
この記事のまとめ
- 「相談支援専門員」という資格はなく、実務経験と研修の修了で従事できる
- 相談支援専門員の仕事内容は、基本相談支援や地域相談支援など
- 相談支援専門員の主な職場は、相談支援事業所と基幹相談支援センター
「相談支援専門員になるには資格が必要?」と気になる方もいるのではないでしょうか。「相談支援専門員」という資格はなく、一定の実務経験を積んで「相談支援従事者初任者研修」を修了することで、相談支援専門員として働くことが可能です。この記事では、相談支援専門員になるために活かせる資格や必要な実務経験をご紹介します。相談支援専門員への転職を考えている方は、ご一読ください。
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相談支援専門員とは?
相談支援専門員とは、障がいがある方やそのご家族が必要な支援を受けられるよう、サービス等利用計画を作成してサポートする専門職です。また、地域社会とのつながりや日常生活に対する相談対応も行います。
具体的な業務は、「相談支援専門員の仕事内容」で後述するので、ぜひ最後までご覧ください。
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相談支援専門員の資格の取得方法
相談支援専門員になるには、障害者支援の実務経験を3〜10年積み、「相談支援従事者初任者研修」を修了しなければいけません。研修受講時点で必要な実務経験を満たす必要があるかどうかは、自治体によって異なるようです。
なお、相談支援専門員として働き続けるためには、5年ごとに「相談支援従事者現任研修」を受ける必要があります。相談支援専門員に関する研修に、資格要件や学歴・年齢の制限はありません。
資格取得に必要な実務経験を満たす
厚生労働省の「相談支援専門員制度について(令和2年4月1日~)(p.2)」によると、相談支援専門員に必要な実務経験を満たすことができるのは、大きく分けて「相談支援の業務」と「介護等の業務」の2つです。

引用:厚生労働省「相談支援専門員制度について(令和2年4月1日~)(p.2)」
「相談支援の業務」と「介護等の業務」の中でも要件は細分化しています。以下で、必要な実務経験の年数や活かせる資格について解説するので、確認してみましょう。
相談支援業務の実務経験
相談支援業務に5年以上従事していると、相談支援専門員になるための実務経験として認められます。実務経験の要件を満たすには、以下のいずれかとして相談支援業務に従事することが必要です。
- 1.指定相談支援事業、旧障害児相談支援事業、(身体・知的)障害者相談支援事業、居宅介護支援事業、介護予防支援事業の従事者
- 2.更生相談所(身体・知的)、児童相談所、精神障害者地域生活支援センター、福祉事務所の従業者
- 3.障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、介護医療院の従業者
- 4.医療機関(病院・診療所)の従業者で、特定の条件に該当する者
- 5.障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターにおいて相談支援の業務に従事する者
- 6.特別支援学校において就学相談・教育相談・進路相談の業務に従事する者
- 7.その他これらの事業・施設等に準ずる事業・施設等の従事者・従業者
要件4の特定の条件は、「社会福祉主事任用資格を有する者」「訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者」「特定の国家資格等を有する者」「要件1~3の施設などで1年以上従事している者」です。
また、上記1~7の要件に該当し、特定の国家資格等に基づく実務経験を有する者は、実務経験3年で要件を満たすことができます。「特定の国家資格等」に該当する資格は、以下のとおりです。
上記の資格に基づく業務に5年以上従事している人は、通算3年の相談支援の実務経験で、相談支援専門員受講に必要な実務経験を満たせます。
介護業務の実務経験
介護業務に10年以上従事することでも、相談支援専門員になるための実務経験があると認められます。要件を満たせる対象者は、以下のとおりです。
- 1.障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、病院・診療所の療養病床の従業者
- 2.障害福祉サービス事業、障害児通所支援事業、老人居宅介護等事業の従事者
- 3.病院・診療所、薬局、訪問看護事業所の従業者
- 4.その他これらの事業・施設に準ずる事業・施設の従事者・従業者
介護施設や訪問介護サービス、病院などでの介護業務が、実務経験に当てはまります。介護職から相談支援専門員への転職を考えている方におすすめのルートです。
介護業務の実務経験も、上記で解説した「国家資格等を有する者」としての実務経験が5年以上ある場合、必要な年数が通算3年に短縮されます。
また、次のいずれかの資格を保有する方は、介護等の実務経験5年で相談支援専門員に必要な実務経験を満たすことが可能です。
- 社会福祉主事任用資格
- 訪問介護員2級以上に相当する研修
- 保育士
- 児童指導員任用資格
- 精神障害者社会復帰指導員
社会福祉主事任用資格には、社会福祉士や精神保健福祉士を取得している方も含まれます。福祉に関する公的資格があれば、専門性を評価され、無資格よりも短期間で相談支援専門員になれるようです。
出典
厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」(2025年12月17日)
必要な研修を修了する
相談支援専門員として従事するには、自治体ごとに実施される研修の修了が必要です。はじめて相談支援専門員の資格を取得する場合は「相談支援従事者初任者研修」、資格を更新する場合は「相談支援従業者現任研修」を受講します。
研修の受講には、「相談支援に従事する予定がある」「事業所からの推薦がある」などの要件が設けられている場合があるので、事前に確認しておきましょう。
相談支援従事者初任者研修
ここでは、東京都の例をご紹介します。東京都の場合、東京都福祉局のWebサイトに記載のある受講申請フォームから申し込み、審査に通れば受講可能です。研修は、2日間の講義と5日間の演習、約1ヶ月の実習2回で構成されます。申込みから修了証書交付までは約7ヶ月かかるので注意しましょう。
相談支援従事者初任者研修では、相談支援の基本を学び、利用者さんとの面談の方法や状況に応じた対応の仕方を習得することが可能です。詳しくは「相談支援従事者初任者研修の受講資格とは?必要な実務経験や資格概要を解説」をご覧ください。
相談支援従事者現任研修
相談支援従事者現任研修は、1日の講義と3日間の演習、約1ヶ月の実習で構成されます。申込みから修了証書交付まで約6ヶ月かかるので注意が必要です。
相談支援従事者現任研修では、自身の相談支援の業務や福祉の動向を振り返り、人材育成や多職種との円滑な連携などに活かせる知識・技術を習得します。
東京都の場合、東京都福祉局のWebサイトの受講申請フォームから申し込み、審査に通れば受講可能です。なお、東京都の現任研修では事前課題が設けられているので、留意しておきましょう。
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相談支援専門員の仕事内容
相談支援専門員の仕事内容は、以下のとおりです。
- 基本相談支援
- 地域相談支援
- 計画相談支援
- 障がい児相談支援
ここでは、それぞれについて詳しくご紹介します。
基本相談支援
相談支援専門員は、障がいがある方やそのご家族からの相談に対してアドバイスを行います。基本相談支援はすべての相談支援のベースになるため、幅広い悩みへの対応が必要です。より専門的な対応が必要だと判断した場合は、地域相談支援や計画相談支援、障がい児相談支援などにつなげることになるでしょう。
地域相談支援
相談支援専門員は、施設で暮らしている方や入院している方が自立した生活を始める際、地域での暮らしがスムーズにいくように支援します。また、自宅で単身で暮らす障がいがある方に対し、地域生活を営むためのサポートをすることも仕事の一つです。
計画相談支援
利用者さんが障害福祉サービスを利用するために、サービス等利用計画を作成します。利用者さんに適切な支援ができるよう、多職種との連携や調整を図るのも、相談支援専門員の重要な仕事です。サービスの利用開始後は定期的にモニタリングを行い、必要に応じて計画の見直しを行います。
障がい児相談支援
障がい児相談支援として、18歳未満で障がいのある児童の支援を行います。主な業務は、児童や保護者の意向をもとに、障害福祉サービスを利用するために必要な「障害児支援利用計画」を作成することです。また、自治体や障害福祉サービス事業者との連絡・調整や、利用開始後のモニタリングも行います。
相談支援専門員が活躍する職場
相談支援専門員が活躍する主な職場は、「相談支援事業所」と「基幹相談支援センター」の2つです。以下で、それぞれの職場の特徴を解説します。
相談支援事業所
相談支援事業所は、障がいのある方やご家族の相談窓口です。利用者さんの相談に乗り、福祉サービスを利用するための支援を行います。利用者さんができる限り自立した地域生活を送れるよう、情報提供やモニタリングを行うのも重要な役割です。
基幹相談支援センター
基幹相談支援センターは、相談支援の中心となる場です。福祉サービスの総合的な支援を行い、虐待防止や権利擁護など、相談支援事業所だけでは対応が難しい課題にも対応します。相談支援事業所や、福祉サービスを提供する施設・医療機関と連携し、利用者さんを支援するのも重要な役割です。
相談支援専門員の給料事情
厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書(p.99)」によると、常勤で働く相談支援専門員の平均給与は、36万4,950円でした。平均給与額×12ヶ月で年収を算出すると、437万9,400円です。
また、非常勤で働く相談支援専門員の平均給与は19万6,430円で、この値から年収を算出すると235万7,160円となります。
出典
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(2025年12月17日)
相談支援専門員の将来性
障がいがある方をサポートする相談支援専門員は、需要が高く将来性のある仕事です。
厚生労働省の「障害者相談支援事業の実施状況等について(p.12、13)」によると、指定特定・指定障害児相談支援事業所の数は年々増加しており、それに伴って相談支援専門員の数も増えています。福祉サービスの充実のため、今後も相談支援専門員の需要は高まっていく見込みです。
出典
厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について(令和6年調査)」(2025年12月17日)
相談支援専門員のやりがい
相談支援専門員のやりがいとして、利用者さんやそのご家族から直接感謝の言葉をもらえたり、利用者さんの自立する姿を見られたりすることが挙げられます。
相談支援専門員は、利用者さんやご家族と直接関わって仕事をします。なかには、デリケートな問題を抱えている利用者さんもいるため、関わり方が難しいこともあるでしょう。利用者さんごとに性格や家庭環境は異なり最適な支援も違うので、知識だけでは解決できない問題もあります。
そのため、大変な場面もありますが、感謝の言葉をもらう機会が多くやりがいも大きいようです。また、自分が行った支援によって、利用者さんが自立して生活する姿を見られることも、相談支援専門員の仕事の魅力といえます。
相談支援専門員の資格についてよくある質問
ここでは、相談支援専門員の資格についてよくある質問にお答えします。「相談支援専門員になりたいけど、どうしたら良いの?」と気になっている方はご一読ください。
相談支援専門員は無資格で働けますか?
相談支援専門員になるには、3~10年の実務経験を積み、相談支援従事者初任者研修を修了することが求められます。「相談支援専門員」という資格はないため、受講要件である実務経験を満たせば、相談支援専門員を目指すことが可能です。資格を必要としない要件としては、「介護施設や医療機関での介護業務10年以上」が挙げられます。
相談支援専門員になるために必要な実務経験については、この記事の「相談支援専門員の資格の取得方法」で解説しているのでチェックしてみてください。
相談支援専門員になるために活かせる国家資格はありますか?
相談支援専門員になるために活かせる国家資格は、医師や看護師、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士などです。これらの国家資格に基づく業務に5年以上従事した経験があれば、相談支援業務もしくは介護等の業務に3年以上従事することで、相談支援専門員に必要な実務経験を満たせます。
ほかにも、歯科医師や薬剤師、助産師、理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師、栄養士(管理栄養士含む)などの実務経験も、相談支援専門員になるために活かせるようです。
相談支援専門員に向いている人の特徴を知りたい
相談支援専門員は、コミュニケーション能力が高い人や責任感が強い人、落ち着いて対応できる人、共感力が高い人などに向いています。相談援助では、人の気持ちに寄り添い、悩みを引き出すコミュニケーションが欠かせません。
相談援助や介護業務に役立てられるコミュニケーションに関する資格は、「高齢者コミュニケーターになるには?コミュニケーション力を磨く資格一覧」の記事で解説しているので、チェックしてみてください。
まとめ
「相談支援専門員」という資格はなく、3~10年の実務経験を積み、相談支援従事者初任者研修を修了することで、相談支援専門員として働けます。相談支援専門員の要件となる実務経験は、相談支援業務や介護等の業務です。
なお、相談支援専門員として従事し続けるためには、5年ごとに「相談支援従事者現任研修」を受講し、資格を更新する必要があります。
相談支援専門員の仕事が気になる方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。介護業界に精通した転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)では、専任のキャリアアドバイザーが、あなたにぴったりの求人をご紹介します。相談支援の実務経験を積める施設や、未経験の相談支援専門員が活躍している職場も紹介することが可能です。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


