処遇改善手当とは?2026年度介護報酬改定でどうなる?加算の要件も解説

介護職の給料 2026年7月9日
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この記事のまとめ

「処遇改善手当って何?自分はもらえるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。介護職員処遇改善手当とは、介護職員の給与アップのために2012年に開始された制度で、給与に上乗せして支給されます。この記事では、介護職員処遇改善手当の仕組みや対象者、算定要件を解説。2026年度介護報酬改定に伴う処遇改善加算の変更点や、手当アップの可能性にも言及するので、介護従事者の方は参考にしてみてください。

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目次

介護職員処遇改善手当とは?

介護職員処遇改善手当とは、介護職員の賃金を改善するために国が作った制度で、2012年に開始されました。処遇改善手当は、介護従事者の給与に上乗せして支給されるのが特徴です。この処遇改善手当の効果もあり、介護職員の給与は年々増加傾向にあります。

介護職員処遇改善手当の仕組み

介護職員等処遇改善手当の仕組みのイメージ

介護職員処遇改善手当は、介護報酬の一種である処遇改善加算から支給されます。処遇改善加算の要件を満たした介護事業所は、介護保険サービスの利用料に処遇改善加算を上乗せして請求。処遇改善加算で事業所に支払われたお金は、介護職員の給与として支払うよう定められています。
つまり、介護事業所が受け取った処遇改善加算が、介護職員の給与や手当として支払われる仕組みです。

なお、2012年に運用が始まった「介護職員処遇改善加算」の制度は、2024年6月施行の介護報酬改定で「介護職員等処遇改善加算」へ移行されました。

介護職員処遇改善加算が創設された理由

介護職員処遇改善加算は、介護業界の人材確保のために創設されました。介護職員の給与水準を上げるとともに、処遇改善加算に要件を設けることで、研修制度やキャリアアップ制度の整備にもつなげています。これまで処遇改善加算を通して、介護職員が長く安定して働ける環境が作られてきました。

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2026年度の介護報酬改定で処遇改善手当はどうなる?

2026年6月施行の介護報酬改定では、介護従事者のさらなる賃金改善に向けた見直しが行われています。具体的には、介護職員等処遇改善加算の加算率の引き上げや、上位区分の新設などが盛り込まれました

介護従事者は月1万円の賃金改善が期待できる

介護職員をはじめとする介護従事者の処遇を改善するため、介護職員等処遇改善加算の加算率が引き上げられます。この改定は、ケアマネジャーや看護職員、事務員などを含む介護従事者全体を対象に、月額1万円の賃上げが可能となる水準です。

介護職員の賃金アップの目標は月1.9万円

今回の報酬改定では、介護職員に対して最大で月1万9,000円の賃上げ実施を目指しています
厚生労働省の「令和8年度介護報酬改定の概要(p.1)」によると、生産性向上に取り組む事業所を評価する処遇改善加算の上位区分が新設されました。ICT活用やケアプランデータ連携システムの導入を行い、新しい加算を取得した場合は、介護職員に対して月額7,000円の賃金アップを図れる水準の措置となります。

先述した加算率引き上げ分の1万円と、生産性向上の7,000円に加え、事業所が2,000円の定期昇給を実施すれば、介護職員に対する月1万9,000円の給与アップを目指すことが可能です。

訪問看護や居宅介護支援が加算の算定対象になる

2026年度の報酬改定における特徴として、処遇改善加算の対象となるサービス区分の拡充が挙げられます。これまで対象外だった「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅介護支援・介護予防支援」も新たに加算の算定対象に加わりました

そのため、訪問看護ステーションの職員や居宅ケアマネジャーなど、これまで処遇改善手当を受け取れなかった介護従事者も、事業所が加算を取得すれば処遇改善手当をもらえる可能性があります。

なお、処遇改善加算の割り振りや手当の支給額は、事業所が取得する加算の区分や、採用する配分ルールによって異なる点にご留意ください
介護報酬改定については、「2026年介護職員の給料は上がる?補正予算や報酬改定について解説!」の記事でも解説しています。

介護職員処遇改善手当をもらえる人

処遇改善手当をもらえる介護従事者は、介護職員等処遇改善加算を取得する事業所で働く職員です。10年以上の経験がある介護福祉士など、スキルの高い介護職員の賃金改善を重視しつつ、介護職員を含む介護従事者に幅広く支給されます。
以前は介護職員を主な支給対象としていましたが、2026年度の報酬改定により、ケアマネジャーや生活相談員などの他職種も明確に対象の職種として位置づけられました。

なお、パートや派遣として働く方ももらえる可能性が高いでしょう。支給金額や配分のルールを決めるのは介護事業所ですが、一部の職員に処遇改善手当を集中して支給することは認められておらず、職務や勤務実態に応じて配分する必要があります。

介護職員処遇改善手当をもらえない人

処遇改善手当は、介護事業所で働けば誰でも支給されるわけではありません。職場である介護事業所が「介護職員等処遇改善加算」を取得していない場合、処遇改善手当はもらえないでしょう。具体的には、下記に該当する人などです。

介護職員等処遇改善加算の対象外のサービスに携わる人

働く介護事業所が介護職員等処遇改善加算の算定対象ではない場合、基本的に処遇改善手当はもらえません。

厚生労働省の「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)(p.18)」によると、以下の介護保険サービスは、介護職員等処遇改善加算の対象外です(2026年6月以降)。

  • (介護予防)福祉用具貸与
  • 特定(介護予防)福祉用具販売
  • (介護予防)居宅療養管理指導

2026年度の介護報酬改定によって処遇改善加算の対象となるサービスは増えたものの、福祉用具貸与・販売と居宅療養管理指導は含まれません

介護業界で転職する際は、処遇改善手当を含めた給与を確認しておくのがおすすめです。求人票に手当について記載されていることもあるので、しっかり把握しておきましょう。

介護職員等処遇改善加算を取得しない事業所で働く人

処遇改善加算の対象となる介護サービスに携わる場合であっても、職場が介護職員等処遇改善加算を取得していなければ、介護職員処遇改善手当をもらえません。事務作業の煩雑さなどを理由に、処遇改善加算を算定しない介護事業所もあります。

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.38)」によると、2024年度における介護事業所ごとの処遇改善加算の取得率は以下のとおりです。

介護事業所・施設の分類介護職員処遇改善加算の取得率
介護事業所全体95.5%
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)99.6%
介護老人保健施設98.8%
介護医療院91.5%
訪問介護事業所96.3%
通所介護(デイサービス)94.3%
通所リハビリテーション(デイケア)78.7%
特定施設入居者生活介護事業所99.5%
小規模多機能型居宅介護事業所99.0%
認知症対応型共同生活介護事業所
(グループホーム)
99.7%

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.38)

対象となる介護事業所の95%以上が、処遇改善加算を取得しています。しかし、デイケアや介護医療院など、処遇改善加算の加算率が低い介護施設は、ほかの事業所よりも処遇改善加算の取得に消極的なようです。

事業所が介護職員等処遇改善加算を取得するには要件を満たさなくてはなりません。詳しくは、この記事の「事業所が介護職員等処遇改善加算を取得する要件」で後述します。

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介護職員等処遇改善加算の対象職員は?配分ルールや要件、旧加算との違い

介護職員処遇改善手当はどうやって支給される?

厚生労働省の「令和8年度介護報酬改定の概要(p.3)」によると、介護職員等処遇改善加算は、加算IV相当額の2分の1以上が、基本給または毎月支払われる手当として配分されます。以前は、一時金やボーナスとして支給することも可能でしたが、介護従事者の基本給アップを目的に、一定の金額以上は月々の給与に上乗せして支給するようルールが見直されました。

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介護職員処遇改善手当をもらえないときの対処法

介護職員等処遇改善加算は、介護従事者の処遇改善のために支給されるお金です。そのため、加算を取得しているにもかかわらず、処遇改善以外の目的にお金を使用するのは「不正請求」にあたります

「支給対象なのに給与に反映されていない」という場合は、まず自分の勤務先が処遇改善加算の要件を満たしているか確認しましょう。自分の職場が加算を取得しているかどうかは、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で介護事業所を検索するとチェックできます。

処遇改善加算の細かい配分ルールは事業所が独自に決められるので、どのような方法・条件で職員に分配しているかを責任者に確認してみてください。納得のいく説明を受けられない場合は、事業所に異議を申し立てることを検討しましょう。それでも改善しないときは、弁護士に相談するか、処遇改善に積極的な事業所へ転職すると良いかもしれません。

事業所が介護職員等処遇改善加算を取得する要件

令和8年度介護報酬改定の概要(p.3)のイメージ

引用:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要(p.3)

介護事業所は、取得する処遇改善加算に応じた要件を満たす必要があります。2026年度介護報酬改定では、上乗せ加算の創設に伴い、時限的な特例措置の要件として「令和8年度特例要件」が追加されました。2027年度には介護報酬の定期改定が行われる予定なので、その際に加算制度が整理される可能性があります。

なお、訪問看護や居宅介護支援などの新たに対象となったサービスの加算の取得要件は、「令和8年度特例要件」もしくは「処遇改善加算IVの取得に準ずる要件」を満たすことです。

ここでは、介護職員等処遇改善加算の「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」「令和8年度特例要件」について解説します。続いて、「介護職員等処遇改善加算の種類」の項目では、加算区分ごとの要件をご紹介するので、参考にしてみてください。

介護職員等処遇改善加算の「キャリアパス要件」

介護職員等処遇改善加算の算定要件の一つである「キャリアパス要件」は、I~Vの5段階に分かれています。キャリアパス要件I・IIは基本的な内容で、III~Vはより高度な要件です。

キャリアパス要件I:任用要件・賃金体系

介護職員等処遇改善加算のキャリアパス要件Iは、任用要件や賃金体系の整備を求める内容です。
厚生労働省の「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)(p.5)」によると、以下の3つの条件をすべてクリアすることで、キャリアパス要件Iを満たせます

  • 1.職位・職責・職務内容に応じた介護職員の任用要件を整備する
  • 2.職位・職責・職務内容に応じた賃金体系を定める
  • 3.任用要件や賃金体系を、就業規則などによりすべての介護職員に周知する

仕事を適切に評価する制度を整備することが、キャリアパス要件Iです。

なお、2026年度は経過措置が設けられています。申請時点で「令和8年度特例要件」を満たし、上記要件を2027年3月末までに満たすことを誓約する事業所に限り、要件を満たす前から加算を取得可能です。誓約を行った後は、期限までに要件の整備を進め、実績報告書にて報告する必要があります。

キャリアパス要件II:研修の実施等

研修の実施等を求める「キャリアパス要件II」をクリアするためには、次のどちらかを満たす必要があります

  • スキルアップための計画をもとに、研修の提供や技術指導を行うとともに、介護職員の能力を評価する
  • 資格取得のために、シフト調整や費用補助などの支援を行う

介護職員の仕事内容を加味したうえで、意見交換をしながら、研修の提供や資格取得支援を行うことが、キャリアパス要件IIです。また、介護職員に職場の取り組みを周知することも求められます。なお、キャリアパス要件IIにも、キャリアパス要件Iと同様の経過措置が適用されます。

キャリアパス要件III:昇給の仕組み

介護職員等処遇改善加算のキャリアパス要件IIIは、次の3つのいずれかを満たすことです。

  • 勤続年数や経験年数に応じて昇給する仕組みを整備する
  • 取得した資格に応じて昇給する仕組みを整備する
  • 実技試験や人事評価など、客観的な基準に基づいて昇給する仕組みを整備する

昇給の仕組みを整えて介護職員に周知すれば、キャリアパス要件IIIをクリアできます。キャリアパス要件IIIも、キャリアパス要件I・IIと同様の経過措置の対象です。

キャリアパス要件IV:改善後の賃金額

キャリアパス要件IVは、「処遇改善加算によって年収が440万円以上になる介護職員が1人以上いること」です。この条件を満たせなくても、以下のいずれかに該当するなど合理的な理由を説明できる場合は、例外として加算を取得できる可能性があります。

  • 事業所が小規模で職種間の賃金バランスへの配慮が必要
  • 職員全体や地域の賃金水準が低く、すぐに年収を440万円まで引き上げるのが困難
  • 年収440万円の賃金改善を行うために、ルールの整備や研修・実務経験の蓄積などに時間がかかる

上記のような合理的な理由がある場合は適用が免除されますが、基本的には「介護職員1人以上の年収を、全産業の平均レベルである440万円まで引き上げること」が要件です。キャリアパス要件IVにも、キャリアパス要件I~IIIと同様の経過措置が適用されます。

キャリアパス要件V:介護福祉士等の配置

提供する介護サービスに応じた人数の介護福祉士を配置すれば、キャリアパス要件Vを満たせます。基本的には、以下のいずれかの加算を取得することが要件です。

  • 特定事業所加算IもしくはII
  • サービス提供体制強化加算IもしくはII
  • サービス提供体制強化加算IIIのイ・ロ(地域密着型通所介護)
  • 入居継続支援加算IもしくはII
  • 日常生活継続支援加算IもしくはII

訪問介護事業所の「特定事業所加算」や、介護施設の「サービス提供体制強化加算」を算定する人員を確保できていれば、キャリアパス要件Vを満たせるでしょう。

介護職員等処遇改善加算の「月額賃金改善要件」

月額賃金改善要件は、「介護職員等処遇改善加算IVの加算額の2分の1以上を、基本給または毎月支払う手当に充てること」です。
処遇改善加算を算定する事業所は、加算IVで見込まれる金額の半分以上を、ボーナスではなく毎月の基本給や決まった手当に充てる必要があります。なお、すでにこの条件を満たしている場合、新たに賃金総額を増やさなくても問題ありません。

介護職員等処遇改善加算の「職場環境等要件」

職場環境等要件は、次の6つの区分に分かれています。

  • 入職促進に向けた取組
  • 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
  • 両立支援・多様な働き方の推進
  • 腰痛を含む心身の健康管理
  • 生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組
  • やりがい・働きがいの醸成

介護職員が定着するための取り組みを処遇改善加算の算定要件にすることで、職場環境の改善を図っているようです。

上記の6つの区分は、それぞれさらに4項目(生産性向上は8項目)に分かれており、介護職員等処遇改善加算を取得するためには、区分ごとに1~2つの取り組みを行う必要があります

なお、2026年度に関しては、上記の職場環境等要件を満たしていなくても、満たす予定であれば加算の算定が可能です。申請時点で「令和8年度特例要件」を満たしており、上記の要件を年度末までに満たすことを誓約すれば、加算を取得できます。加算の取得開始後に、実際に算定要件に該当する取り組みを行い、実績を報告することも必要です。

令和8年度特例要件

令和8年度特例要件とは、生産性向上や協働化に関する条件のこと。介護職員等処遇改善加算の上乗せ区分である加算I(ロ)・II(ロ)を算定したり、経過措置のルールを適用したりするための要件です。以下の3つのうちいずれか1つを満たせば、令和8年度特例要件をクリアできます。

  • 1.ケアプランデータ連携システムの利用
  • 2.生産性向上推進体制加算IまたはIIの算定
  • 3.社会福祉連携推進法人への所属

上記1と2の令和8年度特例要件は、申請時点で未対応であっても、今後対応することを誓約すれば要件を満たしたとみなされます。この経過措置を利用する場合、2027年3月末までに実際に対応し、その実績を報告しなければなりません。

なお、訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援・介護予防支援を提供する事業所は、生産性向上推進体制加算の算定対象外です。そのため、令和8年度特例要件は、「ケアプランデータ連携システム利用」「社会福祉連携推進法人に所属」のいずれかとなります。

介護職員等処遇改善加算の種類

令和8年度介護報酬改定の概要(p.1)のイメージ

引用:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要(p.1)

介護職員等処遇改善加算は、I~IVに上乗せ加算を加えた6段階に分かれており、加算I(ロ)が最上位となっています。より多くの要件を満たして上位の加算を取得すれば、加算額が多くなる仕組みです。

介護職員等処遇改善加算I(イ・ロ)

介護職員等処遇改善加算I(イ)を取得するためには、以下のすべての条件をクリアする必要があります。

事業所にスキルのある職員を充実させることが、介護職員等処遇改善加算Iの目的です。処遇改善加算Iを取得する事業所は、加算率が高いことに加え、介護福祉士を一定数以上配置しています。そのため、職員の給与改善が進んでいたり、質の高い介護サービスを提供していたりする可能性が高いでしょう。

なお、令和8年度特例要件を満たすことで、上乗せ区分である「介護職員等処遇改善加算I(ロ)」を算定できます。

介護職員等処遇改善加算II(イ・ロ)

介護職員等処遇改善加算II(イ)を取得するためには、以下のすべての条件をクリアする必要があります。

  • キャリアパス要件I~IVを満たす
  • 月額賃金改善要件を満たす
  • 職場環境等要件の6つの区分ごとに、それぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上、そのうち一部は必須)の取り組みを行う
  • 職場環境等要件を満たすための取り組みの内容を、具体的に公表する

介護職員等処遇改善加算IIは、前述の処遇改善加算Iからキャリアパス要件Vを除いた要件となっています。職場環境の改善を行い、職員の定着を図ることが、処遇改善加算IIの目的です

なお、「令和8年度特例要件」を満たすことで、上乗せ区分である「介護職員等処遇改善加算II(ロ)」を算定できます

介護職員等処遇改善加算III

介護職員等処遇改善加算IIIを取得するためには、以下のすべての条件をクリアする必要があります。

  • キャリアパス要件I~IIIを満たす
  • 月額賃金改善要件を満たす
  • 職場環境等要件の6つの区分ごとに、それぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)の取り組みを行う

介護職員等処遇改善加算IIIは、職場環境等要件を比較的満たしやすく、上位の加算よりも取得のハードルが低くなっています。資格や経験に応じて給与が上がる環境を整備することが、処遇改善加算IIIの目的です。

介護職員等処遇改善加算IV

介護職員等処遇改善加算IVを取得するためには、以下のすべての条件をクリアする必要があります。

  • キャリアパス要件I・IIを満たす
  • 月額賃金改善要件を満たす
  • 職場環境等要件の6つの区分ごとに、それぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)の取り組みを行う

キャリアパス要件を比較的満たしやすいのが、介護職員等処遇改善加算IVの特徴です。処遇改善加算IVは、介護職員が安心して働ける職場環境の整備や、ベースアップを目的としています。

介護職員等処遇改善加算の計算方法

介護事業所がどれくらいの処遇改善加算をもらっているかは、次の式で算出できます。

  • 事業所の介護報酬(処遇改善加算分を除く)×処遇改善加算の加算率=加算見込み額

介護職員等処遇改善加算の加算率は、介護サービスごとに異なります。また、介護職員等処遇改善加算は、上位の加算になるほど加算率が高くなる仕組みです。加算率の高い事業所で働く介護職員は、もらえる処遇改善手当の金額が高い傾向にあると考えられます。

サービス区分加算I(イ)加算I(ロ)加算II(イ)加算II(ロ)加算III加算IV
訪問介護27.0%28.7%24.9%26.6%20.7%17.0%
夜間対応型訪問介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護26.7%27.8%24.6%25.7%20.4%16.7%
訪問入浴介護12.2%13.3%11.6%12.7%10.1%8.5%
通所介護(デイサービス)11.1%12.0%10.9%11.8%9.9%8.3%
地域密着型通所介護11.7%12.7%11.5%12.5%10.5%8.9%
通所リハビリテーション(デイケア)10.3%11.1%10.0%10.8%8.3%7.0%
(地域密着型)特定施設入居者生活介護14.8%15.9%14.2%15.3%13.0%10.8%
認知症対応型通所介護21.6%23.6%20.9%22.9%18.5%15.7%
小規模多機能型居宅介護17.1%18.6%16.8%18.3%15.6%12.8%
看護小規模多機能型居宅介護16.8%17.7%16.5%17.4%15.3%12.5%
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)21.0%22.8%20.2%22.0%17.9%14.9%
(地域密着型)介護老人福祉施設・短期入所生活介護16.3%17.6%15.9%17.2%13.6%11.3%
介護老人保健施設・短期入所療養介護 (介護老人保健施設)9.0%9.7%8.6%9.3%6.9%5.9%
介護医療院・短期入所療養介護 (介護医療院)・短期入所療養介護(病院等)6.2%6.6%5.8%6.2%4.7%4.0%

参考:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要(p.2)

介護に関する高い専門性が必要な訪問介護や認知症対応型の施設は、処遇改善加算の加算率が高いようです。一方、医療職が多く活躍する施設は、処遇改善加算の加算率が低い傾向にあります。

ただし、介護職員の給与は、処遇改善手当だけではなく、夜勤の有無や労働時間などによっても変わるので、加算率の良い介護施設だからといって給与が高いとは限りません
介護職員の給与について知りたい方は、「介護士(介護職員)の給料は?平均給与や年収アップの方法、処遇改善の状況」の記事も参照してみてください。

下記の表は、新たに処遇改善加算の対象となった「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅介護支援・介護予防支援」の加算率です。

サービス区分介護職員等処遇改善加算(新設)
訪問看護1.8%
訪問リハビリテーション1.5%
居宅介護支援・介護予防支援2.1%

参考:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要(p.2)

新設されたサービス区分のなかでは、居宅介護支援・介護予防支援の加算率が最も高い2.1%です。ケアマネジャーは人材不足が深刻で、「業務範囲の広さに給与が見合っていない」という声が多かったため、加算率が高く設定された可能性があります。

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介護事業所が職員に処遇改善手当を支給する流れ

介護事業所が職員に処遇改善手当を支給する流れは、下記のとおりです。

  • 1.処遇改善計画書を作成し、加算を算定する月の前々月の末日までに自治体に提出する(処遇改善計画書と根拠資料は2年間保存)
  • 2.サービスごとに定められた期限内に体制届出を行う
  • 3.処遇改善加算を算定する
  • 4.職員に処遇改善手当を支給する
  • 5.実績報告書を作成し、各事業年度における最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日までに、自治体に提出する(実績報告書と根拠書類は2年間保存)

介護事業所は、処遇改善計画書などの書類を自治体に提出することで、介護職員等処遇改善加算を取得できます。処遇改善加算を受給した後は、介護従事者に分配し、実績報告書を作成・提出するのが基本の流れです。

「介護職員等処遇改善加算」の前身の処遇改善手当

2024年5月までは、「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」という3つの処遇改善加算がありました
介護職員の処遇改善は段階的に行われたので、加算の種類が増えて徐々に制度が複雑に。制度を整理して加算を算定しやすくするために、2024年6月に「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。

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介護職員等特定処遇改善加算とは?算定要件や実績、廃止後の新制度を解説!

処遇改善手当は今後なくなる?

厚生労働省の「我が国の人口について」によると、「2040年には、65歳以上が日本の全人口の35%となる」と推計されています。このことから、今後ますます介護サービスの需要は増えていく見込みです。需要増加に合わせて介護従事者を確保するためにも、今後も処遇改善は続くと考えられます

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処遇改善手当に関するよくある質問

ここでは、介護職員処遇改善手当についてよくある質問に回答します。「処遇改善手当をどれくらいもらえるのか知りたい」という方は参考にしてみてください。

処遇改善手当がもらえる条件は?

介護従事者が処遇改善手当をもらうには、勤務先が国の定める職場環境などの要件を満たし、処遇改善加算を算定しなくてはなりません。どのように加算を配分するかは事業所によって異なりますが、経験豊富な介護職を中心に、介護従事者に幅広く配分されます。「勤務時間が短いから自分はもらえない?」といった疑問がある方は、上司に確認してみると良いでしょう。
この記事の「事業所が介護職員等処遇改善加算を取得する要件」で、加算の算定要件を詳しく解説しているので、気になる方はご覧ください。

介護職員等処遇改善手当はいくらもらえる?

介護職員等処遇改善手当をいくらもらえるかは、携わるサービスや算定する加算の種類、職員間の配分ルールなどによって決まるので、職場によって異なります。月の処遇改善手当の支給額や、時給にいくら上乗せされるのかは、求人票などに記載されている場合もあります。職場ごとに、職種や保有資格に応じた支給額のルールがある場合が多いため、気になる方は確認しておくと良いでしょう。

処遇改善加算をピンハネされる可能性はない?

介護事業所が処遇改善加算として得た収入は、介護職員等の賃金改善に使うよう定められています。処遇改善の金額や支給方法は自治体に報告する必要があるので、処遇改善加算を事業所が回収することはないでしょう。また、処遇改善加算は、介護従事者の給与アップを目的として支給されるため、「原則として加算以外の部分で賃金水準を引き下げない」という規定もあります。
処遇改善手当の支給のルールが知りたい方は、この記事の「介護職員処遇改善手当をもらえる人」をご覧ください。

保育士の処遇改善手当とは?

保育士に処遇改善手当を支給するための制度として、認可保育園を対象とする「処遇改善等加算」があります。処遇改善等加算は、「区分1(基礎分)」「区分2(賃金改善分)」「区分3(質の向上分)」の3段階です。区分1と区分2は、非正規雇用を含む施設全体の職員が広く対象です。一方、区分3は技能や経験のある役職者(リーダー層)などが主な対象となっています。
近年は共働き世帯やひとり親世帯が多く、保育士の需要が高いため、人材確保のために処遇改善に関する制度が設けられているようです。

まとめ

介護職員処遇改善手当とは、介護職員の賃金を改善するために国が作った制度です。
2026年度の介護報酬改定により、支給対象がケアマネジャーや生活相談員などを含む「介護従事者全体」へと本格的に拡大されました。また、ICT活用などを評価する上位区分が新設されたことで、より多くの職員にとって手当アップの可能性が広がっています。

介護職員等処遇改善加算の算定要件は、「キャリアパス要件I~V」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」などです。満たす要件によって、加算I~IVのどの区分を取得できるかが決まります。最も加算率が高いのは、介護職員等処遇改善加算I(ロ)です。

加算の取得や細かい配分ルールは、各事業所の判断に委ねられています。収入安定を図るには、自身の勤務先がどの区分の加算を算定し、どのようなルールで配分しているのか把握しておくことが重要です。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2026年7月9日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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