介護職をやってられないときの解決策や転職先の選び方を解説!

介護職の悩み 2024年2月1日
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この記事のまとめ

給料事情や労働環境などの理由で、「介護職なんてやってられない」と思いながら働いている介護職員さんもいるでしょう。介護職に対する不満やストレスを感じたときは、その理由に対する対処法を試してみるのがおすすめです。この記事では介護職への不満を感じている方に向けて、解決策や転職先の選び方などをご紹介します。「もう介護職はやってられない!」とお悩みの方や転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

「介護職なんてやってられない!」その理由は?

「介護職なんてやってられない」と思う原因は、どこにあるのでしょうか。
ここでは、介護職を辞めたい方に多い理由を8つご紹介します。

給料が安すぎる

介護職の方の中には、「業務量と給料が合っていない」と不公平さを感じながら働いている方もいるかもしれません。介護職は身体介護や夜勤があり重労働であるにもかかわらず、給料が安い傾向にあります。
以下のグラフは、Leverages Medical Careの「きらケア介護白書2022(p.21)」が介護職員(正社員)を対象に調査した手取りの月給のアンケート結果です。

正社員の手取り月給のグラフ

引用:Leverages Medical Care「きらケア介護白書2022(p.21)

介護職員の手取りの月給で最も多いのは15~20万円未満でした。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況(p.6)」によると、一般労働者の賃金は男女計で約31.2万円なので、介護職員の給料は低めであることが分かるでしょう。

人間関係が悪い

介護施設では、働くスタッフや利用者さまとの関わりの多さから人間関係のトラブルを抱えてしまうこともあるようです。介護職員は、スタッフ同士はもちろん、利用者さまやそのご家族、看護師など、関わらなければいけない人が大勢います。その中で職員によるいじめや派閥争いがあったり、利用者さまから暴力やハラスメントを受けたりといった問題があれば、「介護職なんてやってられない」と考えてしまうかもしれません。
介護という業務の内容上、なるべく人と干渉しないというわけにもいかず、ストレスが蓄積してしんどいと感じてしまう方もいるでしょう。

人手不足で忙しい

介護業界は慢性的な人手不足であるため、1人当たりの業務量が多く忙しい傾向があります。そのようななかで、仕事をしない人や業務に慣れていない新人職員がいると、業務量に偏りが生じ、しんどいと感じる方もいるでしょう。
また、介護職は対人業務なだけに、すべての仕事がマニュアル通り・スケジュール通りに進められるわけではありません。業務量の多さや、仕事が予定通りに終わらないことなどから「介護職なんてやってられない…」と感じることも多いでしょう。

仕事内容が不満

「仕事内容が不満でやってられない」と感じる方もいます。介護業務のなかにはオムツ交換や排泄介助、長時間の夜勤など、人によってストレスを感じる業務も。介護業務のストレスのほかにも、利用者さまとのコミュニケーションがうまくいかなかったりレクリエーションでの司会が苦痛だったりする方もいます。
「思っていた仕事内容じゃなかった」「夜勤がつらくてしんどい」など、仕事に対する不満があれば、介護職を辞めたくなる原因になってしまうでしょう。

体力的にきつい

体力的なきつさを感じ、「やってられない」と考える方もいます。特に女性の介護職員の場合、自分より体重のある方や体格の大きな方の身体介護は楽ではありません。また、夜勤のある施設で働く方は生活リズムが狂いやすいこともあり、ますます体力がもたなくなってしまうでしょう。

介護職に向いていないと感じる

「なかなか仕事を覚えられない」「利用者さまと打ち解けられない」などの悩みがあり、自分は介護職に向いてないと感じてしまうのも理由の一つ。真面目で責任感が強い方に多く見られる傾向があるようです。
介護職の仕事は多岐にわたるため、一度に覚えようとするのは難しいことも。働き始めて数ヶ月であれば、「周りの介護職員はできているのに、自分だけ足を引っ張っている」と思い悩む必要はないので、もうしばらく様子を見ると良いかもしれません。

労働環境が悪く働きにくい

介護職の仕事を「やってられない」と感じる人の中には、「人手不足で有休を取得しにくい」「サービス残業が多い」「休憩が取れない」など、労働環境の悪さを感じる人もいるようです。ワークライフバランスを実現しにくい職場環境だと、働くうえでのモチベーションが下がるのは無理もありません。
違法な医療行為やハラスメント、虐待などがあり、人員の補填などによって改善しないようなブラックな介護施設である場合、すぐにでも職場を変えたほうが良いでしょう。

職場の経営方針に納得できない

職場が問題の改善に対して積極的ではなく、現状維持の姿勢を貫いているなど、経営方針に納得できない場合は「やってられない」と思ってしまうこともあるでしょう。たとえば、現場の改善提案をしても、意見が全く通らなかったり、評価制度が不透明だったりする場合、不満を感じるかもしれません。また、金儲けを優先し、サービスの質が犠牲になっていると感じる場合も、経営方針に不信感を抱く要因となるでしょう。

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理由別に見る介護職をやってられないときの解決策

ここでは、介護職をやってられないと思ったときの解決策を理由別に紹介します。「もう辞めてしまいたい」と考えている方は、退職を決断する前に以下の方法を試してみてください。

給料の不満に対する解決策

介護職でのより良い給与条件を求める方は、下記の3つの方法を試してみるのがおすすめです。

資格を取得する

職場に資格手当がある場合、対象になる資格を取得すると決まった金額が給与に上乗せされます。施設によっていくら手当がつくのかは異なるので、興味のある方は調べてみると良いでしょう。
また、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を取得すれば活躍の場を広げられます。介護職で役立つ資格を取得できれば収入アップだけでなく、将来的なキャリア形成にも役立つでしょう。

夜間勤務のシフトを増やす

日勤のみで働いている場合、夜勤に入ることで給与を増やすことも可能です。介護職は、日勤に比べて夜勤のほうが高給与。夜勤に入れば基礎賃金に深夜手当25%分が上乗せされるので、多くの収入を得ることができるでしょう。すでに夜勤に入っている場合は、回数を増やしたり夜勤専従として働いたりする方法もあります。

管理職種にキャリアアップする

管理職への道を検討することも、給料を増やす一つの方法です。下記の表では厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」に基づいて介護職員の管理職と管理職ではない方の平均給与額をまとめました。

施設形態管理職管理職でない
介護職全体356,570円308,070円
介護老人福祉施設427,140円341,540円
介護老人保健施設402,080円331,790円
介護療養型医療施設データなし271,270円
介護医療院384,510円316,730円
訪問介護事業所339,290円282,130円
通所介護事業所338,690円269,010円
通所リハビリテーション事業所384,160円295,390円
特定施設入居者生活介護事業所389,550円307,130円
小規模多機能型居宅介護事業所354,090円281,090円
認知症対応型共同生活介護事業所365,600円283,680円

引用:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.136)

介護職全体の平均給与額をみると、管理職と管理職でない場合の差額は48,500円でした。施設形態別にみても管理職でない場合と比べて管理職のほうが給与が高い傾向にあります。この結果から、介護職は管理職にキャリアアップすることで給与が増えるといえるでしょう。

人間関係の不満に対する解決策

職場での人間関係に悩み、退職を考える方もいるでしょう。しかし、勢いで退職をして後悔する方も少なくありません。後悔のない選択ができるように、下記の解決策をぜひ参考にしてみてくださいね。

上司や管理者に相談をしてみる

介護職における人間関係の問題は、直属の上司や管理者への相談によって解決できることがあります。いじめやハラスメントなど、業務に影響が出るトラブルは迅速に対応してくれるはず。もし直属の上司から被害を受けているのであれば、さらに上の上司か、労働基準監督署や総合労働相談センターといった公的機関でも無料相談が可能です。

ほかの職員の価値観を認める

職場の人間関係に対する不満があるときは、根本的な価値観の違いを受け入れて、中立の立場を保つ意識を持つのも効果的でしょう。人によって相性の良し悪しは少なからずあるものです。相手の悪い部分だけでなく、良いところに注目するようにして、少しでも歩み寄ってみることも大切かもしれません。

改善がない場合、転職を検討する

人間関係の不満に対し、改善策を講じてみたもののなかなか改善が見られない場合、転職も一つの選択肢となるでしょう。公益財団法人介護労働安定センターの「令和3年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書(資料編p.122)」によると、介護職の離職理由で最も多いのが人間関係の問題でした。人間関係で悩んでいる人は少なくないので、思い切って転職に踏み切ってみるのも方法の一つです。

仕事内容への不満に対する解決策

仕事内容は人それぞれ合う・合わないはあります。しかし、やっているうちにできるようになることもあるので一定期間は頑張ってみるのも良いでしょう。
ただし、数ヶ月頑張ってみたけどどうしても難しいようであれば、異動や配置に関して上司に相談するのが解決策の一つです。

忙しさ・体力的な負担に対する解決策

忙しさや体力的な負担は職場によって違いがあります。効果的な技術を身につけたうえで、改善されない場合は転職を考えるのも良いでしょう。

体力の負担を軽減する介護技術を身につける

体力的にきついのは、身体に負担がかかる体勢や手法で介護をしているからかもしれません。ボディメカニクスの原理を活用すれば身体介護の負担を軽減することが可能になるでしょう。ボディメカニクスについて詳しく知りたい方は、「介護技術の基本!現場で役立つボディメカニクスの知識を身につけよう」を読んでみてください。

負担が少ない形態の施設へ転職する

忙しくて体力がもたないという方は、比較的負担の少ない形態の施設へ転職するのがおすすめです。以下では、比較的介護度が低い利用者さまに対応する施設をご紹介します。

  • デイサービス
  • グループホーム
  • サービス付き高齢者住宅

デイサービスとは、利用者さまが自宅から施設に通って自立支援のための介護やリハビリを受けるサービスです。デイサービスの営業は平日の日中がメインとなっており、利用者さまは営業時間内に帰宅します。残業が少なく、土日や平日の夕方以降を自分の時間に充てられるため、体力に余裕ができるでしょう。

また、グループホームとは、軽度の認知症の方や少人数で暮らしている施設です。大勢の利用者さまを介護する特別養護老人ホームとは異なり、グループホームでの介護は少人数であるため、体力的な負担は少なくなるでしょう。

サービス付き高齢者住宅とは、安否確認や生活相談のサービスを提供するバリアフリーの賃貸住宅です。基本的には軽度の介護が必要な方や自立して生活できる方が入居しています。ただし、施設によっては要介護の利用者さまが入居していることもあるため、サービス付き高齢者住宅に転職する場合は希望の求人の入居者基準をよく確認しましょう。

腰痛予防の福祉用具を取り入れている職場へ転職する

また、腰痛予防の福祉用具を取り入れている職場も身体の負担を軽減でき、体力の負担を軽減するのに効果的です。以下では主な福祉用具を3つご紹介します。

  • スライディングボード
  • 移乗用リフト
  • パワーアシストスーツ

スライディングボードとは、介護を受ける人がベットから車椅子などへ移動する際に使われる福祉用具です。滑りやすい素材でできており、利用者さまをスムーズに滑らせ移動できるため、介護職員の腰への負担を減らすことができます。

移乗用リフトは、利用者さまをベットから車椅子などへ安全に移動させるための福祉用具です。リフトで利用者さまを持ち上げ、移動することができるため、介護職員の腰や背中への負担を軽減できます。

パワーアシストスーツは、筋力を補助するための技術を用いた装着型の福祉用具です。装着することで介護作業中の負担を減らせるので、腰痛の予防や軽減に役立ちます。

介護職に向いていないという悩みの解決策

介護職は覚えることが多く、人を相手に仕事をする難しさもあるので、最初は向いていないと感じる人もいます。しかし、仕事に慣れることで解決する場合もあるので、すぐに辞めるのではなく、しばらく頑張ってみるのがおすすめです。

介護職を一定期間続けてみても向いてないと思うときは、何ができていないのか・何に悩んでいるのかを一度紙に書き出して整理してみると良いでしょう。解決方法を上司と一緒に考えて、少しずつできるようになればOKなので、すぐにスキルアップしようとしなくて大丈夫です。また、仕事以外の逃げ場をつくることで、職場のストレスから距離を置くことも効果的でしょう。
「介護職に向いていないかも…」と悩んでいる方は、「介護職に向いていない・辞めたいと悩む人の特徴は?本当に退職して良いの?」もあわせて読んでみてくださいね。

労働環境の悪さに対する解決策

労働環境が悪く働きにくさを感じている場合、根本原因を解決するために動くことが大切です。効率が悪い業務が多い、みんなが負担に感じている業務があるという場合は、解決策を考えて施設長にかけあってみると良いでしょう。

また、残業代が払われない・有休を決まった日数取らせてもらえないなどは違法なので、法律を根拠に権利を主張しましょう。一人で行くのが不安なら他の職員を味方につけて一緒に相談しに行くのもおすすめです。

経営方針への不信感に対する解決策

経営方針は会社ごとに決まっており、社風にも現れることが多いので、簡単に変えることは難しいでしょう。自分一人がモヤモヤしているという状態なのであれば、自分が働きやすい会社へ転職したほうが得策といえます。自分にあった職場を探したい方は、介護業界に特化した転職エージェントレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。

介護職を辞めた方がいい?続けるメリット

今の仕事がしんどいと、「介護職なんてもうやってられない!」と辞めたくなる方もいるでしょう。しかし、勢いで退職して後悔することも考えられるので慎重に判断することが大切です。退職をすべきか迷っている方は、以下でご紹介する介護職を続けるメリットについて考えてみてください。

給料アップの見込みがある

現状の給料は少なくても、介護施設が介護職員等特定処遇改善加算を取得することによって給与が上がる可能性があります。 介護職員等特定処遇改善加算とは、取得条件を満たした施設において介護職員への報酬加算を認める制度です。

以下の表は、介護職員等特定処遇改善加算(I)~(II)を取得した事業所における、介護従事者の令和4年9月と令和3年12月の平均給与額の差。介護職員の給与額は、ここ9ヶ月で16550円も上がっていることが分かるでしょう。

令和4年9月令和3年12月差(令和4年-令和3年)
介護職員317,540300,99016,550
看護職員373,750355,40018,350
生活相談員・支援相談員342,330327,65014,680
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員354,770342,96011,810
介護支援専門員361,770348,03013,740
事務職員307,960 295,80012,160
調理員260,090249,09011,000 
管理栄養士・栄養士316,320301,93014,390

引用:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(p.15)

なお、介護職の給与は介護報酬から出ていますが、厚生労働省の「令和6年度予算案のポイント」によると、2024年度の介護報酬改定で全体で1.59%、介護職員分として0.98%を上乗せする方向で、最終的な調整を行っていることが分りました。

今後も、物価上昇や人手不足の状況を加味して、待遇の改善が進むと考えられます。給料の低さを理由に介護職を辞めたいと思っている方は、転職する前に本当に収入が上がる見込みがないのかをよく考えてみましょう。

雇用が安定している

雇用が安定している点も、介護職を続けるメリットです。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和5年10月分)について(参考統計表)」によると、令和5年時点で介護サービスの職業における新規求人倍率は6.62倍、有効求人倍率は4.02倍でした。この結果から、介護業界は人手不足であることが分かります。

新規求人有効求人新規求人倍率有効求人倍率
職業計813,7882,269,2742.161.19
介護サービス職業従事者77,840219,8416.624.02

引用:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年10月分)について(参考統計表7-1)

介護職の需要は、日本の高齢化社会に伴い今後も高くなっていくことが予想されます。雇用が安定した職場で働きたい方にとって、介護職はぴったりの仕事であるといえるでしょう。

年齢に関係なく働きやすい職場がある

介護業界は、高齢になっても働きやすい職場があるのも魅力の一つ。以下は、公益財団法人介護労働安定センターのデータをもとに、介護職員と訪問介護員の年齢構成を記載した表です。

介護職員訪問介護員
20~24歳2.82.9
25~29歳6.03.6
30~34歳8.06.0
35~39歳12.07.6
40~44歳13.89.8
45~49歳14.313.5
50~54歳12.814.5
55~59歳10.712.0
60~64歳7.510.3
65~69歳4.87.8

参考:公益財団法人介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書(資料編-123)」

介護職員の場合は、20代、30代の若年層より40代の方が多いことが分かります。さらに訪問介護員のデータを見ると、働いている方の割合が最も高いのが50代という結果になりました。年齢を重ねてもできるだけ長く働き続けたい方には、一般企業よりも介護職が向いているといえるでしょう。

家族の介護に活かせる

介護職に従事することで、将来的に両親や祖父母などの介護が必要になったとき知識と技術を活かせるでしょう。同居している方が高齢であったり介護の必要が出てきそうだという方は、介護職のスキルを磨いていくことで役立つ日が来る可能性があります。

職場の施設を優先的に利用できる

職場である施設を家族が利用する場合、費用が割引されたり優先的に入所できたりすることも。病院系列の施設であれば、福利厚生の一つとして医療費が控除される場合があるようです。

介護職が職場を退職する最適なタイミング

「今の施設ではもうやってられない!」「転職をする気持ちが固まった」という方は、実際に退職し転職活動を始める時期を考えましょう。介護業界はどの時期も求人が出ていますが、転職活動を有利に進めるために退職に適したタイミングがあります。ここでは4つのタイミングをご紹介するので、参考にしてみてください。

次の仕事が確定したタイミング

退職前に転職先を決めておくと、経済的なリスクや精神的なストレスを減らすことができるでしょう。退職してから転職活動を行う場合、なかなか転職先が決まらないと焦って職場を決めてしまうことになり、「相性の悪い職場に入職してしまった」と後悔する恐れがあります。
転職を成功させるためにも、在職中から転職活動を始めるなど、計画性を持って活動すると良いでしょう。仕事をしながらの転職活動を効率的にするには、転職エージェントがおすすめです。

理想の職場へ移るための準備ができたタイミング

介護職の転職活動は理想の職場を考えたり、必要なスキルを身につけたりしてから進めることで、上手くいくことがあるでしょう。準備が不十分なまま転職活動をしても、なかなか理想の職場は見つからないもの。理想の職場に挑戦しやすくするためにも、下記のような準備をしておくと良いでしょう。

介護分野の資格を習得する

介護職の資格取得は、職場においても重要視されることが多く、転職の際に有利になる可能性があります。無資格の場合は介護職員初任者研修をもっておくと、職場の選択肢が増えるでしょう。

実務経験を重ねる

介護福祉士やケアマネを目指す場合、介護職や介護福祉士としての実務経験が受験要件に含まれます。将来的に介護福祉士やケアマネとして働きたい場合は、必要な実務経験を積んでおくことも大切です。

介護技術を向上させる

特に人手不足の施設では、即戦力となる人材を期待しています。介護職を始めたばかりの方は、一通りの介護スキルを身につけてから転職活動を始めることで、選考で有利になる可能性が高いでしょう。

求人の募集が多いタイミング

介護職の求人は通年で出ていますが、できるだけ募集の多いタイミングを狙って転職活動を行うのも方法の一つです。一般的に介護職の転職市場の繁忙期は1~3月にかけてと10月ごろといわれています。このタイミングを狙えば、豊富な選択肢のなかから転職ができるでしょう。

賞与をもらったあとのタイミング

「ボーナスをもらえないともったいない」という場合、ボーナス支給後の8月や1月に退職の相談をするのも手です。ただし、理想の職場を見逃さないよう、求人の募集はそれ以外の時期もチェックしておくようにしましょう。不安な場合は、転職エージェントを活用してサポートを受けるのがおすすめです。。

▼関連記事
介護職の転職に適した時期は?活動スケジュールや円満退職の方法も

介護業界内で転職先を選ぶときのポイント

ここでは、介護業界から転職先を選ぶときのポイントについて解説します。やみくもに転職してまた同じ悩みを抱えてしまわないためにも、求職活動を行う際は以下の点に注目して求人を探してみましょう。

仕事内容や職場で積めるキャリアが自分に合っているか

仕事内容や職場で積めるキャリアが自分に合っているかどうかは、早期離職を防ぐためにも重要なポイントといえます。以下は、Leverages Medical Care「きらケア介護白書2021(p.20 )」による「現在の職場に就職・転職した理由別の満足度」を4つのカテゴリーに分けたものです。

現在の職場に就職・転職した理由別の満足度のイメージ

引用:Leverages Medical Care「きらケア介護白書2021(p.20 )

それぞれの満足度を見てみると、仕事内容やキャリア重視の就職・転職をした方は満足度が高く、なんとなくや特になしという方は満足度が低くなっています。求職活動の際は「今の職場で介護職はやってられないから」という理由だけでなく、仕事内容やキャリアについて満足できる転職先を選ぶことが大切だといえるでしょう。

職場環境や処遇の改善に積極的かどうか

転職希望先が職場環境の改善に積極的かどうかは、働きやすさに大きく関わってきます。施設のWebサイトに採用ページや施設紹介をしているページがあれば、労働者に対してどのような取り組みを行っているかが分かるのでチェックしましょう。職場環境の改善を謳っている施設では、定期的な制度の見直しやミーティングなどが期待できます。人間関係や労働環境の相談もしやすいといえるでしょう

理念や想い・介護のやり方に共感できるか

施設の理念や利用者さまに対しての想いなどに共感できないと、自分の考えとの不一致から徐々に違和感を覚えることになるでしょう。介護施設は「高齢者を尊重する」という理念を掲げていることが多いかもしれませんが、具体的にどう尊重しているか、ご利用者さまとどう接しているかは施設によって異なります。
こちらも施設のWebサイトや求人情報を見て、気になっている職場がどのような雰囲気か、どうケアをしているのかをよく確認してみましょう。共感できる部分が多いほど、自分にマッチする施設といえます。

介護以外の業界・職種へ転職する場合の選択肢

解決策を試してみても辞めたい気持ちが変わらない場合は、転職するのも選択肢の一つです。ここでは介護職からの転職におすすめの業界・職種の一例を挙げたので、参考にしてみてください。

事務職

体力的にきつくてやってられないという方には、座って仕事ができる事務職がおすすめ。求人が少ない、経験者が優遇される傾向にあるなどの難点はあるものの、体力に自信のない方でも長く勤められるでしょう。

営業職

営業職は未経験者を歓迎する求人が多く、転職におすすめの職種です。コミュニケーション力や傾聴力、顧客のニーズを感じ取るスキルなどを求められる仕事ですが、これらは介護職で培われるスキルなので、活かすことができるでしょう。

接客業

飲食店や販売店などの接客業も需要が高く、転職しやすい職種といえます。求人数が多いため、自宅の近隣で探したい、プライベートでも活かせるスキルを身につけたいなど、自分の希望に合わせて探せるでしょう。接客も介護職で培ったスキルを活かせます。勤務はシフト制であることが多いため、自分のペースで働きやすいのがメリットです。

保育業界

人の役に立ちたい、直接喜ぶ姿を見たい、という理由で介護職を選んだ人は、保育業界に転職するのも良いでしょう。保育士になるには資格が必須ですが、未経験者を歓迎している傾向にあります。また、保育補助であれば資格がなくても働くことが可能です。

介護職

現在の労働環境でやってられないというだけで介護職自体は好きという方は、介護業界内での転職をしても良いでしょう。たとえば同じデイサービスであっても、レクリエーション中心のサービスもあれば機能訓練がメインの施設もあります。同じサービス内容でも、活躍している職員が違えば施設内の雰囲気や制度も大きく違うでしょう。
環境を変えれば介護職を続けられそうな方は、「介護業界内で転職先を選ぶときのポイント」をぜひご覧ください。

▼関連記事
介護職から異業種への転職を成功させるには?活かせる経験やスキルとは

介護職をやってられないことに関する質問

介護職をやってられないことに関するよくある質問に回答します。「もう辞めたい…」と、悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。

「介護職をやってられない・辞めてよかった」という人はいる?

「介護職をやってられない」と退職してほかの業界に転職する人はいます。ただし、辞めて良かったという方と後悔している方が両方いるので、自分が本当に辞めても大丈夫か確認する必要があるでしょう。介護職を辞めるメリットとデメリットについては、「介護職を辞めてよかった?元介護士の体験談とよくある退職理由を解説」の記事で実際の体験談を交えながら紹介しています。また、「介護職を辞めた方がいい?続けるメリット」では介護職として働き続ける魅力を詳しく解説しているので、退職しようか悩んでいる方はあわせてぜひ読んでみてくださいね。

介護職はメンタルやられるって本当?

仕事に精神的な負担を感じる介護職員は3割以上いるようです。中には労災認定を受けるケースもあります。このことから、介護職にはメンタルの強さが求められる場面もあるといえるでしょう。メンタルを守りながら働く方法は、「メンタルをやられる介護職は多い?原因や対処法、ストレス解消方法を解説」で紹介しています。また、介護職の不満を解消する方法として「理由別に見る介護職をやってられないときの解決策」で詳しく解説しているので、「長く働きつづけたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

「介護職なんてやってられない」と思ったときは、退職する前に解決策を模索してみてからでも遅くはありません。また、別の介護施設へ転職を決めた場合は、自分の理想とする仕事内容やキャリア、職場環境、施設の理念などを確認し、自分にぴったりの職場を見つけましょう。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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