介護職の不満にはどのようなものがある?

介護職の悩み 2023年11月29日
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考え事をしている介護士の画像

介護職として働くなか、色んな不満を抱いている方は少なくありません。もちろん介護職に限らず、どのような仕事にも不満はつきものといえるでしょう。しかし実際のところ、介護職の場合は他の仕事にはない特殊な事情があるようです。いったいどのような不満があり、どうすればその問題を解決することができるのか。こちらで解説していきます。

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目次

介護職で多い不満は?

厚生労働省のデータを参照しながら、介護職が抱える不満について解説します。

人間関係に対する不満

厚生労働省のデータによると、介護職の不満でもっとも多いのは人間関係の問題で、退職者の約20%を占めています。
人間関係の不満といっても、その中身はさまざまです。たとえば職場の同僚とうまくコミュニケーションが取れない、上司がいつも威圧的で仕事に支障をきたすことが多い、あるいは介護方針や信念が違うため同僚と協調して作業ができないなど。また、職場の同僚や上司だけでなく、介護ご利用者やその家族との人間関係に不満があるというケースも少なくありません。

看取り介護など業務上の不満

特別養護老人ホームやグループホームには、看取り介護を行っている施設がたくさんあります。
以前は高齢になって老衰で看取り介護が必要なご入居者は、病院などの医療機関に行くのが一般的でした。
しかし、近年の高齢者人口の増加にともなって受け皿となる病院が不足しており、介護施設で看取り介護を行うケースが増加しています。
長い間お世話をしてきたご入居者が老衰とはいえ亡くなることは、介護職員にとって精神的な負担になるでしょう。
病院のように健康になって退院するということがないため、業務上の不満も多いようです。

夜勤に不満がある

24時間対応の入居型介護施設には夜勤があります。
介護職員の中には、夜勤に不満があるという方が多いようです。
特にユニットタイプの特養は、夜間に人員配置基準で決められた少ないスタッフで対応しなくてはなりません。そのため、業務がハードだといわれています。
なお、特養の人員配置基準は以下の通りです。

・入居者:25名以下、介護職員:1名
・入居者:26~60名、介護職員:2名
・入居者:61~80名、介護職員:3名
・入居者:81~100名、介護職員:4名
・入居者:101名以上、介護職員:4名+(25人増えるごとに1名追加)

基本的に介護職員1人に対して、ご入居者が20人から30人です。
基本的に夜勤は睡眠ケアが中心のため、「介護業務が少ないだろう」という想定で人員配置基準が作られています。
ご入居者がおとなしく寝てくれる施設は問題ありませんが、深夜にコールが多かったり、認知症の方がいて見守りを必要としたりする場合は、過酷な業務になるでしょう。

新人の介護職の不満が大きい

介護業界は1年未満の退職者が多い業界です。
新人の頃は介護の仕事に慣れておらず、右も左もわからないため、現場で邪魔者扱いされることもあり、新人介護職の不満も大きいといわれています。
仕事を覚えていくにつれて不満も少なくなっていくので、最初だけ厳しいと思って数年辛抱してみようという気持ちが大切です。

派遣介護職の不満

派遣介護職は正社員より給与面で恵まれているケースが少なくありません。
しかし、ボーナスが出ないことが多く、不満に思っている派遣介護職員をよく見受けます。
派遣介護職員は時給や基本給が高いため、月収には満足しているものの、ボーナスとなるとモヤモヤしてしまうようです。

出典:厚生労働省「介護人材の処遇改善について」(2020/09/08)

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介護職の不満を解消する対策について

介護職の不満を解消するためには、どのような対策があるのでしょうか?

人間関係に対する不満対策

人間関係の不満では、同僚と意見が合わないとか介護に対する考え方が違うといった問題が多いようです。
介護職はそれぞれが介護観を持っていて、これは人それぞれ異なります。
介護観とは、介護を通して高齢の方にどういう生活をしてもらいたいかを考える信念のようなもの。
各介護職が自分の介護観を持っているので、違いを否定するのではなく、はじめから違っていて当たり前だと考えるようにしましょう。
そうすれば、割り切って介護の仕事ができるようになります。
また、ご利用者との人間関係の不満については、できるだけスムーズなコミュニケーションを心掛けることが大切です。
円滑なコミュニケーションの基本は「傾聴」「受容」「共感」だといわれています。

介護職の看取り業務の不満対策

人生の最期を看取る対応をする施設には、介護施設以外に病院などもあります。
そこで働くスタッフは、多かれ少なかれ看取り介護について不満を持っているでしょう。
しかし、看取り後の辛い気持ちを一人で抱え込まず、メンタルケアを受けるなどして、穏やかな気持ちでケアできるようにすることが大切です。

夜勤の不満対策

夜勤の不満を解消するには、身体をしっかり休ませることが大切です。
夜勤と夜勤の間には比較的長い休日をはさむケースが多いので、休みには適度な運動をして休息するようにしましょう。
夜勤が続いて休日があまりないような環境なら、思い切って転職を検討するのも一つの方法です。

仕事の中に面白いものを探す

介護職員が大きなやりがいを感じられるのが、ご利用者の生活の質が向上して感謝の言葉などをもらったとき。仕事の中に面白さややりがいを見つけることが、長く働き続ける秘訣です。

数年先のことを考える

新人の介護職は、誰しもわからないことばかり。
そのため、仕事につらさを感じることが少なくありません。
その場合は、数年先のことを考えると良いでしょう。2年先には資格を取得して、新人介護士を指導する立場になっているかもしれません。
資格を取得すれば待遇が改善し、ご利用者にも信頼されるようになるので仕事が楽しくなります。
将来のスキルアップのことを考えながら、それを目標に仕事を続けるようにしてください。

こんな職場は辞めた方が良い場合も

何事も辛抱すれば良いということではありません。
以下のような職場の場合は、転職を検討した方が良いでしょう。

・人材不足で夜勤が連続する、残業が連日続く、法律で定められた休日がとれない
・職場内でいじめやハラスメントが横行して常態化している
・介護職の業務以外の医療行為を強要される

以上のような環境なら、無理に頑張る必要はありません。
身体を壊したり病気になったりしたら、元も子もありません。職場を変えることで事態が改善する可能性がありますので、転職を検討してみてください。

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介護職に関するよくある質問

介護職に関するよくある質問に回答します。「介護職って大変なの?」「介護職を辞めたい…」と疑問やお悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

介護職の仕事ってしんどいの?

職場の人間関係が悪かったり、夜勤が大変だったりすると、介護職の仕事がしんどいと感じる方が多いようです。ほかにも、人手不足による業務量の多さや職員間の格差などが原因になることも。しかし、仕事をしんどいと感じるかどうかは、施設の環境や人によって異なります。仕事内容を事前に確認し、職場見学をして自分に合った職場かどうか確認することが大切です。
介護職で多い不満は?」で、介護職員が感じる不満を詳しく紹介しているのでチェックしてみましょう。

介護職を辞めたいときはどうすれば良いの?

介護職を辞めたいときは、辞めるリスクとリターンについてよく考えましょう。無理をしすぎて体調を崩してしまえば元も子もないので、耐えられないと感じたときは、早めに退職することが大切です。退職時は、上司に辞意を伝え、業務の引き継ぎをしっかりと行うことで円満に退職できるでしょう。退職までの流れは、「介護職をすぐ辞めるのはアリ?よくある退職理由や不安の対処方法を解説!」の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

まとめ

介護職の不満には人間関係や看取り業務、夜勤などさまざまなものがあります。
特に多いのが、同僚との介護観の違いに悩むケースです。それぞれの介護職が自分の介護観を持っているので、まずは違いを否定しないこと。はじめから違うのだと思って業務に当たることが大切です。
介護職にとってやりがいにつながるのが、ご利用者の喜ぶ顔を見たときや感謝の言葉をもらったときでしょう。
仕事の中にやりがいや面白さ、こだわりを見つけるように心掛けてください。

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※この記事の掲載情報は2023年11月29日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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