高齢者向けのレクリエーション25選!盛り上がる進め方や企画のコツも解説

介護のアイデア 2024年6月27日
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この記事のまとめ

高齢者施設におけるレクリエーションには、利用者さまの身体機能の維持や向上などの役割があるため楽しみながら参加してもらいたいもの。とはいえ、「企画が思い浮かばない」「思ったように利用者さまに楽しんでもらえない」と悩む方もいるでしょう。
この記事では、高齢者向けのレクリエーションを25例ご紹介。そのほか、盛り上がるコツも解説しているので、レクリエーションの企画に悩んでいる方はチェックしてみてください。

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目次

高齢者施設におけるレクリエーションとは

デイサービスや有料老人ホームで行われているレクリエーションは、楽しんでもらうだけではなく、利用者さまの「身体機能の維持や向上」や「心身のリフレッシュ」などといった目的も含まれています。まずは、目的やメリットを理解しておくと、より有意義なレクリエーションを実施できるでしょう。
ここでは、高齢者向けのレクリエーションの目的とメリットを紹介します。

高齢者向けレクリエーションの目的

高齢者向けのレクリエーションの目的は、大きく分けて下記の4つが挙げられます。

  • 身体機能の維持や向上
  • 認知機能の維持や向上
  • 心身のリフレッシュ
  • ほかの利用者との交流

高齢になると、体力の低下に伴い外出や外との交流が減ってしまいがちです。このような状態が続くと、身体機能や認知機能の低下によって心身の健康を失ってしまうことになりかねません。そのため、レクリエーションは日常の動作に加えて、楽しみながら身体や頭を使い、リフレッシュしてもらうことが大切なのです。

介護現場でレクリエーションを行うメリット

「レクリエーションを企画しなければ…」と思っていると、形式だけのレクリエーションになってしまうかもしれません。企画を担当する際は、レクリエーションを行うメリットや意味を理解しておくことも大切です。ここでは、利用者さま目線でのメリットを紹介します。

利用者さま同士がコミュニケーションをとれる

高齢者向けのレクリエーションには、利用者さま同士やスタッフとのコミュニケーションを取るきっかけになる、といったメリットがあります。
高齢になると聴力や意欲の低下などから、周囲との交流に消極的になってしまう方は少なくありません。

高齢者向けのレクリエーションでは、普段は交流がなくても自然と会話が生まれることがあります。レクリエーションでの会話をきっかけに、利用者さまが周囲との交流を深められれば、感情の安定や認知機能の活性化にもつなげられるでしょう

身体機能への刺激が健康につながる

楽しみながら無理なく体を動かせることも、レクリエーションを行うメリットの一つです。
高齢になるにつれて筋力は低下しやすくなるため、レクリエーションなどで意識的に身体を動かさないと、次第に日常生活にも支障が出るようになってしまうこともあります。

レクリエーションによってはゲームを楽しむ感覚で身体を動かせるので、効果的に身体機能を刺激することが可能。介護職員は指先や頭を使うゲームだけに偏らないように、利用者さまの身体機能に合わせて、身体を使うレクリエーションを取り入れることも大切です。

QOLが向上する

「QOL」とは、Quality of lifeの略で、「生活の質」という意味で使われるのが一般的です。上記で述べたレクリエーションを行うメリットの「他者との交流」や「身体機能への刺激」は、「生きがい」や「心身の安定」「意欲の増加」といった効果が期待できます。その結果、利用者さまの「生活の質の向上=QOLを高める」といったメリットも得られるでしょう。

こういったことから、高齢者施設におけるレクリエーションは、利用者さまの日常生活に大きく影響するようなメリットがあることが分かります。

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高齢者向けレクリエーションの種類

レクリエーションの種類は、大きく分けて4つ挙げられます。

レクリエーションの種類期待できる主な効果レクリエーション例
頭を使うレクリエーション脳に適度な刺激を与えることで、脳の活性化が期待できます。認知機能の低下を防ぐ効果もあるようです。回文やこぶたぬきつねこ神経衰弱、脳トレドリル、間違い探しゲームなど
身体を使うレクリエーション適度な運動を行うことで、筋力の維持・向上が期待できます。また、腸の動きが活性化されることで食欲が出たり、睡眠の質が改善されたりする効果もあるようです。体操やボーリング、風船バレーなど
手先を使うレクリエーション手先や指先を使うと、脳が活性化する効果があるようです。また、工作や手芸などは、達成感も得られます。折り紙や手芸、工作、料理など
歌や音楽を使ったレクリエーション歌うことは、心肺機能の維持や向上が期待できます。また、懐かしい歌を聴くことで、リラックス効果もあるようです。カラオケや合唱、音楽鑑賞など

豊富にあるレクリエーションから、実施するレクリエーションを選ぶのが大変なときは、上記の4種類を意識してみると良いでしょう。「次は身体使うレクにしよう」というように、ある程度レクリエーションの幅を絞ってから内容を決めると、スムーズに計画が立てられるはずです

介護施設でできる高齢者向けレクリエーション25選

ここでは、高齢者向けのレクリエーションを25種類紹介します。

レクリエーションを企画する際の参考にしてみてください。

道具なしで費用がかからないレクリエーション3選

ここでは、道具の準備がいらないレクリエーションを紹介します。利用者さま全体を見渡せるような場所であれば、すぐに始められるレクリエーションです。準備がいらないので、レクリエーションを始める前のアイスブレイクにもおすすめです。

1.パタカラ体操

「パタカラ体操」とは、「パ」「タ」「カ」「ラ」を発音することで、口腔機能の維持や向上が期待できるレクリエーションです。口を大きく動かして、それぞれの音をしっかり発音することを意識してもらいましょう。

進め方
1.進行するスタッフが良く見える位置に、利用者さまに座ってもらう
2.「パ・パ・パ・パ・パ」「タ・タ・タ・タ・タ」「カ・カ…」と、1文字を5回ずつ発声する
3.「パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ」というように、5回繰り返すのを3セット行う

ほかにも「パタカラ」を含む早口言葉や、「パタカラ」で歌を歌うなどの応用を取り入れると、より楽しめます。

2.勝ち負けじゃんけん

勝ち負けじゃんけんは通常のじゃんけんと異なり、指示に合わせて勝ちや負けの手を出すゲームです。

進め方
1.進行するスタッフが良く見える位置に利用者さまに座ってもらう
2.じゃんけんを出す前にスタッフが「勝ってください」「負けてください」「あいこになってください」といった指示を出す
3.スタッフがグー・チョキ・パーのいずれかを出す
4.最初の指示に沿った手を出した方が勝ち

勝ち負けじゃんけんは理解力や判断力が必要とされるため、認知機能の維持や向上が期待できます。

3.グーパー運動

グーパー運動とは、右手と左手、グーとパーを交互に入れ替えるゲームです。

進め方
1.利用者さんは、進行するスタッフが見える位置に座ってもらう
2.まずは、右手はグーにして胸の前に持ってくる
3.左手はパーにして、前へ突き出す
4.「1・2」といった掛け声に合わせて右手はパーにして前に、左手をグーにして胸に持っていく動作をする
5.パーを前、グーを胸に持ってくる動作を、右と左で入れ替えながら繰り返す

最初はゆっくり動かします。利用者さまが慣れてきたら、スピードをアップしていくと盛り上がるでしょう。

脳トレゲームレクリエーション4選

ここでは、脳トレができるレクリエーションを紹介します。脳トレのレクリエーションは、利用者さまの状態に合わせた内容を選ぶのがポイントです

1.回文

回文とは、「しんぶんし」や「たけやぶやけた」など、前から読んでも後ろから読んでも同じ音になる言葉のことです。利用者さまに回文を作ってもらうのは難しいため、クイズのように空白を埋めていく形式にすると良いでしょう。

準備するもの:回文クイズをプリントした用紙(ホワイトボードでも可)、鉛筆

進め方
1.「○藪焼けた」というように、一部分を空白にした回文クイズの用紙を用意する
2.空白の部分に入る言葉を利用者さまに考えてもらう
3.漢字で分からない場合は、ひらがなにして考える
4.正解することが目的ではなく、言葉遊びを楽しんでもらう

利用者さまのなかには、子どものころに回文で遊んでいたという方もいるでしょう。利用者さまが楽しんでいる様子であれば、新しい回文を作ってもらったり知っている回文を発表してもらったりするのも面白いかもしれません。

2.こぶたぬきつねこ神経衰弱

こぶたぬきつねこ神経衰弱は、「こぶたぬきつねこ」の歌に合わせて、裏返した絵カードの動物を当てるゲームです。大人数では進めにくいため、2~5人ほどで行うのが良いでしょう。

準備するもの:「こぶた」「たぬき」「きつね」「ねこ」の絵が描かれたカードを各5枚(計20枚)

進め方
1.カードを裏返して並べ、利用者さまはそれを囲むように座る
2.「こぶた、たぬき…」と歌いながら順番に好きなカードをめくる
3.歌詞と一致する動物の絵が出たら、そのカードは自分のものとなる
4.はずれたら、そのカードはその場に裏返して戻す
5.並べたカードがなくなったときに、多くのカードを持っている人が勝ち

通常の神経衰弱のように2枚のカードを揃えるのではなく、歌と合わせるため気楽な雰囲気で進められます。また、同じ動物のカードでも、泣き顔や怒った顔のカードを混ぜておき、「お手つきカード」を作って難易度を上げるのもおすすめです。

3.脳トレドリル

漢字や計算などの脳トレ用のドリルを使って、利用者さまに解いてもらうレクリエーションです。

準備するもの:脳トレドリルをコピーしたもの、鉛筆、(あればタイマー)

進め方
1.利用者さんに脳トレドリルの用紙を配る
2.脳トレドリルを解いてもらう
3.できた利用者さんの採点をする

脳トレのドリルは市販のものをはじめ、ネットで無料でダウンロードできるものなど、さまざまな種類があります。「難しくて解けない」といった悔しい思いをしないように、1人ひとりの利用者さんにあった問題を用意しておくと良いでしょう。

4.間違い探しゲーム

似ている2つのイラストから、違う箇所を探すゲームです。イラストを用意する際は、「高齢の方にとって見えにくくはないか」を確認しましょう。

準備するもの:間違い探しのイラストをコピーしたもの、ペン(分かりやすい色のもの)

進め方
1.利用者さま1人ひとりに間違い探しのイラストを配る
2.並んだ2つのイラストから、違う箇所を見つけてもらう
3.間違いをすべて見つけられたら、答え合わせをする

間違い探しゲームは脳への刺激につながるだけではなく、見つけられたときの達成感も味わえます。個人で取り組むだけでなく、利用者さま同士で見つけられた数を競い合うのも楽しいかもしれません。

ホワイトボードを使うレクリエーション4選

ここでは、ホワイトボードを使うレクリエーションを4つ紹介します。ホワイトボードを使ったレクリエーションは会話が生まれやすく、利用者さま同士の交流も深められるでしょう。
なお、人数が多過ぎるとすべての利用者さまに出番が回りにくくなってしまうかもしれません。そのため、全員が参加しやすい、5人前後のグループで行うことをおすすめします。

1.連想ゲーム

連想ゲームとは、「夏といえば海、海といえば青い…」というように、「○○といえば、○○」と前の人が言った言葉から連想していくゲームです。頭の刺激にもつながります。

進め方
1.スタッフが最初のお題となる言葉をホワイトボードに書いて、ゲームを始める
2.利用者さまが言った言葉を順にホワイトボードに書いていく

「赤い果物といえば、いちご」という連想が出たときには、「皆さんの好きな果物は、なんですか?」などと会話を広げていくと会話が盛り上がり、全員が楽しめます。スピードを競うのではなく、利用者さま同士のコミュニケーションを楽しんで貰えるように意識すると良いでしょう。

2.しりとり

しりとりは基本的なルールだけではなく、絵しりとりやお題(動物や食べ物)を決めて行うしりとりなど、さまざまなルールで遊べます。聴力が衰えている利用者さまには、お題や出た言葉をホワイトボードに書くことで、参加しやすくなるでしょう。

進め方
1.スタッフが最初のお題の言葉をホワイトボードに書く
2.最後の文字と最初の文字の音がつながるようにしりとりをしていく
3.利用者さまの答えをホワイトボードに書く

チームに分かれて競い合うなどの工夫なども加えると、盛り上がるでしょう。

3.○○の付く言葉、いくつ出せる?ゲーム

たとえば、「あ」の付く言葉をいくつ出せるかというゲームです。「○○の付く言葉って、なんだろう?」と利用者さま同士で会話するきっかけにもつながります。

進め方
1.「○」の付く言葉などの縛りを決めて、利用者さまに答えを出してもらう
2.利用者さまの答えをホワイトボードに書く

チーム対抗戦にし、お題の言葉を競い合うのも盛り上がるでしょう。

4.これは何のことでしょう?ゲーム

「これは何のことでしょう?ゲーム」はスタッフがホワイトボードにいくつかの単語を書き、その単語に関連するテーマを当てるクイズゲームです。
たとえば、答えが「プレゼント」の場合、「誕生日」「クリスマス」「リボン」「箱」などといった単語をホワイトボードに書きます。

進め方
1.徐々に答えが分かるように、答えと関連性が低いと感じるものから順番にホワイトボードへ書き出していきます
2.答えが分かった利用者さまから答えてもらい、正解したら終了です

このゲームは、挙げられる単語から答えを連想をしなくてはならないため、頭の刺激にもつながります。

テーブルで行うレクリエーション3選

ここではテーブルで行うレクリエーションを3つ紹介します。利用者さまによって得意と不得意の差があるため、利用者さまの様子を見ながら進めていきましょう

1.折り紙

折り紙は体力を必要とせず、座ってできる人気のレクリエーションです。手先を使う作業のため手先の運動になり、認知症の予防にもつながります。

準備するもの:折り紙、折り紙の折り方を印刷したもの

進め方
1.利用者さまに好きな色の折り紙を選んでもらう
2.季節やイベントのテーマに沿って折り紙を折ってもらう
3.折り方が分からない利用者さんには、スタッフや分かる利用者さまが教えながら一緒に折るようにする

利用者さまが折った折り紙は、施設内に飾るのもおすすめです。作品を完成させることで、達成感も得られます。

2.塗り絵

市販の塗り絵用の本から印刷したり、ネットでダウンロードしたりと手軽に用意しやすく、簡単に取り組めます。利用者さまに合わせて難易度を調整できるように、いくつかの種類を用意しておきましょう。
塗り絵は、手先の運動になるだけではなく、想像力も使う作業のため頭の運動にもなり、認知症の予防につながります。

準備するもの:塗り絵、色鉛筆、鉛筆削り

進め方
1.利用者さまに塗り絵を選んでもらう
2.塗り絵に色を塗ってもらう

利用者さまが気に入った作品を施設の壁面やお部屋に飾ると、喜んでもらえるでしょう。

3.手芸や工作

裁縫や工作なども指先を使うため、脳を活性化させる効果が期待できます。手芸や工作の例として「アクリルたわし」「アクアビーズ」「絵葉書作成」などがあります。利用者さまの趣味を取り入れるなどすると、喜ばれるでしょう。

手芸や工作は準備するものが多いため、実際に自分でやってみて物品が十分に足りているか確認しておきましょう。工作のアイディアについては「介護の工作レクに取り入れたい!ご利用者の心を掴むハンドクラフト特集☆」も参考にしてみてください。

身体を動かすレクリエーション3選

ここでは身体を動かすレクリエーションを3つ紹介します。身体を動かす前は、利用者さんの健康状態をしっかり確認しておきましょう。利用者さんの身体状態によっては、車いすや椅子に座ったままの参加でも問題ありません。

1.新聞紙ちぎり

1人に1枚ずつ新聞紙を配り、制限時間内に何分割できるかを競うゲームです。ちぎり方を、両手で、片手だけで、親指と人差し指だけで、グーの状態で、足だけで…と工夫することで指先や握力などの機能回復を促します。

準備するもの:新聞紙、タイマー、椅子

進め方
1.利用者さんは、円になって座ってもらう
2.「足だけでちぎる」など、ちぎり方のルールを決める
3.利用者さま1人ひとりに新聞紙を配る
4.制限時間内にできるだけ多くちぎる
5.ちぎった新聞紙は玉入れの得点を数えるように1枚ずつカウントしていき、一番多くちぎった人が優勝

制限時間は1~2分が目安です。個人のレベルをしっかり把握し、無理をしないように進めていきましょう。

2.体操

ラジオ体操や音楽に合わせて行うリズム体操など、体操にはさまざまな種類があります。 いずれも、体全体を使う体操のため、足腰などを鍛えることが可能です。また、筋力の低下を防ぐ効果も期待できます。

準備するもの:音源、椅子、動きやすい服装

進め方
1.利用者さま同士がぶつからないか、また転倒の危険がないかを確認する
2.利用者さまの様子を見ながら、体操を行う
3.水分補給や健康状態のチェックをする

転倒を未然に防ぐためにも、立位(直立した姿勢)がしっかり取れる方は、手すりや椅子などすぐに掴まれる場所を確保した状態で行うことが大切です。その他の方は、なるべく座った状態で参加してもらうと良いでしょう。

3.ボーリング

通常のボーリングと同様に、ボールを投げて倒した数を競うゲームです。利用者さまの身体状態によって、ピンの数や投げるボールは調整しましょう。また、転倒の危険性が高い利用者さまは椅子に座り、状況に応じてスタッフがサポートします。

準備するもの:ボーリングのピン(ペットボトルなども可)、柔らかいボール(さまざまな大きさを用意)

進め方
1.3~5人のチームに分かれる
2.ピンを並べ、順番にボールを投げてもらう
3.倒れたピンの合計が多いチームの勝ち

ピンの途中に障害物を設置し、その間を通り抜けるようにしてピンを倒すボーリングや、ゴルフのように棒状のもので打って転がすボーリングなど、アレンジを加えてみるのもおすすめです。

座ってできる身体を使うレクリエーション6選

ここでは座ってできる身体を使うレクリエーションを6つ紹介します。座ってできるため、多くの利用者さんが身体を動かすことを楽しめるでしょう

1.風船バレー

風船バレーは、風船を落とさないようにパスし合うゲームです。上半身を使い、集中力も要するため、適度に体力をつかえます。風船バレーを行う際は、転倒を未然に防ぐために、全員椅子に座ってから行う方が良いでしょう。

準備するもの:風船、椅子

進め方
1.急に身体を動かして痛みが出ないように、準備体操をする
2.利用者さまには、丸く向き合うように椅子に座ってもらう
3.風船を落とさないようにして、打ち合う

風船を1個から2個、3個と増やしていくことで、盛り上がるでしょう。チーム対抗にして競い合うのもおすすめです。

2.お手玉

お手玉は、高齢者に馴染みのある遊び道具の一つです。お手玉を持っていくと「懐かしい」と手に取られ、遊ばれる方も多いでしょう。
また、手芸のレクリエーションでお手玉を作ってから、お手玉で遊ぶとより盛り上がるかもしれません。

準備するもの:お手玉、椅子

進め方
1.利用者さま同士で、ぶつからないように確認しながら座ってもらう
2.お手玉を両手に1こずつ持つ
3.片方を上に投げ、もう片方のお手玉を持ってくる
4.空いている手で、投げたお手玉をキャッチする

小さいころによくお手玉で遊ばれていた方は、お手玉を3~4個手に取って、簡単に遊ばれていることも…。ただお手玉をするだけではなく、昔話をする機会にもつながり、より楽しめるでしょう。音楽に合わせて遊ぶ方法も、盛り上がるかもしれません。

3.輪投げ

輪投げは、集中力や力加減の調節が必要で、簡単なように見えて難しいレクリエーションです。また、指の力や握力も必要になるため、手や腕など上半身の筋力の維持・向上にもつながります。

準備するもの:輪投げの輪(新聞に入っている広告などで作成するのがおすすめ)ペットボトルなど

進め方
1.利用者さまには、丸く向き合うように椅子に座ってもらう
2.円の中心にペットボトルのピンを置く
3.利用者さまに輪を持ってもらい、ピンに投げてもらう
4.輪がピン多く入った人が勝ち

ピンに点数を書いて、合計点を競っても面白いでしょう。
また、輪投げをしていて利用者さまが外してしまった際は、シーンとした空気にならないようにするのがポイントです。スタッフが声かけし、利用者さまが過度に緊張しないような配慮ができると楽しんでもらえます。

4.玉入れ

運動会でよく行われる玉入れを想像すると分かりやすいでしょう。利用者さまにボールを投げてもらい、かごにたくさん入れたチームが勝ちです。上半身を使うため、筋力の維持・向上につながります。

準備するもの:ボール(お手玉、新聞紙を丸めたもの)、かご(段ボールなど)

進め方
1.2つのチームに分かれ、利用者さまに輪になって座ってもらう
2.利用者さまにボールを渡しておく
3.真ん中に玉を入れるかごをセッティングし、そこに玉を投げて入れる
4.より多くの玉を入れられたチームが勝ち

運動会を懐かしみながら、楽しんでいただけるレクリエーションの一つです。

5.魚釣りゲーム

釣り竿には磁石を、魚の裏にクリップなどを付けて魚を釣るゲームです。釣り糸が揺れるため、集中力が必要とされます。

準備するもの:磁石がくっつく魚(魚は手書きか印刷したものを使うと良い)、釣り竿(新聞紙を丸めた棒などに糸を付け、その先に磁石を付けておく)、タイマー

進め方
1.利用者さまは魚を囲むように、座ってもらう
2.釣り竿を渡し、好きなように魚を釣ってもらう
3.制限時間内に、魚を多く釣った方が勝ち

制限時間内に魚が何匹釣れるか競い合うのも良いですが、それぞれ魚に点数を付けて合計点数で勝敗を決めるのも盛り上がるでしょう。
また、青色のブルーシートの上に魚を置くと釣りの雰囲気が出るのでおすすめです。

6.山くずし

「山くずし」は、シュレッダーにかけた紙くずで山を作り、山に刺した棒を倒さずに、どれだけ多くの紙くずをすくえるかを競うゲームです。

準備するもの:シュレッダーにかけた紙くず、割り箸で作った旗、スプーン、紙皿、菓子箱の蓋やテーブルクロスがあると片づけやすい

進め方
1.利用者さまに、4~5人のチームに分かれてテーブルを囲んで座ってもらう
2.1人ひとりにスプーンと紙皿を配る
3.テーブルの中央に菓子箱の蓋を置き、シュレッダーにかけた紙くずを入れ、大きな山を作る
4.山のてっぺんに割り箸で作った旗を立てる
5.利用者さまは割り箸が倒れないように、スプーンで紙くずをすくって皿に移していく
6.割り箸を倒した方が負け

スプーンを使うのが困難な場合は、手で取って楽しむのもおすすめです。始める前にテーブルクロスを敷いておくと、後片付けが簡単になります。

高齢者向けレクリエーションを企画する際のポイント

レクリエーションを企画する際は、「ネットや本などの情報を参考にする」「レクリエーションが得意なスタッフに相談する」「参加者全員が無理なく楽しめる内容にする」などが、成功のポイントです。ここでは、レクネタ企画の際に役立つポイントを解説します。

ネットや本などの情報を参考にする

ネットや本でレクリエーションを調べると、介護の現場で役立つ情報が多く載っています。また、毎月発行されているレクリエーション専用の本には、印刷して使用できる季節にちなんだイラストやカレンダーが掲載されている場合があるので、それらを活用するのも良いでしょう。専門的な視点を持ってレクリエーションを理解できれば、レクリエーションスキルの向上につながります。

レクリエーションが得意なスタッフに相談する

アイデアがすぐ浮かぶ人や創作が得意な人など、介護の現場には1人はいるかもしれません。どのようなレクリエーションを企画したら良いか悩んだときは、得意なスタッフに相談してみると、的確なアドバイスを貰えるでしょう。

参加者全員が無理なく楽しめる内容にする

高齢者向けのレクリエーションは、利用者さま全員が無理なく楽しめる内容にすることがポイント。利用者さま1人ひとりに合わせて難易度を変えられるように、複数のパターンを準備して置くことが大切です。また、利用者さまの介護度や認知機能のレベルに合わせて、ゲームの方法や取り組む内容などを変えてみるのも良いでしょう。

利用者さまの要望を積極的に取り入れる

レクリエーション後、利用者さまから「こうして欲しかった」「次はこんなこともやりたい」といった要望があれば、積極的に取り入れてみましょう。利用者さまの意見を反映させることで、次第に充実したレクリエーションにしていけるでしょう

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介護施設のレクリエーション前に必要な準備

レクリエーションをスムーズに進めるためには、事前準備が欠かせません。ここでは、レクリエーション前に必要な準備を解説します。

参加する利用者さまの情報を集める

まずは、レクリエーションに参加する利用者さまの情報を集めます。介護度や持病など、健康状態を把握して、転倒や急な体調不良といったトラブルが起こらないように対応方法を考えておきましょう

ほかにも、利用者さまの過去の職業や趣味、好きなものなどを把握しておくこともポイント。話題作りになり、レクリエーションに興味を持ってもらいやすくなるでしょう。

レクリエーションに使う道具を準備する

道具は人数分あるか、予備はあるかなどを確認しておきましょう。また、高齢の方は色の見分けが付きにくかったり、小さい文字は見にくかったりします。利用者さまの目線になって、道具を準備することも大切です。
そのほか、怪我につながらないか、衛生面に問題はないかも確認しておきます。

スタッフと利用者さまの配置を決める

企画時には問題がなくても、シミュレーションをしてみると問題点が見つかることもあります。事前にどのような流れややり方になるのかスタッフ同士でシミュレーションしておくことは、レクリエーションを企画するうえで大切です。

レクリエーション当日の進行

ここでは、レクリエーション当日の流れを解説します。職場によって形式がある場合もありますが、進行に不安がある場合は一通りの手順をチェックしておきましょう。

利用者さまの誘導

レクリエーションの会場のセッティングをして、スタッフの配置を決めたら、利用者さまを会場へ誘導します。何をやるのかが分からないと不安に感じる方もいるため、ただ連れて行くだけでなく内容を簡単に説明することも大切です。参加者全員が揃うのに時間がかかる場合は、BGMを掛けておくと飽きずに待ってもらえるでしょう。

開始のあいさつ

利用者さまが揃ったら、まずはあいさつをします。明るい雰囲気で始められるように、笑顔で話すことを意識しましょう。途中で問いかけを入れると一体感が生まれたり、集中力が上がったりします。ただ、話が長過ぎると飽きてしまうため、短めのあいさつを意識しましょう。

レクリエーションのルール・注意点の説明

利用者さまにルールが伝わっていないと、参加することに不安を感じてしまいます。大きな声でゆっくりルール説明をしましょう。スタッフが実演しながら、説明するとより分かりやすくなります。

また、利用者さまにとって分かりやすい目的を説明することも、ゲームに集中してもらうポイントです。「肩こりに効果がある」「夜よく寝られるようになる」「顔のむくみが取れて美人(イケメン)になる」など、やってみたいと思ってもらえるような一言を添えると、より楽しんでもらえるでしょう。

ゲーム開始

一通りルールを説明したら、実際にやってもらいます。利用者さん1人ひとりの表情などを観察しながら、声かけやフォローをしましょう。

また、長時間同じことをしていると飽きてしまうため、ルールを変更して難易度を上げたり、違うレクリエーションを挟んだりといった工夫も大切です。

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レクリエーションが盛り上がる進行のコツ

ここでは、利用者さまにレクリエーションを楽しんでいただくために、スタッフができる盛り上げるコツをまとめています。「なかなかレクが盛り上がらない」「いまいち利用者さんが食いついてくれない」という方は、参考にしてみてください。

ゲーム前に軽くアイスブレイクを入れる

ゲームの説明を始める前に、軽いアイスブレイクを入れることで緊張がほぐれ、穏やかな雰囲気でレクリエーションを始められます。身体を軽く動かすものや声を出すものなど、簡単にできるゲームを取り入れてみると良いでしょう。アイスブレイクの内容に迷った際は、「道具なしで費用がかからないレクリエーション3選」も参考にしてみてください。

ルール説明も笑顔で楽しい雰囲気にする

無表情でルール説明をしてしまうと、利用者さまも緊張してしまいます。利用者さまから「楽しそう」と思ってもらえるよう、笑顔を意識しながらルール説明をすることが大切です。

ルール説明の際にスタッフが失敗例を見せる

一通りのルール説明が終わったら、まずはスタッフ同士でゲームをやってみせます。その際に、利用者さまが「失敗しても大丈夫」と思ってもらえるよう、スタッフはわざと失敗してみましょう。スタッフが失敗してみせることで、利用者さまの緊張を和らげ、リラックスできます

利用者さまに積極的に声を掛けて褒める

レクリエーション中は、積極的に利用者さまの名前を呼びながら声を掛けることが、盛り上げるコツです。名前を呼んで褒められることで、利用者さまは参加意欲が向上し、レクリエーションをより楽しめるようになるでしょう。なお、特定の人だけにならないよう、全員を褒めるように意識することが大切です。

言葉遣いに気を付ける

レクリエーション中であっても、普段と同じように丁寧語や尊敬語を使うようにしましょう。「危ないよ」「疲れちゃったかな?」「○○しようね」などといった上から目線での言葉は、利用者さまを傷つけ、ゲームを楽しめなくなってしまいます。利用者さまの尊厳を守り、気持ちよくゲームを楽しんでもらうことが大切です。

介護職の接遇マナーについては、「介護職の接遇マナーとは?重要性とキホンの5原則」も参考にしてみてください。

スタッフも一緒に楽しむ

レクリエーションを行う際に一番大切なのは、スタッフも楽しむことです。スタッフ自身が楽しめていないレクリエーションは、利用者さまにも楽しんでもらえません。まずは、スタッフが心から楽しむことを意識し、レクリエーションを盛り上げましょう。

高齢者向けレクリエーションを行う際の注意点

ここでは、高齢者向けレクリエーションを行う際の注意点を解説します。安全にレクリエーションを行うためにも、あらかじめチェックしておきましょう。

場所や使用する道具の安全性を確認する

まず、使用する必要物品が、安全に使えるものかチェックしましょう。壊れている物品は修理するか違うもので対応します。また、レクリエーションを行う場所も十分な広さがあるか、近くに壊れやすいものがないかなどを確認しておきましょう。レクリエーションの安全面を確保し、未然にケガや転倒などの事故を防ぐよう意識しておくことが大切です。

利用者さま1人ひとりへ声かけをする

レクリエーションの種類によっては、ルールが複雑なものや進行速度が速いものがあります。理解力にはそれぞれ個人差があるため、一人ひとりへの配慮を行うようにしましょう。不安そうな顔をしている利用者さまには、「分からないことありませんか?」などと声を掛けると、安心して参加できるかもしれません。全員が楽しめるように、スタッフが気を配ることが大切です。

利用者さまの状態に合わせた配慮をする

安心してレクリエーションに参加してもらうために、利用者さまの身体状態を把握しておくことが大切です。歩行自立度や麻痺の有無、どの程度の音が聞こえるのか、など利用者さま1人ひとりの体調を把握したうえで、その人に合ったサポートができるように準備しておきましょう。また、事前のバイタルチェックによる体調管理も看護師と連携して行います。

拒否している方に参加を無理強いしない

レクリエーションへの参加は、利用者さまに選択の権利があります。参加を拒否される方がいても無理強いはせず、意思を尊重しましょう。その際、レクリエーションに参加されない利用者さまが孤立しないよう、スタッフが配慮することも大切です。

高齢者のレクリエーションに関するよくある質問

ここでは、高齢者向けのレクリエーションに関するよくある質問に回答します。

ボールを使うレクリエーションはありますか?

室内でのボールを使うレクリエーションには、室内ビーチバレーや転がし玉入れなどが挙げられるでしょう。室内ビーチバレーは少し空気を抜いたビーチボールを使って、それを落とさないように打ち合います。転がし玉入れは、カラーテープなどで床に作り、それと同じ色のラーボールを円のなかに投げ入れるゲームです。このコラムの「座ってできる身体を使うレクリエーション6選」では風船やお手玉を使ったレクリエーションを紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。

レクリエーションに活かせる資格はありますか?

レクリエーションに活かせる資格には、「レクリエーション介護」や「レクリエーションインストラクター」などがあります。これらの資格はレクリエーションを専門的な目線から学べるため、利用者さまに楽しんでもらいながらも、より良い効果が得られるレクリエーションを企画できるようになるでしょう。レクリエーションの資格に興味のある方は、「レクリエーションに活かせる資格とは?種類や取得するメリットを紹介」もご覧ください。

レクリエーションに参加しない高齢者がいるときはどうする?

レクリエーションは楽しんでもらうことが大切なので、無理強いは禁物です。利用者さまがレクリエーションへの参加を拒否する場合、「なぜ参加するのが嫌なのか」を探ってみましょう。利用者さまのプロフィールを調べたり、ご家族に普段の様子を聞いてみたりすることで、拒否する理由が見えてくるかもしれません。また、過去にレクリエーションで嫌な気持ちになったことが原因となっている場合もあるので、利用者さま本人の気持ちをヒアリングすることも大切です。
参加を拒否する原因に合わせて声かけやレクリエーションの内容などを工夫して、少しずつ参加を促してみると良いでしょう。

まとめ

高齢者向けのレクリエーションには、心身の機能を維持・向上させ、気分転換や他者との交流につながるものが多くあります。レクリエーションへの参加が楽しみになることで、生きがいにつながり、QOLも向上するのが大きなメリットです。

介護の現場で、「どんなレクを企画したら良いんだろう」と悩んだときは、レク専用の本やネットでの情報を参考にしましょう。レクリエーションが得意なスタッフに相談して、アイデアをもらうのがおすすめ。また、レクリエーションを行う際は、安全面や利用者さまへの配慮を忘れないようにしましょう。参加を拒否される方がいても、本人の意思を尊重することが大事です。この記事を参考にして、ぜひ全員が安全で楽しめるレクリエーションを企画していきましょう。

「レクリエーションのスキルを上げたい」「今の職場ではレクリエーションを学べない」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。各職場の内情に詳しいアドバイザーが、希望条件やスキル、経歴をヒアリングしたうえで、あなたに合った職場をご提案します。求人票からは得られない情報も提供できるので、1人で探すよりも希望条件に合った職場を見つけられるでしょう。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。

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監修者

  • 株式会社APPY

    介護施設向け演奏会・レクリエーション・イベント提供会社

老人ホームや介護施設で入居者向けにレクリエーションやイベントを提供。演奏家による演奏会や、楽しさと学びを両立させる習い事・講座など、多様なレクリエーションを用意している。月300回、累計10,000回以上のレクリエーションを開催。介護スタッフの業務負荷を軽減しながら、入居者やご家族の満足度向上を目指している。
レクリエーションの詳しい内容やご依頼は株式会社APPYのホームページへ。

執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2024年6月27日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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