
この記事のまとめ
- デイサービスの残業の程度は職場によるが、平均は介護従事者全体より長い
- デイサービスの残業を減らすには、無駄な業務の見直しや上司への相談が有効
- 残業の多いデイサービスを見極める基準は、求人を出す頻度や離職率の高さ
「デイサービスは残業が多い?」と気になる方もいるのではないでしょうか。デイサービスの平均残業時間は介護従事者全体より長いものの、半数以上の職員は残業をしておらず、残業の程度は職場によって異なります。この記事では、デイサービスで残業が発生する理由や、残業になりやすい業務をご紹介。残業が多いデイサービスの見分け方も解説するので、プライベートと両立させやすい仕事を見つけるヒントにしてください。
デイサービスとは簡単にいうとどんな施設?介護職向けに基本を解説します目次
デイサービスは残業が多い?
デイサービスの平均残業時間は、介護従事者全体の平均より長いようです。しかし、残業なしの職員が半数以上を占めているので、残業の程度は職場によってさまざまといえます。
平均残業時間はほかの施設よりも長い
公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査:介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書(資料編 p.64)」によると、デイサービスの1週間あたりの平均残業時間は2.1時間です。
ほかの施設と比較してみると、特別養護老人ホームは1.7時間、介護老人保健施設は1.6時間で、デイサービスのほうが平均残業時間が長いのが現状です。
デイサービスの職員の半数以上は残業なし
同資料(資料編p.64)によると、残業なしのデイサービスの職員の割合は51.1%で、全体の半数以上を占めています。また、1週間あたりの平均残業時間が5時間未満の職員が、26.6%です。この結果から、デイサービスは特別残業が多いわけではないといえます。
ただし、残業が5時間以上10時間未満の職員が13.2%、10時間以上が5.4%いるため、デイサービスの残業の長さや負担は人によって異なるでしょう。
出典
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」(2026年6月29日)
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デイサービスにおいて残業が発生する理由
デイサービスで残業が発生する場合の理由としては、人手不足で1人あたりの仕事量が多いことや、サービス提供時間外に対応する業務があることなどが挙げられます。
人手不足で1人あたりの仕事量が多い
十分に人員が確保できていないデイサービスでは、1人あたりの仕事量が多くなる傾向があります。少子高齢化により介護職員が不足している日本では、人手不足の介護施設も少なくありません。
デイサービスでは、想定外のことが起きてスケジュール通りに業務が進まないことも。職員一人ひとりの抱えている仕事量が多いと、周囲でフォローするのも難しく、結果的に残業して対応せざるを得なくなるようです。
就業時間が職員共通で業務を引き継げない
デイサービスは、基本的に利用者さんが日帰りで通うサービスのみを提供しているため、職員の働き方は日勤のみです。2交代制や3交代制のシフトであれば、定時に終えられなかった業務を、交代するスタッフに引き継ぐことができます。
しかし、デイサービスでは、次のシフトのスタッフに業務を任せられないため、残業が発生する場合があるようです。
サービスの提供時間外に対応する業務がある
サービス提供時間外に対応する業務が多いと、残業の増加につながります。申し送りやミーティング、掃除、レクリエーションの企画・準備など、利用者さんへの直接的なケア以外の業務を、勤務時間外に行う体制になっているデイサービスもあるようです。
また、厚生労働省の「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護(p.4)」によると、利用者さんの送迎はサービスの提供時間には含まれません。そのため、サービス提供時間と勤務時間を共通にしている場合は、残業が発生してしまいます。
出典
厚生労働省「第258回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年6月29日)
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デイサービスで残業が発生しやすい業務
デイサービスの残業は、大きく分けて日常的な残業と一時的な残業の2パターンあります。デイサービスにおいて残業が発生しやすい業務について、以下で確認してみましょう。
日常的な残業
デイサービスで日常的に発生しやすいのは、次のような残業です。
- ケアの準備・片付け
- レクリエーションの企画・準備
- 利用者さんの送迎
- 申し送り・ミーティング・研修
- 記録の作成
デイサービスで日常的に行う仕事は、直接的な介護業務以外にも多数あります。そのため、対応する時間が設けられていないと、残業が発生しやすいでしょう。
ケアの準備・片付け
デイサービスでは、利用者さんを迎え入れるための準備や、ケアが終わったあとの片付けを行う必要があります。具体的な業務は、朝の送迎前に食事や入浴のときに使うおしぼりやタオルの準備をしたり、夕方の送迎後に、施設内の掃除や翌日に使用する介護用品の準備をしたりすることです。
利用者さん一人ひとりに合わせたケアの準備に時間がかかると、残業が発生する場合があります。
レクリエーションの企画・準備
利用者さんが参加するレクリエーションの企画や準備も、デイサービスで行う業務の一つです。どのようなレクリエーションをするかアイデアを出して、必要な物品の買い出しをします。
レクリエーションに力を入れているデイサービスでは、企画や準備に時間がかかることもあるようです。
利用者さんの送迎
デイサービスでは、利用者さんを車で送迎するのが一般的です。送迎の時間は利用者さんごとに決まっているものの、交通状況によっては、渋滞が発生して想定より時間がかかる場合もあります。
また、利用者さんを安全に送り迎えするためには、車両の点検や清掃も必要なため、送迎業務のための時間をしっかり確保しなければなりません。
申し送り・ミーティング・研修
利用者さんの対応で就業時間が終わり、申し送りなどの時間を確保できず、残業が発生してしまうこともあるようです。デイサービスでは、利用者さんの情報を共有したり、ケアの方法を統一したりするために、職員間の申し送りやミーティングが行われます。
また、介護サービスの質を上げるための研修の時間も必要です。
記録の作成
デイサービスの仕事では、利用者さんのケアのために必要な記録の作成も不可欠です。具体的には、介護記録や送迎記録の記入を行います。
介護記録は、利用者さんの状態の変化を把握できるよう詳細に書く必要があります。その都度記載すればそれほど大変ではなくても、利用者さんの帰宅後にまとめて記入する場合は時間がかかり、負担に感じることもあるでしょう。施設によっては、日報の提出が必要な場合もあり、扱う書類は多岐にわたります。
一時的な残業
デイサービスで一時的な残業として発生することがあるのは、以下のような業務です。
- 利用者さんへの突発的な対応
- 休みのスタッフの業務の埋め合わせ
- 事業所の設備不良による対応
日常的な残業と違って毎日起こるものではありませんが、突発的に発生する業務があります。一時的な残業の業務内容について、以下でご説明します。
利用者さんへの突発的な対応
利用者さんが体調を崩したりけがをしてしまったりすると、突発的に対応が必要になります。体調の悪化やけがは、利用者さんの命に関わる可能性があることなので、最優先で対応しなければなりません。
状況に応じて、看護職員と連携したりご家族へ連絡したりといった、早急な対応が求められます。
休みのスタッフの業務の埋め合わせ
ほかのスタッフが欠勤や早退をしたときに、そのスタッフの業務を代わりに担当することがあります。
デイサービスでは多数の利用者さんに同時に対応するため、休みのスタッフがいると業務負担が大きくなりやすいでしょう。ほかのスタッフの分の仕事まで請け負うとなると、定時内に仕事が終わらず残業になることも考えられます。
事業所の設備不良による対応
事業所の設備不良が原因で、定時内に仕事が終わらないこともあるようです。たとえば、施設のシャワー室の不具合によって介護業務を思い通りに進められなかったり、エアコンの故障によって業者を呼んで対応したりすると、予定していたスケジュールが押してしまいます。
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デイサービスで残業を削減する方法
残業を減らすためには、事業所側でできることと職員側でできることがあります。プライベートの時間を確保するためにも、デイサービスの残業を減らす方法を以下で確認してみましょう。
職員側の残業への対処法
デイサービスで働く職員が残業削減のためにできることは、無駄な業務の見直しと上司への相談です。
無駄な業務がないか見直す
デイサービスの仕事に負担を感じている場合、効率化できる無駄な業務がないか見直してみると良いでしょう。たとえば、汚れを落としやすい洗剤を使って掃除時間を短縮したり、頻繁に使用する物品の保管場所を決めたりすると、業務を効率化できます。
一つひとつの作業を手際良く行えば、就業時間内にできる業務が増え、残業時間の削減につながるでしょう。
管理者や上司に相談する
残業時間が長く不満がある場合、管理者や上司に改善できないか相談してみるのも一つの対処法です。
残業が慢性化している職場では、自分だけで状況を変えるのは難しいので、ルールの見直しなども検討する必要があります。残業が多くて困っているのであれば、現状を管理者や上司に理解してもらうことが大切です。
事業所側が職員の働き方を改善する方法
デイサービス側が職員の残業を減らすためにできることは、偏りのない業務分担やICTの導入、残業に対する取り組みの職員への周知です。
仕事量が偏らないよう業務を分担する
デイサービスの業務を職員に振り分けるときは、人によって偏りが出ないようにしましょう。「できる人がやる」という状態が続くと、特定の職員に仕事が集中してしまい、1人の負担が大きくなってしまいます。
職員の残業を削減するには、それぞれの業務量を分散し、チームでカバーし合える体制を整えることが大切です。
業務効率化のためにICTを導入する
ICTを活用した業務の効率化も、残業を減らすのに効果的です。介護記録をデジタル化して記録作成や情報共有をしたり、見守りロボットを導入して利用者さんの見守りの負担を軽減したりするのも良いでしょう。
残業に対する取り組みを職員に周知する
デイサービスが残業を減らすためには、残業削減の取り組みを職員に知ってもらうことも大切です。なかには、事業所側が残業削減に取り組んでいても、急ぎではない仕事のために自分の判断で残業をする人もいます。
しかし、残業をする・しないは事業所側が判断するものなので、早く対応すべき業務ではない場合は残業しないよう伝え、職員に理解を促すことも必要です。
デイサービスはサービス残業が多いの?
デイサービスは特別残業が多い職場ではありませんが、ごく一部には違法なサービス残業が常態化している事業所もあるようです。
デイサービスでサービス残業が発生する理由
デイサービスでサービス残業が発生する理由は、残業代を請求しにくい雰囲気があったり、事業所が残業代を出したがらない場合があったりするからです。
残業代を請求しづらい雰囲気がある
先輩社員やベテラン職員が、残業に対する手当をもらっていない場合、「自分だけ残業を申請しづらい…」と思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
施設によっては、記録作成やレクリエーションの準備を勤務時間外に行うのが当たり前の体制になっているところも。サービス残業が当然になっている施設では、残業代を請求することを諦めてしまう職員もいるようです。
事業所が残業代を出したがらない
デイサービスの経営は、介護保険法で定められた介護報酬をもらうことによって成り立っています。事業所の主な財源となる介護報酬は、施設の規模や利用者さんの介護度、サービス内容などによって決まる仕組みです。
提供するサービスごとに受け取る介護報酬が決まっているため、経営を考えて残業代の支払いを渋るデイサービスも一部あるのかもしれません。
サービス残業を強制されたときの対処法
サービス残業について職場で相談してみても改善されないときは、労働基準監督署に連絡したり、サービス残業がない職場に転職したりといった対処法があります。
労働基準監督署に連絡する
上司や管理者に相談しても、デイサービスでのサービス残業が改善されないときは、労働基準監督署に連絡するのも一つの解決方法です。
サービス残業は労働基準法違反なので、職員が時間外労働をしたにもかかわらず残業代が支払われない場合、事業所に対して是正勧告や改善指導が行われます。相談する際は、残業の実績メモや給与明細など、サービス残業をした証拠を用意しておきましょう。
サービス残業がない職場に転職する
改善に向けて動いても状況が変わらない場合は、サービス残業がないデイサービスに転職する選択肢もあります。サービス残業で負担を強いられている介護職の方は、ストレスを感じながら働くより転職したほうが良いかもしれません。
多くの求人を比較して、残業がない職場や、残業があったとしても残業手当が確実に支給される職場を探しましょう。
残業なしの働き方をしたいのであれば、派遣スタッフとしてキャリアチェンジをするのも一つの方法です。派遣スタッフは、決められた勤務時間や条件で派遣会社と契約を締結するため、直接雇用で職場が勤務条件を決めるスタッフよりも、定時で上がるという希望を叶えやすい傾向があります。
職務内容は直接雇用の介護職と大きな差がなく、これまでの知識や経験、実績を十分に活かせるのも、派遣の介護スタッフとして働くメリットです。また、派遣スタッフの給与は、働く施設ではなく雇用主である派遣会社から支払われるため、残業代が支払われないトラブルを防止できるでしょう。
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残業の多い職場を見極める4つの基準
残業の多いデイサービスを見極めるには、求人を出す頻度や離職率の高さ、職場の雰囲気などの基準があります。ブラックな職場で働く可能性を減らすために、以下の内容を基準にして募集要項をチェックしてみましょう。
求人を出す頻度
常に求人を出しているデイサービスは、日常的に人手が不足している可能性があるので注意が必要です。人手不足のデイサービスでは個人の負担が増えるため、定期的に残業が発生する可能性があります。
転職先を探す際は、「欠員補充のため」「事業所開設のため」など、求人を出している理由にも着目してみましょう。
離職率の高さ
離職率がほかの施設と比べて高過ぎる職場も、働きにくい環境の可能性があります。退職者数が多い職場は、長時間労働や業務量の多さなどの慢性的な問題を抱えている場合があるので、より良い環境で働けるように情報収集をしましょう。
介護施設の退職者数は、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」から検索できます。情報公開をしている事業所は、前年度の退職者数を記載しているので、離職率の目安になるでしょう。
出典
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」(2026年6月29日)
職場の雰囲気
デイサービスの雰囲気も、残業が多い職場かどうかを見極めるにあたって重要な基準です。面接や現場見学のときに職員がせわしなく動いていて、挨拶を交わしていなかったり笑顔が少なかったりすると、個人の業務負担が大きい可能性があります。
職員同士の連携が不十分な職場では、仕事を1人で抱え込むことになるため、残業が発生しやすいでしょう。
就業時間と営業時間の差
就業時間と事業所の営業時間の差が少ない職場は、早出や残業をしなければいけない可能性があります。デイサービスの求人に記載されている就業時間と、事業所の営業時間を比較してみると良いでしょう。また、送迎や記録業務の時間が、就業時間内に設定されているか確認することも大切です。
デイサービスの残業に関するよくある質問
ここでは、デイサービスの残業に関するよくある質問に回答します。デイサービスの労働時間や、デイサービスに向いていない人について気になる方は、チェックしてみてください。
デイサービスの労働時間は?
デイサービスの労働時間の平均は、介護従事者全体の平均と同程度です。公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査:介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書(資料編 p.62)」によると、デイサービスの1週間の平均労働時間は36.9時間で、介護事業所全体の平均37.1時間と大差ありません。
また、デイサービス職員の1週間あたりの労働時間として最も多かった回答は、「40時間以上45時間未満(48.4%)」で、週5日8時間ほどの勤務の方が多いと予想できます。
出典
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」(2026年6月29日)
デイサービスに向いていない人はどんな人?
コミュニケーションが苦手な人や体力のない人、車の運転に抵抗がある人などは、「デイサービスの仕事に向いていない」と感じる可能性があります。デイサービスは、毎日入れ替わりで多くの利用者さんが通う施設なので、さまざまな人と関わるコミュニケーション能力が必要です。また、入浴介助や移動介助などの身体介護を行うので、一定の体力も求められます。職場によっては、介護職員が運転業務を担当する場合もあるでしょう。
詳しくは、「デイサービスの仕事に向いていない人の特徴を解説!適性の判断方法とは?」の記事で解説しているので、デイサービスで働くか迷っている方は参考にしてみてください。
介護職の残業理由の書き方が知りたい
介護職が残業申請書の残業理由を書くときは、利用者さんやご家族の対応や記録作成、会議出席など、残業の理由を簡潔に記載します。職場によっては、テンプレートがあったり、残業理由を細かく書かなければならなかったりする場合もあるため、規定を確認してから書くと良いでしょう。
まとめ
デイサービスの残業の有無や時間は、職場によって異なります。平均残業時間は、介護従事者全体よりデイサービスのほうが長いようです。しかし、残業なしの職員も半数以上いるため、事業所や職員による差が大きいといえます。
デイサービスの職員が残業を減らすためには、上司に相談したり、無駄な業務がないか見直したりすると良いでしょう。サービス残業を強いられて大変なときは、転職して環境を変えるのも一つの解決策です。
「残業の少ない職場で働きたい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)では、専任のアドバイザーが転職の希望や条件を丁寧にヒアリングして、無理のない働き方ができる職場をご提案します。
求人情報や待遇だけでなく、施設の雰囲気や人間関係などの情報もお伝えできるので、一緒に職場環境への不安を減らしていきましょう。働きやすいデイサービスへの就職・転職を考えている方は、お気軽にお問い合わせください。
今の職場に満足していますか?
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


