介護職はサービス残業が当たり前?残業になりやすい業務と対処法を解説

介護の仕事 2026年6月30日
  • この記事をシェアする
  • facebook
  • X
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
介護サービス残業当たり前に関する記事のタイトル画像

この記事のまとめ

「介護の仕事はサービス残業が当たり前なの?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。日本医療労働組合連合会のデータによると、介護職員の約4人に1人がサービス残業を行っているようです。この記事では、介護職の平均残業時間やサービス残業に該当する就労状況を解説します。サービス残業が常態化しているときの対処法も紹介するので、働き方に悩んでいる介護職員は、ぜひ参考にしてみてください。

現在のストレス度と傾向がわかる!介護職のストレスタイプ診断

目次

介護職はサービス残業が当たり前?

全国労働組合総連合の「介護労働実態調査 報告書(p.4)」によると、施設介護労働者の4人に1人がサービス残業を行っています(2018年10月~2019年1月の調査)。
施設によっては、「サービス残業をして当たり前」という雰囲気があり、定時での退勤や残業申請のしづらさを感じることもあるのかもしれません。そのため、残業代を請求することを諦めてしまっている人も少なくないようです。

今の職場に満足していますか?

無料で求人を見てみる

介護職の残業時間

レバウェル株式会社の「きらケア介護白書2022(p.13)」によると、介護職員の正職員と非正規職員の毎日の残業時間の割合は以下のとおりです。

残業時間正職員非正規職員
残業はない(またはほとんどない)37.7%70%
15分程度9.8%10.6%
30分程度20.5%9.8%
1時間程度17%5.9%
1時間半程度5.7%1.3%
2時間程度5.6%1.6%
2時間半程度1.4%0.3%
3時間以上2.3%0.5%

参考:レバウェル株式会社「きらケア介護白書2022(p.13)」

正職員の6割以上が、多かれ少なかれ残業をしています。残業時間として多いのは、「30分程度」でした。月に20日出勤すると仮定すると、残業は月10時間程度になるでしょう。

また、非正規職員よりも正職員のほうが残業をする割合が高く、残業をしている人の割合は約2倍となっています。

サービス残業は違法

原則、1日8時間、1週間に40時間を超える労働は、労働基準法第32条により禁止されています。行政官庁に届出を行い、法定労働時間を超えて仕事をさせる場合、使用者は労働者に対して割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。
残業代を支払わないサービス残業は、労働基準法違反です。労働者には残業代を受け取る権利があるため、サービス残業を強制された場合、我慢する必要はないでしょう。

サービス残業をさせると罰則がある

労働者にサービス残業をさせた事業所には罰則があります。労働基準法第119条によると、第32条に違反した場合の罰則内容は、6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
また、労働者に未払いの残業代を請求され、使用者が裁判に敗訴すると、未払いの残業代に加えて遅延損害金や付加金の支払いが命じられることもあります。

【介護】サービス残業に該当する就労状況

ここでは、どのような就労状況がサービス残業に当てはまるのかを解説します。自分がサービス残業をしていないかチェックしてみましょう。

退勤後に仕事をする

退勤後に仕事をすると、サービス残業になってしまいます。「仕事が終わらないから」「切りの良いところまで仕事を進めたい」という理由で、自分からサービス残業をする人もいるかもしれません。また、上司にタイムカードを押してから働くようにいわれ、やむを得ず退勤後に仕事をする人もいるようです。

残業時間の端数を切り捨てる

残業時間の端数を切り捨てることも、サービス残業に該当します。原則、給与は1分単位で支払わなければいけませんが、なかには勤務時間を一定の時間で区切る施設もあるようです。勤務時間を15分や30分で区切り、15分や30分に満たない残業時間を切り捨てるという方法を取っている施設の場合、切り捨てた時間分の残業代は支払われません。
たとえば、勤務時間を30分ごとに区切っている場合、20分残業しても、切り捨てられて残業していないことになってしまう可能性があります。

勤務時間前に仕事を始める

早出残業扱いにならずに勤務時間前に仕事を始めるケースも、サービス残業に該当します。勤務時間前のサービス残業が生じるのは、「残業をしている」という認識が薄いことが原因のようです。
よくあるケースとして、ユニフォームの着用が義務の場合、着替えの時間も業務時間に含まれます。業務時間前に着替えるように指示されるのは、不適切だといえるでしょう。

介護職でサービス残業になりやすい業務

介護職でサービス残業になりやすい業務としては、勤務時間外の介護記録の記入やミーティングなどがあります。以下では、サービス残業になりやすい業務を解説するのでご覧ください。

勤務時間外の介護記録の記入

介護職は、勤務時間ギリギリまで利用者さんのケアをして、勤務時間外に介護記録の記入や申し送りなどを行っていることがあります。慢性的な人手不足から、業務時間内に事務作業を終えることが難しく、サービス残業をしてしまうことがあるようです。

勤務時間外のミーティング

職員全員のシフトを合わせることが難しく、勤務時間外にミーティングを実施することもあるようです。本来、ミーティングは業務時間内にするべき仕事。時間外に実施して残業代が支払われない場合は、サービス残業に該当します。

勤務時間外に行う利用者さんやご家族の対応

介護職員のなかには、利用者さんやご家族の対応をしている間に退勤時間が来てしまい、そのままサービス残業をしてしまう人もいるようです。退勤時間前に利用者さんやご家族に相談されると、退勤時間を過ぎていることに気づかないこともあるのかもしれません。
残業した時間を申請すれば問題ありませんが、申請せずに「定時で退勤した」と報告してしまうと残業した分の時間はサービス残業になってしまいます。

勤務時間外の勉強会

自主的に自宅などで勉強する場合はサービス残業になりません。しかし、勉強会への参加を義務付けている場合は、業務の一環となるので、残業代を支払わなければサービス残業になります。ミーティングと同様、業務時間内に職員全員に勉強会を受けさせることが困難な場合、業務時間外に実施することもあるようです。

▼関連記事
デイサービスは残業が多い?削減方法や業務内容、職場の見極め方も解説
生活相談員には残業がある?向いている人の特徴や大変さを解説

サービス残業で悩んでいるときの対処法

サービス残業に悩んでいる方は、以下の対処法を試してみてください。一生懸命働いているにもかかわらず、残業代が支払われなければ、大きなストレスや職場への不満につながります。快適に働き続けるためにも、サービス残業への対処はきちんとしておきましょう。

上司に相談する

サービス残業が常態化しているときは、人員の確保や残業代の支払いについて上司に相談しましょう。人手不足でサービス残業が発生している場合は、十分な人員が確保できれば、サービス残業をする根本的な原因の解消につながります。
また、サービス残業は違法なので、やむを得ず残業する場合でも残業代を支払ってもらえるよう、上司に交渉しましょう。

労働組合に相談する

上司に相談してみてもサービス残業が改善されない場合は、労働組合に相談すると良いでしょう。労働組合とは、労働者が主体となり、労働条件の維持や改善、経済的地位の向上を目指す組織のことです。労働組合には、同じ企業の労働者で組織された「企業内組合」と、企業に所属しない「ユニオン(合同労働組合)」があります。

勤務先の施設に労働組合がない場合は、ユニオンに相談しましょう。ただし、ユニオンに所属すると、会社と対立する形になる可能性があることは念頭に置いておく必要があります。

労働基準監督署に匿名で通報・相談する

労働基準監督署に通報・相談し、違法なサービス残業があると認識されると、会社への指導や是正勧告が行われます。労働基準監督署への通報・相談は、匿名で実施可能です。通報・相談は、サービス残業の実態を客観的に証明できるような証拠を準備してから行いましょう。

働き方を変える

正社員から派遣社員などへ働き方を変えるのも、サービス残業への一つの対処法です。派遣社員は、基本的に契約した勤務時間が厳守されるので、サービス残業をすることがありません。時間外の業務を頼まれ、自分から断りづらい場合も、派遣会社から施設に伝えてもらえるので解決しやすいでしょう。
詳しくは、「介護派遣は残業がない?できない場合は?正社員との違いやメリットも解説」の記事で解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

▶派遣の求人一覧ページはこちら

転職する

サービス残業に悩んでいる人は、転職を検討する方法もあります。本来は、事業所側がサービス残業を発生させないように努める義務がありますが、「サービス残業をして当たり前」という空気がある施設の場合は改善が難しいかもしれません。
改善が見込めないときは、問題のある事業所でストレスを抱えながら働き続けるより、サービス残業がない施設を探して転職したほうが良い可能性があるでしょう。

▼関連記事
転職すべきか迷う介護職にアドバイス!あるあるな悩みの解決策を解説します

▶ヘルパー・介護職の求人一覧ページはこちら

今の職場に満足していますか?

無料で求人を見てみる

介護職のサービス残業に関するよくある質問

ここでは、介護職のサービス残業に関するよくある質問に回答します。「どれぐらいの残業があるの?」「サービス残業が多い職場の特徴はある?」と疑問に思う方はチェックしてみましょう。

介護施設で働く人の残業時間はどのくらい?

公益財団法人 介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査:事業所における介護労働実態調査 結果報告書(p.20)」によると、介護従事者の1週間の平均残業時間は1.7時間です。管理職の1週間の平均残業時間は2.9時間、主任・(サブ)リーダーなど職場のまとめ役は2.3時間、一般職・担当職は1.1時間となっています。
また、1週間の残業時間で最も高い割合を占めるのは、「残業なし」で56.6%、次いで「5時間未満」が25.4%でした。転職活動の際は、志望先の労働時間や残業時間なども調べることが大切です。

残業が多い介護事業所の特徴とは?

残業が多い介護事業所の特徴として、「業務量が相場よりも多い」「離職率が高い」「介護職員の数が少ない」などが挙げられます。このような特徴のある介護事業所のなかには、サービス残業が当たり前になっている施設がある可能性も。人員体制や労働環境をチェックしたうえで、残業代が1分単位で支給されているかもあわせて確認しましょう。

まとめ

サービス残業は違法なので、「介護職はサービス残業があるのが当たり前」と考える必要はありません。サービス残業に該当する就労状況としては、タイムカードで打刻してから退勤後に働く以外に、残業時間の端数の切り捨てや勤務時間前の労働が挙げられます。

介護職は、業務時間外の介護記録の記入やミーティング、利用者さんへの対応などでやむを得ず、サービス残業を行うことがあるようです。サービス残業に悩んでいるときは、上司や労働組合に相談しましょう。

就職・転職を考えている介護職の方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した就職・転職エージェントです。プロのキャリアアドバイザーが、あなたの条件に合った求人をご紹介。実際の職場の雰囲気などもお伝えいたします。「今の職場は残業が多くてつらい…」とお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。

今の職場に満足していますか?

無料で求人を見てみる

執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

関連記事

関連ジャンル: 介護の仕事

この記事をシェアする

  • facebook
  • X
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※この記事の掲載情報は2026年6月30日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

レバウェル介護の新着一覧

「介護の仕事」の人気記事一覧

「総合」の人気記事一覧

新着記事一覧