介護職の年収はどれくらい?給料アップに有効な方法

介護職の給料 2020年5月18日
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赤いシャツを着た女性がガッツポーズをしている様子

介護職の平均年収はおよそ360万円と、やや低め。ですが、給与額は勤続年数やボーナスの有無、保有資格などに左右されるので一概に高い・低いとは言えません。
このコラムでは、介護職の給与が低いといわれる理由や、年収アップのための具体策を紹介。将来的に介護職の給与がどうなっていくのか、国の施策についても解説していきます。
これから介護業界で働こうと思う方、現在の収入に不満がある方に読んでいただきたい内容です。

目次

介護職の平均年収

資産の増加イメージ

厚生労働省のデータによると、介護職(常勤)全体の月の平均給与は300,970円。この数字に12を掛けて計算すると、年収はおよそ360万円になります。
さらに、年2回・月給2か月分のボーナスが支給される仮定すると、年収は約480万円という計算に。ただし、ボーナスの有無や支給額は事業所によって異なるので注意してください。

以下では、性別や年代ごとの介護職の平均給与をご紹介します。また、参考までに介護現場で働く他職種の平均給与も紹介するのでチェックしてください。(※)。

※すべて月給かつ常勤の場合

施設別の平均給与

介護老人福祉施設(特養) 332,260円
介護老人保健施設(老健) 317,350円
介護療養型医療施設 285,360円
訪問介護事業所  291,930円
通所介護事業所(デイサービス) 262,900円
グループホーム  276,320円

男女別の平均給与

男性 319,730円
女性 291,910円

保有資格別の平均給与

介護職員初任者研修  285,610円
実務者研修  288,060円
介護福祉士 313,920円

勤続年数別の平均給与

1年(勤続1年~1年11か月) 270,740円
2年(勤続2年~2年11か月) 278,550円
3年(勤続3年~3年11か月) 282,700円
4年(勤続4年~4年11か月) 284,300円
5年(勤続5年~5年11か月) 290,400円
6年(勤続6年~6年11か月) 290,950円
7年(勤続7年~7年11か月) 293,120円
8年(勤続8年~8年11か月) 301,120円
9年(勤続9年~9年11か月) 307,930円
10年(勤続10年~10年11か月) 318,470円
11年(勤続11年~11年11か月) 308,640円
12年(勤続12年~12年11か月) 320,680円
13年(勤続13年~13年11か月) 320,120円
14年(勤続14年~14年11か月) 326,100円
15年(勤続15年~15年11か月) 332,200円
16年(勤続16年~16年11か月) 339,980円
17年(勤続17年~17年11か月) 347,470円
18年(勤続18年~18年11か月) 344,360円
19年(勤続19年~19年11か月) 367,410円
20年以上 381,030円

管理職の平均給与

管理職 322,890円
管理職でない介護職員  294,460円

他職種の平均給与

看護職員  372,070円
生活相談員・支援相談員 321,080円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士または機能訓練指導員 344,110円
ケアマネージャー 350,320円
事務職員 307,170円

以上のデータからは、施設形態や性別、保有資格、勤続年数といったさまざまな要因が、給与額に影響していることが分かります。

出典:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2020年5月14日)

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介護職の給与が低い理由

介護士が考えている様子

介護職の給与は他の業界と比べて低いといわれますが、その背景には「介護報酬」の影響があります。

介護報酬とは

介護報酬とは、介護事業所が介護サービスを提供した際に、対価として支払われる報酬を指しています。
介護保険制度では、利用者は介護サービスを受ける際に1~3割を負担。残りの金額は保険者である市町村がサービス事業者に支払う仕組みです。
サービス事業者は、その収入の中から施設の運営費や職員の給料をまかなっています。

介護職の給料が上がりにくい理由

介護報酬の基準額は国によって決められており(’公定価格)、事業者が自由に設定することはできません。そのため、事業所は限られた収入の中から運営費や人件費をやりくりする必要があり、職員の給料を上げにくい状況が発生しています。
介護報酬は3年に1度見直しが行われますが、どのように変更されるかは国の決定次第。国民の負担を考えると、介護報酬の増額は難しいという事情もあります。

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介護職が年収アップを目指す方法

上矢印が書かれた積み木の画像

介護職が年収アップを目指すには、以下のような方法があります。

資格を取得する

介護系の資格を取得することで給与が上がる可能性があります。まだ無資格で働いている人、これから介護の仕事を始める方は、まず介護職初任者研修の取得を目指しましょう。
その次のステップとしては、実務者研修を目指すのが一般的なキャリアのルートです。
勤め先がこれらの資格に対して手当を支給していれば、給与アップがはかれるでしょう。
また、介護未経験の方でも、介護職員初任者研修を修了していると一定のスキルがあることを示せます。

介護職員初任者研修

介護の入門的な資格。これから介護業界に入る人や、介護の仕事を始めたばかりの人が目指す資格です。
介護職員初任者研修の受講に必要な資格は特になく、誰でもチャレンジできます。資格取得には、講座を開講するスクール(もしくは通信講座)に通って、130時間の研修を受けるのが流れ。全課程の修了後に試験がありますが、試験は学習内容を振り返る程度のもので、難易度はそれほど高くありません。

実務者研修

介護職員初任者研修の上位資格で、より高度な介護のスキルを学べます。実務者研修も特別な条件なしで誰でも受講でき、450時間の講義を受けることで資格が得られます。初任者研修と比べると受講時間が長いですが、初任者研修で学んだ科目は免除されるのが特徴です。

介護福祉士になる

資格取得でさらなる給与アップを目指す場合は、最終的に介護福祉士を目指すのがおすすめ。介護福祉士は介護系唯一の国家資格であり、多くの事業所が資格保有者に手当を支給しています。

介護福祉士の取得方法

介護福祉士国家試験に合格することにより資格が得られます。
といっても試験には受験資格があるので、まずは受験資格を満たすことが第一歩。受験資格には、介護福祉士養成施設を卒業する「養成施設ルート」、福祉系高校を卒業する「福祉高校ルート」がありますが、社会人が目指すなら働きながら資格が得られる「実務経験ルート」がおすすめ。
実務経験ルートでは、介護施設で3年以上の経験を積み、かつ実務者研修を修了することで受験資格が得られます。最短でも3年の時間がかかりますが、現場でスキルを積んで収入を得ながら資格取得を目指せるのがメリットです。

管理職を目指す

将来的な年収アップを狙うのであれば、管理職を目指す道もあります。多くの事業所では、施設長やリーダー、サービス提供責任者に対して役職手当などの手当を支給しており、職場でのポジションが上がると年収アップにつながるようです。
先述の厚生労働省のデータによると、管理職と管理職でない職員の平均給与の差はおよそ28,000円。年収にすると30万円以上収入アップできる計算になります。

管理職になるには

施設形態によっては、介護保険法によって管理職になるための要件が定められています。
例えば特養だと、施設長になれるのは「社会福祉事業に2年以上従事した」などの条件を満たす人材。グループホームでは、「3年以上認知症高齢者の介護に従事した」などが管理職の条件となります。
反対に、有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅、デイサービスなどでは、管理職になるのに必要な条件はありません。

将来的に管理職を目指すのであれば、どの施設形態を選ぶのかを考え、必要な条件を満たしましょう。
また、条件が法律で定められていない施設であっても、実際は介護・医療系の有資格者を優先する事業所もあります。さらに管理職は、人柄やマネジメント能力が重視されます。
介護現場で役立つ資格を取得したり、リーダーとして現場をまとめる力をつけたりすると、管理職への道が拓けるのではないでしょうか。
なお、介護業界は他業界からの転職も盛んであり、他業界で培ったスキルを活かして介護施設の管理職として活躍する人もいるようです。

夜勤の回数を増やす

資格や役職以外で今すぐ年収アップを目指すなら、夜勤の回数を増やす方法もあります。夜勤に入ると労働基準法で定められた夜間の割増賃金(午後10時~翌朝5時)が発生するほか、ほとんどの事業所でそれとは別に夜勤手当が支給されます。

夜勤手当の額は事業所によって異なりますが、おおまかな相場の目安は1回5,000円~8,000円ほど。
収入を増やすために夜勤を増やすスタッフもおり、夜勤を専門にする「夜勤専従」という働き方もあります。介護施設には夜勤専従のスタッフを募集する求人も多く、これから就職・転職する方は希望次第で夜勤を中心とした働き方ができるでしょう。

夜勤専従は大変そうに思えるかもしれませんが、勤務日数が少なくなる点と、日勤と夜勤が入り混じった勤務形態に比べて生活リズムが整いやすいのがメリット。
とはいえ、人によっては夜勤は負担が大きい働き方であるため、夜勤の回数は自分の体質や体力を考慮したうえで決めてください。

勤続年数を増やす

介護の仕事を始めたばかりの人は、勤続年数を増やすことが年収アップにつながります。勤め先のキャリアアップ制度が整っていて昇給の見込みがある場合は、資格取得でスキルを磨きつつ、同じ職場で年収アップを目指してはいかがでしょうか。

キャリアチェンジする

介護職としての年収アップに限界を感じる人や、さらに高い水準の収入を得たい場合は、他職種へのキャリアチェンジを考えるのも良いでしょう。
介護職のキャリアチェンジでよくあるのは生活相談員やケアマネージャーで、どちらも介護の経験を活かして働ける職種です。

先ほどご紹介した厚生労働省のデータによると、介護職の平均給与が300,970円であるのに比べて、生活相談員の平均給与は321,080円、ケアマネージャーの平均給与350,320円。生活相談員・ケアマネージゃーにキャリアチェンジした場合、2,0000円から5,0000円近い給与アップが図れる可能性があります。

条件の良い職場に転職する

勤め先の給与が低いと感じる場合や、昇給の望みが薄い場合は、より給与水準が高い施設に転職するのが良いでしょう。
同じ施設形態であっても、給与額やボーナスの有無は事業所によって異なるため、転職によって給与アップすることも可能です。
また、夜勤がなく土日休みが多いデイサービスは平均給与が低く、夜勤がある特養などは平均給与が高い傾向にあります。

転職時のポイント

給与の高い施設を探すには、基本給だけではなく手当や福利厚生に注目しましょう。例えば、基本給が低くても手当が充実している施設は、全体の収入が高くなります。家賃補助などの福利厚生が充実していれば、実質的な収入アップにつながる可能性も。
また、年収を左右する要素として、ボーナスの有無は必ずチェックしましょう。ボーナスは法的な義務ではないので支給がない施設もあります。求人票で前年度の支給実績があるかを確認し、分からなければ面接で質問しましょう。

また、収入面以外でも働きやすい職場を見つけるために確認したいのが、残業時間や有給の取得率など。給料は高くても毎日長時間残業が続く職場では、ワークライフバランスを保つのが難しくなります。

とはいえ、求人票だけで施設の実態を知るのは難しく、勤務時間や給与について直接聞きにくい人も多いでしょう。
そんなときは、介護業界に特化した転職エージェントに相談するのがおすすめです。エージェントは保有する求人の詳しい情報を持っていますし、疑問点があればあなたの変わりに施設に問い合わせてくれます。
また、転職エージェントではカウンセリングや求人提案のほかに、選考対策や施設との条件交渉も対応可能。プロのサポートを受けたい人は、ぜひ利用を検討しましょう。

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介護士の給与アップ方法5選

介護職の給料の今後

外でくつろぐ高齢者と介護士の画像

先ほど、介護職の給与アップは介護報酬の制約があるため難しいと述べました。
しかし、高齢者が増え続ける日本で介護職は非常にニーズが高い存在。国は介護職員の離職を防ぎ、介護業界で働く人の数を増やすため、介護に携わる人の収入アップを図ろうとしています。

将来的にはさらなる処遇改善の可能性がある

介護報酬の増額は簡単ではないものの、国は介護職員の賃金向上を目指して「介護職員処遇改善加算」の制度を導入しました。この制度は、条件を満たした事業所に介護報酬に加算した額を支給するというもの。加算を取得した事業所は、加算額に応じて介護職員の賃金アップを行わなくてはなりません。
加算率はキャリアパス制度や職場改善にどれくらい取り組んでいるかによって変わり、最大で介護職員1人につき37,000円相当が加算される計算です。
さらに、2019年10月には、勤続年数10年以上の介護士の収入を月額平均8万円アップするという「特定処遇改善加算」も打ち出され、国が介護職の賃上げに積極的であることが分かります。

まとめ

電卓の画像

・介護職の平均年収はおよそ360万円
・介護職の給与額は施設形態や資格の有無、性別、勤続年数などによって差が出る
・年収アップには介護職員初任者研修や実務者研修などの資格取得が有効
・特に介護福祉士は手当による収入アップの可能性が高い
・勤続年数を増やす、管理職に就くことでも収入アップが可能
・夜勤を増やすと夜勤手当による収入アップにつながる
・年収を上げるには、ケアマネージャーや生活相談員にキャリアチェンジするのもあり
・今の職場で昇給が期待できないなら、より条件の良い職場に転職しよう
・介護職の給与は国による処遇改善で上がっていくと期待できる

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