ホームヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容や必要な資格、給料を解説

介護の仕事 2024年3月11日
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この記事のまとめ

「ホームヘルパーの仕事について詳しく知りたい」という方もいるでしょう。ホームヘルパーとは、利用者さんの自宅に伺って訪問介護を提供するスタッフのことです。この記事では、ホームヘルパーの仕事内容や必要な資格を解説します。働き方や給与、仕事のやりがいもまとめました。「ホームヘルパーって実際どんな感じなの?」と疑問に思っている方は参考にしてください。

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目次

ホームヘルパー(訪問介護員)とは

ホームヘルパーを簡単に説明すると、介護を必要としている利用者さんの自宅に訪問して、日常生活のサポートを行う介護職員のことです。具体的には、食事や排泄、入浴、移動、家事の介助などを行います。ホームヘルパーは通称で、正式名称は「訪問介護員」です。

訪問介護とは、介護保険法や障害者総合支援法に基づいて介護サービスを提供することで、介護の資格をもっていないと携われません。ホームヘルパーは、在宅介護のプロとして、介護を必要とする利用者さんのケアを行います。

ホームヘルパー(訪問介護員)の役割

利用者さんの自立支援や重症化の予防を目的とした援助を行い、住み慣れた自宅での生活を続けられるようお手伝いするのが、ホームヘルパーの役割です。自立支援とは、利用者さんができることを減らさないための介護や、希望する生活を送るためのサポートのこと。「この家で暮らし続けたい」という利用者さんのニーズに応えて、必要な介護サービスを提供します。

ご家族ができない介助を安全に行うのも、ホームヘルパーの仕事です。ホームヘルパーには、利用者さんの介護に不安を抱えるご家族を支える役割もあります。ご家族の、介護に対する不安を聞いたり、悩みの相談に乗ってアドバイスをしたりすることもあるでしょう。
ホームヘルパーは、サービスを受ける利用者さんだけではなく、ご家族にとっても頼れる存在です。

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ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容

ホームヘルパーは、利用者さんが快適に生活できるように、身体介護や生活援助を行います。具体的な仕事内容を見てみましょう。

身体介護

身体介護とは、利用者さんの身体に直接触れる介助を行い、日常生活をサポートすることです。安全に介護をする技術や、利用者さんの気持ちに寄り添ってケアをするスキルが必要となります。ホームヘルパーが行うのは、以下のような身体介護です。

  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 食事介助
  • 移動・移乗介助
  • 更衣介助
  • 整容介助
  • 体位変換
  • 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助

利用者さんができることはご自身で行ってもらい、できないことをサポートするのが、ホームヘルパーの仕事です。利用者さんの見守りや介助を行い、安全を確保して、自立支援の視点で介護サービスを提供します。
喀痰吸引等研修を修了したホームヘルパーは、たんの吸引や経管栄養の医療的ケアも実施可能です。

生活援助

生活援助とは、利用者さんの身体に直接触れずに、日常生活をサポートするケアのことです。1人で家事を行うのが難しい利用者さんの負担を減らせるように援助します。具体的な業務内容を以下にまとめました。

  • 掃除
  • 洗濯
  • 調理・配膳
  • 衣服の整理・補修
  • ベッドメイク
  • 買い物・薬の受け取り
  • ゴミ出し

利用者さんは、「かがむ動作が多い浴室の掃除がきつい」「通院後に薬局に行くのが大変」など、さまざまな悩みを抱えています。自宅での生活を無理なく続けるための介護サービスを提供するのが、生活援助です。
ホームヘルパーは、介護の専門職として、利用者さんの健康チェックや家族からの相談対応も行います。

通院等乗降介助

通院等乗降介助とは、ホームヘルパーが運転する車で利用者さんが通院する際に、必要な介護を行うことです。車の乗降の介助だけではなく、通院前後に行う排泄や更衣の介助、受診の手続き、薬の受け取りなどを行う場合もあります。

ホームヘルパーの業務内容を詳しく知りたい方は、「ホームヘルパーの仕事内容を解説!訪問介護員の仕事範囲や必要な資格を紹介」も参考にしてください。

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ホームヘルパー(訪問介護員)がやってはいけないこと

ホームヘルパーは、利用者さんの自宅を訪問してサービスを提供しますが、家事代行や家政婦とは違い、やってはいけないことがあります。訪問介護は、介護保険サービスなので、利用者さんの生活に必要不可欠と判断された介護サービス以外は提供できません
以下で、ホームヘルパーがやってはいけないことを解説します。

利用者さんの家族に対する生活援助

生活援助は、家事を行える方が同居している場合は実施できません。同居家族がいる場合でも、家庭の事情により必要と判断された場合は、生活援助を行うことがあります。

ホームヘルパーの仕事は、家事を行うのが困難な利用者さんに対して、必要な支援を行うことです。そのため、利用者さん以外にご飯を作ったり、ご家族の部屋を掃除したりといった、ご本人のためではないサービスは提供できません

利用者さんの日常生活に必要のないケア

ホームヘルパーは、おせち料理といった行事食の調理や、庭の手入れ、お中元の購入などは行えません。対応できるのは、訪問介護計画書に記載された、日常生活に必要不可欠な介護サービスのみです。
ホームヘルパーは、介護保険サービスに該当しない援助は行えないので、訪問介護計画にない仕事を頼まれた場合は断る必要があります。

無資格での医療行為

インスリン注射や褥瘡ケア、爪に異常がある場合の爪切りなどは、医師や看護師でなければ対応できません。たんの吸引や経管栄養をホームヘルパーが行う場合は、喀痰吸引等研修の修了が必要です。

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ホームヘルパー(訪問介護員)になるために必要な資格

前述したように、介護の資格を持っていない方は、ホームヘルパーとして働くことができません。ホームヘルパーになるために必要な資格を確認してみましょう。

無資格の介護職はホームヘルパーとして働けない

ホームヘルパーは、利用者さんの自宅を1人で訪問するのが一般的です。利用者さんの状況に臨機応変に対応するためには介護のスキルが必要なので、無資格の方はホームヘルパーとして働けません

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ホームヘルパー(訪問介護員)の資格要件

ホームヘルパーになるには、下記のいずれかの資格が必要です。 

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士
  • 旧介護職員基礎研修
  • 旧訪問介護員1級養成課程(旧ホームヘルパー1級)
  • 旧訪問介護員2級養成課程(旧ホームヘルパー2級)
  • 生活援助従事者研修修了 ※生活援助中心型のみ提供可能
  • 居宅介護又は重度訪問介護の提供者 ※共生型サービスのみ提供可能

それぞれの資格については、「ホームヘルパーになるには?必要な資格と取得方法、転職成功のコツを解説!」の記事で解説しています。
ここでは、代表的な3つの資格をご紹介するので、ホームヘルパーになりたい方は参考にしてください。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、受講資格が定められていないので、ホームヘルパーとして働きたいと考えている無資格の方も挑戦しやすい資格です。10科目のカリキュラムを受講して、修了試験に合格することで取得できます。

130時間のカリキュラムのうち、40.5時間までは通信教育での受講が可能なので、取得までのハードルは比較的低いでしょう。介護職員初任者研修を取得すれば、介護に関する基礎的な知識やスキルがあることを証明できます。

なお、ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修課程)を保有している方も、ホームヘルパーとして働くことができます。訪問介護に必要なスキルを習得するための「ホームヘルパー2級」は2013年に廃止され、在宅・施設を問わず活躍できる介護職員を育成するための「介護職員初任者研修」に移行しました。

介護職専門の転職エージェント「レバウェル介護(旧 きらケア)」では、介護職員初任者研修のプログラムをご用意しています。条件を満たせば無料で資格を取得できるので、詳しく知りたい方は「レバウェルスクール介護(旧 きらケアステップアップスクール)」をチェックしてみてください。

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介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、前述した初任者研修の上位にあたる資格です。取得するには、450時間、20科目のカリキュラムを受講する必要があります。

受講のために必要な資格はないので誰でも受講できますが、無資格から取得するには6ヶ月程度の期間がかかります。介護職員初任者研修を保有していれば、130時間分の研修が免除されるので、順番に取得する方も多いようです。

介護福祉士実務者研修の取得は、介護福祉士を受験するための要件の一つなので、介護業界でキャリアアップを目指す方におすすめの資格です。

介護福祉士

介護福祉士は、介護分野における唯一の国家資格。取得すると、根拠に基づいた介護を行うスキルがあることを証明できます。
介護福祉士になるには、介護福祉士国家試験への合格が必要です。「介護福祉士実務者研修の修了」と「3年以上の実務経験」といった要件を満たせば、介護福祉士国家試験を受験できます。

介護福祉士の資格は、社会的な認知度や専門職としての信頼度が高いので、取得すれば待遇面や採用選考でも有利になるでしょう。

国や介護事業所、資格スクールなどは、費用を抑えて資格を取得できるように支援制度を用意しています。介護職員の資格取得支援については、「介護職の資格取得支援制度には何がある?働きながら取る方法や給付金も紹介」の記事も参照してください。

ホームヘルパー(訪問介護員)の働き方

ホームヘルパーはどのような働き方をしているのか、雇用形態や仕事の流れをチェックしてみましょう。

ホームヘルパー(訪問介護員)の雇用形態

ホームヘルパーには複数の雇用形態があります。

雇用形態特徴
正社員訪問介護事業所が直接雇用する。週40時間のフルタイムで働く場合が多い
パート訪問介護事業所が直接雇用する。勤務希望を出して、決まったシフトで勤務する
登録ヘルパー訪問介護事業所が直接雇用する。週1日、1回1時間からなど、希望沿った仕事を紹介してもらう働き方
派遣派遣元の会社に雇用されて派遣先で働く

正社員として働くホームヘルパーは、援助業務のない時間は、事務作業といった事業所での業務を行うこともあるでしょう。
登録ヘルパーは、自由度の高い働き方ができますが、訪問のキャンセルが出るとその分の収入が減ってしまうため、給与が不安定になる可能性があります。雇用形態によって仕事内容やシフトは異なるので、自分に合った働き方を選ぶと良いでしょう。

ホームヘルパーは非常勤の割合が高い

職業情報提供サイト日本版O-NETの「訪問介護員/ホームヘルパー」によると、ホームヘルパーの雇用形態は、正社員が42.2%、パートタイマーが57.8%でした。
同サイトの「施設介護員」によると、施設で働く介護職員は、正社員73.8%、パート35.4%となっています。

介護職員のなかでも、ホームヘルパーは正社員の割合が低いという結果でした。ホームヘルパーとして働く方は、時間に融通が利いて多様な働き方ができる非常勤を選ぶ場合が多いようです。

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ホームヘルパー(訪問介護員)の勤務時間と休日

ホームヘルパーの勤務時間は日勤のみが一般的で、夕方には仕事が終わる場合が多いようです。ただし、早朝・夜間対応がある事業所も一部あるので、働く前に確認しておきましょう。また、土日休みの事業所が多い傾向にありますが、日曜+1日という休日や、シフト制の職場もあります。

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ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事の1日の流れ

ここでは、ホームヘルパーの1日の流れをご紹介します。1日に複数の利用者さんの自宅を訪問するホームヘルパーのスケジュールは、日によって異なるので、参考としてご覧ください。

時間仕事内容
午前8時~8時30分出勤、訪問先の確認と準備
午前8時30分~9時移動
午前9時~午前9時30分1件目の援助:トイレ介助、朝食介助
午前9時30分~9時45分移動
午前9時45分~10時30分2件目の援助:掃除
午前10時30分~10時45分移動
午前10時45分~11時45分3件目の援助:買い物同行
午前11時45分~12時移動
正午~午後1時休憩
午後1時~1時30分移動
午後1時30分~2時4件目の援助:服薬介助、オムツ交換
午後2時~2時30分移動
午後2時30分~3時30分5件目の援助:入浴介助
午後3時30分~4時移動
午後4時~午後5時介護記録の作成、事務作業、退勤

利用者さんに提供する介護サービスの内容や所要時間は、訪問介護計画書で決まっています。時間内に予定されているサービスを提供するのがホームヘルパーの仕事です。利用者さんの様子が普段と違うときや、予定していたサービスを提供できなかったときなどは、事業所に報告を行います。

ホームヘルパー(訪問介護員)の平均給与

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)」によると、介護施設別の平均給与は以下のとおりです。平均給与をもとに平均年収もまとめたので、ご覧ください。

施設形態平均月収平均年収
介護老人福祉施設(特養)34万8,040円417万6,480円
介護老人保健施設33万9,040円406万8,480円
訪問介護事業所31万5,170円378万2,040円
通所介護事業所(デイサービス)27万5,620円330万7,440円
通所リハビリテーション事業所(デイケア)30万4,790 円365万7,480円
特定施設入居者生活介護事業所(有料老人ホーム)31万3,920円376万7,040円
小規模多機能型居宅介護事業所28万7,970円345万5,640円
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)29万1,080円349万2,960円

参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)

訪問介護事業所は基本的に夜勤がない分、介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)より平均給与が低くなっています。一方、日勤のみで無資格から働けるデイサービスと比べると、ホームヘルパーの給与は高い傾向にあります。

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ホームヘルパー(訪問介護員)として働くメリット

ホームヘルパーとして働くメリットは、自分の予定に合わせた働き方ができることや、介護のスキルを磨けることです。

勤務時間や曜日に融通が利く

登録ヘルパーとして働く場合は、好きな勤務時間や曜日を選べるので、スキマ時間を活用できます。ホームヘルパーは、「子どもの幼稚園の時間に合わせて働く」「仕事の合間に家事をする」など、自分のライフスタイルに合わせた働き方を叶えやすいでしょう。
また、直行直帰やオンラインでシフト提出ができる事業所もあるので、出社しない働き方も可能です。

利用者さんを1対1でケアできる

ホームヘルパーは、訪問時間を1人の利用者さんのためだけに使えます。自宅の環境や利用者さんの状況に合わせて個別に対応することで、より良い生活を送るためのケアが可能です。利用者さんやご家族と密にコミュニケーションを取り、深く関われるのが、ホームヘルパーの仕事の魅力といえます。

また、移動や訪問は1人で行うので、介護施設で働く場合より、同僚との人間関係に悩む可能性は低いでしょう。

自宅での介護経験がキャリアアップに繋がる

ホームヘルパーは、比較的自立度の高い方や、認知症の方、寝たきりの方など、幅広い利用者さんの介護を行います。利用者さんの心身の状況や自宅の環境に合わせてケアをすることで、臨機応変に対応できるスキルが身につくでしょう。ホームヘルパーとして経験を積めば、介護職としてのキャリアアップも目指せます。

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ホームヘルパー(訪問介護員)として働くデメリット

「ホームヘルパーになりたい」と考えている方は、デメリットも確認しておきましょう。

自宅での介助は1人で対応する必要がある

訪問介護は基本的に1人で利用者さんの自宅を訪問するため、困ったときに同僚のサポートを受けられません。入浴介助や排泄介助など、介護のスキルが必要な仕事も、1人で対応します。
スキルに自信がない場合、1人で利用者さんの介護を行うことは「責任が重い…」と、プレッシャーを感じる可能性も。1人で利用者さんの対応をするのは、考え方次第でメリットにもデメリットにもなるので、自分に向いている働き方を考えてみましょう。

移動時間が多く悪天候でも訪問しなければならない

ホームヘルパーは、利用者さんの自宅に個別に訪問するので、移動時間が多くなってしまいます。移動時間中は介護業務を行えないため、「介護施設よりも経験を積めない…」と感じる方もいるでしょう。

住宅が密集している地域のホームヘルパーは、車ではなく自転車やバイクで移動する場合が多く、雨や雪といった天候の影響を受けることもあります。また、土地勘がない場合は、利用者さんの自宅に到着するまでに時間がかかる可能性もあるでしょう。

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ホームヘルパー(訪問介護員)に向いている人の特徴

ホームヘルパーに向いている人の特徴を下記にまとめました。

  • 1人ひとりの利用者さんに寄り添える人
  • 臨機応変に介護ができる人
  • 責任感が強い人
  • 体力があり移動が苦にならない人

利用者さん1人ひとりの気持ちに寄り添ったケアをしたい人や、臨機応変な判断ができる人は、ホームヘルパーに向いているでしょう。適性をチェックしたい方は、「訪問介護に向いている人の特徴とは?必要な資格ややりがいも解説!」の記事も参照してください。

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元ホームヘルパー(訪問介護員)である筆者の体験談

ここでは、筆者がホームヘルパーとして働いて大変だったことや、やりがいを感じたことをまとめました。「ホームヘルパーの仕事って実際どんな感じ?」と気になっている方は参考にしてください。

ホームヘルパー(訪問介護員)として働いて大変だったこと

ホームヘルパーの仕事をしていて大変だったのは、体力的な負担が大きかったことです。都内で働いていて、利用者さんの自宅までの移動は電動自転車で行っていました。夏は暑い中を移動してから、車いすの介助や入浴介助を行うときもあり、疲労を感じることも少なくありませんでした。
また、利用者さんの自宅の場所や、それぞれの家の物品の位置など、最初は覚えることが多かった印象があります。

ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事で感じたやりがい

私の働いていた訪問介護事業所では、「高齢者の訪問介護」「障がいのある方の居宅介護」「障がいのある子どもの移動支援」という3種類の仕事を行っていました。そのため、さまざまな利用者さんと関わる機会があり、介護職としてスキルを磨けたのが、やりがいの一つでした。

また、利用者さんが「サポートによってより良い生活を送ることができている」と実感したときは嬉しかったです。
ホームヘルパーは、利用者さんのご家族と接することも多くあります。ご家族の介護負担を軽減できることも、ホームヘルパーの大きな魅力です。ホームヘルパーの仕事は大変な面もありますが、利用者さんやご家族から直接「ありがとう」という言葉をいただくことも多い、やりがいのある仕事でした。

ホームヘルパー(訪問介護員)の将来性

ここでは、ホームヘルパーの仕事の将来性について解説します。「ホームヘルパーの仕事の今後は?」と疑問に思っている方はご覧ください。

ホームヘルパー(訪問介護員)は人手不足で転職しやすい

厚生労働省の「新しい複合型サービス(地域包括ケアシステムの深化・推進)」によると、2020年の1ヶ月あたりのホームヘルプサービスの利用者数は、約114万人。2040年には152万人となる見込みです。ホームヘルパーは2040年に28万3000人必要となり、3万2000人増やす必要があります。

2022年時点で、ホームヘルパーの有効求人倍率は15.53倍です。施設介護員の有効求人愛率の3.79倍と比較しても、大幅に不足している状況にあります。

ホームヘルパーは、採用に積極的な職場が増えている売り手市場です。そのため、介護職員初任者研修を取得していれば採用される可能性は高く、転職しやすいでしょう。

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介護報酬改定でホームヘルパーの給与は増加傾向

常勤・月給で働くホームヘルパーの過去3年間の平均給与を確認してみましょう。

調査年月平均給与(月収)
2020年2月306,760円
2021年9月314,590円
2022年9月315,170円

参考:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査結果:令和2年度(p131)令和3年度(p147)令和4年度(p122)

ホームヘルパーの給与は増加傾向にあります。岸田首相も、2022年10月の所信表明演説で介護職員の賃上げの必要性を明言していました。

介護職員の給与は、介護サービスに対して国が支払う介護報酬から賄われています。2024年に介護報酬が改定されるため、2023年9月現在、介護職の給与水準について議論が進められている状況です。ホームヘルパーの給与が気になる方は、今後どのような結論が出るのかをチェックすると良いでしょう。

ホームヘルパーの仕事はAIに代替されにくい

Leverages Medical Careの「きらケア介護白書2022(p42)」によると、ICTや介護ロボットの導入率は介護事業所全体で20.6%です。同調査を見ると、導入機器は見守りセンサーや介助支援ロボットの導入が中心と分かります。現時点ですべての介助を機械に任せている状況ではありません。ICTや介護ロボットを導入する懸念点としては、導入コスト(52.5%)や効果への疑問(31.2%)のほか、事故の危険(21.1%)を挙げる事業所もあります。

訪問介護は、基本的に介助者が1人で利用者に対応するうえ、機械が得意とする単純作業ではないため、監視体制なしに機械にすべてを任せる時代がすぐに訪れることは考えにくいでしょう。
介護職員には、利用者さんの顔色から体調の異変に気づいたり、コミュニケーションを取って精神的なケアを行ったりする役割もあるので、完全に機械が代替するのは難しい仕事です。

ホームヘルパー(訪問介護員)についてよくある質問

ホームヘルパーについてよくある質問に回答するので、「ホームヘルパーってどんな仕事なの?」と疑問に思っている方はチェックしてください。

ホームヘルパーと訪問介護の違いは何?

訪問介護は、介護サービスの種類で、利用者さんの自宅に訪問して生活のサポートを行うことです。ホームヘルパーは、訪問介護を行う人や職種を指す言葉で、介護保険法に基づく正式名称は訪問介護員といいます。

ホームヘルパーとはどんな仕事ですか?

ホームヘルパーとは、介護を必要としている利用者さんの自宅に訪問して、食事や排泄、入浴、移動、家事の介助などを行う仕事です。利用者さんが住み慣れた自宅でその人らしく生活するための支援や、介護に不安のあるご家族の相談対応などを行います。ホームヘルパーの仕事について詳しく知りたい方は、「ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容」を参考にしてください。

まとめ

ホームヘルパーとは、介護を必要とする利用者さんの自宅に訪問して、日常生活のサポートを行う介護職員のこと。主な仕事内容は、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つです。ホームヘルパーになるには、介護の資格が必要となります。

ホームヘルパーとして働くメリットは、自分のライフスタイルに合わせた働き方をしやすいことや、1対1で利用者さんのケアができることです。ただし、スキルに自信がない場合、1人で介護を行うのは責任が重いと感じるかもしれません。ホームヘルパーは、給与額が増加傾向で、AIに代替されにくい仕事なので、将来性があると考えられます。

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執筆者

  • 元介護士ライター

グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。

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※この記事の掲載情報は2024年3月11日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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