へ好印象を与えることが大切です。そのほか面接でよく聞かれる質問については、「介護職の面接でよく聞かれる21の質問と回答例!選考通過のポイントも紹介」を参考にしてください。
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