介護福祉士がキャリアアップする方法とは?資格や経験を活かした転職も解説

介護の資格 2022年7月25日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
微笑む介護士の女性の画像

介護福祉士のキャリアアップ先にはどのような仕事があるのか知りたい方もいるでしょう。

この記事では、「資格取得でステップアップする」「相談援助職に就く」「運営する側になる」「経験を活かして別の分野を目指す」の4つの状況別にキャリアアップ先をご紹介。キャリアアップを目指して勤務している人や、将来のキャリアビジョンの参考にしたい人は、ぜひご覧ください。

目次

介護福祉士のキャリアアップ

介護業界のキャリアアップは、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士の順になっているのが基本です。介護福祉士として活躍を続ければ、スキルアップにつながったり専門的な分野へ携われたりします。介護福祉士を取得したあとのキャリアアップモデルには、以下のような職種が挙げられるでしょう。

  • 認定介護福祉士
  • 医療介護福祉士
  • 社会福祉士
  • ケアマネージャー(介護支援専門員)
  • 生活相談員
  • サービス提供責任者
  • 施設長
  • 看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士

介護福祉士のキャリアアップ先を理解しておけば、働くうえでのモチベーションを維持しやすくなります。

次項からは、介護福祉士からキャリアアップする道について詳しく解説。キャリアアップの内容をジャンル別にご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.上位資格の取得を目指す

介護福祉士よりも上位の資格を取得すれば、介護現場におけるプロフェッショナルをさらに目指すことが可能です。ここでは、認定介護福祉士・医療介護福祉士・社会福祉士について解説します。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として創設された民間資格です。介護福祉士として培ってきた知識・経験を活かし、介護職員のまとめ役として教育や指導を行います。介護福祉士と比べると直接的な介護業務は減りますが、職員のマネジメントをすることで介護サービスの質の向上が図れるでしょう。

認定介護福祉士になるには、介護福祉士の実務経験5年以上と、認定介護福祉士養成研修を600時間修了することが条件となります。また、介護現場のリーダー経験と、居宅・施設系サービスの両方における生活支援の経験も必要です。研修修了後に認定審査を通過すれば、認定介護福祉士の資格を取得できます。

医療介護福祉士

医療介護福祉士は、チーム医療の一員として活躍する職員の育成を目的としている民間資格です。介護現場には医療的ケアが必要不可欠な利用者さんもいるため、医療に関する知識があれば、これまで以上に心身状態へ適したケアを実現できます。緊急時の対応や事故の防止などについて学習できるので、看護師やほかの職種との連携を強化できるでしょう。

医療介護福祉士になるには、介護福祉士の実務経験が1年以上必要です。認定講座は6日間と短めですが、日付が指定されているので気をつけましょう。また、医療介護福祉士を取得したからといって医療行為を担当できる訳ではないので、こちらも注意が必要です。

社会福祉士

社会福祉士は、専門的な知識や技術を活用し、身体上・精神上にハンデがある人または日常生活の営みに支障がある利用者さんの相談援助を行います。具体的には、相談内容に応じた助言や指導、福祉サービス提供者または保健医療サービス提供者との連絡・調整などを担当。介護現場以外にも、病院や学校といった環境で勤務することが可能です。

社会福祉士になるには、規定の受験資格を満たし、国家試験に合格する必要があります。厚生労働省の「第34回社会福祉士国家試験合格発表」によると、2022年の社会福祉士国家試験の合格率は31.1%でした。専門性の高い国家資格のため、社会福祉士として働けば年収アップが期待できます。

▼関連記事
認定介護福祉士とは?期待される役割や資格取得に必要な研修を解説
社会福祉士資格を取得する7つのメリットとは?取得方法やルートも解説!

2.相談援助の職種へキャリアアップする

介護福祉士からキャリアアップし、相談援助職として働く方法もあるようです。相談援助職には、ケアマネージャーや生活相談員、サービス提供責任者などが含まれます。それぞれの職種について詳しく確認しましょう。

ケアマネージャー(介護支援専門員)

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護サービスの利用者さんにケアプランを作成するのが主な仕事です。利用者さん本人やご家族から状況や希望をヒアリングし、サービスが適切に受けられるよう支援する役割を果たします。利用者さんが介護保険サービスを受けるにはケアプランが必須のため、ケアマネージャーの需要は今後も高まりを見せるでしょう。

ケアマネージャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格が必要です。定められた国家資格に基づく業務または相談援助業務に従事した期間が、5年以上かつ900日以上あれば、受験資格を得られます。

近年のケアマネ試験における合格率は約10〜20%と低めのため、しっかりと対策することが重要です。

生活相談員

生活相談員は、利用者さんやご家族の相談対応や指導を行うことが主な仕事です。介護職や看護師、ケアマネージャーなどと連携を図り、調整する役割を果たします。なお、生活相談員は職種名のため、「生活相談員」という資格があるわけではありません。

生活相談員になるには、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などの資格が必要です。都道府県によっては、介護福祉士の資格を有していれば生活相談員になれる場合もあります。生活相談員を目指す際は、自分の働く自治体がどのような要件になっているかを確認しましょう。

サービス提供責任者

サービス提供責任者は、ホームヘルパーの手配やスケジュール管理が主な仕事です。訪問介護事業所の責任者として、ホームヘルパーをまとめる役割を担います。そのほかにも、利用者さんやご家族の相談に対応したり、訪問介護計画書を作成したりと、幅広い業務を行う職種です。

サービス提供責任者になるには、実務者研修か介護福祉士の資格が必要です。現時点で介護福祉士として働いている方は、サービス提供責任者の要件を満たしているといえるでしょう。訪問介護事業所では、利用者さん40名ごとにサービス提供責任者を1名以上配置するよう義務付けられています。

▼関連記事
ケアマネージャーになるには最短で何年?受験資格や取得までの流れを解説
生活相談員とは?仕事内容や必要な資格などの転職に役立つ概要を解説
サービス提供責任者とは?仕事内容ややりがい、要件について紹介

3.施設や事業所を運営する側になる

介護福祉士のキャリアアップ先として、介護事業所を管理・運営する側になる道も挙げられます。これまでの経験を活かし、施設長を目指したり、事業所を立ち上げたりすることが可能です。

施設長・管理者

施設長および管理者は、介護業務・人材・収支のマネジメントを行い、経営や管理全般に携わる職種です。介護施設のトップになるので、業務に対する責任は重いといえます。施設長・管理者の采配によって施設の雰囲気や利用者さんへの影響が変化するため、人柄・リーダーシップといった要素も重要視されるでしょう。

下記では、施設長・管理者の資格要件を施設形態別にまとめました。

【特別養護老人ホームの場合】

  • 社会福祉主事の要件を満たす者
  • 社会福祉事業に2年以上従事した者
  • 社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者

【介護老人保健施設の場合】

介護老人保健施設では、原則として医師が施設長になります。ただし、都道府県知事の了承を得れば、医師以外でも施設長になることが可能です。

【グループホーム・小規模多機能型居宅介護の場合】

  • 認知症介護に3年以上従事した者
  • 認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した者

そのほかにも、デイサービスや有料老人ホームというように、施設長・管理者の資格要件を定めていない施設もあります。とはいえ、介護現場における実務経験はある程度求められるでしょう。

独立して施設や事業所を創立する

「このような介護施設を作りたい」という願望があるのなら、独立して施設や事業所を立ち上げるのも一つの手です。自分の手で事業所を開業すれば、経営方針や介護サービスの内容、人員の配置などを理想的な形で実現できます。施設や事業所を立ち上げるには、ある程度の資金や人脈が必要なので注意しましょう。

独立する際は、人手不足の介護業界でどのように人材を確保するかを考えることも重要です。利用者さんが快適にサービスを受けられ、職員も働きやすいと感じられる介護事業所を立ち上げましょう。開業をゴールにするのではなく、経営者としてのビジョンを持ち続けることが大切です。

▼関連記事
施設長とは?なるために必要な資格はある?仕事内容や年収も解説!

4.介護福祉士の経験を活かして別の分野を目指す

看護師や理学療法士、作業療法士などのように、別の分野にキャリアアップする方法もあります。介護福祉士から別分野に就けば、広い視野でご高齢者や地域の人々を支えられるでしょう。

看護師

介護福祉士から看護師になれば、医療と福祉の両面から支援を実現できます。医療行為の範囲を広げられたり、看護計画を立てられたりと、利用者さんのニーズに合ったケアを提供できるでしょう。看護師は、病院やクリニック、介護事業所などで働けるのが特徴です。近年は新型コロナウイルス感染症の影響から、感染症対策に対応できる看護師の需要が向上しています。

看護師になるには、専門学校や看護大学を卒業したうえで、看護師国家試験への合格が必要です。厚生労働省の「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」によると、看護師国家試験の合格率は2022年時点で91.3%でした。そのうち新卒者は96.5%と、高い数値を出しています。ただし、通学には時間と金銭的な負担がかかるため、資格取得におけるハードルの高さを理解しておきましょう。

理学療法士

理学療法士は、利用者さんの起立や歩行といった基本動作の回復を目指し、リハビリテーションを行います。関節が動く範囲の拡大や麻痺の回復、筋力強化などを行い、利用者さんの自立を目指す職種です。利用者さん本人の意思を尊重し、心に寄り添ったサポートに努めます。理学療法士の仕事は日勤が基本のため、夜勤の負担を感じている介護福祉士に向いているでしょう。

理学療法士になるには、大学や専門学校で養成課程を修了し、理学療法士国家試験の合格が求められます。厚生労働省の「第57回理学療法士国家試験及び第57回作業療法士国家試験の合格発表について」によると、理学療法士国家試験の合格率は2022年時点で79.6%。試験対策をきちんと行えば、資格取得を目指せるでしょう。理学療法士は医療・介護の現場だけでなく、家庭や地域社会でも専門的な能力を発揮できるため、幅広い活躍が期待されています。

作業療法士

作業療法士は、食事や入浴などの日常生活に必要とされる動作のリハビリテーションを行います。利用者さんが自分らしい生活をしていけるよう、心身状態に適した作業療法を提供する職種です。精神面にハンデのある方に対しても、専門的なサポートを展開できます。作業療法士は、病院や介護施設、支援学校、福祉施設などで働くことが可能です。

作業療法士になるには理学療法士と同様、大学や専門学校で養成課程を修了し、国家試験への合格が必要となります。国家試験を受験するには、作業療法士養成校で3年以上学習し、卒業または卒業見込みでなくてはなりません。作業療法士国家試験の合格率は80.5%と高めになっています。

別分野と介護福祉士の給与比較

厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士とそのほかの専門職の平均給与は以下のとおりです。

職種・資格平均給与
介護福祉士32万8,720円
看護師36万9,210円
理学療法士・作業療法士35万80円

介護福祉士と比較すると、どの職種も平均給与が高いことがわかります。高い給与を受け取りながら業務に携われるので、介護福祉士から別分野へ前向きにキャリアアップを検討する人もいるでしょう。現在給与に関するお悩みを抱えている場合は、キャリアアップによって仕事に対するやりがいを向上できるかもしれません。

厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2022年7月11日)

▼関連記事
看護助手と看護師の違いとは?仕事内容や資格を解説

介護福祉士のキャリアアップにつながる方法

キャリアアップ研修を受けたり、転職したりすれば、介護福祉士のキャリアアップにつなげられます。以下では、それぞれの方法について詳しくまとめました。

キャリアアップ研修を受ける

介護福祉士向けに展開されているキャリアアップ研修を受講すれば、知識や技能に磨きをかけることが可能です。たとえば、「介護福祉士ファーストステップ研修」なら、小規模チームリーダーに必要とされる指導を受けられます。カリキュラムはケア・連携・運営管理基礎の3つの領域で構成されており、基礎から応用までを学ぶことができる研修です。対人理解にもとづいたケアが実践でき、職員にアドバイスする側としての視点をもつことができるようになります。

転職する

「現在の職場にはキャリアアップ体制が整備されていない」「現職でスキルアップを期待できない」という方は、転職を検討するのも一つの手です。介護福祉士がキャリアアップしやすい環境へ転職すれば、専門的なスキルを身につけられ、ステップアップが実現しやすくなるでしょう。

転職するときは、転職サイトやハローワーク、転職エージェントなどの活用がおすすめです。転職エージェントなら、専任のアドバイザーがマンツーマンでサポートしてくれます。

キャリアアップを目指したい介護福祉士は、きらケアを活用してみませんか?

きらケアでは、ここにしかない施設情報や非公開求人を多数有しています。キャリアアップ制度の有無も確認できるので、ミスマッチを防ぎながら仕事探しが可能です。介護業界に詳しいアドバイザーが希望条件に適した求人をご提案します。

介護福祉士(介護士) の求人一覧

登録は1分で終わります!

アドバイザーに相談する(無料)

介護福祉士のキャリアアップに関する質問

ここでは、介護福祉士のキャリアアップに関してよくある質問をQ&A形式でご紹介します。

介護福祉士の取得によって免除される資格はある?

保育士資格を取得する際に、一部の筆記試験が免除されます。具体的には、社会福祉・子ども家庭福祉・社会的養護の3科目です。介護福祉士と保育士の養成課程には共通する項目があるため、介護福祉士の資格があれば免除されるという背景があります。「これまでの知識を活かしながら子どもと関わる仕事がしたい」と考えている方は、保育士資格を目指すのも手です。

介護福祉士までのキャリアパスを知りたい

初任者研修→実務者研修→介護福祉士の順が一般的なキャリアパスです。実務者研修は無資格・未経験からでも取得できますが、初任者研修よりも専門性が高いので注意しましょう。キャリアパスの流れや介護資格の詳細については、「介護職がキャリアアップする方法とは?取るべき資格やキャリアパスをご紹介!」の記事をご一読ください。

まとめ

介護福祉士は、上位資格を取得したり実務経験を積んだりすれば、キャリアアップを実現できます。相談援助職や経営する側というように、介護業界では直接介護に携わらなくても長期活躍できるのが強みです。目指す職種によって求められる資格やスキルが異なるので、今後どのように働きたいかを早めに考えておくと、これから取り組むべきことの指標になるでしょう。キャリアアップをとおして何を実現したいか、どのような分野に貢献したいかを考え、自分の目指したい方向性を定めることが大切です。

登録は1分で終わります!

アドバイザーに相談する(無料)

関連記事

関連ジャンル: 介護の資格

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「介護の資格」の人気記事一覧

「総合」の人気記事一覧