
この記事のまとめ
- 介護職には、無視や悪口などの新人イビリに悩む人もいる
- 新人イビリの証拠を残しておくことで、相談時の対処がスムーズに進みやすい
- 人間関係が良好な職場を見分けるには、求人の募集期間に注目しよう
「転職先で新人イビリがないか心配」「職場で新人イビリがあってどうしたら良いのか分からない」と不安や悩みを抱えている方もいるでしょう。介護職に限ったことではありませんが、新人イビリやいじめがある職場もなかにはあり、早めの対処が大切です。この記事では、介護職における新人イビリの例や対処法を解説。人間関係が良好な職場の見分け方も説明しています。人間関係に悩みがある介護職の方は、チェックしてみてください。
目次
介護職の新人イビリの例
介護職の新人イビリには、「無視をする」「情報共有をしない」「大変な仕事を押し付ける」などがあるようです。ここでは、介護職における新人イビリの例を紹介します。
無視をする
介護職への新人イビリとして、挨拶しても返さない、質問に対して答えてくれないなどの無視をするといったケースがあるようです。職場に慣れていない新人は、無視をされることで、職場への居づらさを強く感じてしまいます。同僚から無視されると、早期退職の原因になることもあるでしょう。
情報共有をしない
特定の新人職員だけ、わざと情報共有をしないのも新人イビリです。連携が取れていないと、ほかの職員から「いつまでも仕事を覚えない」という誤解を受けてしまうことも考えられます。情報共有が不十分だと介護事故につながる可能性もあるため、早めの対処が必要です。
大変な仕事を押し付ける
新人職員に見合わない難易度の高い仕事を要求されたり、精神的・身体的な負担が大きい仕事ばかり任せられたりするのも、新人イビリです。1人だけ業務量が多いと、残業になってしまうこともあるかもしれません。反対に、「シーツ交換や雑務ばかりで介助業務を教えてもらえない」といった、仕事を任せてもらえないケースもあるようです。
悪口や陰口を言う
新人職員の悪口や陰口を言うといったケースもあります。悪口や陰口は円滑なコミュニケーションの妨げになり、業務に悪影響を及ぼしてしまうことも。利用者さまやご家族に聞かれると、職場全体の信頼を失ってしまう可能性もあります。
理不尽なことで怒る
「指示に従ったのに怒られる」「過度な指導や叱責がある」と悩む新人職員もいます。理不尽に怒られたりいき過ぎた指導があったりすると、仕事に対して消極的になってしまうものです。なかには、「指導なのか新人イビリなのか判断できない」と悩む人もいます。もしも人格を否定するような言動がある場合は、新人イビリとみて良いでしょう。
プライベートにまで干渉する
家庭環境や趣味、配偶者の有無など、プライベートにまで干渉して否定するのは、新人イビリといえます。有給休暇の申請理由を執拗に聞き出そうとするのも、場合によってはパワーハラスメントです。
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介護職で新人イビリが起こる理由
介護職で新人イビリが起こる理由はさまざまです。ここでは、介護職に対して新人イビリが起こる理由を紹介します。
精神的ストレスが大きい仕事のため
新人イビリが起こる要因の一つとして、介護職には精神的なストレスが大きいことが挙げられます。利用者さまやご家族からの無理な要望や上司からの理不尽な対応など、介護職員は精神的なストレスを抱えがちです。そのなかで、立場が弱い新人職員がストレスのはけ口になり、つらく当たられてしまうこともあるのかもしれません。
介護職員間で派閥があるため
なかには、派閥などのグループができている職場もあります。職員間の力関係が分からない新人職員は、派閥争いに巻き込まれやすく、悪口や陰口、無視といった新人イビリに発展してしまうケースがあるようです。
人手不足のため
人手不足による余裕のなさが、新人イビリにつながる可能性もあります。また、人手不足が深刻な職場では、新人職員も即戦力として扱われてしまうことも。十分な教育やフォローがないまま、高い理想を押し付けられてしまい、「仕事ができない」と理不尽な評価をされてしまうこともあるようです。
新人を教育する制度が整っていないため
新人教育の制度が整っていないと、「人によって指導内容が異なる」「分からないことがあっても聞けない」といった状況になりやすいでしょう。新人職員の成長の機会がない環境で、「仕事ができない」というレッテルを貼られてしまうこともあるようです。特に介護未経験で働き始める方は、新人教育のマニュアルが整備されている職場を選ぶと良いでしょう。
新人は立場上強く言い返せないため
新人職員は立場上強く言い返せないため、周囲からの当たりが強くなることがあるようです。その結果として、理不尽に怒られたり、負担が大きい仕事ばかりを押し付けられたりといった新人イビリが起こるのでしょう。立場が弱い人に対して攻撃的になる人からは、距離を置くのが適切といえます。
仕事を甘く見ていると思われてしまうため
ビジネスマナーがなっていなかったり協調性に欠けていたりすると、ベテランの介護職員から「仕事を甘く見ている」と捉えられてしまうことがあります。介護業界は幅広い年齢の人が働いているため、価値観の違いが新人イビリにつながってしまうことがあるようです。
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介護職の新人イビリやいじめへの対処法
「新人イビリがあったらどうしたら良いの?」と不安に感じる介護職もいるでしょう。ここでは、新人イビリやいじめがあった際の対処法を紹介します。
証拠を残しておく
新人イビリを相談する際、証拠があった方がスムーズに対処してもらえます。「いつ・どこで・誰に・何をされたのかをメモしておく」「ラインなどのメッセージはスクショする」「スマホなどで録画・録音する」などの方法で、新人イビリの証拠を残しておきましょう。証拠がないと、相談しても取り合ってもらえなかったり、加害者が事実を認めずに新人イビリがなかったことにされたりする可能性があります。新人イビリを受けたときは、できる限り多くの証拠を集めておきましょう。
本人へ意思を伝える
新人イビリをする人は、「おとなしい人」や「言い返さない人」を選んでいることがあります。「どうして○○するのか」「○○はやめてほしい」など、自分の意思をはっきりと伝えてみましょう。毅然とした態度を取ることで、新人イビリが収まる可能性があります。ただ、「反抗的」と捉えられて、新人イビリがエスカレートするリスクもあるため、相手に応じた対処法を見極めることが大切です。
管理者や上司に相談する
信頼できる管理者や上司がいれば、相談してみると良いでしょう。上の立場の人に相談すれば、新人イビリする人へ指導をしてくれたり、配置やシフトの調整をしてくれたりする可能性があります。また、職場内に味方がいることも、仕事をするうえでの安心感につながるでしょう。
自分の行動を思い返してみる
遅刻はしていないか、正しい敬語を使えているかなど、自分の仕事への姿勢を見直してみましょう。仕事ができるようになっていけば、新人イビリは少なくなっていくことがあります。また、一貫した介護観を持って業務に取り組むことで、行動や言動に説得力が増し、周囲からの評価も変わるでしょう。どのような理由があったとしても、新人イビリは肯定できるものではありませんが、一度自分の行動を思い返してみることも重要です。
労働局や弁護士に相談する
労働局は、職場と労働者間に労働トラブルがあった際の、助言や指導、あっせんなどを行っています。職場内で解決できないときは、各都道府県に配置されている労働局に相談するのも選択肢の一つです。ただ、労働局ができることには限りがあるので、必ずしも職場へ助言や指導などをしてくれるとは言い切れません。労働局に話しても解決が難しい場合は、弁護士へ相談することを検討しても良いでしょう。
悩みが解決しないときは転職する
自分が改善に努めても新人イビリがなくならない場合は、退職を視野に入れても良いかもしれません。心身の不調が出る前に、転職活動を始めることをおすすめします。短期間での退職であっても、新人イビリがあったことを説明すれば、転職で不利になる可能性は低くなるでしょう。
新人イビリでの退職は会社都合にできる可能性がある
新人イビリなどのいじめが原因で退職する場合は、会社都合にできる可能性があります。会社都合の退職であれば、自己都合退職よりも失業給付金を長期間受給することが可能です。退職時には、「会社都合にできるか」を確認しておくと良いでしょう。また、会社都合で退職する際は、新人イビリがあったことの証拠を求められる場合があるので、前述した「証拠を残しておく」を参考に、証拠を集めておくことをおすすめします。
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人間関係が良い職場を見分ける方法は?
ここでは、人間関係が良い職場を見分ける方法を紹介します。転職を検討している方は、チェックしてみてください。
頻繁に求人が出ていないか確認する
頻繁に求人を出している職場は、離職率が高い可能性があります。新人イビリなど、職員が定着しない理由があるのかもしれません。求人に応募する前に、長期間にわたって募集を出していないかを確認しておきましょう。
ただし、事業を拡大するために求人を出している可能性もあるため、注意深く判断することが大切です。
施設長や管理者が職員に丁寧に接しているかをみる
職場見学に行った際は、施設長や管理者の介護職員への関わり方に注目することも大切です。施設長や管理者の会話が一方的であったり、威圧感があったりする場合は、介護現場の声が反映されず、働きにくさを感じるかもしれません。
反対に、施設長や管理者が介護職員の声に耳を傾けるようであれば、職場環境が改善されやすいため、人間関係が良い傾向があります。
職員同士の雰囲気が良いか確認する
介護職員同士の雰囲気を確認することも忘れないようにしましょう。職場見学では、職員間でコミュニケーションが円滑に取れているかを確認するのがポイントです。スタッフ全員が仲が良い職場を見つけるのは難しいものの、威圧的な雰囲気を感じなければ仕事をしやすい環境である可能性が高いでしょう。
介護職における人間関係に関するよくある質問
ここでは、介護職の人間関係に関するよくある質問を紹介します。介護業界の人間関係に対して不安を抱えている方は、参考にしてみてください。
介護職における人間関係の悩みはよくあること?
厚生労働省が発表した「介護人材の確保・介護現場の革新(p.28)」によると、介護職員が前職を離職した理由は、「職場の人間関係に問題があった」が23.2%で最も多いという結果でした。このデータから、人間関係の悩みを抱える介護職は少なくないと分かります。介護職として働くにあたって大切なのは、自分に合った職場を見つけることです。自分にとって働きやすい職場へ転職したい方は、「介護業界でホワイト企業に就職・転職するには?優良企業の見分け方を解説!」を参考にしてみてください。
出典
厚生労働省「第194回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2024年2月21日)
どんな人が新人イビリやいじめを受けやすいですか?
新人職員の場合は仕方のないことですが、仕事が遅かったりミスをしたりすると、新人イビリのきっかけになってしまうことがあるようです。新人イビリやいじめがある職場では、質の高い介護は行えません。新人イビリやいじめが続くと、心身の不調が出てしまうこともあるため、早めに対処することが大切です。介護職における新人イビリやいじめに悩んでいる方は「介護職の新人イビリやいじめへの対処法」をご覧ください。
まとめ
介護職の新人イビリの例として、「無視をする」「情報共有をしない」「悪口や陰口を言う」などが挙げられます。利用者さまやご家族からの無理な要望や、人手不足による余裕のなさなどによるストレスが、介護職の新人イビリの原因になってしまうことがあるようです。
もしも、新人イビリやいじめなどに直面して悩んだときは、証拠を残したうえで、上司や外部機関へ相談することをおすすめします。自分が努力しても解決の見通しが立たないときは、転職を検討しても良いでしょう。
「人間関係が良い介護施設に転職したい」「人間関係が心配で転職に踏み込めない」という方は、介護職員の転職をサポートするレバウェル介護(旧 きらケア)へご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、求人先へのヒアリングをこまめに行っています。そのため、求人票やホームページからは分からない、転職先の人間関係や上下関係といった情報の提供が可能です。職場見学の段取りもアドバイザーが代行するので、自分に合った職場を効率的に探せます。サービスはすべて無料なので、気軽にお問い合わせください。
その悩み、解決できるかも
執筆者
「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点