認定介護福祉士とは?期待される役割や資格取得に必要な研修を解説

介護の資格 2021年9月2日
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「認定介護福祉士」に興味がある介護士さんに向けて、認定介護福祉士の役割や目指す方法を解説します。

認定介護福祉士は介護福祉士より上位の資格であり、介護福祉士として経験を積んだ方が目指す資格です。資格を取得するには規定の研修を受ける必要があり、研修を受講するには一定の条件を満たさなければなりません。

この記事では、研修の受講に必要な条件やかかる費用・期間などを解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

認定介護福祉士とは

認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位資格として設けられた民間資格です。

「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」によって、今後さらに多様化すると予想される介護ニーズに対応するためにつくられました。

2015年12月から始まった資格なので、まだ世間にあまり知られていませんが、経験豊富な介護福祉士の中から、より質の高い介護サービスを提供できる人材を育成することを目的としています。

また、介護職における最上位の資格を新しく設けることで、これまで不透明だった介護福祉士取得後のキャリアパスが明確になり、介護職員のさらなるキャリアアップを促せるのではないかと期待されています。

認定介護福祉士が創設されたねらい

認定介護福祉士が作られたのには、大きく分けて4つのねらいがあります。

1.介護福祉士の資質を高め、ご利用者のQOL向上、介護と医療の連携強化と適切な役割分担の促進、地域包括ケアの推進を図る

2.他職種に対して、わかりやすく介護の情報を共有したり、他職種からの情報や助言を適切に介護職のチーム内で共有することで、他職種とスムーズに連携し、その内容をより適切に介護サービスに反映する

3.介護福祉士の資格取得後も、介護業界で努力し続け、継続的に自己研鑽するための標準となる

4.介護福祉士の資格取得後のキャリアパスを整備する

このように、認定介護福祉士には介護の質を高めることと、介護士さんの目標づくりという目的があります。

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認定介護福祉士の3つの役割

認定介護福祉士は「これまで培ってきた経験や知識や技術を活かして、利用者さまやほかの専門職と関わり支援する」という役目を担っています。

具体的にどんな役割なのか、わかりやすく3つにまとめたのでご覧ください。

1.介護施設や事業所のサービスマネージャーとしての役割

すべての利用者さまに最適なケアを提供するとともに、ほかのスタッフへの教育や指導を行いサービスの質を向上させます。

2.介護サービス提供における連携の中核者としての役割

介護サービス提供において、医師や看護師、理学療法士などの他職種と連携、協働を強化します。

3.地域における介護力向上のための助言・支援者としての役割

利用者さまの家族への支援を行うとともに、地域の施設や事業所、ボランティアなどの介護力を引き出して利用者さまが生活する地域の介護力向上を促します。

認定介護福祉士の資格取得で得られるスキル

認定介護福祉士の資格を得るには養成研修を受ける必要があり、研修を通じて介護に関する総合的なスキルを身につけることが可能です。以下では、実際に得られる具体的なスキルを紹介していきます。

高度な介護実践力

認定介護福祉士の資格取得で得られるスキルとして、リハビリテーションや医療、福祉用具、住環境などの新しい知識が挙げられます。知識の習得により、どのような利用者さまに対しても最善のケアを提供できるようになるでしょう。

認知症のBPSD(行動・心理症状)を軽減するケアを提供できたり、障害特性に応じた身体的、心理的ケアおよび終末期ケアを提供できる能力を身につけたりすることも期待できます。

介護職チームのリーダーを指導する力

リーダーシップやチームマネジメントを学ぶことで、現場のリーダーをはじめとする介護職チームの意識改革を行える力が身につきます。リーダーやほかの介護スタッフに対して、介護の根拠についての説明や指導が可能となるでしょう。

サービス管理能力

介護記録様式など、事業所のサービス管理に必要なツールを改善・開発し、その使い方を介護スタッフに指導する能力が身につきます。研修を通しては、介護業務の質の向上や管理について学ぶことが可能です。

他職種と連携する力

他職種からの情報を理解し、チーム内で情報共有して適切な介護を実現するスキルが身につきます。

利用者さまの状況の変化をいち早く察知し他職種と連携することで、利用者さまの状態悪化を最小限に止められるようになるでしょう。

地域と関わる力

利用者さまの家族や地域のボランティア、介護福祉士への適切なアドバイスを行う力が身につきます。施設や事業所の介護力を地域の人たちのために活かせるようになり、介護に対する地域のニーズを分析できるようになるでしょう。

認定介護福祉士と介護福祉士の違い

認定介護福祉士と介護福祉士にはどのような違いがあるのかをご紹介します。

資格の違い

認定介護福祉士は民間資格ですが、介護福祉士は国家資格です。

介護福祉士は国家試験を受けて合格しなくてはなりませんが、認定介護福祉士は特に試験を受ける必要はありません。

資格を取得するには、介護福祉士としての経験を積んだうえで養成研修を受講し、研修が修了した後に認定申請が受理されれば、認定介護福祉士の資格を得られます。

仕事内容の違い

認定介護福祉士は、介護現場の中心に立つリーダー的な存在です。

介護福祉士のように、利用者さまへの直接的な介護業務をするだけでなく、看護師や医療チーム、リハビリスタッフと連携をとったり、ほか介護職員への指導を行ったり、幅広い業務に携わります。

認定介護福祉士は介護施設や事業所のマネジメントやサービス管理といった業務も行うので、介護福祉士よりも業務が広範囲で多岐にわたるのが特徴です。

必要な実務経験の違い

介護福祉士の資格を取得するには、介護職として3年以上の実務経験が必要です。

一方、認定介護福祉士の資格を取得するには、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要とされています。

そのうえで、認定介護福祉士養成研修を受講しなくてはならないので、未経験や無資格では認定介護福祉士にはなれません。

待遇面での違い

認定介護福祉士は、介護福祉士のスキルアップやキャリアアップにつながることが期待できる資格です。

しかし現段階では資格取得者が少ないため、介護福祉士と比較して待遇面での明確な違いはなく、データも存在していないといわれています。

ただし、認定介護福祉士の資格を取ることで、所属先の管理者からは信頼を得られ、役職につける場合もあります。役職につくことで、給与がアップする可能性は充分期待できるでしょう。

認定介護福祉士になるには?

認定介護福祉士になるには、一定の条件を満たした上で、認定介護福祉士養成研修の全課程を修了しなくてはなりません。

こちらではまず、認定介護福祉士の資格を取得するための条件と、研修にかかる期間・費用、研修の申込み方法を紹介します。

資格の取得条件

認定介護福祉士の資格を取得するには、以下の条件をクリアしなければなりません。

1.介護福祉士としての実務経験が5年以上ある

2.現任研修受講による内省や学習習慣の獲得

3.ユニットリーダーやサービス提供責任者としての実務経験を有することが望ましい

4.居宅および施設系サービスでの生活支援の経験を持つことが望ましい

2.の条件については、現時点で「介護福祉士ファーストステップ研修」などを修了することとなっています。

介護福祉士ファーストステップ研修とは、介護福祉士の資格取得後に2年程度の実務経験を積んだ方を対象に行う、介護福祉士としてのキャリアアップ、小チームのリーダー育成をするための研修のこと。

認定介護福祉士になるには、この介護福祉士ファーストステップ研修を100時間以上受講し、レポート提出や試験を受けなくてはなりません。

費用・期間

認定介護福祉士の養成研修を受講するために、どれくらい費用と期間がかかるかは、研修を実施する団体によって異なります。

たとえば、京都府の一般社団法人京都府介護福祉士会が2019年に開催した認定介護福祉士養成研修では、約60万円の費用が必要でした(非会員の場合)。

この金額は京都府からの助成金により、他県より約10万円程度低くなっていますが、別途でテキストを購入する必要があるようです。

ちなみに、一般社団法人京都府介護福祉士会の会員になることで会員価格が適用され、受講費用が半額になります。このように、自治体や団体によって、金額は大きく異なるようです。

認定介護福祉士の資格を取得したい方は、国や自治体の補助金制度を活用したり、職場からの補助を得たりして、高額な費用を賄う必要があります。

また、研修は科目によってスケジュールが決まっているため、すべての科目を修了するには一定の時間がかかります。

先ほど例に挙げた一般社団法人京都府介護福祉士会による開講期間は「令和元年9月21日から令和4年10月ごろまで」とされており、比較的長い期間がかかることを理解しておきましょう。

さらに、認定介護福祉士は資格取得後も5年ごとの更新が必要です。

申込方法

認定介護福祉士養成研修は、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が指定した団体で実施しています。

主な実施先は、都道府県の介護福祉士会や社会福祉協議会、大学などです。研修を受けたい場合、まずは居住地の介護福祉士会に問い合わせてみると良いでしょう。個人ではなく事業所単位で申し込む場合もあるため、養成研修受講を検討されている方は勤め先に相談するのも1つの方法です。

認定介護福祉士養成研修とは?カリキュラムの内容

上記で度々出てきましたが、認定介護福祉士養成研修とは、認定介護福祉士になるために受講する研修です。

認定介護福祉士養成研修は「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」と「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」で構成され、この2つを修了しなくてはなりません。

すべてのカリキュラムを合わせると600時間はかかるので、研修が修了するまでに1年半程かかります。

なお、受講スケジュールは実施団体によって異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

認定介護福祉士養成研修Ⅰ類のカリキュラム

認定介護福祉士養成研修Ⅰ類は、医療やリハビリ、福祉用具、住環境、認知症などについて学べる以下のようなカリキュラムになっています。

・認定介護福祉士概論

・疾患・障害のある人への生活支援・連携Ⅰ

・疾患・障害のある人への生活支援・連携Ⅱ

・生活支援のための運動学

・生活支援のためのリハビリテーションの知識

・自立に向けた生活をするための支援の実践

・福祉用具と住環境

・認知症のある人への生活支援・連携

・心理的支援の知識・技術

・地域生活の支援と家族支援

・認定介護福祉士としての介護実践の視点

・個別介護計画作成と記録の演習

・自職場事例を用いた演習

研修にかかる時間は講義と演習を合わせて345時間になります。

認定介護福祉士養成研修Ⅱ類のカリキュラム

認定介護福祉士養成研修Ⅱ類は、養成研修Ⅰ類で得た知識をもとに、介護実践力や応用力、サービス管理やマネジメントについて学べるカリキュラムになっています。

・疾患・障害のある人への生活支援・連携Ⅲ

・地域に対するプログラムの企画

・介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理

・チームマネジメント

・介護業務の標準化と質の管理

・法令理解と組織運営

・介護分野の人材育成と学習支援

・応用的生活支援の展開と指導

・地域における介護実践の展開

研修にかかる時間は講義と演習を合わせて255時間になります。

 

認定介護福祉士になるメリット

認定介護福祉士は比較的新しい民間資格であることに加え、取得者もまだまだ少ない資格です。そのため、取得すれば給料がアップする、資格手当が付くなどの待遇改善が確実に約束されているわけではありません。

しかし、認定介護福祉士になることは介護士のキャリアにとって確実にプラスになります。ここでは、予想される資格取得のメリットを確認していきましょう。

今後の給料アップに期待ができる

認定介護福祉士の資格を取得すれば必ず給料がアップするという保証はなく、現時点で認定介護福祉士の給料は介護福祉士と同等と考えた方が良いでしょう。

しかし、認定介護福祉士の認知度が上がってその活躍が認められれば、待遇がよくなる可能性は大いにあります。現時点では給与アップに直結しなくても、今後に期待できる資格といえるでしょう。

高いスキルを持っているという証明になる

認定介護福祉士の資格は、介護福祉士と比べてさらに高度な知識とスキルを持っているという証明になります。

介護職における最上位資格という位置づけなので、介護長や施設長へのキャリアアップを目指している方は取得しておくと良いかもしれません。

また、施設長候補や幹部候補としてほかの施設や事業所に転職する際に、認定介護福祉士の資格があると有利に働くでしょう。

まとめ

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格にあたり、高い介護スキルがあることを証明できる資格です。研修には1年半もしくはそれ以上の時間がかかりますが、介護スキルを高めてリーダーとして活躍したい方にはぴったりの資格でしょう。

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