
この記事のまとめ
- 介護保険施設とは、介護保険法に基づいた介護給付対象の入居施設のこと
- 介護保険施設の種類は、介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設など
- 介護保険施設で提供するサービスは、身体介護や生活援助、機能訓練など
介護サービスを提供する施設はたくさんあるため、「あの施設は介護保険施設?」と悩んでしまう方もいるでしょう。介護保健施設と呼ばれるものは、全部で4種類存在します。有料老人ホームやグループホームは介護保険施設ではないので区別しましょう。本記事では、介護保険施設とは何かや種類、入所対象者、費用などを網羅的にまとめました。「介護施設の種類がいろいろあってよく分からない」という方は、ぜひご参照ください。
目次
介護保険施設とは?
介護保険施設とは、介護保険法に基づいた介護給付の対象となる入居施設を指します。具体的には下記の4施設です。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
都道府県や政令指定都市、中核市が運営する公的な介護施設のため、入居時費用がありません。また、民間の介護施設に比べて安価で入居できます。
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介護保険施設は4種類
冒頭でお伝えしたように、介護保険施設は4種類あります。厚生労働省の「介護保険制度をめぐる最近の動向について(p.7)」によれば介護給付を行う施設サービスは「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」のみ。有料老人ホームなどが含まれる特定施設入居者生活介護は、居宅介護サービスに分類されます。
1.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・特養)
介護老人福祉施設とは、地方公共団体や社会福祉法人などが運営する介護保険施設です。原則、要介護度3以上で在宅生活が困難な被保険者の方を対象に、日常生活や療養上で必要な介護サービスや身の回りの世話、機能訓練、健康管理などを行います。居室の種類は大きく分けて多床室とユニット型の2種類。高齢者が最期まで安心して暮らせる住まいとしての役割もあるため人気で、入居を待っている方も少なくありません。厚生労働省の「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」によれば、2022年度の入居待機者は25.3万人に及ぶことが分かりました。
なお、介護保険法に基づく名称は「介護老人福祉施設」、老人福祉法に基づく名称は特別養護老人ホーム(特養)です。また、定員29名以下の小規模な施設は「地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)」といいます。
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2.介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、医師による管理・指導のもとで看護・介護・機能訓練・医療を提供し、入居者さまの在宅復帰をサポートする介護保険施設です。地方公共団体や医療法人などが運営しています。受け入れ対象となるのは、病状が安定期にあり入院治療をする必要はないものの、在宅での生活に支障のある要介護1以上の被保険者。医療的ケアやリハビリテーションを中心に在宅復帰を目指す施設のため、入所期間は3~6ヶ月程度と短めです。
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3.介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、医療や長期療養を必要とする要介護者のための介護保険施設です。運営者は地方公共団体や医療法人となっており、療養病床を有している病院や診療所が該当します。介護療養型医療施設では、医師による管理・指導のもと、看護・介護・機能訓練・医療を提供しながら長期的な療養をサポート。カテーテルの装着など、医療管理が常時必要な要介護者が対象です。
なお、厚生労働省の「介護療養型医療施設」によると、介護療養型医療施設は廃止が決まっており、2018年4月に創設された「介護医療院」へ順次移行されています。2024年3月までは経過期間となっているため、介護療養型医療施設は年々減少傾向に。介護医療院について詳しくは次の項をご覧ください。
4.介護医療院
長期療養が必要な要介護者がより自立した日常生活を送ることを目的に、新たな介護保険施設として創設されたのが介護医療院です。医師による管理・指導のもと、看護・介護・機能訓練・医療、日常生活上の世話を行い、長期的な療養と自立した日常生活をサポートします。介護医療院が創設されるまでは、医療的ケアが必要な要介護者が長期的に生活できる、住まいとしての機能を備える施設が足りていませんでした。そのため介護医療院は、医療や介護が必要な高齢者の新しい選択肢として注目されています。
出典
厚生労働省「第93回社会保障審議会介護保険部会」(2023年1月20日)
厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」(2023年1月20日)
厚生労働省「第183回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2023年1月20日)
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介護保険施設の費用と入所対象者
ここでは、介護保険施設を利用するための費用や入所対象者、平均要介護度などをまとめました。前述した介護保険施設それぞれの概要とあわせて入居する方の特徴をチェックしてみましょう。平均要介護度は、厚生労働省の「介護老人福祉施設(p.13)」をもとに記載しています。
| 介護老人福祉施設 | 介護老人保健施設 | 介護療養型医療施設 | 介護医療院 | |
| 費用 | 5~15万円程度 | 6~17万円程度 | 6~17万円程度 | 9~17万円程度 |
| 入居一時金 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 |
| 入所対象者 | 要介護度3以上 | 要介護認定者 | 要介護認定者 | 要介護認定者 |
| 平均要介護度 | 要介護度4 | 要介護度3.2 | 要介護度4.3 | 要介護度4.1 |
介護保険施設の費用は、5~17万円の範囲内であることが多いようです。公的な施設なので、民間の介護施設にありがちな入居一時金はかかりません。
入所対象者は、介護保険の第1号被保険者である65歳以上の方、40〜64歳の第2号被保険者の方で特定疾病による要介護認定を受けた方です。ただし、介護老人福祉施設の場合は要介護3以上の高齢者の方に限定されています。
例外となる特定疾病一覧
前述のように、40〜64歳の第2号被保険者の方も要介護認定を受ければ介護保険施設を利用することが可能です。ただし、特定疾病に該当したうえで、要介護認定の申請をしなければなりません。特定疾病とは下記の16種類を指します。
特定疾病の範囲
1.がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)※
引用:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
2.関節リウマチ※
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靱帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※【パーキンソン病関連疾患】
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症※
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)
これから介護保険施設で働こうと検討している方は、65歳未満の方へ介護サービスを提供することがあるかもしれません。利用者さまの状況や疾病などについて理解を深めておけば、一人ひとりに最適なケアを選択できるはずなので、細かい利用条件まで覚えておくと良いでしょう。
出典
厚生労働省「第183回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2023年1月20日)
厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」(2023年1月20日)
介護保険施設で提供するサービスの内容
介護保険施設で提供する主なサービス内容は下記のとおりです。
| サービスの種類 | 介護老人福祉施設 | 介護老人保健施設 | 介護療養型医療施設 | 介護医療院 |
| 身体介護 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 生活援助 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 機能訓練 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 認知症ケア | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 医療的ケア | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 看取り | ◯ | △ | ◯ | ◯ |
介護保険施設では、上記のほかイベントやレクリエーションを実施している場合もあります。介護職員として従事する際は、施設それぞれの特色も調べておくと入職後の働き方をイメージしやすくなるでしょう。
介護職員を目指す方におすすめの介護保険施設以外の施設
入居型の介護施設には、介護保険施設以外にも有料老人ホームやグループホームなどがあります。介護職員の仕事に興味のある方は、介護保険施設だけでなく民間の入居施設についても知っておくと良いでしょう。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、高齢者が健康で安心して暮らせる住まいになることを目的とした介護施設です。民間企業などが運営する介護施設で、介護保険上は「特定施設入居者生活介護」に分類されます。提供するサービスは、食事、入浴、排泄などの身体介護や、掃除・洗濯、見守りなどの生活援助、健康管理、レクリエーション、リハビリなど。施設によっては自立度の高い高齢者の方も入居が可能です。入居一時金が設定されていたり、施設独自のサービスを提供していたりするため、費用は介護保険施設より高い傾向があります。
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グループホーム
グループホームとは、認知症を患う高齢者が共同で生活することを目的とした介護施設です。民間企業や社会福祉法人などが運営する介護施設で、介護保険上は「認知症対応型共同生活介護」といいます。入所条件は、65歳以上の高齢者で、認知症の診断と要支援2以上の認定を受けていること。介護職員は、入居者さまができないことを中心に、日常生活に必要なお世話や介護サービスを提供します。費用は施設によって異なりますが、おおよそ10万円~20万円程度のようです。
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介護保険施設に関するよくある質問
ここでは、介護保険施設に関するよくある質問に回答します。「介護施設は種類が多くて、違いが分からない」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。
介護保険施設の種類一覧は?
介護保険施設は、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」の4種類です。このうち、「介護療養型医療施設」は2024年3月をもって廃止され、「介護医療院」へと移行されました。介護保険施設は、都道府県や地方自治体などが運営する公的な介護施設です。ひと口に介護保険施設といっても、入所対象者は施設によって異なるので、、各施設の特徴を事前に確認しておきましょう。介護保険施設の特徴は、この記事の「介護保険施設は4種類」で解説しているので、ぜひご一読ください。
介護保険施設とグループホームの違いは?
介護保険施設は、介護保険法に基づいた介護給付の対象となる入居施設のこと。グループホームは、認知症の方を対象とした居住サービスです。介護保険施設は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など複数の施設が含まれますが、グループホームは1つの施設を表します。また、グループホームは「地域密着型介護サービス」です。介護保険施設とグループホームは、介護給付の対象サービスであることは同じですが、分類が異なると覚えておきましょう。グループホームについては、「グループホームとは?簡単に解説します!入居条件や費用、メリット、選び方」の記事にまとめています。
まとめ
介護保険施設とは、「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」の4種類を指します。介護療養型医療施設は介護医療院へ順次移行が決まっているため、年々減少傾向に。2024年3月までには廃止される予定です。
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