介護の仕事を辞めたいと新人が思う理由|悩みの解決に向けてすべきこと

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顎に手をあてて考える介護士の様子

仕事を辞めたいと悩む新人介護士さんに向けて、対処法をお伝えします。

新人介護士さんは、施設側の教育不足や人間関係の悩み、仕事のきつさを理由に退職を考えることが多いようです。実際に、介護職には勤続3年未満の離職者が多いというデータもあり、仕事につまずく新人介護士さんの姿が想像できます。

この記事では、働きやすい施設の選び方についてもお伝えするので、転職に悩む介護士さんもぜひご覧くださいね。

目次

介護職員の早期離職の実態

介護現場では長く働く介護士さんが多い一方で、入職後に仕事が合わないと早期離職する人も少なくありません。

介護職には、人生の先輩と接することで生き方を学んだり喜びを感じたりできるやりがいがあります。また、日本の高齢者人口が今後も増えていくことを考えると、介護職は時代のニーズに合った職業でもあるでしょう。

ただ、実際に仕事を始めてみると、勤め先の働き方が自分と合わなかったり、思うような待遇を得られなかったりという問題から、早期に退職を決断する介護士さんが存在するのも事実です。

離職者は減少しているが早期離職が目立つ

公益財団法人 介護労働安定センターが発表している令和2年度の「介護労働実態調査」によると、令和元年10月1日から令和2年9月30年までの介護職員の離職率は14.9%で、平成17年以降で一番低い離数値となっています。

この数値は全産業の平均離職率15.6%を下回っており、介護業界の離職率が特別高いわけではないことが分かりますね。

ただ、離職者の勤続年数の内訳を確認すると、勤続3年未満の離職者が約6割を占めており、介護職は入職後間もない離職が多いことが分かります。

施設側の教育体制の不備が原因の1つ

離職の理由は個人によって異なりますが、新人を受け入れる事業所側の教育体制の不備が早期離職の原因の1つと考えられます。

介護の現場は慢性的な人手不足であることが多く、人手が足りない施設では新人への教育が十分に行えないことも。その結果、新人スタッフがスキル面に不安を抱えたまま介護を行うことになり、離職につながるというパターンは少なくないようです。

新人介護職員が辞めたいと思う8つの理由

ここからは、新人介護士さんが辞めたいと思う8つの理由を紹介します。

1.思った以上に体力が必要

介護と一言でいっても、利用者さまの心身状況によって、歩行や移乗などをはじめとした生活動作への介助量は異なります。

介護職として実際に働く前は、実技講習や実習で介助を経験できます。しかし、現場で介護職員の一員として働くと、介助する機会の多さと大変さに驚くことも少なくないでしょう。

人手が足りないと休憩時間もまとまってとれないこともあり、疲労も積み重なってしまう傾向があるといえます。

2.給与面や待遇面への不満

厚生労働省が発表している「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、令和2年2月における介護職員の平均給与は325,550円。同じく厚生労働省が発表している「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般労働者の平均賃金は307,700円となっており、介護職の収入が全体と比べて低いわけではありません。

ただ、給与額は施設によって差があるほか、「仕事の大変さのわりに賃金が低い」「残業代が支払われない」などの理由から不満を感じる人がいるのも事実。

特に人手不足で仕事が大変な施設だと、待遇に不満があって仕事のモチベーションが上がらないということもあるでしょう。

3.利用者のケアを正しくできているのか心配

介護の多くは、日常生活にサポートを必要とする人の、生活の質や命にかかわる大切な仕事です。そして、医療技術が年々進歩していくように、介護技術や考え方も変化しています。

しかし、研修や新人教育が十分でない環境だと、介護を行う側に「自分の介護は間違っていないか」「自己流で事故を起こしてしまうのではないか」という不安が生まれるでしょう。その不安が、辞めたい気持ちにつながることがあります。

4.業務が多すぎる

介護には、おむつ交換や食事介助、入浴介助など実に多くの仕事があります。ときには、介護業務だけではなく会議への参加や送迎の運転も必要です。また、利用者さまの体調が急変した際は臨機応変な対応が求められることもあるでしょう。

人手不足の職場では、業務量はさらに増えます。休憩時間の確保もままならなくなり、残業が増えてしまうことも。休みが少なく多忙な状況が続いてしまうと、心身が疲労し退職を選択することになってしまいます。

5.人間関係にストレスを感じる

介護の現場では、介護職同士はもちろん、看護師やリハビリ専門職など他職種の人たちと連携して業務を進めていきます。

しかし、忙しさや人手不足からコミュニケーションの時間がとれないと、チームワークがうまくいかないことも。すれ違いから人間関係がうまくいかなくなったり、職場内の雰囲気が悪くなったりして、辞めたいと思う例も少なくありません。

6.職場での悩みを相談できない

仕事の悩みを話せる相手がいない、業務が忙し過ぎて人に相談することができない、といった事情から、1人で悩みを抱えることが「辞めたい」という気持ちにつながる場合もあります。特に新人介護士さんにとって、上司や先輩に話を聞いてもらうのは貴重な時間です。相談の時間がとれない職場では、不安が解消されずに辛いと感じてしまうでしょう。

7.生活のリズムが乱れがちになる

入居型の施設での夜勤は、生活リズムが崩れる原因になります。加えて、夜勤は少ない人数で利用者さまに対応する必要があり、仕事に慣れない新人にとっては業務がプレッシャーとなることも。

また、人手が足りない職場や、夜間に対応すべき業務が多い場合は、まとまった休憩時間をとれず体への負担が重なってしまいます。

8.施設側と自分の考え方がずれている

気持ちよく働くには、事業所の運営方針と自分の考えがマッチしていることも大切です。しかし、実際には施設・事業所の理念や運営のあり方に不満を抱き、退職してしまう介護士さんは少なくありません。

新人介護職員がすぐに辞めてしまう職場

ここからは、新人介護職員がすぐに辞めてしまう職場の特徴を解説していきます。辞めたいと思う新人が多い職場には、新人への教育が不足していたり、リーダーがいなかったりといった特徴があるので確認していきましょう。

新人を即戦力として扱う

介護職は資格取得だけではなく、実践の経験を重ねてはじめて、知識や技術の定着が図れます。

成長過程では研修や教育などが必要であり、特に新人の頃は分からないことや不安に思うことも多く、事業所による育成が必須といえます。しかし施設によっては、人手不足などから新人に即戦力を求めることもあるようです。

新人を教育できる環境が整っていない

介護事業を運営するうえでの問題点の多くは、人材や財源の確保です。そのため教育する人材や研修費用が整備できずに、結果として新人教育が足りない状態になってしまうパターンがあります。

必要な数のスタッフが確保されていない

高齢者人口が増えるなかで、介護職の人材確保は急務とされています。厚生労働省の発表によると2023年度には、全国で約233万人の介護人材が必要となる見込みです。

人員の確保ができないと業務量が増え、職員への心身の負担も増えてしまいます。また適切なケアが思うようにできなくなり、辞めたいと思うことも少なくないでしょう。

連携を図れない

介護職は連携がとても重要になる仕事ですが、先輩や上司が忙しそうにしている雰囲気があると、新人ならなおさらコミュニケーションの図りにくさを感じてしまうでしょう。その結果、連携不足につながり働きにくくなる可能性が生まれてしまいます。

新人介護職員が辞めたいと感じたときにすべき5つのこと

ここまで、経験年数の浅い新人介護の方が辞めたいと思う理由を紹介してきました。

もし、介護士を辞めたいと感じている方は、今からできる対策を試してみましょう。ここでは辞めたいと思ったときにとるべき行動をお伝えするので、ぜひ参考にしてくださいね。

1.辞めたい理由を明確にする

なぜ辞めたいのか理由がはっきりしないと不安に思うものです。まずは、なぜ辞めたいと思うのかを整理してみましょう。人に話すうちに理由が見えてくることもあれば、紙に書き出すことで見えてくることもあるようです。

辞めたいと思ったときは「自分に対処できることなのか」「自分ではどうしようもないことなのか」を整理すると、現実的な解決策をとれるようになります。

2.相談窓口を利用し解決の糸口をみつける

介護労働安定センターが公開している「令和2年度 介護労働実態調査結果について」によると、相談窓口がない事業所は、労働条件に関しての悩みが多い傾向があります。一方で、相談窓口がある事業所では、待遇面への不満や精神的な負担が低い傾向があり、人に悩みや不安を相談する重要性が分かります。

職場において相談できる窓口があれば利用し、窓口がない場合は相談できる人を見つけて話を聞いてもらいましょう。

3.職場の外の人に悩みを相談する

職場の悩みを同じ職場の人に話すのは、気が進まないこともあるでしょう。それでも悩みや不安を一人で抱える期間を延ばすのは、避けたいところです。

あえて職場とは関係のない人に相談することで、違う角度から悩みの解決策を見つけるきっかけになります。何より「職場以外でも相談できる場所があるんだ」と分かるだけでも、安心感が生まれるでしょう。

4.働きやすい職場への転職を考える

自分ができる対策を尽くしても、悩みが改善しないこともあるでしょう。そのときは、働きやすい職場への転職を考えるのも1つの方法です。

介護施設には多様な形態があるので、「夜勤が苦手ならデイサービスで働く」「チームワークが苦手なら訪問介護で働く」という風に、より自分に合った働き方が見つかるかもしれません。また、施設の方針に共感できない場合は、自分の考えに合った施設を探すのが良いでしょう。人間関係に悩んでいるなら風通しの良い職場を探すなど、今の悩みが解消される職場への転職を検討してはいかがでしょうか。

5.資格に挑戦する

自分のスキルに自信がない場合や、待遇に不満がある場合は資格取得にチャレンジするのがおすすめです。資格勉強を通して介護スキルが身につきますし、施設によっては資格手当がある場合もあります。

無資格の方は、まずは「介護職員初任者研修」を受けるのがおすすめ。初任者研修を修了したら、「実務者研修」でより高度な介護の知識・技術を学びましょう。

ほかにも介護系の資格や研修には、「レクリエーション介護士」や「認知症介護基礎研修」などさまざまな種類があります。興味がある分野を詳しく学ぶことで、仕事に自信や張り合いが生まれると期待できるでしょう。

働きやすい職場選びのポイント

今の職場を辞めて転職する際は、次こそ働きやすい職場を選びたいですよね。転職先を選ぶときは、事前に職場の雰囲気や働き方、待遇を把握したうえで納得できる職場を見つけましょう。

事前の見学で職場の雰囲気を掴む

求人情報だけでは分からない雰囲気をつかむ機会になるため、職場見学をおすすめします。職場見学は面接時に行うことが多いですが、希望すれば選考に入る前に行ってくれる施設もあるようです。職場見学では、以下の点を確認しましょう。

  • 職員の表情に余裕があるか
  • 職員同士のコミュニケーションがとれているか
  • 職員と利用者さまのコミュニケーションがとれているか
  • 施設内の環境整備ができているか
  • 利用者さまに対して働いているスタッフの数が十分か

見学は業務の時間を割いて対応してもらえる貴重な機会です。事前に質問事項をメモにまとめておくなどして、機会を無駄にしないようにしましょう。

離職者数を調べておくと働きやすさの判断に役立つ

人材の定着が課題とされる介護業界ですが、事業所によって離職率も異なります。離職率が低い事業所は、人材の定着に必要な取り組みを行っている可能性が高いです。離職者の人数を事前にチェックすることで、入職後の働きやすさの目安になるでしょう。

ただ、離職率は事業所に直接聞きにくい話題です。「尋ねにくいけど知りたい情報がある」という場合は、転職エージェントを利用してエージェントの担当者を通して確認するのがおすすめですよ。

給料や待遇面をチェックし希望と照らし合わせてみる

待遇への不満から転職する場合は、給与や休日日数、有給の取得率などを事前に確認しましょう。ただし、待遇の希望が多過ぎると転職先が見つからない恐れもあります。条件が多いときは自分の中で優先順位を決めて、妥協できない条件を満たす職場を探すのが良いでしょう。

まとめ

介護職では、入職後間もないタイミングで離職する人が多いことが分かりました。離職に至る主な理由は、職場の教育体制の不備や人間関係の問題、仕事のきつさ、事業所の方針との不一致などです。

介護の仕事を辞めたいと思ったときは、職場の人に相談したり、資格取得で自信をつけたりという対策があります。職場の問題が自分の力で解決できないときは、転職で環境を変えるのがおすすめですよ。

次こそ自分に合った職場で働きたいという方は、介護業界の転職に特化したエージェントのきらケアにご相談ください。きらケアでは実際に取材した事業所の求人をご紹介するので、応募前に事業所の雰囲気や働き方についての詳しい情報をお伝えできます。事業所との交渉や選考対策も行っているので、初めての転職が不安な介護士さんも安心してご利用くださいね。

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