どうなる介護療養型医療施設?!2017年度末廃止後のゆくえ

ニュース 2016/07/08
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「介護療養型医療施設」とは、急性期医療を終え慢性期に突入した要介護高齢者が長期療養するための施設。医療施設でありながら、手厚い介護も同時に提供できるという特徴があります。政府は2018年3月末で介護療養型医療施設の廃止を予定しており、実質機能を継承する新しい施設の形態について検討が進められています。今回は介護療養型医療施設をテーマに、現行のサービス内容、廃止決定に至った背景、新施設の類型(2016年1月に公表)ついてご紹介します!


介護療養型医療施設とは?


介護療養型医療施設のサービス内容や入居条件などについて簡単にまとめてみました♪

施設の特徴


介護療養型医療施設は介護老人福祉施設・介護老人保健施設と並ぶ介護保険施設の一つ。長期にわたる医療・介護の必要性の高い高齢者が対象で、施設サービスのなかで最も充実した医療的ケアを受けることができます。

介護療養型医療施設の原型は1993年施行の医療法改正において創設された「療養型病床群」。一般病床よりも病床面積を増やし食堂や談話室を設けるなど、療養環境を整備した病床区分です。

2000年に介護保険法が施行されると、療養型病床群は介護保険適用の「介護療養型医療施設」と医療保険適用の「医療型療養病床(病棟・施設)」とに区別されることに。こうした経緯から、介護療養型医療施設は二つの法律――「介護保険法」と「医療法」――を根拠法としています。

主なサービス内容


・療養上の管理および看護
・医学的管理下での日常生活上の介護
・機能訓練
・ターミナルケア

設備基準


・病室(1室4床以下):1人当たりの面積 6.4平方メートル以上
・機能訓練室:40平方メートル以上
・食堂:1平方メートル×入居者数以上
・浴室:身体の不自由な方の入浴に適したもの

人員配置


・医師:医療法に規定する必要数以上 (概算で48対1)
・薬剤師:医療法に規定する必要数以上 (概算で150対1以上)
・看護師:6対1以上
・介護職員:6対1以上
・理学療法士:実情に応じた適当数
・作業療法士:実情に応じた適当数
・ケアマネージャー:1以上 (100対1を標準とする)
・栄養士:医療法に規定する必要数以上 (100床以上の場合1)

入居条件


・原則65歳以上の方
・病状は安定しているが医療管理――喀痰吸引、経管栄養、膀胱留置カテーテルなど――が常時必要で、かつ要介護1以上の認定を受けている方

どうして廃止されるの?


介護療養型医療施設の廃止は2006年の医療構造改革法で決まりました。理由としては、医療型療養病床も介護型療養病床もサービス内容が実質的に変わらないこと、医療サービスを必ずしも必要としない高齢者の利用が問題視されたことなどが挙げられます。

これらを踏まえ、政府は「高齢者の状態に即した適切なサービスの提供」「財源(医療保険や介護保険)の効率的な活用」「医師や看護師など限られた人材の効率的な活用」を柱とする療養病床の再編成に着手。当初は2013年度から新体制になる予定でしたが、介護老人保健施設などへの転換がうまく進まなかったため、廃止は2017年度末まで延長されることになりました。

新施設の概要(案)最新情報――ここがポイント!――


廃止が決定しているとはいえ、「医療」と「介護」両方のサービスを必要とする高齢者は増加の一途をたどっています。介護療養型医療施設の実質的な機能は、介護老人保健施設のほか新たな施設に移行される予定で、2016年1月に新施設のモデル案が公表されました。

<慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル>
(厚生労働省「療養病床の在り方等に関する検討会」、2016年1月28日付)

■案1 医療内包型
□案1-1
(1)サービスの特徴:長期療養を目的としたサービス(とくに「介護」の必要性が高い方を想定)
(2)設置:長期療養に対応した施設(医療提供施設)
(3)利用者像(「医療区分1」が中心・長期の医療および介護が必要な方)
・医療の必要性が比較的高く、容体が急変するリスクのある方
(4)医療機能
・喀痰吸引や経管栄養を中心とした日常的・継続的な医学管理
・24時間の看取り、ターミナルケア
・当直体制(夜間・休日の対応)またはオンコール体制
(5)介護機能:高い介護ニーズに対応

□案1-2
(1)サービスの特徴:長期療養を目的としたサービス
(2)設置:長期療養に対応した施設(医療提供施設)
(3)利用者像(「医療区分1」が中心・長期の医療および介護が必要な方)
・医療の必要性は多様だが、容体は比較的安定している方
(4)医療機能
・多様なニーズに対応する日常的な医学管理
・オンコール体制による看取り、ターミナルケア
(5)介護機能:多様な介護ニーズに対応

■案2 医療外付型
(1)サービスの特徴:居住スペースに病院・診療所が併設した場で提供されるサービス
(2)設置:病院・診療所および居住スペース
(3)利用者像(「医療区分1」が中心・長期の医療および介護が必要な方)
・医療の必要性は多様だが、容体は比較的安定している方
(4)医療機能
・多様なニーズに対応する日常的な医学管理
・併設する病院・診療所からのオンコール体制による看取り、ターミナルケア
(5)介護機能:多様な介護ニーズに対応


政府は2018年度の開設を目指し、療養病床の廃止後、受け皿となるサービス提供の新モデルに関する議論を加速させる方針です。2016年4月中には社会保障会議に「療養病床の在り方等に関する特別部会」を設置。新モデル導入の是非、財源問題――医療保険と介護保険のどちらに位置付けるか、利用者負担の割合などについて年内に取りめたいとしています。今後ますます高まる慢性期医療・介護のニーズ。最新の動向を見守って行きたいですね!

出典:
厚生労働省. “医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較”. 2015. http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000096872.pdf, (参照2016-05-9).
 厚生労働省. “平成27年度介護報酬改定に向けて: 介護老人保健施設、介護療養型医療施設について”. 2015. http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000053838.pdf, (参照2016-05-9).
厚生労働省. “「療養病床の在り方等に関する特別部会」の設置について(案)”. 2016. http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/sanko1-2.pdf, (参照2016-05-9).
厚生労働省. “療養病床の再編成について”. 2006. http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0927-8c.pdf, (参照2016-05-9).
 厚生労働省. “療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて: サービス提供体制の新たな選択肢の整理案について”.2016. http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000109360.pdf, (参照2016-05-9).

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