介護職員処遇改善加算の対象職員とは?誰の給料がアップするのか解説します

仕事 2020/06/30
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介護職員処遇改善加算は、介護職員の給料をアップさせるために作られた制度です。「介護職員処遇改善加算が適用されるのはいったい誰なのか?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。そこで、当コラムでは介護職員処遇改善加算の対象職員について解説。誰がもらえるのか、どんな条件があるのか、特定処遇改善加算との違いなど、わかりやすくお教えします!

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【目次】


介護職員処遇改善加算の対象職員とは
そもそも介護職員処遇改善加算とは
介護職員処遇改善加算に必要な要件
介護職員処遇改善加算の区分
介護職員処遇改善加算の計算方法
特定処遇改善加算との違い
特定処遇改善加算のルール
介護職員処遇改善加算がもらえない場合
まとめ


介護職員処遇改善加算の対象職員とは



手を取る高齢者とスタッフの画像

介護職員処遇改善加算の対象は、介護サービスに従事する介護職員とされています。
具体的な対象職員は、以下の通りです。

・介護職員
・ホームヘルパー(サービス提供責任者を含む)
・生活支援員
・児童指導員
・指導員
・保育士
・訪問支援員
・世話人
・職業指導員
・地域移行支援員
・就労支援員
・目標工賃達成指導員

介護職員処遇改善加算は、介護職に携わる職員だけでなく、障害福祉サービスなどに従事する職員も対象としています。
なお、サービス提供責任者は介護職員処遇改善加算の対象に含まれますが、管理者やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、ケアマネージャーは加算の対象外です。
ただし、上記の職種と兼務する場合は、介護職員処遇改善加算の対象に含まれます。

出典:厚生労働省「福祉・介護職員処遇改善(特別)加算を算定される事業者の方へ」(2020/06/18)

パートでももらえる?



介護職員処遇改善加算の対象職員に、雇用形態や資格の有無は問われません。
そのため、パートや派遣社員でも、介護職員処遇改善加算の対象職員に含まれるということです。
「扶養の範囲内で働いているパートでももらえるのか?」と気にしている方がいるようですが、家族の扶養に入っていても介護職員処遇改善加算は適用されます。
ただし、昇給により扶養の枠を超えないよう勤務時間を調整する必要性があるので、気になる方は、勤め先の事業所に直接確認してみると良いでしょう。

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そもそも介護職員処遇改善加算とは



電卓のイメージ

介護職員処遇改善加算は、介護業界の人材不足を解消するために創設されました。
簡単に言うとやりがいを持てる働きやすい職場作りを促進し、介護職の給料をアップするという制度です。
厚生労働省の調査によると、現在、全国の介護事業所のうち約9割が介護職員処遇改善加算を取得しています。
介護職として働いている方の殆どが介護職員処遇改善加算による給料アップの恩恵を受けており、介護職員の給料が平均で1万円以上もアップしているそうです。

介護職員処遇改善加算の背景



厚生労働省によると、2025年には約245万人の介護職員が必要になると推計されています。
しかし、介護職は身体的・精神的に負担が大きい仕事で、大変な割には給料が低いということから、なかなか介護職員の定着が進んでいないのが現状です。
そこで国は、深刻な介護人材不足を打開するために、介護職を目指す人を増やすだけでなく、今働いている人の定着率向上を図る必要があると考えました。
そうしてできたのが、キャリアアップの仕組みを作ったり、職場環境の改善を行ったりした介護事業所に、報酬という形で介護職の給与を上げるためのお金を支給する介護職員処遇改善加算制度です。

出典:厚生労働省「2019年度介護報酬改定について~介護職員の更なる処遇改善~」
厚生労働省「介護職員処遇改善加算のご案内」(2020/06/18)

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介護職員処遇改善加算に必要な要件



チェックリストのイメージ

介護職員処遇改善加算を取得するためには、下記の条件を満たす必要があります。

キャリアパス要件



Ⅰ…職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をする
Ⅱ…資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設ける
Ⅲ…経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設ける

申請できる加算の区分は、どの要件を満たしているかによって異なります。

職場環境等要件



・賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施する

上記の要件を満たせば、介護職員処遇改善加算を受け取れます。
要件を多く満たしている事業所ほど加算率が高くなっているのが特徴です。
また、介護職員処遇改善加算を取得するためには、処遇改善の内容などを雇用する全ての介護職員へ周知しなくてはなりません。

出典:厚生労働省「介護職員処遇改善加算のご案内」(2020/06/18)

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介護職員処遇改善加算の区分



人形のシンボルが書かれたブロックの画像

介護職員処遇改善加算の額は、どの区分の要件を満たしているかによって異なります。

処遇改善加算Ⅰ



キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの全て+職場環境等要件を満たす=介護職員1人当たり月額37,000円相当

処遇改善加算Ⅱ



キャリアパス要件Ⅰ及びⅡ+職場環境等要件を満たす=介護職員1人当たり月額27,000円相当

処遇改善加算Ⅲ



キャリアパス要件ⅠまたはⅡ+職場環境等要件を満たす=介護職員1人当たり月額15,000円相当

処遇改善加算Ⅳ



キャリアパス要件ⅠまたはⅡ、または職場環境等要件のいずれかを満たす=介護職員1人当たり月額13,500円相当

処遇改善加算Ⅴ



キャリアパス要件ⅠとⅡ、職場環境等要件のいずれも満たさない=介護職員1人当たり月額12,000円相当

処遇改善加算のⅣとⅤは、2018年の介護報酬改定により、経過措置期間を設けた上で廃止することが決定しています。経過措置期間の終了日ははっきりしていません。

出典:厚生労働省「介護職員処遇改善加算のご案内」(2020/06/18)

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介護職員処遇改善加算の計算方法



ブロックと計算機の画像

加算見込み額の計算式は、以下のようになります。

各事業所の介護報酬(処遇改善加算分を除く)×サービス別の加算率=加算見込み額

サービス別加算率とは、介護サービスごとに設定された介護職員処遇改善の加算率です。
事業所によって加算率は異なるので、ご紹介します。

サービス別の加算率



訪問介護 加算Ⅰ 13.7% 加算Ⅱ 10.0% 加算Ⅲ 5.5%
通所介護 加算Ⅰ 5.9% 加算Ⅱ 4.3% 加算Ⅲ 2.3%
グループホーム 加算Ⅰ 11.1% 加算Ⅱ 8.1% 加算Ⅲ 4.5%
介護老人福祉施設(特養) 加算Ⅰ 8.3% 加算Ⅱ 6.0% 加算Ⅲ 3.3%
介護老人保健施設(老健) 加算Ⅰ 3.9% 加算Ⅱ 2.9% 加算Ⅲ 1.6%

出典:厚生労働省「介護職員処遇改善加算のご案内」(2020/06/18)

▼関連記事
介護職員処遇改善加算って何?という方に!わかりやすく簡単に解説します!

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特定処遇改善加算との違い



AとBを比較する女性の画像

特定処遇改善加算は、2019年10月に新設された制度です。
介護職員全般を対象としている介護職員処遇改善加算とは違い、特定処遇改善加算は経験・技能のある介護職員を対象にしています。
特定処遇改善加算は、勤続10年以上の介護福祉士に対して「月8万円相当の処遇改善を実施する」という方針に基づいて作られました。
介護職員処遇改善加算と同じように介護職員の労働環境や給料をより良くすることが目的ですが、特定処遇改善加算は実務経験が豊富なベテランの介護職員を重視しています。
また、介護職員処遇改善加算と別物というわけではなく、上乗せする形で支払われるのが特定処遇改善加算です。

特定処遇改善加算の背景



特定処遇改善加算が新設された理由は、現場で働く介護職員の給料をアップし、働きやすい環境を整え、ベテラン職員の離職を防ぐためです。
介護業界は慢性的に人手不足で、非常にニーズが高い仕事であるにも関わらず、離職率が高い傾向にあり、どうやって介護職員を確保するか、長く働いてもらえるかが大きな課題となっています。
また、介護業界は「長く働き続けてもなかなか給料がアップしない」というマイナスイメージが強く根付いており、リーダー職の定着が問題視されていました。
そこで国は、勤続年数による昇給の仕組み作ることで、より一層の介護人材の確保・定着を促しているのです。
長く働くことで給料がアップするということは、介護職員の意欲向上と定着率向上にも繋がっています。

特定処遇改善加算の対象職員



特定処遇改善加算の対象職員は、勤続10年以上の介護福祉士とされています。
この勤続10年以上の介護福祉士というのは、分かりやすく言うと介護福祉士の資格を持つ、経験豊富なベテランの介護職員のことです。
しかし「勤続10年」という条件はあくまでも目安で、それぞれの事務所によって裁量が異なります。
事業所によっては同じ職場で10年以上働いていなくても、前職を含めて勤続10年だったり、医療機関などでの経験が認められたりすれば、条件を満たしたとみなされる場合もあるということです。
また「勤続10年の介護福祉士」という条件に該当する人材がいない場合、勤続年数の長い介護職員、リーダーなど役職に就いてる介護職員が加算対象とされることもあります。

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特定処遇改善加算のルール



ルールと書かれたメモ帳の画像

特定処遇改善加算には、いくつかルールがあります。
まず、特定処遇改善加算の配分するにあたって、介護職員を以下の3つに分けなくてはなりません。

1.経験・技能のある介護職員
2.その他の介護職員
3.介護職員以外

次に1、2、3の中からどの職員に配分するか決めます。
例えば、加算額を全て1の経験・技能のある介護職員に配分することもできますし、2のその他の介護職員や3の介護職員以外の職員に配分することも可能です。
ただし、1の経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、月8万円の給料アップ、または年収見込み額が440万円以上にならなくてはなりません。
また、1、2、3の平均の処遇改善加算額が、1は2の2倍以上、3は2の1分の1を上回らないことが定められてます。

特定処遇改善加算を取得するための条件



・介護職員処遇改善加算の、加算ⅠからⅢのいずれかを取得している
・介護職員処遇改善加算の職場環境等要件を満たしている
・介護職員処遇改善加算に関する取り組みをホームページなどに掲載し、公表している

特定処遇改善加算の計算方法



特定処遇改善加算の加算見込み額の計算式は、以下のようになります。

各事業所の介護報酬(処遇改善加算分を除く)×各サービスの新加算ⅠまたはⅡ=特定処遇改善加算見込み額

介護サービスごとに特定処遇改善加算の加算率は異なり、同じ新加算Ⅰを取得しても、事業所によって加算率が違うのが特徴です。
加算率は以下のようになります。

サービス別の加算率



・訪問介護 新加算Ⅰ 6.3% 新加算Ⅱ 4.2%
・通所介護 新加算Ⅰ 1.2% 新加算Ⅱ 1.0%
・グループホーム 新加算Ⅰ 3.1% 新加算Ⅱ 2.3%
・介護老人福祉施設(特養) 新加算Ⅰ 2.7% 新加算Ⅱ 2.3%
・介護老人保健施設(老健) 新加算Ⅰ 2.1% 新加算Ⅱ 1.7%

出典:厚生労働省「介護人材の処遇改善について」(2020/06/18)

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介護職員処遇改善加算がもらえない場合



バツ印を持つ女性スタッフの画像

残念ながら、介護職員処遇改善加算は、介護職として働く誰もがもらえるというわけではありません。
介護職員処遇改善加算は支給されたお金はすべて介護職員に還元すると定められています。
しかし、均等に支給しなければならない、介護職員全員に支給しなければならないという決まりがあるわけではありません。
対象職員の中から誰に支給するか、どれだけ支給するかといった裁量は法人や事業所に委ねられており、スキルや仕事ぶりに不安がある職員には支給されないこともあれば、職員によって支給額に差が出ることもある、ということです。

自治体に実績報告が必須



介護事業所は、支給されたお金を介護職員に賃金として還元したことを自治体に報告しなくてはなりません。
もし介護職員に支給されず、別のことに使われたり、事業所がピンハネしていたりすると、それは不正請求となり違法行為にあたります。
そういった不正行為を防ぐために、事業所は自治体に「介護職員処遇改善実績報告書」を提出することを義務付けられているのです。
職員に支給したことを報告しないと、支給されたお金の返還が求められ、介護職員処遇改善加算そのものが取り消されてしまいます。

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まとめ



笑顔の女性介護士の画像

・介護職員処遇改善加算の対象は介護職員全般で、パートも含まれる
・介護職員処遇改善加算を取得するためには、キャリアパス要件と職場環境等要件を満たさなくてはならない
・特定処遇改善加算は、実務経験が豊富なベテランの介護職員の離職を防ぐために新設された制度
・介護職員処遇改善加算は、事業所の裁量などによって支給額が異なり、介護職の誰もがもらえるわけではない

介護職員処遇改善加算は、介護職員全般を対象とした制度です。
この制度が導入されてから介護業界の給料事情や職場環境は大きく改善され、介護人材の確保や定着にも良い影響を与えています。
介護業界の処遇改善は、今後さらに行われていくことが予想できるので、これから介護職に挑戦してみたい方、働きやすい職場を探している方、好待遇の求人を探している方は介護求人に目を通してみましょう。

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