介護職員処遇改善加算って何?という方に!わかりやすく簡単に解説します!

介護職の給料 2020年3月31日
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車椅子を押す介護士のイメージ

超高齢社会の日本では、今後ますます介護職のニーズが非常に高まってきます。
しかし、介護業界の仕事はキツイ、大変、給料が低い、といったイメージがあり、介護人材の確保が難航しているのが現状です。
そこで、これからの日本を支えるためにどうにかしなければならないと、国が作ったのが「介護職員処遇改善加算」という制度。
なんだか難しそうという方のために、こちらでわかりやすく説明していきます。

目次

介護職員処遇改善加算とは

介護士と車椅子に乗った高齢者のイメージ

そもそも介護職員処遇改善加算とは、簡単に言うと「キャリアアップの仕組みを作ったり、職場環境の改善を行ったりした介護施設や事業所に、報酬という形で介護職の給与を上げるためのお金を支給する」という制度です。
これから介護業界で働こうと思っている人、現在介護職として活躍している人は、ぜひ知っておきましょう。

厚生労働省によると、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、約245万人の介護職が必要になると見込まれています。
しかし、介護職は体力を使うキツイ仕事で、大変な割には給料が低いというマイナスイメージがあり、なかなか介護職員の定着が進んでいないのが現状です。
そこで国は、深刻な介護人材不足を打開するためには、介護職を目指す人を増やすだけでなく、今働いている人の定着率を上げる必要があると考えました。
そうしてできたのが、介護職の給料アップ、やりがいを持てる職場づくりを促進する介護職員処遇改善加算という制度です。

この制度が功を奏し、厚生労働省の調査では、全国の介護事業所のうち、約9割が介護職員処遇改善加算を取得しています。
現在、介護職として働いている方たちのほとんどが、介護職員処遇改善加算による給料アップを受けている、ということです。

介護職員処遇改善加算の流れ

流れとしては、まず介護事業所が、介護職員のキャリアアップや職場環境を改善するための計画を立てます。
次にその計画を実施し、都道府県や市町村などの自治体に報告書を提出。そして、介護職員のためになる取り組みを行っていると認められた事業所に、介護報酬として「給料の上乗せ費用」が支給されます。
その後、事業所が介護職員処遇改善手当を職員に支給することで、給料アップとなる、という仕組みです。
その結果、介護業界は年々、平均給与額が増加傾向にあります。

ちなみに、介護職員処遇改善加算で事業所が取得したお金は、介護職員に賃金として還元することが義務付けられています。事業所は自治体に「介護職員処遇改善実績報告書」を提出しなければならず、不正はできないようになっているので安心です。

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介護職員処遇改善加算を取得するための条件

チェックボックスのイメージ

介護職員処遇改善加算を取得するためには、下記の条件を満たす必要があります。

キャリアパス要件

Ⅰ…職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をする

簡単に言うと、役職や給与体系を明確にし、キャリアの仕組みをわかりやすくする、ということです。
介護主任や介護リーダーなどの役職に就いた時の給料はどれくらいになるのか、といったことを職員全員が把握できるようにします。
そうすることで、介護職員が将来設計しやすくなるのがポイントです。

Ⅱ…資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設ける

わかりやすく言うと、職員に合った研修を行い、介護職のスキルアップを図るということです。
例えば、新入職員には基本的なマナー研修や防災対策研修、入職して数年経った職員には現場で必要な医療の知識などを学ぶ研修、資格取得支援講座などを実施。
研修にかかる費用や、資格に取得にかかる費用も事業所が援助するなどしています。

Ⅲ…経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設ける

詳しく説明すると、何年働けば昇給する、資格を取得すれば昇給するといった、昇給に関する仕組みを用意する、ということです。
昇給を判定する明確な仕組みがあれば、介護職員を平等に評価できるようになります。
また、昇給の仕組みが分かれば、将来の自分の姿を想像しやすくなり、仕事に対するやる気もアップするでしょう。

職場環境等要件

・賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施する

具体例としては、多くの介護職員が悩んでいる腰痛を少しでも緩和させるために、介護ロボットやリフトを導入することなどが挙げられます。
他には子育てしながら働く人のために、育児休業制度を設けたり、保育所を設置したりするところもあるようです。

上記の要件を満たせば、介護職員処遇改善加算を受け取れます。
要件を多く満たしている事業所ほど加算率が高くなっているのが特徴です。

介護職員処遇改善加算の区分

書類を記入しているイメージ

介護職員処遇改善加算の額は、どの区分の要件を満たしているかによって異なります。
そのため、どの施設や事業所でも同じ金額が支給される、ということはありません。
こちらでは、介護職員処遇改善加算の区分についてご紹介します。

処遇改善加算Ⅰ

キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの全て+職場環境等要件を満たす=介護職員1人当たり月額37,000円相当

処遇改善加算Ⅱ

キャリアパス要件Ⅰ及びⅡ+職場環境等要件を満たす=介護職員1人当たり月額 27,000円相当

処遇改善加算Ⅲ

キャリアパス要件ⅠまたはⅡ+職場環境等要件を満たす=介護職員1人当たり月額15,000円相当

処遇改善加算Ⅳ

キャリアパス要件ⅠまたはⅡ、または職場環境等要件のいずれかを満たす=介護職員1人当たり月額13,500円相当

処遇改善加算Ⅴ

キャリアパス要件ⅠとⅡ、職場環境等要件のいずれも満たさない=介護職員1人当たり月額 12,000円相当

ⅣとⅤは廃止が決まっている

2018年の介護報酬改定により、処遇改善加算のⅣとⅤは廃止することが決定しています。
経過措置期間を設けた上で廃止するようですが、経過措置期間の終了日ははっきりしていません。
廃止する理由としては、ⅣとⅤに当てはまる事業所の割合が少ないことと、加算制度をシンプルにしたいことが挙げられています。

介護職員処遇改善加算の計算方法

電卓のイメージ

加算見込み額の計算式は、以下のようになります。

各事業所の介護報酬(処遇改善加算分を除く)×サービス別の加算率=加算見込み額

サービス別加算率とは、介護サービスごとに設定された、介護職員処遇改善加算の加算率です。
たとえば同じ加算Ⅰを取得しても、事業所によって加算率は異なります。

サービス別の加算率

訪問介護 加算Ⅰ 13.7% 加算Ⅱ 10.0% 加算Ⅲ 5.5%
通所介護 加算Ⅰ 5.9% 加算Ⅱ 4.3% 加算Ⅲ 2.3%
グループホーム 加算Ⅰ 11.1% 加算Ⅱ 8.1% 加算Ⅲ 4.5%
介護老人福祉施設(特養) 加算Ⅰ 8.3% 加算Ⅱ 6.0% 加算Ⅲ 3.3%
介護老人保健施設(老健) 加算Ⅰ 3.9% 加算Ⅱ 2.9% 加算Ⅲ 1.6%

特定処遇改善加算との違い

ガッツポーズをしている介護士のイメージ

特定処遇改善加算とは、2019年10月に新設された制度です。
介護業界には「長い間1つの事業所で働いてもなかなか給料がアップしない」というイメージもあり、リーダー職の定着が問題視されていました。
そこで、国が「勤続10年以上の介護福祉士に対して、月8万円相当の処遇改善を実施する」という方針に基づき、作ったのが特定処遇改善加算(介護職員等特定処遇改善加算)です。
前述した介護職員処遇改善加算と別物というわけではなく、上乗せする形で支払われます。

特定処遇改善加算がもらえる人

特定処遇改善加算は、介護職員全般を対象とした従来の処遇改善加算とは違い、経験・技能のある介護職員を対象としています。
経験・技能のある介護職員とは、基本的に勤続10年以上の介護福祉士を指しますが「勤続10年以上」というのは、あくまでも指針。必須事項ではありません。
そのため、同じ職場で10年以上働いていなくても、他の法人や事業所での経験が認められたり、持つスキルが評価されたりすれば対象に入ります。
また、該当する人材がいない場合は、その他の介護職員や職種であっても、事業所の裁量により加算対象とされているようです。

特定処遇改善加算を取得するための条件

・介護職員処遇改善加算の、加算ⅠからⅢのいずれかを取得している
・介護職員処遇改善加算の職場環境等要件を満たしている
・介護職員処遇改善加算に関する取り組みをホームページなどに掲載し、見える化を行っている

介護職員処遇改善加算はどのような形でもらえるのか

考えている介護士のイメージ

介護職員処遇改善加算の支給方法は特に決まっていません。
施設や法人によって異なり、毎月給与に上乗せして支払われることもあれば、ボーナスとして支払われることもあります。
介護職員処遇改善加算の目的は、介護職員の待遇を改善することなので「収入が増える」という目的さえ果たすことができれば、その方法は自由なのだそうです。

パートや派遣社員でも貰える

介護職員処遇改善加算の対象は「実際に介護業務を行っている人」とされているので、雇用形態や資格の有無は問いません。つまりパートや派遣社員でも、給料アップを期待できるということです。

支給する額は独自で決めて構わない

介護職員処遇改善加算は、対象職員の中から誰に支給するかや、どれだけ支給するかの裁量は法人や事業所に委ねられています。つまり、給料が増えるかどうかは、事業所次第になる、ということです。なぜなら介護職員処遇改善加算は「支給されたお金はすべて介護職員に還元する」と定められてはいますが、「均等に支給しなければならない」「介護職員全員に支給しなければならない」という決まりはありません。
そのため、職員によっては支給額に差があったり、1円も支給されない職員がいたりすることもあるということです。

もらえない事業所もある

バツの札を持つ手のイメージ

介護職員処遇改善加算は、介護職のみを対象としている制度です。そのため、訪問看護や福祉用具貸与、介護予防などで働く人は対象外となります。

対象外の事業所

・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・福祉用具貸与
・特定福祉用具販売
・居宅療養管理指導
・居宅介護支援
・介護予防支援

また、ケアマネージャーや生活相談員、事務員、調理師など、直接介護に携わらない職員も対象外です。そのため、法人代表者や施設管理者、サービス管理責任者も加算の対象外となります。

まとめ

・介護業界の給料は、介護職員処遇改善加算のおかげで年々増えている
・介護職員処遇改善加算は要件を多く満たしている事業所ほど加算率が高くなっている
・介護職員処遇改善加算の額は、どの区分の要件を満たしているかによって決まる
・特定処遇改善加算は介護職員処遇改善加算に上乗せして支給される
・事業所によって支給方法が異なり、人によって支給額に差が出ることもある
・対象外の事業所や役職もあるのでしっかり把握しておくことが大切

介護職員処遇改善加算は、介護職として働く人の給料に大きく関わる制度です。
この制度が導入されてから、介護業界の給料や職場環境は徐々に改善されつつあります。
介護職員処遇改善加算をたくさんもらえる職場は働きやすいということなので、これから介護求人を探す際は、加算の区分の高さをポイントにしてみるといいでしょう。

「介護人材の処遇改善について」

出典:厚生労働省「介護職員処遇改善加算のご案内」(2020/03/25)
厚生労働省「介護人材の処遇改善について」(2020/03/25)

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