サービス提供責任者とは?仕事内容や資格要件、給料を解説

介護の仕事 2026年9月3日
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この記事のまとめ

「サービス提供責任者ってどんな仕事なの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。サービス提供責任者(サ責)とは、利用者さんが必要な訪問介護サービスを利用できるように調整する職種です。この記事では、サービス提供責任者の働き方や仕事内容、必要な資格、サ責として働くメリットを解説します。平均給与や必要なスキルについてもまとめました。訪問介護のマネジメントに興味がある方はご覧ください。

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目次

サービス提供責任者とは

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所で利用者さんとホームヘルパーの間に入って調整を行う職種です。ケアマネジャーと連携しながら、利用者さんに適切な訪問介護サービスを提供できるように管理します。
サービス提供責任者は、訪問介護計画書やホームヘルパーの指導・育成、相談対応などを行うのが仕事です。サービス提供責任者を略して「サ責」と呼ばれることもあります。

サービス提供責任者の役割

サービス提供責任者の役割は、ケアマネジャーやホームヘルパーと密に連携を取り、訪問介護サービスの管理やマネジメントを行うことです。現場のホームヘルパーをまとめ、利用者さんが適切な介護サービスを受けられるよう調整する「訪問介護の要」となる存在といえます。

サービス提供責任者の配置基準

厚生労働省の「訪問介護(p.6)」によると、訪問介護事業所のサービス提供責任者の人員配置は「利用者さん40人に対して1人以上」と定められています。直近3ヶ月の利用者さんの人数が増えるごとに、サービス提供責任者の人数を基準に合わせて増員しなければなりません。

なお、以下の3つの条件を満たせば、「利用者さん50人に対して1人」という配置も可能です。

  • 常勤のサービス提供責任者を3人以上配置する
  • サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置する
  • サービス提供責任者の業務が効率的に行われている

サービス提供責任者は、訪問介護サービスの利用者さんが安心して在宅生活を続けるための重要な役割を果たしています。業務を円滑に進めることが、利用者さんの生活の安定に直結する職種なので、配置基準が定められているようです。

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サービス提供責任者の働き方の特徴

ここでは、サービス提供責任者の働き方の特徴を解説します。サービス提供責任者の仕事に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

サービス提供責任者はヘルパーや管理者を兼務できる

サービス提供責任者は、ホームヘルパーと管理者のどちらかを兼務できます。ただし、サービス提供責任者とホームヘルパー、管理者の3つの職種を兼務することはできません。3つの職種を兼務すると、業務に支障が出るおそれがあるためです。

業務に支障がない場合は、同じ敷地内で運営する「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」「夜間対応型訪問介護」や、障害者総合支援法に基づく「居宅介護」の業務も兼務できます。一方で、同一敷地内であっても有料老人ホームの仕事の兼務はできません。

上記が基本的な方針ですが、都道府県によってサービス提供責任者の兼務の要件は異なる場合があるので、確認しておくと良いでしょう。

訪問介護事業所は基本的に日勤のみで働ける

訪問介護事業所は一般的に日中に介護サービスを提供するので、サービス提供責任者の勤務時間も基本的に日勤のみです。夜勤がないので、体力に不安がある方や子育て中の方も働きやすい環境といえます。
ただし、夜間対応型の訪問介護事業所で働く場合は夜勤を行う可能性があるため、求人情報で勤務体制を確認しておくことが重要です。

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残業時間は少ない傾向がある

公益財団法人介護労働安定センターの「令和7年度介護労働実態調査結果 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書(資料編p.62)」によると、サービス提供責任者の1週間の残業時間数の平均は2.5時間でした。

サービス提供責任者1週間の残業時間の割合は、「残業なし」が45.1%で最も多い結果です。次いで「5時間未満」が29.2%、「5時間以上10時間未満」が16.7%でした。
これらの結果から、サービス提供責任者のおよそ半数は残業なしの働き方で、残業ありでも1日1~2時間以内の方が多いと分かります

一方、ホームヘルパーの「残業なし」の割合は65.1%で、介護従事者の中で最も残業がない職種です。サービス提供責任者は、ホームヘルパーやケアマネジャーとの連携などがあり、予定通り仕事が進まないときもあるため、介護業務がメインのホームヘルパーよりは残業が多い傾向にあります。

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有給休暇の取得日数は介護従事者の平均と同じ

公益財団法人介護労働安定センターの「令和7年度介護労働実態調査結果 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書(資料編p.64)」によると、サービス提供責任者の有給休暇の付与日数の平均は15.9日。同資料(資料編p.66)によると、有給休暇の平均取得日数は7.8日です。

介護従事者全体の有給休暇の平均取得日数も7.8日なので、サービス提供責任者の有給休暇の取得日数は、介護業界の中で平均的といえます

非常勤で働く場合は勤務時間に条件がある

サービス提供責任者は常勤だけではなく、非常勤の働き方もできます。ただし、非常勤のサービス提供責任者として働く場合は、常勤職員の2分の1以上の勤務時間が必要です
たとえば、常勤の週の勤務時間が40時間の場合は、20時間以上の勤務が求められるでしょう。常勤の勤務時間が32時間を下回る場合は、32時間以上が基本です。

常勤の半分の勤務時間のサービス提供責任者は、常勤換算で0.5人の配置なので、利用者さんをおよそ20人まで担当できる計算になります。なお、訪問介護事業所は、最低1人は常勤のサービス提供責任者を配置することが必須です。

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サービス提供責任者の仕事内容

サービス提供責任者の主な仕事内容は、訪問介護サービスの管理やホームヘルパーのマネジメントです。以下で解説するので、「サービス提供責任者の仕事ってどんな感じ?」と疑問に思っている方は参考にしてみてください。

訪問介護サービスの利用に関する手続き

サービス提供責任者は、ケアマネジャーからの問い合わせや、利用者さんやご家族からの申し込みを受け、サービス利用に関する手続きを担います
訪問介護サービスの開始前に、利用者さんやご家族に対して契約書や重要事項説明書の内容を詳しく伝え、同意を得ることは欠かせません。契約内容や利用料金、事業所の人員配置などを丁寧に説明し、安心してサービスを利用できるよう準備を進めます。

また、利用希望者の方やご家族と直接話し合い、必要なサービス内容や希望の訪問時間といった要望をヒアリングして調整を行うことも、重要な業務の一つです。

利用者さんやご家族との面談

利用者さんの自宅への訪問や電話連絡を行い、ご本人やご家族と面談をして情報収集を行うのも、サービス提供責任者の業務です。生活上の困りごとや課題を把握し、必要なサービスを話し合い、訪問介護計画書を作成する準備をします。

利用者さんやご家族との面談で得た情報は、提供する訪問介護サービスの内容を決める判断材料になるため、しっかりとヒアリングを実施する必要があるでしょう。自宅を訪問した際は、利用者さんの生活環境を確認して安全に介助する方法を考えることも大切です。

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サービス担当者会議への出席

サービス担当者会議への出席も、サービス提供責任者の仕事の一つです。サービス担当者会議とは、利用者さんやご家族、介護保険サービスの関係者が集まって提供する介護サービスについて話し合う場のこと。ケアマネジャーが関係者に声を掛け、利用者さんの自宅で開催します。

サービス提供責任者の役割は、ケアマネジャーの作成したケアプランの原案を確認したうえで、訪問介護サービスの内容を参加者に伝えることです。デイサービスや訪問看護、福祉用具貸与事業所のスタッフなど、さまざまな関係者が集まる会議なので、他職種からの提案を受けて意見交換や計画の改善ができます。

訪問介護計画書の作成

サービス提供責任者は、ケアプランや利用者さんとの面談の内容をもとに、訪問介護計画書を作成します。「利用者さんにどのような訪問介護サービスが必要か」を具体的に記入するのが、訪問介護計画書です。記載するのは、以下のような内容となります。

  • 利用者さんの氏名、住所、連絡先
  • 利用者さんのニーズ(生活課題)
  • ケアの方針
  • 短期目標、長期目標
  • 提供する介護サービスの内容と所要時間
  • 訪問する曜日と時間
  • 訪問するホームヘルパーの氏名
  • サービス提供責任者の氏名
  • 訪問介護計画書の作成日、説明日

訪問介護計画書を作成したら、利用者さんにサービス内容を説明して同意を得ます。ケアの方針や介護の方法は、サービスを担当するホームヘルパーにもしっかりと伝えることが大切です。また、訪問介護計画書の内容はケアマネジャーにも共有します。

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介護手順書の作成

新規の利用者さんが訪問介護サービスの利用を開始するときや、支援内容に変更があったときは、サービス提供責任者がはじめに訪問介護業務を行います。サービスの手順やケアに使用する物品、留意点などを確認しながら援助するのがポイントです。

実際に介護サービスを提供した後は、介護の方法をまとめた介護手順書を利用者さんごとに作成します。介護手順書を担当のホームヘルパーに共有することで、誰が訪問しても同じ内容の介護サービスの提供が可能です。

サービス提供状況の確認とモニタリング

介護記録を見たりホームヘルパーに利用者さんの状態を聞いたりして、予定どおり訪問介護サービスを提供できているかを確認するのも、サービス提供責任者の仕事内容です。また、定期的に利用者さんの自宅を訪問して、利用者さんに「1人でできるようになったこと」や「前より大変になった動作」があるか、モニタリングを行います。

また、日常生活を送るうえで不足しているサービスや過剰なサービスがあるときや、ホームヘルパーから利用者さんの体調や様子の変化を聞いたときは、ケアマネジャーに報告する決まりです。緊急時は、救急への連絡をホームヘルパーに指示したり、主治医やご家族に電話で報告したりすることもあります。

同行訪問

ホームヘルパーと一緒に利用者さんの自宅を訪問して介護業務を引き継ぐのも、サービス提供責任者の仕事です。ホームヘルパーが新たに利用者さんを担当するときや、介護経験が浅いホームヘルパーが訪問介護を行うときは、同行訪問を行います。

利用者さんに安心してもらうためにも、サービス提供責任者がホームヘルパーに同行し、顔合わせに立ち会うことは重要です。同行訪問の際にケアの方法や注意点を細かく伝えておけば、ホームヘルパーが1人で訪問するときに不安を感じにくいでしょう。

ホームヘルパーのマネジメント業務

サービス提供責任者は、ホームヘルパーからの介護に関する相談の対応や、研修・育成、シフト管理も行います
プライバシーの保護やハラスメント対策など、介護業務の基本的な考え方を職員に共有することで、トラブル防止につながるでしょう。訪問先で困っていることの相談があれば、ほかのホームヘルパーの対応を参考にアドバイスをしたり、解決策を話し合ったりします。

また、サービス提供責任者は、シフトの作成や調整に関わることも多い職種です。利用者さんの希望する時間に派遣できるホームヘルパーがいるかを確認して、シフトを調整します。シフトを考える際は、ホームヘルパーのスキルや体力、移動時間などを考慮することが必要です。

訪問介護事業所で働くサービス提供責任者の1日の流れ

ここでは、サービス提供責任者の1日のスケジュール例をご紹介します。サービス提供責任者のスケジュールは日によって異なるので、あくまで参考としてご覧ください。

サ責の1日のスケジュール

  • 08:30

    【出勤】業務内容の確認

  • 09:00

    【訪問介護業務】排泄介助

  • 10:30

    【事務作業】訪問介護計画書の作成

  • 12:00

    休憩

  • 13:00

    【サービス担当者会議への参加】利用者さんの自宅に訪問

  • 14:00

    【モニタリング】利用者さんの自宅に訪問して聞き取り

  • 15:00

    【管理業務】ホームヘルパーの相談対応、介護記録の確認

  • 16:00

    【ケアマネジャーへの報告】ケアマネジャーと情報共有

  • 17:30

    退勤

利用者さんの体調不良や不在といったイレギュラーなことがあった場合、担当のヘルパーからの連絡に対応し、サービス提供責任者が指示を出します。ヘルパーが休みになったときは、サービス提供責任者が訪問介護業務に出ることもあるでしょう。
また、ケアマネジャーからの「新規の利用者さんについての相談」や「臨時援助の依頼」といった連絡への対応も必要です。

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サービス提供責任者に必要な資格

厚生労働省の「訪問介護(p.6)」によると、サービス提供責任者になるには、下記の4つのうちのいずれかの資格が必要です。

  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護職員基礎研修
  • ホームヘルパー1級(訪問介護員1級養成研修課程)

サービス提供責任者は職種名で、「サービス提供責任者」という名称の資格はありません。
ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修は現在は取得できない資格なので、これからサービス提供責任者に必要な資格を取る方は、「介護福祉士実務者研修」もしくは「介護福祉士」のどちらかを取得する必要があります

なお、2018年までは「介護職員初任者研修+実務経験3年」でもサービス提供責任者になれましたが、質の高い訪問介護サービスを提供するために介護報酬改定を機に見直されました。現在は初任者研修の資格ではサービス提供責任者になれないので、注意しましょう。

介護福祉士実務者研修の取得方法

介護福祉士実務者研修は、講座を開講する資格スクールに受講を申し込み、カリキュラムをすべて修了することで取得できます。無資格・未経験で受講でき、カリキュラムは全20科目・およそ450時間です。無資格から取得する場合は、最短6ヶ月程度の期間がかかります。

実務者研修は多くの科目を通信講座で受講でき、通学が必須の科目は一部なので、働きながら取得する人も多くいます。通学は、介護技術や介護計画の作成を学ぶほか、医療的ケアの演習も行う専門的な内容です。

実務者研修には、実務経験や保有資格など特定の要件が定められていないので、最短でサービス提供責任者を目指す方は受講を検討すると良いでしょう。介護職として経験を積むルートで介護福祉士を目指す場合も、実務者研修の修了が必要です。

なお、実務者研修は介護職員初任者研修の上位にあたる公的資格。初任者研修を取得している場合はカリキュラムの一部が免除され、学習時間がおよそ320時間に短縮されます。

介護福祉士の取得方法

介護福祉士の資格は、受験要件を満たして介護福祉士国家試験を受け、合格することで取得可能です。介護福祉士試験の受験資格を得る方法は、「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「養成施設ルート」「EPAルート(一部の外国人の方向け)」の4つあります。

介護福祉士になる方法のイメージ

上記のうち、「介護等の実務経験3年以上」と「実務者研修の修了」により受験資格を得られる実務経験ルートが、最も受験者数の多いルートです。福祉系高校や養成施設を卒業しなくても試験の受験資格を得られるので、働きながら介護福祉士を取得する方も多くいます。

介護福祉士は国家資格なので、保有していると利用者さんやご家族の安心感につながるかもしれません。ホームヘルパーから、現場への理解があるサービス提供責任者として頼られることもあるでしょう。

なお、実務経験ルートで介護福祉士になるために必要な「介護等の実務経験」には、サービス提供責任者としての業務は含まれません。介護福祉士の取得を目指す方は、「受験資格を満たしてからサービス提供責任者になる」「ホームヘルパーを兼務する」など、試験の受験資格を満たす方法を検討したうえで仕事を選びましょう。

介護福祉士は、サービス提供責任者の要件というだけではなく、介護業界でのキャリアアップに幅広く役立つ資格です。そのため、長期的に介護や福祉の仕事に携わりたい方は、取得を目指すのも良いでしょう。

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サービス提供責任者とサービス管理責任者の違い

「サービス提供責任者」と「サービス管理責任者」は名称が似ている職種ですが、必要な資格や活躍する分野が違います。

サービス提供責任者の主な職場は、高齢者向けの訪問サービスを提供する「訪問介護事業所」です。このほか、訪問型の障害福祉サービスである居宅介護・重度訪問介護・行動援護・同行援護などの管理職も、サービス提供責任者と呼ばれます。

訪問介護のサービス提供責任者には、前述したように「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」「介護職員基礎研修」「ホームヘルパー1級」のいずれかの資格が必要です。なお、サービス提供責任者の要件はサービスごとに異なり、介護に関する資格や経験が求められます。

一方、サービス管理責任者は、障がいがある方の生活をサポートする障害福祉サービスに携わる職種で、高齢者介護の事業所には基本的に配置されません。障害福祉サービスのうち、訪問サービスを除く通所型や入居型のサービスを提供する施設の管理職が、サービス管理責任者です。サービス管理責任者になるには、相談支援や直接支援の実務経験や、研修の受講が求められます。

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サービス提供責任者と管理者の違い

訪問介護のサービス提供責任者と管理者は、仕事内容や必要な資格が違います
サービス提供責任者の主な業務は、訪問介護の利用手続きや利用者さんの相談対応、訪問介護計画書の作成、職員の指導・教育などです。利用者さんを担当し、訪問介護サービスを適切に提供できるよう管理します。

管理者の仕事内容は、事業所の収支管理や労務管理、介護サービスが適切に提供されているかの確認などです。経営にも携わり、訪問介護事業所を適切に運営する役割があります。

訪問介護の管理者に資格要件はありませんが、介護福祉士やケアマネジャーの資格を取得している方や、介護や経営の経験がある方が抜擢される場合が多いでしょう。管理者は、サービス提供責任者もしくはホームヘルパーを兼務する場合もあります。

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サービス提供責任者に求められるスキル

ここでは、サービス提供責任者に求められるスキルを紹介します。「サービス提供責任者になれるか不安…」と感じている方は、必要なスキルが身についているか確認してみましょう。

介護の知識やスキル

利用者さんの悩みを把握し、どのようなケアが必要なのか判断するためには、介護の知識やスキルが欠かせません。また、ホームヘルパーの教育や指導をするためにも、介護への理解が必要です。定期的に研修やセミナーなどに参加すると、介護に関する知識やスキルをアップデートできます。

コミュニケーションスキル

サービス提供責任者は、利用者さんやご家族をはじめ、ホームヘルパーやケアマネジャーといった多様な関係者と関わるため、コミュニケーションスキルが求められます。利用者さんとのコミュニケーションでは、相手を観察して状況に合わせた接し方をすることが重要です。
さらに、利用者さんやご家族とヘルパーの間を取り持つ「橋渡し役」を担う場面では、状況や要望を正確に把握するためのヒアリング能力が欠かせません。単に事務的に話を聞くのではなく、相手の気持ちにしっかりと寄り添い、安心感を与えながら信頼関係を構築するのがポイントです。

マネジメントスキル

訪問介護の利用手続きや相談対応、訪問介護計画書の作成、サービス担当者会議への参加などを同時進行するサービス提供責任者には、高いマネジメント能力が求められます。単に自身のタスクを管理するだけでなく、現場で働くホームヘルパーの適切なシフト調整といった人材の管理も重要な役割です。
関係各所と連携しながらチーム全体をまとめ上げ、質の高い介護サービスを継続的に提供するために、状況を整理してコントロールするスキルが不可欠といえます。

事務能力

サービス提供責任者の業務は現場での対応にとどまらず、訪問介護計画書や介護手順書といった書類の作成など、デスクワークも多くあります。近年は専用の介護ソフトを用いて記録や情報の管理を行う事業所が主流で、スムーズなPC操作は欠かせません。

また、関係各所と連携を図りながら正確に状況を把握するための、ミスのない確実な情報処理スキルが必要です。現場の業務と並行して効率良くタスクをこなせるよう、基本的なPCスキルや事務作業のノウハウをあらかじめ身につけておくと仕事に役立つでしょう

サービス提供責任者の給料

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.143)」によると、訪問介護事業所で働くサービス提供責任者の平均給与は36万7,190円です

同資料(p.145)によると、時給制で働く非常勤のサービス提供責任者の平均給与は20万5,890円。実労働時間数で割って算出した平均時給は約1,786円です。ただし、平均給与には手当や一時金も含まれるため、実際の平均時給はこれより低いと考えられます。

サービス提供責任者の給与は、職場や地域によって異なるので、上記は参考程度にご覧ください。求人情報の時給欄だけではなく、資格手当や役職手当、処遇改善手当の有無もしっかりとチェックしましょう。

サービス提供責任者が給料を増やす方法は、「サービス提供責任者(サ責)の給料を解説!手取りや年収、給与アップの方法」の記事で解説しています。

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サービス提供責任者として働くメリット

ここでは、サービス提供責任者として働くメリットをいくつか紹介します。

事務作業が多く身体的な負担が少ない傾向にある

サービス提供責任者は、職員のマネジメントや業務管理が主な仕事なので、ホームヘルパーより身体介護を実施することが少ない傾向にあります。また、訪問介護事業所は基本的に日勤のみで夜勤がありません。
デスクワークが多いので、体力的な負担も少ないでしょう。介護職の職業病として腰痛があり、介護業務を続けることが難しくなった方も働きやすい職場です。

ただし、サービス提供責任者はヘルパー業務を兼務することもあるので、体力に不安がある方は事前に確認しておくと安心です。

利用者さんに合った介護サービスを提供できる

訪問介護の現場では、利用者さん一人ひとりの身体状況や生活環境が異なります。サービス提供責任者は、それぞれの状態に寄り添いながら最適な介護サービスを組み立て、提案していく重要なポジションです。

作成した訪問介護計画書にご本人やご家族が同意し、実際にサービスが提供されて生活が改善していく様子を間近で見守ることができます。自分の提案によって直接感謝の言葉をいただける機会も多く、大きなやりがいを感じられるでしょう

ホームヘルパーより給料が高い傾向にある

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.143)」によると、サービス提供責任者の平均給与は36万7,190円なのに対し、サービス提供責任者ではない職員の平均給与は32万2,800円です。サービス提供責任者の平均給与は、ホームヘルパーの平均給与より4万円以上高い結果でした。年収では、53万円以上の給与差が出る計算です。

サービス提供責任者は、実務者研修以上の資格を持ち、職員の教育やマネジメント業務など責任のある仕事を担当するため、ホームヘルパーより給与が高い傾向にあります。

さまざまな職種と連携する経験を積める

サービス提供責任者は、ホームヘルパーやケアマネジャー、訪問看護のスタッフなど、さまざまな職種と連携します。サービス担当者会議では、各職種の専門的な視点からの意見を聞くことができ、知見を深められるでしょう

また、ホームヘルパーに対して研修・育成を行うマネジメントの役割を担い、利用者さんやご家族との橋渡し役になるなど、さまざまな経験を積めます。他職種と連携する経験は転職する際にも強みになるでしょう。

▶サービス提供責任者の求人一覧ページはこちら

サービス提供責任者からのキャリアパス

ここでは、サービス提供責任者から目指せるキャリアアップの道を解説します。「サービス提供責任者として実務経験を積み、介護業界でキャリアアップしたい」と考えている方は、チェックしてみてください。

訪問介護事業所の管理者になる

サービス提供責任者として経験を積み、訪問介護事業所の管理者を目指す道もあります。管理者には特別な資格要件が定められていないものの、サービス提供責任者として培った現場の知識や、ヘルパー・関係機関との調整スキルは、事業所全体を統括するうえで役立つでしょう。

複数の訪問介護事業所を運営する法人なら、管理職を目指すチャンスは豊富に用意されている傾向にあります。管理者のキャリアに興味がある方は、「訪問介護の管理者の仕事内容や資格要件は?平均年収や兼務できる職種も解説」の記事も参照してみてください。

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ケアマネジャーにキャリアアップする

訪問介護計画書の作成や職員のマネジメント、関連機関との連絡・調整は、ケアマネジャーの仕事と類似している部分があるので、サービス提供責任者の経験はケアマネジャーの業務に活かせます

サービス提供責任者として、「この利用者さんには口腔ケアの介助も必要」「1人で掃除をするのは難しそうだけど、一緒にならできそう」といった提案をしてきた人は、ケアマネジャーに向いているかもしれません。ケアマネジャーは、施設ケアマネや居宅ケアマネなどがあり、活躍できる職場も豊富にある職種です。

ケアマネジャーを目指す場合、「介護福祉士などの特定の国家資格等に基づく業務の実務経験を5年以上かつ900日以上」もしくは、「相談援助の実務経験を5年以上かつ900日以上積む」必要があります。介護福祉士を取得してからサービス提供責任者として働く場合、5年でケアマネジャー試験の受験資格を得られる計算です。

前述したように、サービス提供責任者の業務だけでは介護福祉士の資格要件を満たせません。介護福祉士を目指すサービス提供責任者の方は、ホームヘルパーと兼務できないか、管理者に相談してみてください。

▶ケアマネジャーの求人一覧ページはこちら

独立して訪問介護事業所を開業する

サービス提供責任者として経験を積み、開業に向けた確かな土台を築いていてから、独立して訪問事業所を開設する選択肢もあります

厚生労働省の「令和7年度介護事業経営概況調査結果の概要(案)(p.2)」によると、訪問介護の2024年度の収支差率は9.6%で、全介護サービスの平均4.7%よりも高いのが特徴です。ただし、2023年度の11.1%と比較すると収支差率は下がっており、なかには厳しい経営状況の事業所も。経営のノウハウを身につけなければ、運営は難しいかもしれません。

独立には資金や人材の確保が必要なので、早めに行動を起こして準備しておく必要があります。独立するのは簡単ではないですが、自分の理想とする介護が実現できるので、やりがいは大きいでしょう。

【体験談】サービス提供責任者のやりがいや大変なこと

ここでは、サービス提供責任者の体験談をご紹介します。仕事のやりがいと大変なことの体験談を紹介します。サービス提供責任者に転職するか迷っている方は、読んでみてください。

サービス提供責任者の仕事のやりがい

サービス提供責任者のやりがいは、利用者さんだけではなくホームヘルパーにも頼りにされること。そして、利用者さんの生活やホームヘルパーの成長に関わって、近くで見守れることだと思います。
私の働いていた訪問介護事業所には、40代で初めて介護職に就いた後輩ヘルパーが2人いました。その2人は、ホームヘルパーの仕事に意欲的に取り組んでいたので、相談に乗ることもしばしば。20代で年下の私にも、介護を学ぶ姿勢で関わってくれてうれしかったことは、よく覚えています。

後輩ヘルパーには、オムツ交換のコツや認知症の利用者さんへの声かけのポイントなどを教えました。また、同じ利用者さんを担当するヘルパー全員が集まって、適切な介助方法の話し合いを行ったこともあります。
後輩ヘルパーから、「こういう声かけをすると利用者さんの拒否がなくなった」と聞いたときは、介護技術が向上したと分かり、その成長をうれしく感じました。そして同時に、利用者さんにより良い介護を提供できたことも喜びでした。

サービス提供責任者の仕事の大変なこと

サービス提供責任者の仕事で大変だったのは、ケアマネジャーとの連携です。
ケアマネジャーとの連携が大変だと感じる理由は、人によって考え方や方針に違いがあるから。利用者さんごとにケアマネジャーは異なるため、それぞれと関係を築くのには時間がかかります。「現場の声を伝えても、ケアプランの見直しをしてくれない」「利用者さんが自分でできることをケアマネが援助内容に加えている」など、連携を図るのが難しいと感じる場面がありました。

しかし、ケアマネジャーもサービス提供責任者も、利用者さんのために援助方針を考えているという点は同じです。考え方に食い違いが起こったときは、ケアマネジャーの意見を聞いたうえで、自分や現場で働くヘルパーの意見を伝えるようにしました。

ケアマネジャーとサービス提供責任者は、利用者さんとの関わり方にも違いがあります。そのため、意見が合わないときもありましたが、利用者さんのためにどうするべきかをしっかりと話し合うことで、納得できる結論にたどり着けました。

サービス提供責任者の求人例

サービス提供責任者(正社員)の求人例をご紹介するので、参考としてご覧ください。

【施設形態】訪問介護事業所
【募集職種】サービス提供責任者
【勤務地】東京都
【雇用形態】正社員
【勤務時間】午前9時~午後6時(日勤のみ)/週休2日(シフト制)
【仕事内容】訪問介護事業所におけるサービス提供責任者の業務全般(相談対応やアセスメント、訪問介護計画の作成・見直し、モニタリング、訪問介護員の管理・マネジメントなど)
【給与】月収24万円~28万円/賞与あり(年2回)
【定年制度】あり(一律60歳)/再雇用制度あり(65歳まで)
【各種手当】サ責手当/訪問手当/処遇改善手当/通勤手当/住宅手当
【福利厚生】社会保険完備/昇給あり/退職金制度あり
【休日・休暇】週休2日制/年間休日115日/有給休暇/夏季休暇・年末年始休暇あり
【応募条件】介護福祉士/ブランク可/未経験可
【歓迎要件】サービス提供責任者や訪問介護の実務経験

サービス提供責任者の求人は、同じ訪問介護事業所で働くホームヘルパーの求人よりも給与水準が高く、資格手当や役職(サ責)手当が充実している傾向が見られます。また、「日勤のみ」「残業少なめ」など、仕事と家庭を両立できる働き方の事業所も少なくありません

なかには、サービス提供責任者としてスキルアップができるよう、資格取得支援制度や研修制度を導入する職場もあるようです。

サービス提供責任者についてよくある質問

ここでは、サービス提供責任者に関するよくある質問に回答します。サービス提供責任者への転職を検討している方は、参考にしてみてください。

サービス提供責任者の必須知識は?

サービス提供責任者の必須知識は、介護の専門的な知識・スキルや、ホームヘルパーを指導する知識、クレーム対応のスキル、コミュニケーション能力などです。サービス提供責任者は幅広い業務を行うので、求められるスキルも多くあります。
サービス提供責任者に求められるスキルや知識については「サービス提供責任者の必須知識を解説!訪問介護のマネジメントに必要なこと」の記事で解説しているので、あわせてご一読ください。

サービス提供責任者になるには試験を受ける必要がある?

サービス提供責任者になるには、「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」などの資格が必要です。サービス提供責任者になるための試験はありません。ただし、介護福祉士の資格を得るには、介護福祉士国家試験を受ける必要があります。
サービス提供責任者になるために必要な資格については、この記事の「サービス提供責任者に必要な資格」で解説しているのでご覧ください。

サービス提供責任者は現場に出るの?

訪問介護の初回訪問やホームヘルパーに業務を引き継ぐ「同行訪問」は、サービス提供責任者の重要な仕事なので、現場で介護を行う機会はあります。また、サービス提供責任者は、ホームヘルパーとして現場に出て介護業務を行うことも。兼務する場合の仕事の割合は職場によって異なりますが、サービス提供責任者の業務に支障がないことが条件です。自治体がサービス提供責任者の兼務の要件を定めていることがあるので、確認しておきましょう。サービス提供責任者の兼務に関しては、「サービス提供責任者は兼務しても大丈夫?対象の職種や事業所、注意点を解説」の記事で解説しています。

サービス提供責任者の仕事はしんどいの?

サービス提供責任者の仕事では、業務の幅広さや人間関係などをしんどいと感じる方がいます。また、規模の小さな事業所はサービス提供責任者の配置が少なく、悩みを相談しにくいことにストレスを感じる場合もあるようです。
サービス提供責任者がしんどいと感じることについては、「サービス提供責任者は大変?つらいと感じる理由や対処法、働くやりがいとは」の記事で解説しているので、チェックしてみてください。

まとめ

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所で働き、適切な訪問介護サービスが提供できるように調整する職種です。利用者さんとヘルパーの橋渡し役や関連機関との連絡・調整、相談対応、ホームヘルパーの指導・教育などを担います。
サービス提供責任者は、ホームヘルパーか管理者のいずれかを兼務でき、基本的に日勤のみの働き方が可能です。

サービス提供責任者になるには、「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」などの資格が求められます。必要なスキルは、介護の知識・技術、コミュニケーション能力、マネジメントスキルなどです。
サービス提供責任者の仕事には、「体力的な比較的負担が少ない」「ヘルパーより給与が高い傾向にある」といったメリットがあります。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2026年9月3日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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