
この記事のまとめ
- ケアプランとは、介護保険のサービスを利用するための計画書のこと
- ケアプランを作成するのは、ケアマネジャーや、サービスを利用する人
- ケアプランには、利用者さんの意向やサービス内容、援助方針などを記載する
介護保険について調べているなかで、「ケアプランとはどんな書類なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。ケアプランとは、介護サービスを利用するために作成する計画書のこと。サービス内容を具体的に記載した書類です。この記事では、ケアプランの種類や作成する人、運用の流れを解説します。実際に使われているケアプランの様式をもとに、記載内容や文例もまとめました。ケアプランについて詳しく知りたい方は、ご覧ください。
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ケアプランとは?
ケアプランとは、介護サービスを利用するための計画書のことです。介護や支援を必要とする方の希望、援助の方針、利用するサービスの種類などを記載します。社会保障である介護保険制度は、ケアプランがなければ利用できません。ケアプランには、介護保険を利用する根拠を示すという重要な役割があります。
日本では、2000年の介護保険制度の創設と同時に、介護サービスを利用するプロセスである「ケアマネジメント」が導入されました。ケアプランを作成・実施し、定期的に評価することで、心身の状態に合ったサービスを提供可能です。ケアマネジメントは、介護や支援が必要な方が、利用するサービスを自ら選択するための仕組みでもあります。
出典
厚生労働省「ケアマネジメントの概況」(2024年5月16日)
利用者さんに応じた3種類のケアプランがある
ケアプランには、「居宅サービス計画書」「施設サービス計画書」「介護予防サービス・支援計画書」の3種類があります。
居宅サービス計画書(居宅ケアプラン)
居宅サービス計画書は、要介護1~5の認定を受けて自宅で生活する方に向けて、介護サービスの利用計画などを記載したケアプランです。居宅サービスには、訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具貸与などがあります。詳しくは、「居宅サービスとは?種類や介護職の仕事内容について分かりやすく解説!」をご覧ください。
居宅サービス計画書を作成する際は、利用者さんやご家族の意向を踏まえて課題を分析し、援助の方針を決定します。
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施設サービス計画書(施設ケアプラン)
施設サービス計画書は、要介護1~5の認定を受けて、介護施設で暮らす方向けのケアプランです。具体的には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどの利用者さんに対して作成します。
施設サービス計画書の特徴は、毎日何時にどのようなサービスを提供するのか分かるよう、日課計画表を作成することです。
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介護予防サービス・支援計画書(介護予防ケアプラン)
介護予防サービス・支援計画書は、要支援1・2の認定を受けた方向けのケアプランです。利用者さんのできることや役割をより重視した内容で、短期目標の期間が1ヶ月以内と短いのが特徴になります。
要支援1・2の方が利用できるのは、予防給付や総合事業の対象となっているサービスです。予防給付は全国一律のサービスで、デイケア、ショートステイ、福祉用具貸与などが該当します。総合事業は、市区町村の定めた基準に基づいて運営されるサービスで、訪問介護やデイサービスが対象です。
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ケアプランを作成する人
ケアプランは、ケアマネジメントの専門家であるケアマネジャーが作成する場合が多くなっています。また、利用者さんやご家族がケアプランを作成することも可能です。
ケアマネジャー
ケアプランは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を持つ人が作成するのが一般的です。ケアマネジャーとは、ケアプランの作成や、介護保険の給付管理などを行う専門職。介護や障がい福祉、医療などに関する豊富な知識を活かして、利用者さんの状況に応じたケアプランを作成します。
ケアマネジメントに利用者負担はないので、ケアプランの作成・給付管理といったサービスは無料で利用可能です。
なお、グループホームでは、ケアマネジャーの資格がない計画作成担当者が、ケアプランを作成することもあります。その場合は、同じ職場のケアマネジャーの指導を受けて、ケアプランを作成することになるようです。
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ケアプラン作成を依頼する方法
ケアマネジャーが配置されている事業所に問い合わせれば、ケアプラン作成を依頼できます。自宅で介護サービスを利用したい方は、居宅介護支援事業所に相談し、施設に入居したい方は、施設に問い合わせるのが一般的です。
要支援の方は、地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。また、介護保険の利用に不安がある場合、地域包括支援センターや、役所の介護保険を取り扱う課に相談してみるのがおすすめです。
介護保険サービスの利用者さんやご家族
利用者さんやご家族が作成するケアプランのことを、セルフケアプランといいます。ケアプランを自ら作成するメリットは、主体的にサービスを利用できることです。なお、要支援の方が総合事業を利用する際は、セルフケアプランが認められない自治体もあります。
セルフケアプラン作成の手順
セルフケアプラン作成の手順を以下にまとめました。
- 1.役所や地域包括支援センターに、セルフケアプランを作成する旨を伝え、書類をもらう
- 2.ケアプランの原案を作成。利用する介護事業所への連絡や、介護報酬の単位数の計算などを行う
- 3.利用する介護事業所のスタッフなどに連絡し、サービス担当者会議を開催。ケアプランを完成させる
- 4.役所や地域包括支援センターにケアプランを提出する
- 5.利用する介護事業所にケアプランなどの必要書類を交付。契約をしてサービスの利用を開始する
- 6.介護報酬請求に関する事務作業を実施。毎月、介護事業所との月間サービス予定・実績の共有や、役所へのサービス利用実績の提出を行う
- 7.サービスを利用しながら、適宜ケアプランの見直しを行う
セルフケアプランを作成する場合、介護報酬の単位数の計算や関係者との連絡・調整など、複雑な事務作業をすべて自分で行う必要があります。そのため、介護保険制度を正しく理解していなければ難しいでしょう。セルフケアプランを利用したい方は、事前に役所や地域包括支援センターに相談しておくとスムーズです。
ケアプラン作成・運用の流れ
ケアプラン作成から運用までの一般的な流れは、次のとおりです。
- 1.インテーク
- 2.アセスメント
- 3.ケアプラン原案の作成
- 4.サービス担当者会議
- 5.ケアプラン原案の修正
- 6.ケアプラン交付
- 7.介護保険サービスの利用開始
- 8.モニタリング
それぞれ以下で解説するので、ケアマネジメントの手順を知りたい方はチェックしてみてください。
インテーク(ケアマネジャーと利用者さんの面談)
インテークとは、ケアマネジャーと利用者さんやご家族の初回面談のことで、対面や電話で行います。利用者さんの家庭環境や抱えている課題、希望などをヒアリングすることに加え、信頼関係を築くのも目的です。インテークで、具体的に何に困っているのかという課題をしっかりと共有できていれば、その後のケアマネジメントがスムーズになります。
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アセスメント(情報収集・課題分析)
アセスメントとは、利用者さんの自宅へ訪問し、ご本人やご家族から情報を集めて、課題を分析することです。介護状況や健康状態、サービスの希望などを聞き取り、ケアプラン作成に活かします。「1人で入浴をするのが危ない」「ご家族がオムツ交換に負担を感じている」など、生活上の課題を把握。利用者さんやご家族の希望を踏まえたうえで、課題を解消するために必要なサービスの種類や頻度を検討します。
アセスメントについては、「介護におけるアセスメントとは?アセスメントシートの書き方やマナーを解説」の記事に詳しくまとめているので、あわせて参考にしてください。
ケアプラン原案の作成
アセスメントの結果や主治医の意見書をもとに、ケアプランの原案を作成します。ケアプランの原案の記載内容は、利用する介護事業所や、提供する介護サービスの具体的な内容などです。介護事業所を選ぶ際は、利用者さんが介護施設を見学することもあります。
サービス担当者会議
サービス担当者会議は、利用者さんやご家族、ケアマネジャー、介護事業所の職員が、利用者さんの自宅に集まり、ケアの方向性を話し合う場です。サービス内容に過不足はないか、目標や援助の方針は適切かなど、ケアプランの原案をチェックします。
デイサービスの職員から、「昼の服薬介助は不要か」と質問があったり、訪問介護の職員から、「自宅で安全に入浴をするためには、浴室に手すりが必要」という提案があったりすることも。実際に介護サービスを提供する側の意見や、サービスを利用する側の不安を聞けるのが、サービス担当者会議です。
ケアプラン原案の修正
サービス担当者会議を受け、ケアプラン原案に見直しの必要があれば、修正します。ケアプラン見直しの例は、サービスの頻度や内容の変更、利用する福祉用具の追加などです。利用者さんやご家族、関係者の意見を反映させることで、最適なケアプランが完成します。
ケアプラン交付
ケアマネジャーから、利用者さんやご家族にケアプランの内容を説明し、同意のサインをもらいます。ケアプランが完成したら、利用者さんや介護サービスを提供する事業所への交付が必要です。
介護保険サービスの利用開始
それぞれの介護事業所が、ケアプランに基づいて個別援助計画を作成します。個別援助計画に記載するのは、計画作成者の名前や具体的な介助方法、ケアを行う際の留意点などです。個別援助計画への同意と契約の締結が終われば、サービスの利用を開始できます。
モニタリング
モニタリングとは、「ケアプランに沿って介護サービスが提供されているか」「利用者さんの状態に変化はないか」をチェックすることです。ケアマネジャーは、月に1回(要支援の場合は3ヶ月に1回)以上モニタリングを行い、利用者さんにサービスの満足度や困っていることなどを聞き取ります。
モニタリングは、テレビ電話などの情報通信機器を用いて行うこともできますが、少なくとも2ヶ月に1回(要支援の場合は6ヶ月に1回)以上は、利用者さんの自宅に直接訪問しなければなりません。
ケアプランの評価・見直し
モニタリングを行った結果、支援に過不足がある場合は、ケアプランを見直します。ケアプランを評価する際は、目標の達成度や現在の利用者さんのニーズを分析することが必要です。
ご家族や介護事業所の職員は、利用者さんの普段の様子をよく知っています。「できること」「できないこと」「本当のニーズ」を把握するためには、利用者さんだけではなく関係者からも情報を集めることが大切です。
また、ケアマネジメントが適切に行われていることを確認するため、自治体などの第三者がケアプラン点検を行うこともあります。ケアプランが適正か評価する仕組みがあるため、利用者さんは安心してサービスを使えるでしょう。
ケアプランに記載する内容
居宅サービス計画書(居宅ケアプラン)に記載する内容は、以下のとおりです。
| 名称 | 記載事項 |
| 第1表:居宅サービス計画書(1) | 利用者さんの基本情報、意向、援助方針 |
| 第2表:居宅サービス計画書(2) | 利用者さんの課題、目標、サービス内容 |
| 第3表:週間サービス計画表 | 利用者さんの週間スケジュール、活動内容 |
| 第4表:サービス担当者会議の要点 | サービス担当者会議の検討内容・結論 |
| 第5表:居宅介護支援経過 | ケアマネジャーが行った支援の内容 |
| 第6表:サービス利用票 | 1ヶ月間の介護サービスの利用予定 |
| 第7表:サービス利用票別表 | 1ヶ月間の介護サービスの回数や単位数、利用者さんが負担するサービス料金 |
参考:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」
居宅サービス計画書は、第1表~第7表の7枚です。このうち、第4表と第5表を除いた5枚を、利用者さんや介護事業所に交付します。ケアプランは、利用者さんが必要な支援を受けるための利用計画なので、分かりやすく具体的に記入することが重要です。
ケアプラン作成の手順
ケアプラン作成の際は、第1表の基本情報や、利用者さんとご家族の意向、課題分析の結果から記入します。課題分析を行って利用者さんのニーズが明確になったら、第2表の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を記載し、第2表の目標や援助内容を埋めていきましょう。
第2表のサービス内容や、利用者さんから聞いた普段のスケジュールをもとに、第3表の週間サービス計画表を記入します。第2表と第3表が埋まったら、利用者さんやご家族、介護事業所と話し合い、チームケアの方向性を決定。ここで、第1表の「総合的な援助の方針」を記入しましょう。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第1表「居宅サービス計画書(1)」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:居宅サービス計画書(1)」
下記では、居宅サービス計画書(1)の項目ごとに、記載内容や文例をご紹介します。
初回・紹介・継続
「初回・紹介・継続」のいずれかを選択し、ケアマネジメントの利用状況を明確にします。初めてケアプランを作成する場合は「初回」、ケアプランの見直しの場合は「継続」です。
「紹介」は、ほかの居宅介護事業所や介護施設から紹介されたときに選びます。紹介の場合、これまでの支援記録を参考にしてケアプランを作成することが必要です。
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」の欄には、ニーズと課題分析の結果を記載します。利用者さんが生活の希望をあまり話さないときは、積極的に意向を示せるように支援することも求められるでしょう。
課題分析は、利用者さんやご家族の意向を踏まえたうえで、自立支援の視点で行います。利用者さんの持っている力や生活環境を加味し、地域で自立した生活を営めるよう考慮したケアプランを作成することが大切です。
利用者及び家族の意向・課題分析の結果の文例
ここでは、「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」の文例をご紹介します。
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利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果 |
ご本人:今までどおり自宅で暮らしたい。娘に迷惑をかけたくない。 |
|
長女:母の希望を尊重したい。自宅は浴槽が深いので、施設で安全に入浴してほしい。少し認知機能が低下しているのが気になる。 |
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|
課題分析の結果:デイサービスや福祉用具貸与を利用し、自宅での生活を継続できるよう支援する必要がある。 |
「利用者さんの意向」と「ご家族の意向」の両方を把握する必要があるため、利用者さんとご家族のニーズが異なる場合は、それぞれ分けて記入するのがポイントです。
介護認定審査会の意見及びサービスの種類の指定
介護保険の被保険者証を確認し、「介護認定審査会の意見及びサービスの種類の指定」の記載があれば転記し、なければ「なし」と記入します。「介護認定審査会の意見及びサービスの種類の指定」がある場合、記載内容に沿ったケアプランを作成し、サービス担当者に周知しなければなりません。
総合的な援助の方針
「総合的な援助の方針」には、課題分析をして明らかになったニーズに対し、どのような方針でチームケアを行うのかを記載します。援助方針は、関係者と話し合って決めることや、利用者さんの状況の変化に応じて随時見直すことが大切です。
また、サービス提供時に利用者さんの状態が急変することも考えられるため、緊急時の対応方法や連絡先も記載することが推奨されています。
総合的な援助の方針の文例
ここでは、総合的な援助の方針の文例をご紹介します。
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総合的な援助の方針 |
在宅生活を継続できるよう、安全に入浴できる環境を提供する。また、認知機能の低下を予防するために、レクリエーションや地域活動への参加を支援する。 自宅での転倒を予防するために、福祉用具を活用する。 体調不良の際は、長女と主治医に連絡をする。 |
|
緊急連絡先(長女)000-0000-0000 主治医(〇〇病院△△先生)00-0000-0000 |
援助内容だけではなく、目的も記載することで、介護チームが同じ方向を見て利用者さんをサポートできます。
生活援助中心型の算定理由
身体的なケアではない、掃除や調理などの生活援助を訪問介護で利用する場合、「生活援助中心型の算定理由」を記載します。以下のような理由があれば、訪問介護の生活援助を利用できるでしょう。
- 利用者さんが一人暮らしで、心身機能の問題で自身で家事を行うのが難しい
- ご家族が同居しているが、持病や障がいがあるため、家事を行うのが難しい
- そのほか同様のやむを得ない事情がある
一人暮らしで支援が必要な場合や、同居家族が疾病・障がいによって家事を行うのが難しい場合は、生活援助を利用できます。また、やむを得ない事情とは、「家族が高齢でできない家事がある」「家族の介護負担が大きくて生活に支障がある」などです。生活援助中心型の算定理由で「その他」を選ぶ場合は、具体的な理由も書く必要があります。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第2表「居宅サービス計画書(2)」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:居宅サービス計画書(2)」
下記では、居宅サービス計画書(2)の項目ごとに、記載内容や文例をご紹介します。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」をもとに、第2表を記入します。「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」では、日常生活上の課題とその要因、解決するための方法を検討。解決すべき課題を整理し、優先順位の高いものから記入します。
利用者さんができる限り自立した生活を送るための支援が目的なので、介護の問題だけではなく、生活全般の課題も把握することが大切です。そのため、介護保険給付ではない社会的な制度やサービス・私的な援助などによって解決を見込めるニーズも、あわせて記載すると良いでしょう。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)の文例
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)の文例は、以下のとおりです。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) |
| 自宅での生活を継続したい |
| 夜に起きてトイレに行くときに、ふらつくことがある |
| 一人で過ごす時間が長く、言葉を思い出せないことが増えた |
| 体力が低下しているので、施設で安全に入浴してほしい(長女) |
「デイサービスを利用したい」「福祉用具を借りたい」などと書くのではなく、利用者さんが困っていることを具体的に記載し、必要な支援を明確にしましょう。利用者さんやご家族の意向を聞いたうえで、専門的な視点から「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」であると判断したものを記入するのがポイントです。
長期目標・期間
長期目標は、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に対応する内容にします。利用者さんがどのような生活を送りたいのかという、最終的な目標を記入するイメージです。長期目標を決めたら、目標に取り組む期間も設定します。
長期目標の文例
下記では、ケアプランの長期目標の文例をご紹介します。
| 長期目標 | (期間) |
| 自宅で安全に生活できる | R6/2/1~R7/1/31 |
| 認知機能の低下を予防できる | R6/2/1~R7/1/31 |
| 身体衛生を保ち、気持ち良く生活できる | R6/2/1~R7/1/31 |
要介護認定は1~4年ごとに更新が必要で、更新時にはケアプランを再検討することになるため、長期目標の期間は長くても1~4年ほどになるでしょう。
短期目標・期間
短期目標には、長期目標を達成するための段階的な課題を記載します。この短期目標で、ニーズを満たすための具体的な行動を示すことで、求められる援助内容が明確になるでしょう。短期目標にも期間を設定し、目標への道すじを立てます。
短期目標の文例
以下では、ケアプランの短期目標の文例をご紹介します。
| 短期目標 | (期間) |
| 家族の支援を受けながら、自宅での生活を継続できる | R6/2/1~R6/7/31 |
| 手すりを使い、居室からトイレまでの移動を安全に行うことができる | R6/2/1~R6/7/31 |
| 他者と交流を図り、認知機能の低下を予防できる | R6/2/1~R6/7/31 |
| 見守りのもとで安全に入浴できる | R6/2/1~R6/7/31 |
短期目標の期間は、1ヶ月~半年程度が目安です。利用者さんの状態を考慮し、無理のない目標を設定することが、段階的に目標を達成するためのポイントです。
サービス内容・サービス種別
サービス内容の欄には、短期目標を達成するために必要な支援の内容を、具体的に書きます。記入例は、「入浴介助」「レクリエーション」「手すりのレンタルによる移動の支援」などです。また、サービス種別には、「通所介護」「福祉用具貸与」といった介護サービスの種類を記載します。
サービスの利用頻度・期間
頻度の欄には、「週〇回」「必要時」など、支援の頻度を記入します。頻度を設定することは、利用者さんや介護事業所のサービス理解に役立つだけではなく、スムーズな給付管理にもつながるでしょう。サービスの期間は、長期目標の期間に対応する場合が多いですが、サービスを追加した場合などは、一致しないこともあります。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第3表「週間サービス計画表」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:週間サービス計画表」
以下では、週間サービス計画表の記載事項や書き方を解説します。
週間サービス計画
第2表の援助内容に記載したサービスを、週間計画表に当てはめます。介護保険サービス以外の支援も記入することで、利用者さんの1週間のスケジュールが分かりやすくなるでしょう。
主な日常生活上の活動
「主な日常生活上の活動」には、平均的な1日の過ごし方を書きます。具体的な内容は、起床・朝食・昼食・入浴・就寝などです。
週単位以外のサービス
週単位以外のサービスとしては、福祉用具の利用や住宅改修、ショートステイなどがあります。介護保険以外の支援である、「月に1回の通院」「隔週の家族訪問」といった項目も記載すると良いでしょう。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第4表「サービス担当者会議の要点」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:サービス担当者会議の要点」
以下では、サービス担当者会議の要点の記載内容やポイントを解説します。
会議出席者
「会議出席者」には、参加したサービス関係者の氏名と所属(職種)を記載します。利用者さんやご家族が出席した場合は、その旨も書きましょう。
もしも、欠席するサービス関係者がいる場合は、その人の氏名や所属、欠席事由も書かなければなりません。ただし、ほかの書類で欠席について確認できれば、省略が可能です。
検討した項目
検討した項目には、「介護保険更新に伴うご本人の意向の確認」「デイサービスの利用について」など、会議の検討内容を記載します。検討項目が複数ある場合は、箇条書きにするのがおすすめです。
検討内容
検討項目について、具体的にどのような協議をしたのかを記録します。多職種が集まる会議なので、誰の意見なのかが分かるように記入することが大事です。検討したサービス内容に加え、サービスの提供方法や留意点、頻度なども書くのがポイントになります。
結論
サービス担当者会議で検討された内容の結論を記載します。「現在のサービスの利用を継続する」「訪問介護による買い物同行を追加する」のように、結論は簡潔にまとめましょう。
残された課題
結論が出なかった検討内容や、会議で新たに見つかった課題などがあれば、「残された課題」の欄に記入します。たとえば、「今後、認知症の症状が進行すれば、支援内容を見直す必要がある」といった内容です。計画的に支援を進めるために、次回の会議の開催時期も記載しておきましょう。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第5表「居宅介護支援経過」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:居宅介護支援経過」
居宅介護支援経過は、ケアマネジメントの経過を示す重要な書類です。利用者さんやご家族の発言内容、介護事業所との連絡の内容などを、分かりやすく記入しましょう。別途でモニタリングシートを作成している場合は、「モニタリングの内容は別紙参照」としても大丈夫です。
居宅介護支援経過の内容は、ケアプランの作成・見直しを行う際の根拠になります。後回しにしてしまうと、正確な記録を残せないので、できるだけ早めに書くようにしましょう。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第6表「サービス利用票」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:サービス利用票」
下記では、サービス利用票の記載内容と書き方をご紹介します。
提供時間帯
提供時間帯には、各サービスの提供時間を24時間制(0時~24時)で記載します。提供時間帯が早いサービスから記入するのがルールです。なお、福祉用具貸与は、提供時間帯を書く必要がありません。
サービス内容・事業所名
サービス内容には、サービスの名称を記載します。サービスの名称とは、「介護給付費単位数・サービスコード表」の省略名称のことです。サービス内容には、介護報酬の加算も記載します。事業所名には、サービスを提供する介護事業所の名称を記入しましょう。
月間サービス計画及び実績の記録
「予定」には、介護サービスの提供回数を記載します。通常、サービスを提供する日に「1」と書くようです。「実績」は、計画作成時には記入しません。
区分支給限度基準額・限度額適用期間
「区分支給限度基準額」「限度額適用期間」は、介護保険被保険者証から転記します。介護報酬の請求に関わる内容なので、利用票に記載項目が設けられているようです。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
第7表「サービス利用票別表」の様式・書き方

引用:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.958:サービス利用票別表」
サービス利用票の内容をもとに、別表を作成します。サービス利用票別表は、給付管理を行うために、事業所番号やサービスコードなど、詳細な情報を記入する書類です。記入することで、介護サービスごとの単位数や、利用者負担額が分かります。
出典
厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2024年5月16日)
ケアマネジメントを行う際の注意点
ケアマネジメント業務を行う際に気をつけたいポイントを、以下にまとめました。
- 利用者さんに必要な情報を提供する
- 利用者さんの意思を尊重する
- 重要事項やサービス内容を丁寧に説明する
- 介護保険の利用者負担について十分に説明する
ケアマネジャーの役割は、利用者さんが納得して介護サービスを使えるように支援することです。そのため、サービス内容や利用料についてなど、しっかりと情報提供をしましょう。
ケアプラン作成の注意点
ケアプランを作成する際は、次のようなことに気をつけましょう。
- 専門用語ではなく、利用者さんやご家族に分かりやすい表現で記入する
- サービス内容は具体的に記入する
- 介護保険サービスだけではなく、地域資源や医療サービスなども記載する
- ご家族の介護負担を考慮し、無理のない計画を立てる
- 公正・中立な立場を保つ
介護サービスの主体は利用者さんなので、利用者さんが理解できるケアプランを作成することが大切です。介護保険サービス以外のフォーマルサービスも記載しておけば、利用者さんの生活の様子が分かりやすくなります。
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ケアマネジメントを利用する際のポイント
介護サービスを利用するためにケアマネジメントを依頼する方は、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。
- ケアマネジャーに希望や意見を伝える
- ケアプランの説明を聞き、納得したうえでサービスを利用する
- 健康状態の変化など、心配なことはケアマネジャーに相談する
ケアマネジャーは、介護サービスを利用するための窓口ともいえる存在です。ケアプランを作成してもらうときは、しっかりと悩みや希望を伝え、分からないことは質問することで、納得して介護サービスを利用できます。
ケアプランに関するよくある質問
ここでは、ケアプランに関するよくある質問に回答します。「ケアプランってどんなものなの?」と疑問に感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ケアプランとは何か分かりやすく教えてください!
ケアプランとは、分かりやすく説明すると、介護保険を利用するための計画書のことです。要介護・要支援の方が、介護保険サービスを利用するためには、支援の内容を記したケアプランが必要になります。ケアプランについては、この記事の「ケアプランとは?」で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
ケアプランと介護計画の違いは?
ケアプランは、ケアマネジャーが利用者さんの援助方針をまとめたもので、「介護サービス計画書」とも呼ばれます。利用者さんの支援全般に関わることを記載するのが、ケアプランです。一方の「介護計画書」は、実際に介護サービスを提供する事業所が作成する、個別援助計画のこと。デイサービスや訪問介護事業所などが、提供する介護サービスに関する情報を記載するのが、介護計画書です。
まとめ
ケアプランとは、要介護・要支援の認定を受けた方が、介護サービスを利用するための計画書です。介護保険のサービスを利用するためには、ケアプランが必須となります。ケアプランは、ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成するのが一般的ですが、介護保険を利用する方やご家族が作成することも可能です。
居宅サービス計画書(居宅ケアプラン)には、利用者さんの意向やサービス内容、援助方針などを記入します。ケアプランは、利用者さんが介護サービスを使うための書類なので、分かりやすく書くのがポイントです。
「ケアマネジャーに転職したい」「介護業界でキャリアアップを目指したい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界を専門とする転職エージェントです。介護事業所の職場見学のセッティングといったサポートも行っているので、仕事内容をイメージしてから転職を決断できます。「ケアマネ以外にはどんなキャリアがある?」といった相談にも対応可能です。サービスは無料なので、ぜひご活用ください!
登録は1分で終わります!
執筆者

実
元介護士ライター
グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。



