サービス提供責任者とケアマネの違いとは?それぞれの業務内容を解説!

介護の仕事 2023年8月17日
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笑顔の男性介護士と女性介護士の画像

介護職のキーパーソンとして、重要な役割を果たしているサービス提供責任者とケアマネ(ケアマネジャー)。どちらの職種も、介護におけるマネジメント業務を担っているという意味ではよく似ているかもしれません。ここでは、そんなサービス提供責任者とケアマネの違いについてわかりやすく解説していきます。サービス提供責任者とケアマネは、いずれも介護分野で欠かすことのできない職種。これから介護業界での就職・転職を目指す方は、知っておくと役立つときが訪れるはずです。

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目次

サービス提供責任者とケアマネどこが大きな違い?

立ち上がりの介助をする男性介護士の画像

サービス提供責任者とケアマネには、仕事に似ている部分があります。しかしもっとも大きな違いは、業務における調整対象ではないでしょうか。ここでは、サービス提供責任者とケアマネの違いについて解説します。

調整する対象の違い

ケアマネは、訪問介護サービスやデイサービス、介護用品のレンタル事業者など幅広い介護に関連する部署を対象にした調整役を担います。介護を必要としている利用者やその家族の相談を受けて、生活状況や必要とする支援を把握。その情報をもとに、利用者に必要な介護を提供するためのケアプランを作成する業務が中心です。ケアマネが対象とするのは利用者やその家族、さまざまな分野の介護サービスの提供者でとなります。
これに対してサービス提供責任者は、ケアマネが作成したケアプランをもとに訪問介護計画書を作成。この計画書には、より具体的な介護内容や手順等が記載されています。利用者さんや介護事業所の介護スタッフを対象に、調整役を果たす立場です。

サービス提供責任者は介護業務もこなす

サービス提供責任者は、ケアマネよりも介護現場に近いところで業務を行っています。ケアプランにそって訪問介護計画書を作成する際には利用者さんのお宅を訪問し、具体的にどのような介護を必要としているのか把握しなくてはなりません。また、介護事業所で介護業務を兼ねているサービス提供責任者も多く、シフトに穴が開いたときには介護スタッフとして介護業務を提供することもあります。

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サービス提供責任者の仕事内容は?

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サービス提供責任者は、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?仕事内容を理解することで、よりサービス提供責任者とケアマネの違いがイメージしやすくなるはずです。

訪問介護計画書の作成業務

サービス提供責任者の代表的な業務は、訪問介護計画書の作成業務です。訪問介護計画書とは、ケアマネジャーが作成したケアプランにそう形で、より詳細な介護の手順や介護方法を記載したもの。作成する際には事前に利用者さんのお宅を訪問して、本人やご家族と面会しながら必要なサポートを把握します。
訪問介護計画書を作成して介護サービスを提供する段階では、適切な介護サービスが提供できているか、ほかに必要な介護はないかも重要。これについて、定期的に利用者さんのもとを訪ねて確認することも、サービス提供責任者の大事な仕事です。もし利用者のニーズに合わせて介護内容を変更が求められる場合は、ケアマネジャーや各方面の介護スタッフを集めて検討会をひらきます。情報共有をはかりながら、ケアマネジャーにケアプランの変更を促し訪問介護計画書も更新するのです。

事業所の運営管理と介護スタッフの指導

サービス提供責任者は、介護事業所の運営管理や介護サービスの品質管理にも携わっています。介護サービスの品質管理の一環として、現場で働く介護スタッフへの教育指導、研修なども定期的に実施。また、介護スタッフのシフトやスケジュール調整などもサービス提供責任者の任務です。

介護業務

介護事業所によっては、サービス提供責任者が介護スタッフを兼任しているケースが少なくありません。実際に現場に出て介護サービスを提供することは、利用者にとって本当に必要な介護を理解することにつながります。

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ケアマネの仕事内容は?

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続いて、ケアマネの仕事内容を詳しくご紹介していきましょう。

ケアプランの作成業務

ケアマネの一番重要な業務は、ケアプランの作成です。介護サービスを受けるためには、介護が必要であると認定してもらわなくてはなりません。介護を受けたい利用者さんは、最寄りの市区町村の担当窓口で介護の申請を行います。この申請を受けて、市の担当職員や委託されたケアマネジャーなどが申請者の自宅へ訪問。介護が必要かどうかの健康状態や生活状況を調査します。
また、主治医に健康状態についての意見書を書いてもらい、調査報告書とともに介護の必要性や介護度の判定するのが介護認定審査会です。介護認定審査会では「非該当」「要支援の1~5」「要介護の1~5」の10段階に区分し、認定の場合は介護保険被保険者証と負担割合証が利用者宅に郵送されます。そして居宅介護支援事業所などに介護サービスの依頼が入り契約を結んだあと、各事業所に所属するケアマネが要支援や要介護度に合わせたケアプランを作成。これによって、介護サービスがスタートする流れです。

アセスメントの評価

ケアプランに沿った介護サービスが適切に実施されているかどうか、アセスメントを行うこともケアマネの重要な業務のひとつです。ケアマネは定期的に利用者宅を訪問し、介護サービスの評価を行います。アセスメントは利用者さんにとって適切な介護かどうか、足りていないものはないか問題点を明らかにしていくこと。アセスメントの結果次第では、ケアプランを変更することもあります。例えば利用者さんから「買い物が不安だからスーパーへの行き帰りの付き添いもお願いしたい」という要望があれば、これをケアプランに盛り込むといった形です。また、介護事業者に対して介護給付が行われるよう、都道府県の国民健康保険団体連合会へ必要書類を提出することなどもケアマネの業務となります。

利用者さんや介護事業者・関連部署間の調整役

ケアマネは利用者さんや介護サービスを提供する事業所など、関連する部署間の調整役も果たしています。訪問介護サービスやデイサービス、福祉用具の貸与など、さまざまな事業者間の調整役を果たすのもケアマネの仕事です。さらに介護保険サービス以外の宅食サービスや地域ボランティアとの調整役、利用者さんが施設へ入所する場合には本人やご家族の希望にあわせた施設選びのサポートなども行います。

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サービス提供責任者とケアマネそれぞれのやりがいや大変なこと

介護士がガッツポーズしている様子

サービス提供責任者とケアマネの違いは、仕事内容だけではありません。それぞれに得られるやりがい、あるいは大変なことについても見ていきましょう。

サービス提供責任者のやりがいや大変なところ

サービス提供責任者は介護サービスの品質管理業務なども担い、介護事業所における介護スタッフの教育係としても役割を果たしています。そのため、指導者としてやりがいが感じられるでしょう。しかし一方、スタッフが足りないときは代わりに介護業務を引き受けなくてはならいなど、忙しいという側面もあるようです。

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ケアマネのやりがいや大変なところ

ケアマネのおもな仕事は、介護を利用する方が自立した生活が営めるようにケアプランを作成すること。利用者さんが充実した生活が送れるようになれば、やりがいを感じられます。ただし、利用者さんやそのご家族からはさまざまな要望があり、すべてをケアプランに盛り込むことは難しいかもしれません。要望に応えきれないことに、悩んでしまうこともあるでしょう。

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サービス提供責任者とケアマネージャーに関するよくある質問

サービス提供責任者とケアマネージャーに関するよくある質問に回答します。「サ責になりたい」「ケアマネージャーになりたい」と考えている方は、ぜひご一読ください。

サービス提供責任者になるにはどうすれば良いの?

サービス提供責任者になるには、「介護福祉士実務者研修」もしくは、「介護福祉士」どちらかの資格が必要です。

資格取得がしやすいのは、「介護福祉士実務者研修」。実務者研修は、450時間分の研修を受けると取得できます。すでに初任者研修を取得している場合は、130時間分のカリキュラムが免除されるので、より短期間で取得が目指せるでしょう。無資格から実務者研修を取得する場合は、最短で6ヶ月程度かかるようです。

ケアマネージャーになるにはどうすれば良いの?

ケアマネージャーになるには、介護支援専門員の資格が必要です。介護支援専門員の資格は、「介護支援専門員実務研修受講試験」(通称、ケアマネージャー試験)を受験し、合格すれば取得できます。介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は、「相談援助業務の実務経験が5年以上あること」もしくは、「特定の国家資格を有し、5年以上の実務経験があること」です。
詳しくは「ケアマネになるには?最短で何年?受験資格や取得までの流れを解説」の記事をご覧ください。

サービス提供責任者は、ケアマネージャーを兼任できるの?

サービス提供責任者は、介護職員や管理者などの職種の兼任ができますが、ケアマネージャーは兼任できません。また、サービス提供責任者の兼任は本来の業務に支障が出ない範囲で認められており、支障が出る場合は、他職種の兼務は認められないので注意が必要です。

原則として、サービス提供責任者は専従で配属されることが望ましいので、兼任の可否については施設に確認するようにしましょう。

まとめ

赤いポロシャツを着た女性の画像

サービス提供責任者もケアマネも、介護におけるマネジメント業務を担っています。サービス提供責任者とケアマネの大きな違いが、調整する対象。サービス提供責任者は、介護事業所の介護スタッフや利用者さんを対象にした業務が中心です。一方でケアマネは訪問介護サービスやデイサービス、介護福祉レンタル事業者など、幅広い介護分野を対象にして調整役を果たしています。

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※この記事の掲載情報は2023年8月17日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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