
この記事のまとめ
- 認定介護福祉士とは、介護福祉士としての専門性を証明する資格
- 認定介護福祉士の役割は、サービスのマネジメントや多職種との連携など
- 認定介護福祉士になるには、要件を満たして養成研修を受講する必要がある
認定介護福祉士に興味がある方のなかには、「資格の特徴や取得方法が知りたい」という方もいるのではないでしょうか。認定介護福祉士は、介護福祉士の上位にあたる資格で、介護福祉士として実務経験を積んだ方が目指せます。資格を取得するには、受講要件を満たして研修を受けなければなりません。この記事では、認定介護福祉士養成研修の受講要件や費用を解説。認定介護福祉士の役割やメリットもまとめたので、ご覧ください。
介護資格の種類29選!取得方法やメリットを解説します目次
認定介護福祉士とは
認定介護福祉士とは、介護福祉士としての専門性を証明するための資格で、日本介護福祉士会の認定介護福祉士認証・認定機構が認定を行います。2016年から資格認定が行われていますが、まだ世間にあまり知られていないかもしれません。
認定介護福祉士が創設されたのには、大きく分けて4つのねらいがあります。
- 介護福祉士の資質を高め、「利用者さんのQOL向上」「介護と医療の連携強化と適切な役割分担の促進」「地域包括ケアの推進」を図る
- 他職種に対して分かりやすく介護の根拠を説明したり、他職種からの情報や助言を適切に介護職のチーム内で共有したりすることによる、ニーズを満たす介護サービスの提供に寄与する
- 介護福祉士の資格取得後も、継続的に介護業界で自己研鑽する機会を提供する
- 介護福祉士の資格取得後のキャリアパス形成を支援する
認定介護福祉士の資格制度は、経験豊富な介護福祉士の中から、より質の高い介護サービスを提供できる人材を育成することを目的としています。介護福祉士がリーダーシップや実践力を磨くことで、多様化する介護ニーズへ対応可能です。
また、介護職における資格を新たに設けることで、これまで不透明だった介護福祉士取得後のキャリアパスが明確になり、介護職のさらなるキャリアアップを促せるのではないかと期待されています。
出典
認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士の役割と実践力」(2026年2月3日)
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認定介護福祉士の3つの役割
認定介護福祉士は、「これまで培ってきた経験や知識、技術を活かして、利用者さんやほかの専門職と関わり支援する」という役割を担っています。
認定介護福祉士の役割を、分かりやすく3つにまとめたのでご覧ください。
1.介護施設・事業所のサービスをマネジメントする
認定介護福祉士は、介護施設・事業所において、すべての利用者さんに最適なケアを提供するための体制づくりを行います。ニーズを把握して個別ケアを行うだけではなく、ほかの介護職の教育や指導にも積極的に携わり、介護サービスの質向上を図るのが役割です。
2.多職種と連携してチームケアを実践する
医師や看護師、理学療法士などの他職種との連携を適切に行うことで、利用者さんのそのときの心身の状況に応じたケアを実践するのも、認定介護福祉士の役割です。
多職種からの情報を支援に活かしたり、支援を通じて気になった点を共有して専門的な視点から意見をもらったりすることが、安心・安全な介護サービスの提供につながります。
3.介護の専門家として地域における課題を解消する
地域の施設や事業所、ボランティアなどの資源を最大限に活用し、ご家族の介護負担の軽減やコミュニケーションの活性化、地域の介護課題の解消につなげます。利用者さんのご家族からの介護に関する相談に乗り、状況の改善を図ることも役割です。
出典
認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士の役割と実践力」(2026年2月3日)
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認定介護福祉士になるには?
認定介護福祉士になるには、認定介護福祉士養成研修のすべての課程を修了しなくてはなりません。なお、養成研修には受講要件が設けられています。
認定介護福祉士養成研修の受講要件と期間・費用、申込方法を紹介するので、確認してみましょう。
認定介護福祉士養成研修の受講要件
認定介護福祉士養成研修を受講するには、以下の条件をクリアしなければなりません。
- 介護福祉士としての実務経験が5年以上ある
- 介護職員が対象の現任研修の研修歴が100時間以上ある
- 研修実施団体の課すレポート課題や受講試験において、一定以上の成績を修めている(免除の場合あり)
- ユニットリーダーやサービス提供責任者などとしての実務経験がある
基本的に、認定介護福祉士になるには上記の要件を満たす必要がありますが、具体的な要件は研修の実施機関や科目によって異なるので確認が必要です。さらに、「居宅および施設系サービスでの生活支援の経験を持つことが望ましい」という旨も示されています。
なお、現任研修の研修歴とは、「介護福祉士ファーストステップ研修」などを受講すること。介護福祉士ファーストステップ研修とは、小規模チームのリーダーを担う介護福祉士を育成をするための研修で、介護福祉士としての実務経験が2年以上ある方が対象です。
出典
認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士になるには」(2026年2月3日)
認定介護福祉士認証・認定機構「お問合せ・よくあるご質問」(2026年2月3日)
公益社団法人 日本介護福祉士会「生涯研修体系」(2026年2月3日)
認定介護福祉士養成研修の受講に必要な期間・費用
認定介護福祉士の養成研修の修了に期間と費用がどれくらいかかるかは、研修を実施する団体によって異なります。
たとえば、公益社団法人 東京都介護福祉士会が実施する認定介護福祉士養成研修の費用は、会員は1科目8,000~2万4,000円、非会員の場合は1万5,000~4万5,000円です。団体によって異なりますが、全科目の受講費用は30万~60万程度になるでしょう。また、研修にかかる期間はおよそ2~3年ほどです。
認定介護福祉士の資格を取得したい方は、国や自治体、職場などの補助制度を利用できれば、費用負担を軽減できるでしょう。
なお、認定介護福祉士の資格は5年ごとの更新制で、更新には実務経験や研修受講などの要件があります。
出典
公益社団法人 東京都介護福祉士会「研修案内」(2026年2月3日)
認定介護福祉士養成研修の申込方法
認定介護福祉士養成研修の実施状況は、認定介護福祉士認証・認定機構の「研修案内」から確認できます。都道府県の介護福祉士会や大学など、認定介護福祉士認証・認定機構が認証した機関が実施しているので、ご自身の住む地域の情報を確認して申込を行いましょう。
出典
認定介護福祉士認証・認定機構「研修案内」(2026年2月3日)
認定介護福祉士養成研修のカリキュラム
認定介護福祉士養成研修は、I類とII類に分かれています。認定介護福祉士になるには、I類とII類の両方を修了しなくてはなりません。すべてのカリキュラムを合わせると600時間です。
なお、受講スケジュールは実施団体によって異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
認定介護福祉士養成研修I類のカリキュラム
認定介護福祉士養成研修I類は、認定介護福祉士養成研修の導入から始まり、医療やリハビリ、認知症の利用者さんの生活支援などを学びます。
| 科目名 | 学習時間 | 形態 |
| 認定介護福祉士概論 | 15時間 | 講義・演習 |
| 疾患・障害等のある人への生活支援・連携l | 30時間 | 講義 |
| 疾患・障害等のある人への生活支援・連携ll | 30時間 | 講義・演習 |
| 生活支援のための運動学 | 10時間 | 講義 |
| 生活支援のためのリハビリテーションの知識 | 20時間 | 講義・演習 |
| 自立に向けた生活をするための支援の実践 | 30時間 | 講義・演習 |
| 福祉用具と住環境 | 30時間 | 講義・演習 |
| 認知症のある人への生活支援・連携 | 30時間 | 講義・演習 |
| 心理的支援の知識技術 | 30時間 | 講義・演習 |
| 地域生活の継続と家族支援 | 30時間 | 講義・演習 |
| 認定介護福祉士としての介護実践の視点 | 30時間 | 講義・演習 |
| 個別介護計画作成と記録の演習 | 30時間 | 講義・演習 |
| 自職場事例を用いた演習 | 30時間 | 演習・講義 |
参照:一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士養成研修について」
I類のカリキュラムは13科目345時間で、そのうち143時間は課題学習を可能としています。講義・演習の両方を実施する科目が多いですが、「疾患・障害等のある人への生活支援・連携l」「生活支援のための運動学」は講義のみです。
認定介護福祉士養成研修II類のカリキュラム
認定介護福祉士養成研修II類は、養成研修I類で学んだことをもとに、介護実践のための指導について学習します。基本知識に基づき応用力を身につけられる内容です。
| 科目名 | 学習時間 | 形態 |
| 疾患・障害等のある人への生活支援・連携lll | 30時間 | 講義・演習 |
| 地域に対するプログラムの企画 | 30時間 | 講義・演習 |
| 介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理 | 15時間 | 講義・演習 |
| チームマネジメント | 30時間 | 講義・演習 |
| 介護業務の標準化と質の管理 | 30時間 | 講義・演習 |
| 法令理解と組織運営 | 15時間 | 講義・演習 |
| 介護分野の人材育成と学習支援 | 15時間 | 講義・演習 |
| 応用的生活支援の展開と指導 | 60時間 | 演習・講義 |
| 地域における介護実践の展開 | 30時間 | 講義・演習 |
参照:一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士養成研修について」
ll類は9科目255時間で、このうち121時間は課題学習で対応できます。また、ll類はl類より学習時間が少ないカリキュラムです。
出典
認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士養成研修について」(2026年2月3日)
認定介護福祉士の資格取得で得られるスキル
認定介護福祉士になるまでの過程で、介護現場で実務経験を積んだり、養成研修を受講したりすることで、多様なスキルを習得できます。どのようなスキルが身につくのか、以下でチェックしてみましょう。
専門職としての視点と高度な介護技術
認定介護福祉士の資格取得によって、リハビリテーションや医療、福祉用具、住環境など、介護に関する幅広い知識を学べます。「この福祉用具を使うと自立を支援できる」など、一人ひとりに応じた支援を検討するスキルがあれば、利用者さんに最善のケアを提供できるでしょう。
また、介護の専門性を高めることで、認知症のBPSD(行動・心理症状)を軽減するケアを提供できたり、障がい特性に応じた身体的・心理的ケアを提供できたりします。
介護職チームのリーダーを指導する力
リーダーシップやチームマネジメントを学ぶことで、現場のリーダーをはじめとする介護職チームの意識改革を行う力が身につきます。リーダーやほかの職員に対して、介護の根拠の説明や指導が可能となるでしょう。
サービス管理能力
介護記録の様式など、事業所のサービス管理に必要なツールを改善・開発し、その使い方を職員に指導する能力も身につきます。認定介護福祉士養成研修における、介護サービスの管理や計画作成・記録作成の学習を活かして、サービスの品質を改善できるでしょう。
多職種と連携・協働する力
多職種から得た情報を理解し、チーム内で共有して適切な介護を実現させるスキルが身につきます。介護の現場では、多職種が協力し合ってケアを検討・改善することが不可欠なので、認定介護福祉士の持つスキルは重要です。
地域で包括的なケアを行うスキル
利用者さんのご家族や地域のボランティアの方などに、介護に関する適切なアドバイスをするスキルや、連携して地域でケアを行う力が身につきます。また、施設や事業所の介護力を地域の人のために活かすことで、地域の介護ニーズの分析や貢献ができるでしょう。
出典
認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士の役割と実践力」(2026年2月3日)
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認定介護福祉士と介護福祉士の違い
認定介護福祉士と介護福祉士にはどのような違いがあるのか、以下でご紹介します。
資格の種類
介護福祉士は国家資格で、介護福祉士になるには国家試験への合格が求められます。一方、認定介護福祉士になるための試験はありません。
介護福祉士としての経験を積んだうえで養成研修を受講し、研修を修了した後に認定申請が受理されれば、認定介護福祉士の資格を得られます。
仕事内容
介護福祉士の仕事内容は、利用者さんのケアや職員の指導、多職種との連携などです。認定介護福祉士の場合、リーダー・介護福祉士の指導や、事業所のマネジメント、サービスの品質管理・改善といった、さらに専門的な役割を任される傾向にあります。
必要な実務経験や資格
介護福祉士の資格を実務経験ルートで取得するには、介護職員等としての3年以上の実務経験と、介護福祉士実務者研修の修了が必要です。養成施設ルートや福祉系高校ルートで介護福祉士試験を受験する場合は、基本的に実務経験は問われません。
一方、認定介護福祉士になるには、介護福祉士の資格を取得して5年以上の実務経験を積んだうえで、2~3年ほどかけて認定介護福祉士養成研修を受講する必要があります。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格」(2026年2月3日)
待遇
介護福祉士が認定介護福祉士の資格を取得すると、スキルアップやキャリアアップが期待できます。認定介護福祉士の資格を保有することで、所属先の管理者や経営者から信頼を得られ、管理職に就ける場合もあるでしょう。認定介護福祉士としての高い専門性が認められると、キャリアアップして給与が上がる可能性があります。
なお、現段階で認定介護福祉士を取得している方は少ないため、介護福祉士と待遇面を比較したデータはないようです。認定介護福祉士の取得は、待遇面への期待だけではなく、「介護福祉士としてさらにスキルアップしたい」という思いがある方に向いているでしょう。
認定介護福祉士になるメリット
認定介護福祉士は比較的新しい資格で、取得者もまだ少ない状況です。そのため、「取得すれば給与がアップする」「資格手当が付く」などの待遇改善が確実に約束されているわけではありません。
しかし、認定介護福祉士になることは、介護職のキャリアにとってプラスになります。下記で、資格取得のメリットを確認してみましょう。
今後の給料アップに期待がもてる
認定介護福祉士の認知度がアップし、その活躍が認められれば、待遇が良くなる可能性は大いにあります。すぐに給与アップに直結しなくても、今後に期待できる資格といえるでしょう。
なお、現時点での認定介護福祉士の給与は、介護福祉士と大きく変わらない可能性があります。介護施設における資格手当や評価の制度は多様なので、認定介護福祉士の給与も職場によって異なるでしょう。
高いスキルを持っている証明になる
認定介護福祉士の資格を取得すれば、介護福祉士よりもさらに高度な知識とスキルを持っているという証明になります。認定介護福祉士は、介護職における最上位資格という位置づけなので、介護リーダーや施設長へのキャリアアップを目標とする方は、取得を検討すると良いかもしれません。
また、施設長候補や幹部候補としてほかの施設や事業所に転職する際も、認定介護福祉士の資格があると有利に働く可能性があるでしょう。
認定介護福祉士に関する質問
ここでは、認定介護福祉士に関してよくある質問に回答します。「認定介護福祉士を目指すか迷っている」という方は、参考にしてください。
認定介護福祉士の取得方法は?
認定介護福祉養成研修の受講要件を満たし、全カリキュラムを修了すれば、認定介護福祉士を取得できます。養成研修の受講要件は、介護福祉士としての実務経験5年以上や、介護職員を対象とする研修の修了などです。
詳しくはこの記事の「認定介護福祉士になるには?」で解説しているので、ぜひご確認ください。
認定介護福祉士は意味ないって本当ですか?
認定介護福祉士を取得すると、高度な介護技術・知識を有していることを証明できるメリットがあります。管理者や施設長を目指す場合は、認定介護福祉士の資格があるとアピールにつながるでしょう。また、認定介護福祉士の知名度が上がっていけば、待遇が良くなる可能性も考えられます。
認定介護福祉士を取得するメリットについては、この記事の「認定介護福祉士になるメリット」をご覧ください。
認定介護福祉士の年収はどれくらいですか?
認定介護福祉士の年収は、介護福祉士と同じくらいと考えられます。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」によると、介護事業所で働く介護福祉士の平均給与は35万50円です。12ヶ月分として計算すると、平均年収は約420万円になります。なお、介護職員全体の平均給与は33万8,200円で、平均年収は約406万円です。
認定介護福祉士の年収については、「認定介護福祉士を取ると年収は上がる?資格取得の方法やメリットを解説」の記事でも、解説しています。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年2月3日)
まとめ
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格であり、取得することで介護の実践的なスキルや豊富な知識があることの証明になります。高度な介護実践力はもちろん、リーダーを指導するスキルやサービス管理能力、他職種と連携するスキルなども習得できる資格です。
介護福祉士としてさらなるスキルアップやキャリアアップを図りたい方は、取得を目指すのも良いでしょう。
認定介護福祉士を取得するには、認定介護福祉士養成研修の修了が必要。養成研修の受講要件として、実務経験や現任研修の受講が求められます。
認定介護福祉士養成研修のカリキュラムは600時間です。研修の修了に必要な期間は実施団体によって異なりますが、2~3年程度かかります。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


