ケアマネ(介護支援専門員)になるには?試験概要や受験資格

介護の仕事 2020年11月10日
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介護士と高齢者の女性のイメージ
ケアマネになるには、ケアマネ試験に合格し、「介護支援専門員実務研修」を修了する必要があります。ケアマネ試験は受験資格を満たす人のみが受けられる試験なので、まずは自分に受験資格があるか確認しましょう。
このコラムでは、ケアマネ試験の概要を紹介し、介護業界未経験の方がケアマネになる方法について解説します。ケアマネの仕事内容ややりがいもご紹介するので、一からケアマネについて知りたい方は必見です!










目次

ケアマネになるには?

ケアマネ(ケアマネージャー)は正式名称を「介護支援専門員」といい、2000年の介護保険法の開始とともに誕生した職種です。以前は社会福祉士などが現在のケアマネージャー業務を担っていましたが、介護保険法によって、ケアマネが介護支援を行う専門職と位置づけられるようになりました。
介護職からケアマネを目指したいと考える人は多くいるようですが、具体的な資格の取得方法については知らないという方もいるはず。ここでは、ケアマネになるための流れを確認していきましょう!

ケアマネになるまでの流れ

ケアマネ試験に合格する

介護支援専門員実務研修を修了する

介護支援専門員資格登録簿に登録する(研修修了日から3ヶ月以内)
介護支援専門員証の交付申請を行う

介護支援専門員証が交付され、業務が実施できるようになる

ケアマネになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験(通称:ケアマネ試験)」に合格して、実務研修を修了するのが大まかな流れです。
実務研修は都道府県ごとに行われ、国が定めたカリキュラムを87時間以上受講する必要があります(通常は前期・後期で実施)。研修を修了した後は介護支援専門員名簿に登録し、同時に介護支援専門員証の交付申請を行います。介護支援専門員証が交付されるとケアマネ業務に就けるようになります。

ケアマネ試験までの道のり

気をつけたいのが、ケアマネ試験は誰でも受験できるわけではなく、試験を受けるには一定の受験資格を満たす必要があることです。試験の受験資格については、後ほど詳しくご説明していきますね。

介護支援専門員証には有効期限がある

介護支援専門員証には5年間の有効期限があり、ケアマネとして働き続けるには有効期間内に更新研修を修了し、新たな介護支援専門員証の交付を受ける必要があります。
なお、更新しなかった場合も資格がなくなるわけではないので心配はいりません。所定の研修を修了して申請を行えば、再び介護支援専門員証の交付を受けられます。

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ケアマネの仕事内容

そもそも、ケアマネはどういう役割の職種なのかを理解するために、詳しい仕事内容を確認していきましょう。

ケアプランの作成

ケアマネージャーの重要な役割の一つが、介護を必要とする人がサービスを受けるためのケアプラン(介護計画書)の作成。
ケアマネージャーはご利用者やその家族が置かれた状況や希望を把握し(アセスメント)、必要なサービスの種類や時間、頻度などを決めていきます。作成したケアプランの原案は、サービスを提供する事業所の担当者や主治医などが集まる「サービス担当者会議」で議論にかけるのが流れ。
サービスが開始された後も、ケアマネージャーは必要に応じてプランの調整をしていきます。

要介護認定の支援

ケアマネージャーは、市区町村から委託されて要介護認定調査を行うことがあります。要介護認定とは、介護を希望する人に対して、「どの程度の介護が必要なのか」を調査し判断すること。介護保険にもとづくサービスを利用するには、必ず要介護の認定が必要です。
ケアマネージャーは申請を行った人の自宅を訪問し、心身の状態から介護の必要性を判断。本人に代わって、申請書類の作成・提出を行います。

給付管理

介護保険の給付金に関する管理もケアマネージャーの大切な仕事。
介護保険では、介護を受ける人が限度額を超えてサービスを利用した場合、利用者は超過分を全額負担しなければなりません。ケアマネージャーは、ご高齢者の支払限度額の確認と、負担額の計算を行います。
また、介護サービスを提供する事業者側は、介護給付費を国民健康保険団体連合会に請求します。その際に、「サービス利用票」といった書類を作成するのもケアマネージャーの役割です。

利用者と家族からの相談対応

ケアマネージャーはご利用者やそのご家族からの相談を受け付け、必要な対応を実施します。ご利用者に代わって、ケアマネージャーが介護事業所に要望を伝えたり、反対に事業所の方針をご利用者に伝えたりすることもあるでしょう。
ケアマネージャーには、ご利用者と事業所の橋渡し的な役割が期待されます。

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「施設ケアマネ」と「居宅ケアマネ」の違い

ケアマネには、介護施設に勤務する「施設ケアマネ」と、居宅介護事業所に勤務する「居宅ケアマネ」の2種類があります。勤め先によって働き方が異なるので、両者の違いを理解しておきましょう。

施設ケアマネ

老人ホームやデイサービスといった介護福祉施設で働くケアマネージャー。施設の利用者を対象にサービスを提供します。
施設ケアマネの働き方の特徴は、施設によってケアマネージャー業務と介護業務を兼任するケースがあることです。
また、施設内の介護職員や看護師、医師といった他職種と連携してご利用者をサポートするのも施設ケアマネの特徴。施設内でいつでもご利用者の様子を間近に確認できるのは、施設ケアマネならではといえます。

居宅ケアマネ

居宅ケアマネは、居宅介護支援事業所に所属し、在宅で生活する高齢者を対象にサービスを提供するケアマネージャーです。居宅ケアマネは定期的にご利用者の家を訪問し、モニタリングを行います。
居宅ケアマネは、施設の方針に従ってケアプランを作成する施設系ケアマネに比べて、幅広いサービスから柔軟にケアプランをつくるのが特徴です。
施設ケアマネの業務は施設内で完結しますが、居宅ケアマネは外部の介護サービス事業所との調整業務が多くなります。業務のやり方としては、チームプレーを行う施設ケアマネと違って、単独で動く場面が多いイメージです。

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ケアマネージャー試験の受験資格

ケアマネ試験を受けるには、次にご紹介する受験資格を満たす必要があります。

ケアマネージャー試験の受験資格

次の(1)もしくは(2)の期間が通算5年以上(業務に従事した日数が900日以上)あることが受験条件となります。

(1)特定の国家資格にもとづく業務に従事している
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、準看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔整復師、栄養士、精神保健福祉士

(2)相談援助業務に従事している
生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員

受験資格は都道府県によって異なる場合があるので、受験する都道府県の条件を改めてご確認ください。

受験資格の変更と解答免除の廃止

ケアマネ試験の受験資格は2018年の試験から変更されているので注意してください。変更点として、2017年までは「介護職員初任者研修を修了し5年以上の介護経験がある人」や、「10年以上の介護経験がある人(無資格可)」でもケアマネ試験を受けられましたが、現在は介護福祉士などの国家資格にもとづいた業務経験、もしくは相談援助業務の経験が必須となっています。

また、2014年までは国家資格の保有者は一部科目が免除される解答免除の制度がありましたが、2015年からは受験者全員が同じ問題を解く形式になりました。

これらの変更の背景には、国が「地域包括ケアシステム」を実現する柱としてケアマネを位置づけ、より高い専門性を持つケアマネを育成したい意図があります。ケアマネになるハードルは以前より高くなりましたが、介護サービスのさらなる充実が期待される日本において、ケアマネは今後もニーズが高い仕事といえるでしょう。

国家資格のない人がケアマネを目指すには?

受験資格になる国家資格を保持していない人や、相談援助業務の経験がない人がケアマネになるには、国家資格である介護福祉士資格を取得してからケアマネを目指すルートが考えられます。
介護福祉士試験を受けるには、現場での介護経験(3年以上)と実務者研修の修了が受験資格となります。受験資格を得るには、福祉系高校や養成施設に通うルートもありますが、社会人から目指す場合は、介護現場で働きながらスキルを身につけるのが時間的・費用的にもおすすめです。

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ケアマネージャー試験の概要と合格率

ここでは、ケアマネ試験の概要をご紹介します。また、試験の難易度を知る目安となる合格率もご紹介するので、参考にしてくださいね。

ケアマネ試験の概要

ケアマネ試験の概要です。

実施時期

年1回。例年10月中~下旬に実施

申し込み時期

6月上旬~7月上旬(都道府県により異なります)

試験形式

筆記試験(60問/120分)

試験範囲

・介護支援分野
・保健医療サービスの知識等
・福祉サービスの知識等

ケアマネ試験の合格率

ケアマネ試験は平成10年度からスタートしており、令和元度(第22回)の合格率は19.5%でした。

第1回:44.1%
第2回:41.2%
第3回:34.2%
第4回:35.1%
第5回:30.7%
第6回:30.7%
第7回:30.3%
第8回:25.6%
第9回:20.5%
第10回:22.8%
第11回:21.8%
第12回:23.6%
第13回:20.5%
第14回:15.3%
第15回:19.0%
第16回:15.5%
第17回:19.2%
第18回:15.6%
第19回:13.1%
第20回:21.5%
第21回:10.1%
第22回:19.5%

出典
厚生労働省
第22回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
(2020年10月12日)

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ケアマネの給料

厚生労働省の調査によると、ケアマネの平均給与は、常勤で350,320円、非常勤で229,050円となっています。
ちなみに、そのほかの介護従事者の平均給与は以下のとおりです。

介護職員:常勤300,970円 非常勤209,470円
看護職員:常勤372,070円 非常勤244,580円
生活相談員・支援相談員:常勤321,080円 非常勤265,090円
事務職員:常勤307,170円 非常勤219,770円

これらの職種の中でいうと、ケアマネージャーの平均給与は看護職より低いものの、介護施設で働く職員の中では高めであることが分かります。

出典
厚生労働省
平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果
(2020年10月12日)

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ケアマネの魅力

ケアマネの仕事にはどんな魅力があるのでしょうか?

ケアマネのやりがい

ケアマネージャーのやりがいは、自分の作成したケアプランでご利用者やそのご家族の生活に良い変化が起きたり、ケアプランで指定した介護サービスによって、ご利用者の介護度が低くなったりすることです。
居宅ケアマネは、ご利用者の自宅を訪ねる時に家族から直接感謝の言葉をかけられる場面もあり、仕事のモチベーションにつながるようです。

ケアマネのメリット

ケアマネージャーは事務仕事が多く、介護職と比べると体力的な負担が少ない職種です。介護職を兼任するケアマネージャーは夜勤につくこともありますが、兼務がない施設や居宅ケアマネであれば、夜勤のない働き方ができますよ。
ケアマネージャーは体力に自信がない人でも働きやすく、年をとっても長く続けられる仕事です。また、介護職と比べて平均給与が高いので、介護業界で収入アップしたい人にもぴったりの職種ですよね。

ケアマネに向いている人

ケアマネを目指すか迷っている人は、向いている人の特徴を知ることがヒントになりますよ。

ケアマネに向いている人の特徴

・計画的に行動できる
・コミュニケーション能力がある
・事務的な作業が苦にならない
・複数の業務を並行して進められる
・新しい知識を学ぶ意欲がある

ケアマネージャーには、ご利用者やご家族に合った介護計画を立てる役割があります。ケアプランの作成では、介護施設の担当者と日程を調整し、会議を開かなければなりません。外部とやり取りしながらスムーズに仕事を進めるには、スケジュールを管理し計画的に動く必要があるでしょう。そのため、計画性を持って行動できる人が向いています。

また、ご利用者やご家族、外部機関と接する機会が多いことを考えると、コミュニケーション能力も大切な要素です。相手から話を聞き出す力や、関係者と意見を交換するスキルが必要とされます。
業務としては書類作成などの事務作業も多いので、事務的な処理が得意な人は力を発揮できるでしょう。

ケアマネージャーの仕事は、ご利用者やそのご家族への対応、事務作業、各機関との交渉、時には介護職との兼務と多岐におよびます。業務の幅広さに尻込みせず、それぞれの仕事を的確に処理する柔軟性も必要でしょう。

ケアマネージャーには、常に学び続ける向上心も求められます。5年ごとに改正される介護保険制度や、病院関係者とやり取りするため医療知識など、ケアマネージャーがアップデートしなければならない知識はさまざまです。介護支援専門員の資格を取得してからも、新しく学ぶことに喜びを感じられる人は、ケアマネージャーの仕事を楽しめるでしょう。

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ケアマネ求人の探し方

最後に、ケアマネ求人の探し方と注意点をお伝えします。介護職として就職・転職する場合も、ご紹介する方法で求人を探せるので覚えておいてくださいね。

ケアマネ求人の種類

経験者を求める求人のほか、経験がなくても資格があればOKとする求人もあるので、自分の状況に合った求人を探しましょう。「経験者優遇」といった記載がある求人はベテランを求めていることが多いので、未経験者が選考に通る可能性は低くなります。

求人を出している施設は、有料老人ホーム、グループホーム、訪問介護事業所、デイサービスとさまざま。それぞれの施設の特徴を踏まえたうえで応募する求人を決めましょう。
雇用形態や待遇はもちろん、介護職との兼務や施設の規模、在籍しているケアマネージャーの人数をチェックするのも忘れずに。未経験の人が先輩ケアマネージャーがいない職場に入ると、困った時に頼れる人がいないという事態になりがちです。
求人情報だけで把握できないことがあれば、面接の際に遠慮なく確認しましょう。

ケアマネ求人の探し方

求人を探す代表的な3つの方法をご紹介します。

転職サイト

転職サイトは気軽に大量の求人を検索できるため、どんな求人があるのかざっと確認するのに便利です。給与の相場を確かめたり、施設同士を比較したりするのに使い勝手が良いですよ。

ハローワーク

ハローワークは全国各地に拠点があり、どの地域にお住まいの方でも利用しやすいのがメリットです。地元企業の求人を多く扱っているので、地元で就職したい人にもおすすめできます。
求人はハローワーク内に設置されたパソコンや紙のファイルで探しますが、分からないことがあったら窓口の職員に質問しましょう。応募したい求人が決まったら窓口で申し込みを行い、面接に持参する紹介状を書いてもらいます。

転職エージェント

転職エージェントは、仕事を探す求職者と人材を求める企業をマッチングするサービスです。転職エージェントでは一貫して専任の担当者がサポートを行うので、疑問や希望を伝えやすいのがメリットですよ。
転職エージェントのサービス内容は、カウンセリングや求人提案、選考対策、企業とのやり取りの代行など。面接日程の調整や交渉などはエージェントの担当者が行ってくれるので、自分で企業とやり取りする手間がありません。エージェントのサービスには入社後のアフターフォローも含まれており、困ったことがあればすぐに相談できます。

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まとめ

ケアマネになるには、「受験資格を満たす→ケアマネ試験に合格する→研修を修了する→介護支援専門員資格登録簿に登録・介護支援専門員証を申請、交付を受ける」のが一連の流れです。
これから介護業界に入る方は、まずは介護福祉士の資格を取得し、現場で業務を積むことで受験資格を得る道がありますよ。ケアマネは介護職より平均給与が高く、ケアプランを通してご利用者やご家族の生活を改善するやりがいが魅力です。介護業界でのキャリアアップを目指す方は、ケアマネを目標にしてみませんか?

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